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    虚無

    bach_otamama

    TRAININGベルイム。異端審問官の仕事中だと旅で野営になることもあるのかな、と。
    ラスト、カイムが当初よりも虚無を抱いてしまいました。
    個人的に、ベルナールやリタ、母親へ抱く思いはヴィータとして暮らした後天的なものでメギドとしてのカイムは王(ソロモン)の道化として振舞っていて、それが追放の要因なのかな、というイメージがあります。
    ある夜に 王都から遠く離れた村の方が、異端審問が曲解されていることが多い。人命がかかっていることが多いため、馬の利用が許されていても異端の審議のために何日もかけて旅をすることがしばしばあった。極力街道沿いを通るとはいえ運よく村や集落があるとは限らず、野営になることもある。
    「最初の不寝番は私がしましょう」
    「悪いな」
    馬を連れているとなると、野盗に襲われることもある。暖を取る意味でも、火の番は必要だった。

     元から頑健な方だと自負しているが、その夜は疲れているはずなのにベルナールはなかなか寝付けなかった。
    「眠れませんか?」
    「カイム」
    「いや、大丈夫だ」
    カイムは穏やかに微笑んでいる。背こそ高いが、まだ二十歳にもなっていないカイムはベルナールよりもずっと線が細い。その彼が平然としているのに疲れたとは言い難く、ベルナールは首を振った。
    1945

    限界羊小屋

    DONEフレリン Final Day''のフレット側のif
    リンドウがFD''の世界線で虚無っている時間、フレットもフレットでリンドウが失われた世界の夢を見ていたら……というお話。
    風の行方 あの日、あの時間の前に渋谷駅前で何が起こっていたのか俺は知らない。多分何かがあったのだと思う。
     気づいた時にはスクランブル交差点の白線の上で俺たち5人で輪を作るように突っ立っていた。信号は緑色だったが、賑わった道路の真ん中でぼさっと突っ立っていたらそりゃ通行人の邪魔にもなる。急いでハチ公前側に歩を進める俺たちを、道ゆく人々はじろじろ迷惑そうに睨んでいた。
     “俺たち5人”なんて言ったけど面識なんて全く無くて、ただたまたまそこに居合わせただけに過ぎない。少し話をした結果も「全員直前の記憶を失っている」というおかしな共通点しか見出すことができなかった (但し、ガットネーロの白服を着た青年とヘッドフォンをつけた金髪の兄ちゃんは友達同士なのだと言っていた) 。彼らが連れ立って離れていき、大きな眼鏡をかけた少女と猫耳フードの子と3人で取り残されて何となく目を見合わせる。特にそれ以上話すこともなかったから、互いに気まずい思いを抱えたまま「じゃあ、」とだけ挨拶をした。彼女らはそれぞれ別の方向に歩き去っていった。
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