やぎしずに乾杯 やぎしずにかんぱい🍻
八木に声を掛けられ隣にちょこんと腰かける。それまで八木の隣にいた先輩の間に引っ張られて押し込まれ小さくなる。なんだか居心地が悪いのは、周りがいつも何やら微笑まし気な目を向けるからだ。
「八木ほんと田中来たら絶対捕まえるよなぁ~」
八木は小首を傾げて志津摩の為に小皿と割りばし、おしぼりを前に引き寄せる。
「あ? 志津摩の特等席おれの横だし」
悪びれもなく宣言して「志津摩なに食う?」とメニューを開いて渡される。
てきぱき先にビールを注文されて志津摩の前に置かれる。
「勝手にきめんなよ八木~!」
「うっせえな、志津摩はビールスタートなんだわ」
がじりとから揚げを頬張る八木は志津摩の顔を覗き込んでくる。
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