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    三郎

    B0NNoU

    DONE一左馬/
    いち兄の恋心を敏感に察知するいち兄大好き三郎視点のお話。
    ほのぼの。サは一切出てこない。

    フォロワー誕生日にプレゼントするお話。
    碧ちゃんお誕生日おめでとう!!
    人生初イチサマなので許して……
    お目当てはあの人?「ご苦労さまです」

    愛想の良い表情を浮かべ三郎は宅配便を見送る。すぐに閉めると迷惑だったみたいに思われるのも嫌で、階段をかけ下りる足音が聞こえなくなるまで伝票を眺めていた。もしかしたら危険物かもしれない、と想像しながら文字を指でなぞり内容をひとつずつ丁寧に確認していく。宛先は長兄である一郎、送り主は通販サイトで品目は僕らの新しいアルバムのタイトルが記載されていた。僕か二郎のブロマイド目当てだろうか。ドアを閉めた瞬間、別の考えが浮かび顔から生気が失われる。

    よくよく考えたらこのサイトの特典に僕らは居ないのだ。確かナゴヤの波羅夷空却、シンジュクの神宮寺寂雷、そしてヨコハマの碧棺左馬刻───


    まさかと浮かんだ思考回路をかき消すように廊下を走る。とにかくこの荷物をいち兄の部屋に置いて忘れてしまいたい。中身を確認して「伝票の書き間違いか」と安心したいところだが、人の荷物を勝手に見るほど僕の性格は腐ってない。なにせ相手は尊敬するいち兄だ。余計に出来ない。
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    maybe_MARRON

    MOURNING左馬一
    左馬刻+二郎三郎、犬猿を経て良き理解者になると思っています
    一郎+合歓は恋バナ友達
    ここにアップするのをすっかり忘れていましたが、インテのサマイチプチに気持ちだけでも参加したくて書いたものでした
    はいはい、どうぞお幸せに   元TDD 碧棺左馬刻 山田一郎 結婚

     新聞の一面からネットニュース、テレビにSNSまで。その日は一日中、同じタイトルが世間を賑わせた。彼らが恋仲であることは、誰もこの日まで知らなかったからである。
     H歴崩壊から二年。共闘の末、犬猿の仲だった彼らが和解したことは、民間人含めおおよその人間が知っていた。しかし、それ以降彼らが表舞台に立つ機会は減り、特に左馬刻は本来の裏仕事に徹することが多く、メディア露出がほとんどなくなっていた。ステージの上で共演することも一切なかった二人である。交際中であったことを知るどころか、一緒にいる姿を見かけることすらなかった。
     そんな二人の、突然の結婚。報道関係者向けに送られたメッセージは至ってシンプルなものだった。当然記者会見なんてものもなく、ニュースは専ら二年以上前の彼らの映像と、イケブクロやヨコハマの住人、それから元チームメイトへのインタビューなどで構成されていた。そうして全員、口を揃えて言うのだ。「知りませんでした」「驚きました」と。今日までどれだけの交際期間があったのかも知らない、そんな電撃結婚。
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    s a t o u

    DONEピアノとモブと三郎
    鋼鉄の箱庭にて それは別れの曲だった。
     僕が初めてその旋律を耳にしたのは放課後。来年の春には取り壊される予定の、旧校舎二階の音楽室に「彼」はいた。もうずっと調律もされていないであろうグランドピアノの鍵盤を、まるで数学の問題を解くような正確さで彼は奏でていた。
     無感情に、あたりまえに。
     ちらちらと踊る埃が夕陽に照らされる音楽室の真ん中に彼は座っていた。フレデリック・ショパンによる練習曲作品十第三番。その日、その瞬間、彼はそれを弾いていた。僕と同じく天才と呼ばれる山田三郎が、あの日、あの瞬間、あの音楽室にいたのだ。






     水曜日だった。
     連れ立って運動場や体育館へ向かう放課後の生徒の波に逆らって、僕は旧校舎へと向かっていた。数年前に耐震工事が施された新校舎が完成してからは、古びた長机や錆びついたキャビネットなんかが積まれるだけの、ほとんど物置同然と化している場所。その校舎の二階、いちばん奥にあるのが音楽室だった。名だたる音楽家たちの肖像画も、所々破れて中身が見えている椅子も、がたついた譜面立ても全て新校舎の音楽室へと運ばれたが、グランドピアノだけが取り残されたらしい。僕はいつしか、誰もいない校舎の誰もいない教室にひっそりと佇むピアノに会いに行くのが習慣になっていた。そして、その日もそうしていた。
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    🐼ぱつ🐼

    TRAINING月寿
    察しが良すぎるせいで、人から向けられる好意にやんわり壁を作ってしまう寿三郎くんの話と、その続き
    ⚠️大学でモテまくる寿三郎くん
    ⚠️モブ女の子出てきます
    恋の涙【壁】
     
     これは、モテ期っちゅうやつなんやろか。
     
     波のように押し寄せる眠気と必死に戦ってなんとか勝ち抜いた講義の後。バイトの時間までどこで昼寝しよかな……なんて考えていたら、小こくて可愛らしい子(俺から見れば大抵の人間は小さいんやけど)が近寄ってきて、連絡先を聞かれた。まぁ連絡先くらい教えてもええか、減るもんちゃうし。と、軽い気持ちでLINEを交換していたら、私も私も~言うて数人の女子に囲まれてもうて。なんや有名人になった気分やけど、嬉しいかと聞かれるとようわからん。
     決して自慢では無いけれど、こんな風に女子に囲まれるのはこれが初めてではない。大学に入学してから同じような状況が発生することが度々あって、おかげさんで俺の友だちリストは名前と顔の一致せん女の子達でいっぱいやし、ストーリーを開けば、よく知らん子達のキラキラした日常や、黒字に小さい文字でびっしり書かれた愚痴なんかが、怒涛の勢いで流れてくる。以前、髪色を変えたという投稿に何となく『似合っとるね』とコメントしてみたら、その後事あるごとにDMがくるようになったから、軽い気持ちで反応するのはもうやめた。
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