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    ほの

    なかりせ

    DONE一人一人称、K富の人間が書きましたが恋愛描写なし、診療所メンツとほのぼのが主です。
    ちょっと怪談チックなお話が書きたくてタグをお借りします。季節外れですが夏のお話です。恐怖・暴力描写はありません。
    一人先生は幽霊や魂をどのように切り分けて接することができるのだろう……。引っ張られそうになった時に踏みとどまれるのは、帰る場所・呼ぶ人がいるからってことが書きたかった。
    炎と息吹―200X年 8月XX日 
    とても暑い日だった。オレはたまたま行きあった患者を治療し、病院から帰るところだった。

    ***

    「では、また後日伺いますので」

    一人は一礼して病室を出る。踏みしめるリノリウムの床はひんやりとした空気を抱えており、外のじりじりとした熱射もここまでは届かない。夏の長い日がようやく傾きだし、まだ暑さが残っているだろうビル街を歩くと思うと憂鬱であったが、目の前で倒れた急病人を助けられたことで一人の心は風が通り抜けるようにすっきりとしていた。

    N県からふたつほど県境を越えたところにあるこの都市に来たのは、以前手当をした患者の経過を見るためであった。その用事を終えたときはまだ昼前であったが、帰路に着こうと大通りに出たところで急病人に行きあったのだった。
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    NWarabee

    DONE辺獄にも星は輝く1開催おめでとうございます!
    カルデアのアルターエゴ道満と立香と棒菓子のちょっとほのぼのした(?)リンぐだ♀
    お互いに好意を向け合ってるけど気付いてない絆8
    明日後編も上げられたらいいな。 →後編上げましたぞ!
    49【完成】「さあマスタァ、ここから一本取って下され」
     マイルームに戻るなり黒っぽい細棒を突き出され、藤丸立香は目を白黒させた。彼女の驚愕を愉しげに見守りながら、マイルームに待機していた蘆屋道満は唇をさらに引き上げて微笑みつつ宣う。
    「一本で十分ですぞ。昨今は二本取る流派もあると聞き及んでおりますが、拙僧一本取りのすたいるなれば!」
     何を言っているのか分からない。立香は口を開きかけ、疑問を放つ直前で止めた。
     アルターエゴ・蘆屋道満は酷くひねくれたサーヴァントだ。直接疑問をぶつけても、のらくらと躱されてしまう。彼とまともに問答するにはコツがあると立香は学習済みだった。
     道満の差し出す細棒に視線を落とす。
     一見黒いが茶褐色にも見える棒が数十本、長さは大体どれも同じ。持ち手がやたらと大きいので小さく見えるが、30cmは優に超えるだろう。装飾のないシンプルな形状は小学生時代、図工で使った竹ひごを思い起こさせた。道満はそれを扇形に広げるようにして持っている。
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