ivy_orchid_mdzs
MAIKING18歳未満閲覧禁止‼️🔞(高校生不可)含光君×夷陵老祖漫画24ページ。
「追憶」(前編)
終始暗い🥺🙏
後編はハピエンで終わります!
後編⇒ https://poipiku.com/3976889/7877660.html
pass:成人済み18↑?(yes/no) 24
ちょりりん万箱
DONEこの日夏の暑さを通り越した雲夢は、秋の実りに恵まれて賑わっていた。
蓮花塢の前の埠頭はその実りを商売する物売りとそれを求める人々で溢れかえり、一年で一番の人出になる。
「かぼちゃはどうかね~!!」
「美味しい大根は今年の初物だよー!!」
「柿、栗ありますよ~!」
道いく人々に商売人たちの呼び込みの声がかけられ、人々は手に品物を抱えては家路につく。
だが、秋のある期間だけは物売りだけでなく人が溢れかえる理由がもう1つあった。
大量の荷を載せた船が何艚もやってきて、船を埠頭に停め蓮花塢に船頭が走る。しばらくして江氏の弟子たちが積まれた荷を見にやってきて何個か小さな書簡を手にしたら、船は荷を載せたまま埠頭を離れる。
それが何回か繰り返されるのだ。
6691蓮花塢の前の埠頭はその実りを商売する物売りとそれを求める人々で溢れかえり、一年で一番の人出になる。
「かぼちゃはどうかね~!!」
「美味しい大根は今年の初物だよー!!」
「柿、栗ありますよ~!」
道いく人々に商売人たちの呼び込みの声がかけられ、人々は手に品物を抱えては家路につく。
だが、秋のある期間だけは物売りだけでなく人が溢れかえる理由がもう1つあった。
大量の荷を載せた船が何艚もやってきて、船を埠頭に停め蓮花塢に船頭が走る。しばらくして江氏の弟子たちが積まれた荷を見にやってきて何個か小さな書簡を手にしたら、船は荷を載せたまま埠頭を離れる。
それが何回か繰り返されるのだ。
ちょりりん万箱
DONE師叔と甥の誕生日 鍛練場に姿を現した江晩吟はいつもと違うその場の空気に固まる。
本来なら弟子たちが規則正しく並び、剣の鍛練に勤しんでいるはずなのに、真ん中に集まるように人だかりになっているのは、何だ?
「へえ~、今はそんなのが流行りなのか」
「こんなのもあるんですよ」
そこでは楽しそうで賑かな声が響く。
誰も江晩吟に気づかない。
「やはり、雲夢だなぁ!流行りものがすぐにわかる!」
一際大きく聞こえてきた声は耳に馴染んだ高さと口調で、その声の主を江晩吟はよく知っていた。
みるみる江晩吟の眦がつり上がり、眉間に深い深い皺が刻まれた。
そのまま大股で人だかりに近寄った江晩吟は腰に手を当て息を大きく吸う。
「魏無羨!!貴様、こんな所で何してる!!」
11938本来なら弟子たちが規則正しく並び、剣の鍛練に勤しんでいるはずなのに、真ん中に集まるように人だかりになっているのは、何だ?
「へえ~、今はそんなのが流行りなのか」
「こんなのもあるんですよ」
そこでは楽しそうで賑かな声が響く。
誰も江晩吟に気づかない。
「やはり、雲夢だなぁ!流行りものがすぐにわかる!」
一際大きく聞こえてきた声は耳に馴染んだ高さと口調で、その声の主を江晩吟はよく知っていた。
みるみる江晩吟の眦がつり上がり、眉間に深い深い皺が刻まれた。
そのまま大股で人だかりに近寄った江晩吟は腰に手を当て息を大きく吸う。
「魏無羨!!貴様、こんな所で何してる!!」
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DONE羅星の下キラキラと春の夜空に星が瞬く。
「う~、さぶっ!」
藍景儀は垂れてきた鼻水をすすりながら、外套を着込むと焚き火の前に座った。
春になったとはいえ、まだ夜は冷える。
特に野外は校服の上に厚手の外套を1枚羽織らなければ、野宿などできない。
「この時期に野外訓練しようなんて提案したのは誰だ?」
「魏先輩だね」
藍景儀の責めるような声に藍思追は返した。
言い出した本人は、ほかの焚き火に分かれて座る弟子たちの所を1つ1つ訪ねては、会話をしていた。
『野宿しよう!んんっ?これだと藍先生から許可が下りないか。ん~……野外訓練だな!』
思い立ったように魏無羨が言い出した話。
『天幕を張ってその中に泊まる。食事は現地調達。焚き火の前で語ろうぜ~』
6617「う~、さぶっ!」
藍景儀は垂れてきた鼻水をすすりながら、外套を着込むと焚き火の前に座った。
春になったとはいえ、まだ夜は冷える。
特に野外は校服の上に厚手の外套を1枚羽織らなければ、野宿などできない。
「この時期に野外訓練しようなんて提案したのは誰だ?」
「魏先輩だね」
藍景儀の責めるような声に藍思追は返した。
言い出した本人は、ほかの焚き火に分かれて座る弟子たちの所を1つ1つ訪ねては、会話をしていた。
『野宿しよう!んんっ?これだと藍先生から許可が下りないか。ん~……野外訓練だな!』
思い立ったように魏無羨が言い出した話。
『天幕を張ってその中に泊まる。食事は現地調達。焚き火の前で語ろうぜ~』
ちょりりん万箱
DONE紙銭静室の庭から白い煙が筋のように伸びて空に舞い上がっている。
焚き火をしているのかと、藍忘機は影竹堂の門を潜り足を止めた。
庭に小さく枯れ葉を積み上げたその焚き火の前に黒い背中が立ち、何かを焚き火に入れている。
入れられた物はすぐに火がつくと焚き火の風に押し上げられ、煙と一緒に空に舞う。
それをじっと見つめる道侶の横顔を焚き火の灯りが浮き上がらせた。その表情がどこか寂しげで儚げで、藍忘機は声をかけるべきか迷った。
「あ、おかえり~」
先に藍忘機に気づきこちらを向いた魏無羨に先程の表情はない。
ざりっと足音を立てて藍忘機は焚き火に近寄ると足元にある紙銭に視線が行った。焼いていたのはこれかと藍忘機は1枚を拾い上げ、そのまま魏無羨を見れば、苦笑いを浮かべている。
2821焚き火をしているのかと、藍忘機は影竹堂の門を潜り足を止めた。
庭に小さく枯れ葉を積み上げたその焚き火の前に黒い背中が立ち、何かを焚き火に入れている。
入れられた物はすぐに火がつくと焚き火の風に押し上げられ、煙と一緒に空に舞う。
それをじっと見つめる道侶の横顔を焚き火の灯りが浮き上がらせた。その表情がどこか寂しげで儚げで、藍忘機は声をかけるべきか迷った。
「あ、おかえり~」
先に藍忘機に気づきこちらを向いた魏無羨に先程の表情はない。
ざりっと足音を立てて藍忘機は焚き火に近寄ると足元にある紙銭に視線が行った。焼いていたのはこれかと藍忘機は1枚を拾い上げ、そのまま魏無羨を見れば、苦笑いを浮かべている。
ちょりりん万箱
DONE側にまた、何か考えているな。
雲深不知処の面々は、魏無羨のうきうきした様子を見ながら底知れない恐怖を感じていた。
やたらと機嫌が良い時ほど要注意というのは経験から皆知っている。
今日も鼻歌混じりで雲深不知処を歩く魏無羨を誰もが遠巻きに見ていた。
そしてこれも皆知っている。
こんな時には近寄らない方が騒動に巻き込まれないーーー
おや?と藍思追の足が止まる。
出入りの商人達が集まる部屋の中に、一際目立つ黒い服に目が行った。
いつになく真剣に商人と座り込んで話し込む姿は間違いなく敬愛する魏無羨。
藍思追はこの部屋で魏無羨を今まで見かけたことがなく珍しいと考えて、はたと朋輩から聞いた話を思い出した。
『魏先輩、また何か企んでいる』
7779雲深不知処の面々は、魏無羨のうきうきした様子を見ながら底知れない恐怖を感じていた。
やたらと機嫌が良い時ほど要注意というのは経験から皆知っている。
今日も鼻歌混じりで雲深不知処を歩く魏無羨を誰もが遠巻きに見ていた。
そしてこれも皆知っている。
こんな時には近寄らない方が騒動に巻き込まれないーーー
おや?と藍思追の足が止まる。
出入りの商人達が集まる部屋の中に、一際目立つ黒い服に目が行った。
いつになく真剣に商人と座り込んで話し込む姿は間違いなく敬愛する魏無羨。
藍思追はこの部屋で魏無羨を今まで見かけたことがなく珍しいと考えて、はたと朋輩から聞いた話を思い出した。
『魏先輩、また何か企んでいる』
ちょりりん万箱
DONEりんごといっしょさらさらと清い水が流れ、緑の木々に囲まれた雲深不知処。
その中のかなり奥まった場所に第二公子が大事に大事に世話をしているウサギたちがいる。
第二公子だけでなく弟子たちもかいがいしく世話をしているが、最近そこに全く種類の違う動物が紛れ込んでいた。
「りんごちゃん、ここにいたか〰️」
大きな耳に黒い体毛のロバは声の主をちらっと見ただけで、川べりに佇み再び草を食む。
「久々に小屋に行ったら居ないから心配したぞ~。思追に聞いたらウサギたちの所だって言うからさ」
足場の岩をひょいひょいと飛び越えて、魏無羨はロバの側に立った。だが、ロバは魏無羨を見ない。
「おいおい、無視するなよ。せっかくいいもの持ってきたのに」
魏無羨は真っ赤な実を2つ取り出した。
9476その中のかなり奥まった場所に第二公子が大事に大事に世話をしているウサギたちがいる。
第二公子だけでなく弟子たちもかいがいしく世話をしているが、最近そこに全く種類の違う動物が紛れ込んでいた。
「りんごちゃん、ここにいたか〰️」
大きな耳に黒い体毛のロバは声の主をちらっと見ただけで、川べりに佇み再び草を食む。
「久々に小屋に行ったら居ないから心配したぞ~。思追に聞いたらウサギたちの所だって言うからさ」
足場の岩をひょいひょいと飛び越えて、魏無羨はロバの側に立った。だが、ロバは魏無羨を見ない。
「おいおい、無視するなよ。せっかくいいもの持ってきたのに」
魏無羨は真っ赤な実を2つ取り出した。
ちょりりん万箱
DONE稀月「なんか、凄くないか?俺の誕生日が満月で、それも今月2回目の満月だなんて」
魏無羨が露縁に立ち、手を拡げてうーんと背伸びをする。
山奥の冷え冴えた空気の中に煌々と照る満月。
竹林の中にある静室は、雲深不知処の中でも隔離された場所にあり、夜になると人の気配は魏無羨と室の主である藍忘機のものしかない。
「稀にそんな月もあるらしい」
露縁に出した卓の上で、自分の杯には熱い茶を、魏無羨の杯には酒を注ぎながら藍忘機は答えた。
「稀ってどのくらい?」
「3年弱に1度だったと、記憶している」
藍忘機の持つ杯から細く白い湯気が上がり茶の香りが辺りに広がる。
「へえ~、その3年に1度に俺の誕生日が当たったのか!おまけにこんなに天気も良くてお月見日和。これは俺の日頃の行いがいいからだな!」
1617魏無羨が露縁に立ち、手を拡げてうーんと背伸びをする。
山奥の冷え冴えた空気の中に煌々と照る満月。
竹林の中にある静室は、雲深不知処の中でも隔離された場所にあり、夜になると人の気配は魏無羨と室の主である藍忘機のものしかない。
「稀にそんな月もあるらしい」
露縁に出した卓の上で、自分の杯には熱い茶を、魏無羨の杯には酒を注ぎながら藍忘機は答えた。
「稀ってどのくらい?」
「3年弱に1度だったと、記憶している」
藍忘機の持つ杯から細く白い湯気が上がり茶の香りが辺りに広がる。
「へえ~、その3年に1度に俺の誕生日が当たったのか!おまけにこんなに天気も良くてお月見日和。これは俺の日頃の行いがいいからだな!」
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DONE寸話「あ、ありがとうございました……」
ちらりちらりと自分たちの後ろに向けられる視線に藍氏の弟子たちはさもありなんと皆、苦笑した。
この場に漂う異臭。
その異臭を放つ存在が自分たちの後ろにある。というか、いる。
「いえ、これで怪異もおさまるでしょう」
藍思追が丁寧に言うと明らかにほっとした屋敷の当主は藍氏の仙師ににっこりと笑った。
「些少ではございますが、皆様、お食事を用意してございます。よろしければ……」
主の言葉が詰まったのはしょうがないだろう。
異臭を放つ存在が家の中に入ってしまったらと考えるのは当然だ。
「あ、いえ、お気づかいなく」
藍思追は辞退しようとそう答えた。
当主の3人の娘たちは、姑蘇藍氏の若い見目麗しい仙師たちに声をかけたくて、柱の陰からこちらに熱い視線を向けている。
4142ちらりちらりと自分たちの後ろに向けられる視線に藍氏の弟子たちはさもありなんと皆、苦笑した。
この場に漂う異臭。
その異臭を放つ存在が自分たちの後ろにある。というか、いる。
「いえ、これで怪異もおさまるでしょう」
藍思追が丁寧に言うと明らかにほっとした屋敷の当主は藍氏の仙師ににっこりと笑った。
「些少ではございますが、皆様、お食事を用意してございます。よろしければ……」
主の言葉が詰まったのはしょうがないだろう。
異臭を放つ存在が家の中に入ってしまったらと考えるのは当然だ。
「あ、いえ、お気づかいなく」
藍思追は辞退しようとそう答えた。
当主の3人の娘たちは、姑蘇藍氏の若い見目麗しい仙師たちに声をかけたくて、柱の陰からこちらに熱い視線を向けている。
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DONE誕辰藍氏双璧は、黙った。
「……何、その無言の反応」
腰に手を当てて、仁王立ちする魏無羨が目を細める。
「疑ってるのか?」
魏無羨の低い声に藍忘機はゆっくりと首を振る。
「疑ってはいない。信じられないだけ」
「それを疑っているというんだ、藍湛」
びしっ、と人差し指で藍忘機を指した魏無羨はふん、と鼻息荒く告げる。
「この思念紙人形、名付けて『気持ちわかる君』は凄いんだぞ!!」
その名前からいって怪しいのだ、と藍忘機の目が訴えている。藍曦臣に至っては無言のまま、笑顔だ。
「久々の俺の発明品!これをぺたりと貼れば、その物に残っている思念を20秒だけ、語ってくれる紙人形だ!」
じゃーんと見せられた紙人形には赤い色で書かれた呪文と顔の真ん中に口が描いてある。
3294「……何、その無言の反応」
腰に手を当てて、仁王立ちする魏無羨が目を細める。
「疑ってるのか?」
魏無羨の低い声に藍忘機はゆっくりと首を振る。
「疑ってはいない。信じられないだけ」
「それを疑っているというんだ、藍湛」
びしっ、と人差し指で藍忘機を指した魏無羨はふん、と鼻息荒く告げる。
「この思念紙人形、名付けて『気持ちわかる君』は凄いんだぞ!!」
その名前からいって怪しいのだ、と藍忘機の目が訴えている。藍曦臣に至っては無言のまま、笑顔だ。
「久々の俺の発明品!これをぺたりと貼れば、その物に残っている思念を20秒だけ、語ってくれる紙人形だ!」
じゃーんと見せられた紙人形には赤い色で書かれた呪文と顔の真ん中に口が描いてある。
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DONE暁月夜「藍湛、夜明け前の月だ。綺麗だな」
さっきまで腕の中で散々乱れていたのに、窓辺に立つ魏無羨は月の光を浴びて淡く輝きを放っていた。
かるく上着を羽織っただけのその姿は、気だるさと色香を漂わせ、簡単に藍忘機の理性を狂わせる。
ほかの誰も見たことのない魏無羨を藍忘機は無言で見つめていた。
「藍湛?」
黙って見つめてくる藍忘機に魏無羨は手を伸ばす。
手はすぐに藍忘機に掴まり指先に口づけられた。
「君の方が綺麗だ」
静室にくすっと笑い声が響く。
「いつから、含光君はそんな世辞が言えるようになったんだ?」
本気の言葉をそのままの意味で受け入れてもらえず、藍忘機は首を振った。
「魏嬰、世辞ではない」
「藍湛の方が綺麗だよ」
それこそ世辞ではないかと藍忘機は更に首を振る。
1024さっきまで腕の中で散々乱れていたのに、窓辺に立つ魏無羨は月の光を浴びて淡く輝きを放っていた。
かるく上着を羽織っただけのその姿は、気だるさと色香を漂わせ、簡単に藍忘機の理性を狂わせる。
ほかの誰も見たことのない魏無羨を藍忘機は無言で見つめていた。
「藍湛?」
黙って見つめてくる藍忘機に魏無羨は手を伸ばす。
手はすぐに藍忘機に掴まり指先に口づけられた。
「君の方が綺麗だ」
静室にくすっと笑い声が響く。
「いつから、含光君はそんな世辞が言えるようになったんだ?」
本気の言葉をそのままの意味で受け入れてもらえず、藍忘機は首を振った。
「魏嬰、世辞ではない」
「藍湛の方が綺麗だよ」
それこそ世辞ではないかと藍忘機は更に首を振る。
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DONE秋さる空が茜色に染まる刻限。
雲深不知処の門へと下る階段前で魏無羨と藍景儀はばったりと出会った。
「あれ?魏先輩、どちらに?」
もう門限まであと四半刻もない。これから街へ下りるなどありえず、藍景儀は尋ねた。
「藍湛と思追の迎えだよ」
「あ~、魏先輩もですか!」
1週間ぶりに藍忘機と藍思追が雲深不知処に帰ってくる。
仙督となった藍忘機は多忙を極め、あちらこちらへと飛んで回っており、そのお付きとして今回藍思追が同行したのだ。
「静室で待ってたけど、なかなか帰らないから出てきた。お前も?」
「そうです。俺も思追を寮で待っていたけどなかなか帰らないから」
「なら、一緒に行くか」
「はい!」
思わぬ同行者に魏無羨はクスッと笑うと、階段を下り始める。藍景儀も大人しく後ろをついてきた。
5945雲深不知処の門へと下る階段前で魏無羨と藍景儀はばったりと出会った。
「あれ?魏先輩、どちらに?」
もう門限まであと四半刻もない。これから街へ下りるなどありえず、藍景儀は尋ねた。
「藍湛と思追の迎えだよ」
「あ~、魏先輩もですか!」
1週間ぶりに藍忘機と藍思追が雲深不知処に帰ってくる。
仙督となった藍忘機は多忙を極め、あちらこちらへと飛んで回っており、そのお付きとして今回藍思追が同行したのだ。
「静室で待ってたけど、なかなか帰らないから出てきた。お前も?」
「そうです。俺も思追を寮で待っていたけどなかなか帰らないから」
「なら、一緒に行くか」
「はい!」
思わぬ同行者に魏無羨はクスッと笑うと、階段を下り始める。藍景儀も大人しく後ろをついてきた。
ちょりりん万箱
DONE夏の終わり 師匠編「夏じゃないと入れないよな~」
弟子たちが去った後、靴を脱ぎ衣服を膝まで捲り上げた魏無羨は冷泉の端に腰掛けた。
その水の中に足を浸けると頭の先まで冷たさが走り、一気に体温が下がった気がする。
「冷た〰️!」
残暑と言えども暑さはまだ厳しく、弟子と夜狩りで動き回っていた魏無羨の額にはうっすらと汗が浮いていた。
だが、冷泉に足を浸けるやいなやその汗もどこかに消え去り、時間が経つにつれ逆に寒気を催す。
冷泉の冷たさに魏無羨が震えている横で、藍忘機は下履き1枚の姿になるとその身を冷泉に沈ませた。
その淡々とした動作に躊躇いはない。
昔、魏無羨は1度この冷泉に入ったことがあるが体を浸けるなど正気の沙汰じゃないと思っている。
1933弟子たちが去った後、靴を脱ぎ衣服を膝まで捲り上げた魏無羨は冷泉の端に腰掛けた。
その水の中に足を浸けると頭の先まで冷たさが走り、一気に体温が下がった気がする。
「冷た〰️!」
残暑と言えども暑さはまだ厳しく、弟子と夜狩りで動き回っていた魏無羨の額にはうっすらと汗が浮いていた。
だが、冷泉に足を浸けるやいなやその汗もどこかに消え去り、時間が経つにつれ逆に寒気を催す。
冷泉の冷たさに魏無羨が震えている横で、藍忘機は下履き1枚の姿になるとその身を冷泉に沈ませた。
その淡々とした動作に躊躇いはない。
昔、魏無羨は1度この冷泉に入ったことがあるが体を浸けるなど正気の沙汰じゃないと思っている。
ちょりりん万箱
DONE夏の終わり今回の夜狩りはよく吹っ飛ばされ、姑蘇藍氏の若い弟子たちのほとんどの者が打ち身や切り傷だらけで満身創痍だった。
只今、沢蕪君から許可をもらい、冷泉に浸かっている最中である。
「イタタ……」
「冷たいね……」
冷たい水が、体にも心にも凍みる。
それを、冷泉の外から冷ややかに夷陵老祖が見下ろしていた。隣で苦笑しながら藍思追も。
「陣形が悪いからああなるんだ。もう少し考えてやらないと」
夷陵老祖は腕を組んで、竹にもたれながら人差し指を立てた。
「陣を組んで終わりじゃないんだぞ、特に大人数の場合は……」
「わかってますよ!」
藍景儀ががんばって反論する。
夷陵老祖・魏無羨は指先に念を込めるとピッと藍景儀に向かって投げた。
「あたっ!!」
2187只今、沢蕪君から許可をもらい、冷泉に浸かっている最中である。
「イタタ……」
「冷たいね……」
冷たい水が、体にも心にも凍みる。
それを、冷泉の外から冷ややかに夷陵老祖が見下ろしていた。隣で苦笑しながら藍思追も。
「陣形が悪いからああなるんだ。もう少し考えてやらないと」
夷陵老祖は腕を組んで、竹にもたれながら人差し指を立てた。
「陣を組んで終わりじゃないんだぞ、特に大人数の場合は……」
「わかってますよ!」
藍景儀ががんばって反論する。
夷陵老祖・魏無羨は指先に念を込めるとピッと藍景儀に向かって投げた。
「あたっ!!」
ちょりりん万箱
DONE酔妃蓮「今日も空が青いな~……」
照りつける太陽を遮るように手を翳して魏無羨は空を見上げた。
「いつもの空だ、魏嬰」
同じように空を見上げた藍忘機は素っ気なく言う。
「藍湛……何でそんなに冷静なわけ?」
「君がどうしてそんなに緊張しているのかわからない」
魏無羨は隣で悠然としている藍忘機を恨めしげに見上げた。
雲夢から届いた蓮の花は、環境が違う土地に連れて来られたが、ストレスがないのか今日も綺麗な花を咲かせた。今のところ、枯れる心配はまだ無さそうだ。
さすが雲夢の蓮の花、なかなか図太いと藍忘機が思っていることは、魏無羨に内緒だ。
朝早くに花弁を広げる蓮の花は、早朝から動き始める者の目を楽しませていた。
寒室と執務室に置かれた蓮の鉢には、誰が入れたのかいつの間にか小魚が泳いでおり、蓮の花が閉じた後でも涼しげで1日の疲れを癒す。
10122照りつける太陽を遮るように手を翳して魏無羨は空を見上げた。
「いつもの空だ、魏嬰」
同じように空を見上げた藍忘機は素っ気なく言う。
「藍湛……何でそんなに冷静なわけ?」
「君がどうしてそんなに緊張しているのかわからない」
魏無羨は隣で悠然としている藍忘機を恨めしげに見上げた。
雲夢から届いた蓮の花は、環境が違う土地に連れて来られたが、ストレスがないのか今日も綺麗な花を咲かせた。今のところ、枯れる心配はまだ無さそうだ。
さすが雲夢の蓮の花、なかなか図太いと藍忘機が思っていることは、魏無羨に内緒だ。
朝早くに花弁を広げる蓮の花は、早朝から動き始める者の目を楽しませていた。
寒室と執務室に置かれた蓮の鉢には、誰が入れたのかいつの間にか小魚が泳いでおり、蓮の花が閉じた後でも涼しげで1日の疲れを癒す。
ちょりりん万箱
DONE贈り物それが届いたのは、魏無羨が雲夢への旅を終えて1ヶ月後の事だった。
「うわあ、綺麗ですね!」
弟子の誰もが感嘆の声を上げる。
正午を回った時刻、昼食を取って寛いでいた所に届けられた物に皆の視線が注がれた。
直径が洗濯用の盥の大きさで深さが大人の膝丈の巨大な鉢からは、長い茎の先にある瑞々しい大きな緑の葉々と、やや閉じた蓮の花々が天に向かって伸びている。
「これが雲夢から!?」
受け取り主である魏無羨は、蓮の花が突然贈られてきたことに驚いた。
簡単には運べそうにない大きさとその重さ。
それを雲夢から姑蘇まで陸路で運ぶとなると、労力は半端ない。
片道だけだが、姑蘇から雲夢へ歩いた魏無羨はその大変さがわかる。
まして、開花時期の蓮の花だ。慎重に運んだところで途中で枯らしてしまう確率の方が高い。
3607「うわあ、綺麗ですね!」
弟子の誰もが感嘆の声を上げる。
正午を回った時刻、昼食を取って寛いでいた所に届けられた物に皆の視線が注がれた。
直径が洗濯用の盥の大きさで深さが大人の膝丈の巨大な鉢からは、長い茎の先にある瑞々しい大きな緑の葉々と、やや閉じた蓮の花々が天に向かって伸びている。
「これが雲夢から!?」
受け取り主である魏無羨は、蓮の花が突然贈られてきたことに驚いた。
簡単には運べそうにない大きさとその重さ。
それを雲夢から姑蘇まで陸路で運ぶとなると、労力は半端ない。
片道だけだが、姑蘇から雲夢へ歩いた魏無羨はその大変さがわかる。
まして、開花時期の蓮の花だ。慎重に運んだところで途中で枯らしてしまう確率の方が高い。
ちょりりん万箱
DONEかたくなにおもう「なあ、藍湛」
書き物をしている藍忘機の横で頬杖をつき、藍忘機を見上げながら魏無羨は声をかけた。
「なんだ?」
低く落ち着いた声で藍忘機は答えるものの、書き物に集中している。
魏無羨は真剣に話を聞いていない相手にむっとした。
いつもよりも藍忘機が仕事から早く帰ってきたので、たまにはゆっくり話がしたいと思い、書き物が終わるのを待っていた。ーーが、藍忘機は終わらせる気配がない。
忙しいのはわかってる。居住している静室に仕事を持ち込むことが滅多になく珍しいことも。
だが、一緒の空間に居るのに何故か遠くに感じて寂しくなる。
そんなことを隣で考えてるなんて、この朴念仁は気づきもしないんだろうなあと、魏無羨は段々意地悪な気分になってきた。
2856書き物をしている藍忘機の横で頬杖をつき、藍忘機を見上げながら魏無羨は声をかけた。
「なんだ?」
低く落ち着いた声で藍忘機は答えるものの、書き物に集中している。
魏無羨は真剣に話を聞いていない相手にむっとした。
いつもよりも藍忘機が仕事から早く帰ってきたので、たまにはゆっくり話がしたいと思い、書き物が終わるのを待っていた。ーーが、藍忘機は終わらせる気配がない。
忙しいのはわかってる。居住している静室に仕事を持ち込むことが滅多になく珍しいことも。
だが、一緒の空間に居るのに何故か遠くに感じて寂しくなる。
そんなことを隣で考えてるなんて、この朴念仁は気づきもしないんだろうなあと、魏無羨は段々意地悪な気分になってきた。
だみぃにゃん
SPUR MEなかなか進まないのでとりあえず🤤景儀と阿願の出会い編
景儀と阿願と羨羨藍景儀はその日、朝から緊張に体を固くしていた。
父上に手を引かれ、来年から座学を教えてもらう藍先生へ挨拶へ行く。
普段、大変元気の良い少年である彼は、今日は黙って大人しく付いてくること、藍先生は非常に厳しい方だからしっかり挨拶をし礼儀正しく振る舞うこと、そして決して傍を離れないようにと言い含められていた。
そうしてやってきた室で相対したのは、にこにこと穏やかな空気をまとった宗主と、その隣で鋭い目を向けてくる藍先生。
目線に竦みつつも、先生が撫でつける度よんよんと揺れるお鬚に釘付けになっていると父上に肩を小突かれた。
慌てて、教えられた通りに拱手する。
「藍宗主、藍先生に藍景儀がご挨拶申し上げます。」
噛まずに言えたし、なかなか上手く出来たんじゃないだろうか。
635父上に手を引かれ、来年から座学を教えてもらう藍先生へ挨拶へ行く。
普段、大変元気の良い少年である彼は、今日は黙って大人しく付いてくること、藍先生は非常に厳しい方だからしっかり挨拶をし礼儀正しく振る舞うこと、そして決して傍を離れないようにと言い含められていた。
そうしてやってきた室で相対したのは、にこにこと穏やかな空気をまとった宗主と、その隣で鋭い目を向けてくる藍先生。
目線に竦みつつも、先生が撫でつける度よんよんと揺れるお鬚に釘付けになっていると父上に肩を小突かれた。
慌てて、教えられた通りに拱手する。
「藍宗主、藍先生に藍景儀がご挨拶申し上げます。」
噛まずに言えたし、なかなか上手く出来たんじゃないだろうか。
ちょりりん万箱
DONE叶わぬ夢「んー?」
「どうされたのですか?魏先輩」
夜狩りの際に使う招陰旗と呪符の作成を皆で集まり作っている最中に、本来なら指導してくれる魏無羨が筆を片手に唸っている。
呪符が書けないのか?と思いながら姑蘇藍氏の弟子たちがその手元を覗くと、白い紙に人の顔や姿が描かれては、墨で消されていた。
「どんなのを描けばいいのかわからん」
「なにを描かれるんです?」
魏無羨が絵を描いている所などいままで見たことがなく、誰もが驚いた。
「美人画を、ね」
「美人画!?」
絵を描くことでさえ驚いたのに、それも美人画!?
「魏先輩、どうしてそんなことを?」
「清河聶氏の聶宗主から、頼まれた」
「聶宗主から?」
「ほら、あいつ、美術品に目がないだろ?何でも聶家お抱えの絵師で美人画集をつくることになったらしく、俺にも描かないかって」
6780「どうされたのですか?魏先輩」
夜狩りの際に使う招陰旗と呪符の作成を皆で集まり作っている最中に、本来なら指導してくれる魏無羨が筆を片手に唸っている。
呪符が書けないのか?と思いながら姑蘇藍氏の弟子たちがその手元を覗くと、白い紙に人の顔や姿が描かれては、墨で消されていた。
「どんなのを描けばいいのかわからん」
「なにを描かれるんです?」
魏無羨が絵を描いている所などいままで見たことがなく、誰もが驚いた。
「美人画を、ね」
「美人画!?」
絵を描くことでさえ驚いたのに、それも美人画!?
「魏先輩、どうしてそんなことを?」
「清河聶氏の聶宗主から、頼まれた」
「聶宗主から?」
「ほら、あいつ、美術品に目がないだろ?何でも聶家お抱えの絵師で美人画集をつくることになったらしく、俺にも描かないかって」
ちょりりん万箱
DONE記念すべき魔道祖師小説1弾白い衣季節が変わり、またあの時期が近づいてきた。
年に一度、姑蘇藍氏で開かれる仙家世家の子弟を集めた座学である。
姑蘇藍氏の座学は習得すれば修師としての格が上がると世間では認識されていた。
それ故毎年、参加したい者、参加させたい親は後を断たない。
藍啓仁が行う座学は元々、世家を対象に行っていたが、それ以外からの参加希望の声が多く、ならばと広く募集したところ多くの参加希望者が名乗りを上げた。
ただ人数にも限りがあり、各仙家からの推薦と同時に学科試験を行い、毎年の参加者を決めていた。
ところが、今年は恐ろしい確率に跳ね上がった。
理由は明白で、姑蘇藍氏の第二公子の藍忘機が仙督になったからである。
権力に阿るのは人の常で、これを機会に姑蘇藍氏と強いて言えば藍忘機との繋がりを持ちたいと考える輩がこぞって押し寄せた。
3897年に一度、姑蘇藍氏で開かれる仙家世家の子弟を集めた座学である。
姑蘇藍氏の座学は習得すれば修師としての格が上がると世間では認識されていた。
それ故毎年、参加したい者、参加させたい親は後を断たない。
藍啓仁が行う座学は元々、世家を対象に行っていたが、それ以外からの参加希望の声が多く、ならばと広く募集したところ多くの参加希望者が名乗りを上げた。
ただ人数にも限りがあり、各仙家からの推薦と同時に学科試験を行い、毎年の参加者を決めていた。
ところが、今年は恐ろしい確率に跳ね上がった。
理由は明白で、姑蘇藍氏の第二公子の藍忘機が仙督になったからである。
権力に阿るのは人の常で、これを機会に姑蘇藍氏と強いて言えば藍忘機との繋がりを持ちたいと考える輩がこぞって押し寄せた。
kirari_world
PAST香炉幻影webアンソロイラスト2枚です。過去絵ですみません。
乱葬崗に通い夫してくる含光君と、噛み癖のある夷陵老祖in夷陵の宿屋。と、
老祖様、姑蘇に隠されend後、あまりにも故郷を恋しがるので、こっそり雲夢に連れてきてもらった魏嬰。です 2
guchiko
DONE初漫画。ネタバレあり。藍湛が暴走魏嬰連れ去って、33人の藍家の先達に重傷を負わせて撤退させたあとの妄想漫画。
この時、魏嬰はずっと「失せろ」と繰り返してたけど、どうやって止めたのか。っていう妄想。
巨大な石の顔
SPUR MEサンサーラシリーズ番外編。蛍にまつわる藍兄弟の思い出話。またしても兄上と江澄はでてきません。CP要素は忘羨だけになります。竹箒 年若い蘭陵金氏の宗主が、蛍の群れを未だかつて見たことがないというので、その日の夜は急遽夜狩りではなく蛍狩りに変更になった。
金宗主はこの春から雲深不知処の座学に参加していた。義理の甥は、魏無羨がたまに彩衣鎮の料理屋などまで外へ食事に連れ出してやっているからか、はたまた気の置けない友人たちと同じ宿坊だからか、「金麟台へ帰りたい」と根をあげることもなく寺のように規律の厳しいここの生活になじんでいた。唯一の気がかりは金麟台に残してきた飼い犬の仙子だそうだが、時折江澄が見舞って文で仙子の様子を教えてくれるそうだ。その話を聞いたとき、様子見とかこつけてここぞとばかりに大好きな犬を触りに行っているのだろうと魏無羨は頬がゆるむやら歪むやら大変だった。
4656金宗主はこの春から雲深不知処の座学に参加していた。義理の甥は、魏無羨がたまに彩衣鎮の料理屋などまで外へ食事に連れ出してやっているからか、はたまた気の置けない友人たちと同じ宿坊だからか、「金麟台へ帰りたい」と根をあげることもなく寺のように規律の厳しいここの生活になじんでいた。唯一の気がかりは金麟台に残してきた飼い犬の仙子だそうだが、時折江澄が見舞って文で仙子の様子を教えてくれるそうだ。その話を聞いたとき、様子見とかこつけてここぞとばかりに大好きな犬を触りに行っているのだろうと魏無羨は頬がゆるむやら歪むやら大変だった。
巨大な石の顔
SPUR MEサンサーラシリーズ番外編。蛍にまつわる叔父上の思い出話。藍パパを捏造しています。時系列的には兄上はまだ閉関しています。CP要素なし。蛍火 藍家の二の公子が、読んでいた本を閉じてそろそろ寝ようとしていたとき。彼の居室に二つ年上の兄がやってきた。
兄は人好きのする穏やかな微笑みとともに竹でできた虫籠を弟に向けて掲げた。中では小さな黒い虫が二匹、小さくて狭い床に這っていた。
兄が剣胼胝のできた指で籠の小さな扉を開けると、部屋の明かりもふっと消えた。
すると、籠から二つのとても小さな光がおそるおそる飛んだ。ここはどこだろうと戸惑っているかのようだ。それから光は暗い部屋の中をさまようかのように不安定に飛んだ。
二の公子は、落ち着かないように飛んでいる光のそばに手のひらを差し出す。優美な仕草だが彼の手にも武骨な剣胼胝はできている。
すると光は暗闇に浮かぶ白い手にすっと音もなく止まった。闇色の羽を持った小さな虫は、手のひらの上で緑がかった黄色い光を尾から放った。息を吸って吐くかのように、人の魂魄よりも明るく強い光は二の公子の手のひらで何度も瞬いた。
2148兄は人好きのする穏やかな微笑みとともに竹でできた虫籠を弟に向けて掲げた。中では小さな黒い虫が二匹、小さくて狭い床に這っていた。
兄が剣胼胝のできた指で籠の小さな扉を開けると、部屋の明かりもふっと消えた。
すると、籠から二つのとても小さな光がおそるおそる飛んだ。ここはどこだろうと戸惑っているかのようだ。それから光は暗い部屋の中をさまようかのように不安定に飛んだ。
二の公子は、落ち着かないように飛んでいる光のそばに手のひらを差し出す。優美な仕草だが彼の手にも武骨な剣胼胝はできている。
すると光は暗闇に浮かぶ白い手にすっと音もなく止まった。闇色の羽を持った小さな虫は、手のひらの上で緑がかった黄色い光を尾から放った。息を吸って吐くかのように、人の魂魄よりも明るく強い光は二の公子の手のひらで何度も瞬いた。
guchiko
MOURNINGリスイン限定版。「魏嬰の育乳生活」で魏嬰が藍湛に送った画像。
藍湛になり切って、見てください。
NG忘機ないバージョン
pixiv
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17775964
ポイピク
https://poipiku.com/2398218/6502839.html 3
巨大な石の顔
DONEサンサーラシリーズ第三章。オリキャラ視点の話。原作にはない捏造たくさん。ここから鬱展開のトンネルに入ります。明知不可而為之(五) 新年を迎える準備で江湖はそろそろ浮足立ち始めた。
一時ふしぎと増えていた妖魔鬼怪は降雪をさかいに季節の廻りに従ったのか激減した。領地の陳情も減って蓮花塢では久しぶりにゆったりとした時間が流れていた。若い門弟たちは鍛錬に力を入れているか遠方に実家があるものは帰省を始めている。
そんな中、白蓮蓮は崖の間に通した一本の綱の上でも歩かされているかのように神経を張りつめていた。
姉の白鳳梨(フォンリー)から店で師兄たちが師父と沢蕪君の仲を噂していたと聞いたからだ。姉によれば決してお二人の仲を歓迎している雰囲気ではなかったらしい。
お二人の仲が門弟の間で広まったらどうしようとそわそわしながら、蓮花塢内の様子を少女はこの一月ばかりこっそりうかがっていた。今のところは二人の関係について食客や門弟たちが下世話に噂し合っている様子はなかった。
14798一時ふしぎと増えていた妖魔鬼怪は降雪をさかいに季節の廻りに従ったのか激減した。領地の陳情も減って蓮花塢では久しぶりにゆったりとした時間が流れていた。若い門弟たちは鍛錬に力を入れているか遠方に実家があるものは帰省を始めている。
そんな中、白蓮蓮は崖の間に通した一本の綱の上でも歩かされているかのように神経を張りつめていた。
姉の白鳳梨(フォンリー)から店で師兄たちが師父と沢蕪君の仲を噂していたと聞いたからだ。姉によれば決してお二人の仲を歓迎している雰囲気ではなかったらしい。
お二人の仲が門弟の間で広まったらどうしようとそわそわしながら、蓮花塢内の様子を少女はこの一月ばかりこっそりうかがっていた。今のところは二人の関係について食客や門弟たちが下世話に噂し合っている様子はなかった。
ship_hoko
DONE #MDZS交流会6_白兎#MDZS交流会6_黒兎
女体化魏無羨Webアンソロ企画
初アンソロジーは、にょたで出発します!!よろしくお願いします!!!
※女体化しております。苦手な方はご遠慮ください。
※パスワードは企画HPに記載されています。
はるもん🌸
MOURNING怒らせたい魏嬰とビビる思追【藍思追の心配】魏無羨が弟子数人に集まれと言ったくせに、本人が遅刻する時がある。
そんな時、静室にいる魏無羨を呼ぶのはいつも藍思追の役目となっていた。『魏先輩、迎えにきました』と声を出そうとしたその時だ。
「ああ、悪かった藍湛!もうしない、しないったら許せ!」
「いつも口ばかり。全く反省がない」
今日もやっている、と藍思追は片手で顔を覆った。
「ほらほらそんなに怒るな、藍思追がそこまで来てるんだ。今日の所はひとまず許してくれ、頼むよ」
気配だけで自分の居場所を察知したのかと藍思追は驚く。
****
弟子達が待つ場所へと魏無羨を連れていく際、今度は何を含光君にしでかしたのかを聞いてみた。
すると、魏無羨はいつものようにヘラリと笑って「大人の秘密だ」と言ってごまかすのだ。藍思追はそこまで大人の事情に詳しくはなかった。
992そんな時、静室にいる魏無羨を呼ぶのはいつも藍思追の役目となっていた。『魏先輩、迎えにきました』と声を出そうとしたその時だ。
「ああ、悪かった藍湛!もうしない、しないったら許せ!」
「いつも口ばかり。全く反省がない」
今日もやっている、と藍思追は片手で顔を覆った。
「ほらほらそんなに怒るな、藍思追がそこまで来てるんだ。今日の所はひとまず許してくれ、頼むよ」
気配だけで自分の居場所を察知したのかと藍思追は驚く。
****
弟子達が待つ場所へと魏無羨を連れていく際、今度は何を含光君にしでかしたのかを聞いてみた。
すると、魏無羨はいつものようにヘラリと笑って「大人の秘密だ」と言ってごまかすのだ。藍思追はそこまで大人の事情に詳しくはなかった。
巨大な石の顔
MEMO今日中国語教室で中国人の先生から聞いた衝撃的な現代中国の大学入試事情について記します。魔道祖師でどうしてあんな壮絶な身分社会が描かれているのかおぼろげながら理解できた話だったので魔道祖師沼の方にシェアしたい思います。
注意点として、私の聞き間違いや勘違いも十分あるので、あくまで信憑性はうわさ話程度に留めてくださると幸いです。
現代中国の大学入試事情今日は中国で日本でいうセンター試験、考高がありました。
中国の大学入試はこのセンター試験だけ。二次試験はありません。
人口のこと考えるとそうなるよなと思います。去年は1100万人が受験。
自己採点して三つの希望の大学に申し込めるそうです。上から一流二流三流の大学。一流に落ちたら即二流の大学行きに、そして大学に入れなかったら即ブルーワーカーで一生低賃金の未来になってしまうそうです。大学に行ってない日本の職人さんは車や家買えてるけど中国は買えない様子です。
お子さんの受験の応援に当たってお母さんが勝利を意味する赤い色のチャイナドレスを着る習慣があるとか。
微笑ましい習慣ですが、入試でほぼ自分の社会階層が決まってしまうのかと震えあがりました。
1256中国の大学入試はこのセンター試験だけ。二次試験はありません。
人口のこと考えるとそうなるよなと思います。去年は1100万人が受験。
自己採点して三つの希望の大学に申し込めるそうです。上から一流二流三流の大学。一流に落ちたら即二流の大学行きに、そして大学に入れなかったら即ブルーワーカーで一生低賃金の未来になってしまうそうです。大学に行ってない日本の職人さんは車や家買えてるけど中国は買えない様子です。
お子さんの受験の応援に当たってお母さんが勝利を意味する赤い色のチャイナドレスを着る習慣があるとか。
微笑ましい習慣ですが、入試でほぼ自分の社会階層が決まってしまうのかと震えあがりました。