狭山くん
TRAINING2022-07-31/空閑汐♂夏祭りは最終日!明日からは空閑汐♂デイリーは大学から40代までの空閑汐♂切り抜きダイジェストです!8月のデイリーもよろしくお願いします〜⸜(๑'ᵕ'๑)⸝文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day31 年に数度あるかどうかといった混雑に眉を寄せる汐見に、空閑は困ったように笑いながら「校舎からも見れるけど戻る?」と問いかける。
「良い、折角良い場所取れたんだから此処で見る」
「そ? まぁ、人混みに押し合いへし合いして見れずに帰るってのも本末転倒か」
「だろ?」
彼らが三年間と数ヶ月を過ごした学び舎に隣接する北部国際宇宙港。その屋上に作られた展望デッキのの柵にもたれながら、汐見は辟易とした表情を浮かべそんな彼を見つめる空閑は苦笑を隠さない。
この宇宙港で年に一度行われる夏祭り、一年の頃に一度来てその混雑っぷりにもみくちゃにされてから二年目と三年目は足を向けてはいなかった。
空閑はどちらでも良かったのだが、汐見が人混みを厭ったのだ。汐見が行かないのであれば、空閑も一人で行こうとは思えないと毎年果敢に宇宙港へと足を向けるフェルマー達を寮のロビーで送り出していた。
1115「良い、折角良い場所取れたんだから此処で見る」
「そ? まぁ、人混みに押し合いへし合いして見れずに帰るってのも本末転倒か」
「だろ?」
彼らが三年間と数ヶ月を過ごした学び舎に隣接する北部国際宇宙港。その屋上に作られた展望デッキのの柵にもたれながら、汐見は辟易とした表情を浮かべそんな彼を見つめる空閑は苦笑を隠さない。
この宇宙港で年に一度行われる夏祭り、一年の頃に一度来てその混雑っぷりにもみくちゃにされてから二年目と三年目は足を向けてはいなかった。
空閑はどちらでも良かったのだが、汐見が人混みを厭ったのだ。汐見が行かないのであれば、空閑も一人で行こうとは思えないと毎年果敢に宇宙港へと足を向けるフェルマー達を寮のロビーで送り出していた。
Stilet
PROGRESS闇勇者ボカロインスピレーションシリーズの進捗ですから腐向け(コルチカム/初代ダーク←デルフィニウム/神トラダーク)/学パロ/現パロ/死ネタ注意ですから
[2022/08/02]進捗を加筆しましたから 11903
狭山くん
TRAINING2022-07-30/夏の空閑汐♂祭りもあと2日となりました!そろそろ日本校ともお別れの時期ですね。文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day30 掲示板に貼り出された知らせをまじまじと見つめていた汐見は、隣に立つ空閑へと視線を向ける。
「どうする」
「どうせならヴィン達と合わせたいよねぇ」
空閑の答えに頷いて、再び掲示板へと視線を向けた汐見は貼り出された用紙に指を滑らせた。そこに書かれていたのは、ドイツ本校の新入生受け入れ日程と直行便のスケジュールで。
「新学期は十月からでも、早めに行って生活に慣れておきたいよな」
「あと言葉ね、俺もアマネも英語は行けるけどドイツ語は微妙だし」
「ちゃんと学内に希望者向けの語学スクールあるし、それに向けて行く感じか」
手厚いな。感心したように笑う汐見に空閑も口元に弧を描き頷いて。そんな二人に明るく声を投げたのはフェルマーだった。
915「どうする」
「どうせならヴィン達と合わせたいよねぇ」
空閑の答えに頷いて、再び掲示板へと視線を向けた汐見は貼り出された用紙に指を滑らせた。そこに書かれていたのは、ドイツ本校の新入生受け入れ日程と直行便のスケジュールで。
「新学期は十月からでも、早めに行って生活に慣れておきたいよな」
「あと言葉ね、俺もアマネも英語は行けるけどドイツ語は微妙だし」
「ちゃんと学内に希望者向けの語学スクールあるし、それに向けて行く感じか」
手厚いな。感心したように笑う汐見に空閑も口元に弧を描き頷いて。そんな二人に明るく声を投げたのはフェルマーだった。
P_ika
MOURNING〜ネタバレ注意〜シャレードマニアクス真相ルートのネタバレあります
シャレマニ、メイちゃんとぎょぶそのBLが見たいけど、気持ちはヒロインに向いててほしいと友達と盛り上がった結果、BLドラマに出てもらいました。
隔離ルートです。
乙女ゲーなのにBLってことで、堂々とあげるわけにもいかず、ここで供養。
「お前だから」と言いたいのは『配信ステータス:三分後ドラマ開始
配信内容:「お前だから」第一話
ジャンル:恋愛ドラマ
キャスト:
サツキ・陀宰 メイ
ヒナタ・凝部 ソウタ』
アラート音に反応して、廃墟に集まった面々が一斉にバングルの方を見る。
「あれ?恋愛ドラマなのに、瀬名お姉ちゃんがいないよ?」
「あ、ほんとだ。女の子を取り合う話なのかな?」
タイトルとキャストしか見えていない廃寺と瀬名は、首を傾げた。
「いや、待て……うわ、まじか……」
「メイちゃん、なんでそんな嫌そうな……うげぇ……」
一方、当のキャストたちは台本を見て顔をしかめている。どんな台本なの、と瀬名が口を開きかけたところで二人の姿は消えてしまった。
「お兄ちゃんたち、頑張って〜」
2821配信内容:「お前だから」第一話
ジャンル:恋愛ドラマ
キャスト:
サツキ・陀宰 メイ
ヒナタ・凝部 ソウタ』
アラート音に反応して、廃墟に集まった面々が一斉にバングルの方を見る。
「あれ?恋愛ドラマなのに、瀬名お姉ちゃんがいないよ?」
「あ、ほんとだ。女の子を取り合う話なのかな?」
タイトルとキャストしか見えていない廃寺と瀬名は、首を傾げた。
「いや、待て……うわ、まじか……」
「メイちゃん、なんでそんな嫌そうな……うげぇ……」
一方、当のキャストたちは台本を見て顔をしかめている。どんな台本なの、と瀬名が口を開きかけたところで二人の姿は消えてしまった。
「お兄ちゃんたち、頑張って〜」
狭山くん
TRAINING2022-07-29/夏の空閑汐♂祭りもあと3日になりました!わぁん!揃えるというかお揃いというか揃えたという感じ。文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day29 汐見の指先でくるりと回された白銀に声を上げたのはフェルマーだった。
「ねぇねぇ、それってさ。ヒロミとお揃い?」
くるくると回る白銀に輝くボールペンを指の中に納め、汐見は笑う。
「流石ヴィン、目敏いな」
旧式の練習機が収められた第三格納庫、その場に居るのはフェルマーと汐見だけで。日によって空閑や篠原、高師も足を踏み入れ今は飛び立つ事すら叶わない練習機の手入れをしている彼らは今日、それぞれに頼まれた仕事によって散り散りになっている。「そろそろ渡航するってのに、人遣い荒いよね」とは空閑の談だ。
フェルマーによる乱雑な文字に補足するように流麗な汐見の文字が書き足されたチェックシートをペン先でこつりと叩きながら「ヒロミの誕生日プレゼントに買ったんだけどな。俺も欲しかったから同じやつもう一本一緒に買ったんだ」
1079「ねぇねぇ、それってさ。ヒロミとお揃い?」
くるくると回る白銀に輝くボールペンを指の中に納め、汐見は笑う。
「流石ヴィン、目敏いな」
旧式の練習機が収められた第三格納庫、その場に居るのはフェルマーと汐見だけで。日によって空閑や篠原、高師も足を踏み入れ今は飛び立つ事すら叶わない練習機の手入れをしている彼らは今日、それぞれに頼まれた仕事によって散り散りになっている。「そろそろ渡航するってのに、人遣い荒いよね」とは空閑の談だ。
フェルマーによる乱雑な文字に補足するように流麗な汐見の文字が書き足されたチェックシートをペン先でこつりと叩きながら「ヒロミの誕生日プレゼントに買ったんだけどな。俺も欲しかったから同じやつもう一本一緒に買ったんだ」
狭山くん
TRAINING2022-07-28/夏の空閑汐♂祭りもそろそろ終盤!雪どけサイダーは普通に美味いです。何なら炭酸苦手な狭山くんが唯一気に入ってるサイダーでもある。文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day28 冷え切ったガラス瓶には水滴が流れ、アルミ製のスクリューを回せば金属が離れるパキリという音と共に炭酸が空気へと溶ける爽やかな音が小さく響いた。
「雪どけサイダー?」
寮から職員宿舎に居を移してからは、広い部屋を充てがわれた空閑と汐見が暮らす部屋に集まることが多くなっていた。リビングとして使っている部屋でダイニングテーブルを囲みながら瓶を手にしたまま不思議そうに首を傾げた汐見に、篠原が頷く。「あぁ。俺この間ちょっと帰省したろ、その土産」と重ねられた篠原の言葉にふぅん、と汐見は頷いて。
「栂池って言ったら長野だよね。浩介って長野出身だったんだ?」
「お、よく知ってんな空閑。北アルプスのお膝元、ここに負けず劣らずの田舎だよ。しかも特別豪雪地帯」
1645「雪どけサイダー?」
寮から職員宿舎に居を移してからは、広い部屋を充てがわれた空閑と汐見が暮らす部屋に集まることが多くなっていた。リビングとして使っている部屋でダイニングテーブルを囲みながら瓶を手にしたまま不思議そうに首を傾げた汐見に、篠原が頷く。「あぁ。俺この間ちょっと帰省したろ、その土産」と重ねられた篠原の言葉にふぅん、と汐見は頷いて。
「栂池って言ったら長野だよね。浩介って長野出身だったんだ?」
「お、よく知ってんな空閑。北アルプスのお膝元、ここに負けず劣らずの田舎だよ。しかも特別豪雪地帯」
狭山くん
TRAINING2022-07-27/空閑汐♂夏祭りももう27日目ですって!水鉄砲でわいわいするハイティーンとか青春真っ盛りって感じですよね。文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day27 赤い色水が真っ白なシャツを染める。赤色の飛沫模様を付けられた男が眉を寄せ銃口を相手へと向け――飛び出した青色の色水は飛び退いた男にかかる事なく、コンクリートを染めていった。
「くっそ!」
悔しげに声を漏らした篠原に、狙われた汐見はカラカラと楽しそうに笑う。互いの手に握られていたのは色水を入れた水鉄砲で、高校時代に使っていたジャージと体操着に身を包んだ五人の男たちは寮の中庭で水遊びを繰り広げていた。
審判は高師、空閑と篠原のペアと汐見とフェルマーのペアに別れたチーム戦。この組み分けはひとえに空閑と汐見が組めば篠原達が瞬殺されるだけ、といった予感によって決められた。
「アマネ最高!」
チームメイトとなったフェルマーの賞賛に得意げな笑みを浮かべて再び敵側へと水鉄砲の銃口を向けた汐見は、二発目の色水を篠原へと放つ。それにたたらを踏みながらもやっとの事で避けた篠原は、フェルマーへと青色のペイントを施した。
1547「くっそ!」
悔しげに声を漏らした篠原に、狙われた汐見はカラカラと楽しそうに笑う。互いの手に握られていたのは色水を入れた水鉄砲で、高校時代に使っていたジャージと体操着に身を包んだ五人の男たちは寮の中庭で水遊びを繰り広げていた。
審判は高師、空閑と篠原のペアと汐見とフェルマーのペアに別れたチーム戦。この組み分けはひとえに空閑と汐見が組めば篠原達が瞬殺されるだけ、といった予感によって決められた。
「アマネ最高!」
チームメイトとなったフェルマーの賞賛に得意げな笑みを浮かべて再び敵側へと水鉄砲の銃口を向けた汐見は、二発目の色水を篠原へと放つ。それにたたらを踏みながらもやっとの事で避けた篠原は、フェルマーへと青色のペイントを施した。
狭山くん
TRAINING2022-07-26/空閑汐♂の夏26日目!T-38格好いいよね……っていう私情しか入ってない話。文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day26 眼前に現れたのは、白く艶やかな塗装が施された古いジェット機だった。外見だけは美しいその機体は、空を飛ぶ事ができない。尾翼には、アメリカ航空宇宙局のロゴがしっかりと描かれていた。
「綺麗……」
ほう、と感嘆のため息と共に呟くのはフェルマーで。その言葉に吉嗣は楽しげに「だろ?」と笑う。
「この学校が開校されたのと同時に寄贈されてな。宇宙飛行士も使ってたやつだぞ」
「ヴィンを連れて来たって事は、飛ばせるようにしたいって話すか」
「話が早くて助かる」
汐見の問いに大きく頷いた吉嗣に、フェルマーは小さく笑う。
「ボク、ロケットエンジンが専門なんですけど?」
「お前なら航空機のエンジンも頭に入ってるだろ」
艶やかな機体を撫でながら呆れたように笑うフェルマーへ、吉嗣はカラカラと笑いながら言葉を返して。
1087「綺麗……」
ほう、と感嘆のため息と共に呟くのはフェルマーで。その言葉に吉嗣は楽しげに「だろ?」と笑う。
「この学校が開校されたのと同時に寄贈されてな。宇宙飛行士も使ってたやつだぞ」
「ヴィンを連れて来たって事は、飛ばせるようにしたいって話すか」
「話が早くて助かる」
汐見の問いに大きく頷いた吉嗣に、フェルマーは小さく笑う。
「ボク、ロケットエンジンが専門なんですけど?」
「お前なら航空機のエンジンも頭に入ってるだろ」
艶やかな機体を撫でながら呆れたように笑うフェルマーへ、吉嗣はカラカラと笑いながら言葉を返して。
狭山くん
TRAINING2022-07-25/空閑汐♂の夏も25日目!狭山くんは小学生の頃に行った天文台で聞いた光が人によって見え方が違うって話を20年以上引きずって生きてます。エモエモのエモじゃん……って思うですよね。文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day25 夜の滑走路は誘導灯が灯され、そこを目指してスペースプレーンが優雅に降り立っていく。全ての光が消えれば闇の中に沈むその場所は、煌々としたライトによって幻想的な光景が作り出されていた。
太陽の熱が落ち着いて、少し冷たい風が肌を撫でるような時刻。それでも昼間の暑さに辟易としていた汐見にとっては心地よい時間で。彼の隣に立つ空閑は薄手の長袖シャツを羽織っていたが、汐見は半袖のティーシャツのままだった。
「寒くないの?」
「これで丁度いいくらいだぞ。お前が寒がりなんだろ」
この場所で迎える夏も三回目になると言うのに、空閑は相変わらずだと汐見は笑う。よく冬を越せてたな、という感想と共に。
「アマネは暑がりだよね、昼間部屋にいる時パンイチなのはやめてほしい」
1099太陽の熱が落ち着いて、少し冷たい風が肌を撫でるような時刻。それでも昼間の暑さに辟易としていた汐見にとっては心地よい時間で。彼の隣に立つ空閑は薄手の長袖シャツを羽織っていたが、汐見は半袖のティーシャツのままだった。
「寒くないの?」
「これで丁度いいくらいだぞ。お前が寒がりなんだろ」
この場所で迎える夏も三回目になると言うのに、空閑は相変わらずだと汐見は笑う。よく冬を越せてたな、という感想と共に。
「アマネは暑がりだよね、昼間部屋にいる時パンイチなのはやめてほしい」
はるもん🌸
MOURNING藍湛も好きな子の前では普通の男の子なんだなって弟子が思ったとある日。藍湛の照れ「含光君はやっぱり凄いです!」
「私もいつか含光君のように!」
「無駄のない身のこなし、尊敬します!」
藍忘機はこのような賞賛を十代の頃から当たり前のように耳にしていた。今更誰に賞賛されようとも眉一つ動く事は無い。
今宵の教鞭は藍忘機が指導する事になった。
霊獣に襲われた時の基本的な対処を藍忘機から学び、明日魏無羨の霊獣退治指導の際にどう応用すべきかを実践で学ぶ予定となっている。御剣してこちらに向かってくる藍忘機に魏無羨が声を上げた。
「良い見本だったぞ含光君。あの剣の突きの鋭さと言ったらもう!しびれて立てなくなりそうだった!」
「言いすぎだ」
宙に浮いていた藍忘機は魏無羨の隣に降り立ち、避塵を鞘に納めた。
1105「私もいつか含光君のように!」
「無駄のない身のこなし、尊敬します!」
藍忘機はこのような賞賛を十代の頃から当たり前のように耳にしていた。今更誰に賞賛されようとも眉一つ動く事は無い。
今宵の教鞭は藍忘機が指導する事になった。
霊獣に襲われた時の基本的な対処を藍忘機から学び、明日魏無羨の霊獣退治指導の際にどう応用すべきかを実践で学ぶ予定となっている。御剣してこちらに向かってくる藍忘機に魏無羨が声を上げた。
「良い見本だったぞ含光君。あの剣の突きの鋭さと言ったらもう!しびれて立てなくなりそうだった!」
「言いすぎだ」
宙に浮いていた藍忘機は魏無羨の隣に降り立ち、避塵を鞘に納めた。
狭山くん
TRAINING2022-07-24/空閑汐♂夏祭りホラー回(???)汐見♂が叫ぶのって多分よっぽどの事が起きた時か怒ってるかベッドの中だけですよ……それはそれとして私はファースト・マンが割と好きです。文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day24 照明を落とした部屋に設置されたスクリーンには映像が流れる。そして、部屋中に轟くような男の悲鳴が響いた。
「無駄な腹筋を使うな!」
「だって……!」
大声を放った男――空閑の頭を叩いた汐見は苛立たしげな声を上げる。そんな汐見の言葉に言い訳するように情けない声を出す空閑は汐見の腕にしがみ付いていて。
「ていうか、ヒロミってホラーダメだったんだ?」
「みたいだな」
「映画って言うからアクション系とかかと思ったのに……」
カラカラと笑うフェルマーの言葉に汐見が頷き空閑は項垂れる。汐見の腕にがっしりと巻き付けられた空閑の腕はギチリと力を増し、汐見は眉を寄せたがそのままにさせていた。
寮のシアタールームが借りれたから映画を見ようと言い出したのはフェルマーの誘いに乗ったのはいつもの顔ぶれで、シアタールームで機械を操作しながら「やっぱり夏にはジャパニーズホラーだよね!」と鼻歌混じりに口に出していたのに空閑が肩を震わせていたのは篠原も知っていた。しかしこれ程とは。
1180「無駄な腹筋を使うな!」
「だって……!」
大声を放った男――空閑の頭を叩いた汐見は苛立たしげな声を上げる。そんな汐見の言葉に言い訳するように情けない声を出す空閑は汐見の腕にしがみ付いていて。
「ていうか、ヒロミってホラーダメだったんだ?」
「みたいだな」
「映画って言うからアクション系とかかと思ったのに……」
カラカラと笑うフェルマーの言葉に汐見が頷き空閑は項垂れる。汐見の腕にがっしりと巻き付けられた空閑の腕はギチリと力を増し、汐見は眉を寄せたがそのままにさせていた。
寮のシアタールームが借りれたから映画を見ようと言い出したのはフェルマーの誘いに乗ったのはいつもの顔ぶれで、シアタールームで機械を操作しながら「やっぱり夏にはジャパニーズホラーだよね!」と鼻歌混じりに口に出していたのに空閑が肩を震わせていたのは篠原も知っていた。しかしこれ程とは。
狭山くん
TRAINING2022-07-23/空閑汐♂夏祭り23日目!空港に隣接するひまわり畑は実在するんですけど、私が行きたい。文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day23「お、来た!」
「圧巻だな、三時間半かけた甲斐がある」
定刻通りに離陸する旅客機のランディングが迫る。三脚で固定したカメラのシャッターを幾度も切り続ける空閑を見ながら、汐見もコンパクトカメラでパシャリと一度シャッターを切った。頭上をボーイングが飛び去っていく。
ひまわり畑の向こうに離着陸するボーイングという、他ではあまり見られない光景を見に行こうと空閑に誘われるまま朝早くからバイクを走らせて三時間半。飛行機は勿論好きだが、汐見が暮らす場所では早い時間で朝六時から――夜だって十二時近くまでジェット機だけと言わずに訓練用のレシプロ機だって、何ならスペースプレーンまで飛び交っている。
その環境で飛行機を見に行こうと誘われればすぐそこにある宇宙港に行くと誰だって思うだろう、空閑の口から出てきたのは女満別空港という言葉であった。
1043「圧巻だな、三時間半かけた甲斐がある」
定刻通りに離陸する旅客機のランディングが迫る。三脚で固定したカメラのシャッターを幾度も切り続ける空閑を見ながら、汐見もコンパクトカメラでパシャリと一度シャッターを切った。頭上をボーイングが飛び去っていく。
ひまわり畑の向こうに離着陸するボーイングという、他ではあまり見られない光景を見に行こうと空閑に誘われるまま朝早くからバイクを走らせて三時間半。飛行機は勿論好きだが、汐見が暮らす場所では早い時間で朝六時から――夜だって十二時近くまでジェット機だけと言わずに訓練用のレシプロ機だって、何ならスペースプレーンまで飛び交っている。
その環境で飛行機を見に行こうと誘われればすぐそこにある宇宙港に行くと誰だって思うだろう、空閑の口から出てきたのは女満別空港という言葉であった。
にょ。
DONEレオ司レオがフィレンツェに行って戻ってくるまでの日常のお話し。ほのぼの系。
遠距離「つかさ。」
名前を呼ばれて振り返ると、ぎゅっと力強く愛しい人に抱きしめられた。
「レオさん?」
「おれ、明日からしばらくフィレンツェで仕事になったんだ。」
そう言った声は少し申し訳なさそうで、顔を覗き込む。
「随分と急ですね?次は半年後って言ってませんでしたっけ?」
「その予定だったんだけど、相手側がその時期忙しいみたいなんだよ。たぶん向こうに行ったら一月はいることになるだろうし…。」
初めから分かっていたことだが、こうして度々訪れる遠距離に寂しさが隠せない。
「そうなんですね…。」
「そんなに悲しい顔しないで?すぐに戻ってくるから。」
「わかっています…仕事ですし。でも、少し寂しいと思ってしまって。」
胸に顔を埋めると、優しく頭を撫でてくれる。これでは余計に寂しくなってしまうというのに、どうしても離れ難くて、撫でる手の心地良さに身を委ねてしまいそうになる。
2836名前を呼ばれて振り返ると、ぎゅっと力強く愛しい人に抱きしめられた。
「レオさん?」
「おれ、明日からしばらくフィレンツェで仕事になったんだ。」
そう言った声は少し申し訳なさそうで、顔を覗き込む。
「随分と急ですね?次は半年後って言ってませんでしたっけ?」
「その予定だったんだけど、相手側がその時期忙しいみたいなんだよ。たぶん向こうに行ったら一月はいることになるだろうし…。」
初めから分かっていたことだが、こうして度々訪れる遠距離に寂しさが隠せない。
「そうなんですね…。」
「そんなに悲しい顔しないで?すぐに戻ってくるから。」
「わかっています…仕事ですし。でも、少し寂しいと思ってしまって。」
胸に顔を埋めると、優しく頭を撫でてくれる。これでは余計に寂しくなってしまうというのに、どうしても離れ難くて、撫でる手の心地良さに身を委ねてしまいそうになる。
狭山くん
TRAINING2022-07-22/四六時中一緒にいるからメッセージのやり取りが新鮮なのっていいよね。SETIの話書きたかったけど上手くいかなかった結果。文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day22 大学部に併設された図書館にひっそりと存在する閲覧室。自習室とは違い1人掛けのソファと申し訳程度のようなテーブルが並べられたその部屋は、いつ来ても人影も疎で穴場のような場所だった。
汐見以外の誰も居ないその部屋を独り占めしながら、手元にあるタブレットをするりと撫でる。そこに表示されているのは一世紀半前、まだ人類が地球の周りを回る事しかしていなかった時代のエッセイを電子化したもので。オールドシャトル計画に参加した日本人の配偶者が記した軽快な筆致のエッセイは、とうの昔に紙の本としては絶版になっていて――古典ライブラリとして無料公開されている中から汐見が見つけ出したものだった。
自身の携帯端末にダウンロードしても良いのだが、シンプルなものを好む汐見の持つ端末は画面も小さいもので。メールのやり取り程度であれば苦ではない程度の大きさではあるが、長文を読むのであればタブレットの方が読みやすい。
1135汐見以外の誰も居ないその部屋を独り占めしながら、手元にあるタブレットをするりと撫でる。そこに表示されているのは一世紀半前、まだ人類が地球の周りを回る事しかしていなかった時代のエッセイを電子化したもので。オールドシャトル計画に参加した日本人の配偶者が記した軽快な筆致のエッセイは、とうの昔に紙の本としては絶版になっていて――古典ライブラリとして無料公開されている中から汐見が見つけ出したものだった。
自身の携帯端末にダウンロードしても良いのだが、シンプルなものを好む汐見の持つ端末は画面も小さいもので。メールのやり取り程度であれば苦ではない程度の大きさではあるが、長文を読むのであればタブレットの方が読みやすい。
rinngo6363
DONE牧師(傭兵)×神父のランロイ🤤パロ的な何かで、発散したモノでし♂特にエロも無いですけど付き合うまでの過程ってなんでこう楽しいんやろ…「恋に堕ちたら最後」!アテンション!パロ的ご都合設定です。
生まれも育ちも戦場の中、俺にとって今後の人生を左右する出来事が起こった。
いつもの様に雇われの中、ほんのひと時の休息と息巻いて町へと足を運んだ。道中にて雰囲気のある酒場を見つけ適当につまみとメニューから目当ての物を注文する。ここの酒は年代物もあって久しぶりに物の味を感じ余韻に浸っていると酒場には似合わない少年が来店してきた。
横目で観察しながらマスターに話を数分した後に張り紙を貼って丁寧にお辞儀をした後、そのまま帰宅していった。なんだろうと張り紙を見ると牧師の募集をしているという物だ。
「ふーん…牧師ねぇ」
1週間後に控える結婚式に募集をしているとの事で自分には関係ない話だなと苦笑しながらほろ酔い程度に抑えて店を後にする。
4077生まれも育ちも戦場の中、俺にとって今後の人生を左右する出来事が起こった。
いつもの様に雇われの中、ほんのひと時の休息と息巻いて町へと足を運んだ。道中にて雰囲気のある酒場を見つけ適当につまみとメニューから目当ての物を注文する。ここの酒は年代物もあって久しぶりに物の味を感じ余韻に浸っていると酒場には似合わない少年が来店してきた。
横目で観察しながらマスターに話を数分した後に張り紙を貼って丁寧にお辞儀をした後、そのまま帰宅していった。なんだろうと張り紙を見ると牧師の募集をしているという物だ。
「ふーん…牧師ねぇ」
1週間後に控える結婚式に募集をしているとの事で自分には関係ない話だなと苦笑しながらほろ酔い程度に抑えて店を後にする。
狭山くん
TRAINING2022-07-21/今日の空閑汐♂夏祭りはキャンプです!夏はやっぱりキャンプして欲しいよね。文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day21 夏の夜は短い。未だ太陽の齎した熱が冷え切らない淡い色をした空を見つめながら、汐見は目の前で燃え盛る炎の中へと乾き切った枝を投げ入れる。
「これぞキャンプファイヤーだよね」
「まぁ、キャンプで火を焚いてるからな」
楽しげに声を上げるフェルマーに、何の感慨もなく言葉を返した汐見へ「相変わらずムードってもんを理解してないよな」と呆れた声を溢すのは篠原だ。
「ムードつったって、学校からちょっと離れたキャンプ場で野営してるって話だからなぁ、許可取れば校内でも焚き木位出来るだろ」
ナイロンとステンレスの枠組で作られた椅子に凭れながら、その横に積まれた木の枝を表情ひとつ変えずに火の中に放り込む汐見の横顔へとじとりとした視線を向けたフェルマーはため息と共に言葉を漏らす。
1573「これぞキャンプファイヤーだよね」
「まぁ、キャンプで火を焚いてるからな」
楽しげに声を上げるフェルマーに、何の感慨もなく言葉を返した汐見へ「相変わらずムードってもんを理解してないよな」と呆れた声を溢すのは篠原だ。
「ムードつったって、学校からちょっと離れたキャンプ場で野営してるって話だからなぁ、許可取れば校内でも焚き木位出来るだろ」
ナイロンとステンレスの枠組で作られた椅子に凭れながら、その横に積まれた木の枝を表情ひとつ変えずに火の中に放り込む汐見の横顔へとじとりとした視線を向けたフェルマーはため息と共に言葉を漏らす。
狭山くん
TRAINING2022-07-20/空閑汐♂夏祭りも2/3というとこですね!ちゃんと続いてるの偉いね!という事でやっぱり汐見♂には空を飛んでて欲しいのよ。文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day20 美しく染め抜いた青に白い山が聳えていた。まるで、この間のかき氷みたいだ。汐見は取り留めもなくそんな事を考える。
「おぉい、汐見。何ぼんやりしてんだ、行くぞ」
普段はジャージで通している汐見も、今日は青色のフライトスーツを纏っている。それはかつて宇宙に行ける人間が限られていた頃、宇宙飛行士のシンボルのようにされていたそれで。人々が気負いなく宇宙に行けるようになった今、そのシンボルは国際航空宇宙学院のパイロットコースに所属する生徒のユニフォームとなっていた。濃紺のフライトスーツを纏う吉嗣の声に空へと向けていた視線を戻し頷く。
「わかってますよ、センセ。ちょっと感傷に浸っても良いじゃないすか」
「感傷に浸るにはまだ若い。もうちょっとシャキッとしろよな」
1138「おぉい、汐見。何ぼんやりしてんだ、行くぞ」
普段はジャージで通している汐見も、今日は青色のフライトスーツを纏っている。それはかつて宇宙に行ける人間が限られていた頃、宇宙飛行士のシンボルのようにされていたそれで。人々が気負いなく宇宙に行けるようになった今、そのシンボルは国際航空宇宙学院のパイロットコースに所属する生徒のユニフォームとなっていた。濃紺のフライトスーツを纏う吉嗣の声に空へと向けていた視線を戻し頷く。
「わかってますよ、センセ。ちょっと感傷に浸っても良いじゃないすか」
「感傷に浸るにはまだ若い。もうちょっとシャキッとしろよな」
狭山くん
TRAINING2022-07-19/空閑汐♂の夏19日目!かき氷で愛の大きさを表現するな。文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day19 ガラスの器に降る雪のような氷の欠片にフェルマーは歓声を上げる。小さな子供のようなはしゃぐフェルマーの様子を見ながら、汐見はかき氷機のハンドルを回していた。手回し式のかき氷機をどこからか引っ張り出してきたフェルマーは、その作業を汐見に押し付けて。汐見もそれを嫌がる事なく引き受けていた。
「アマネ、代わるよ?」
「俺がこの程度でへたると思ってんのか」
四杯分の氷を削った所で、汐見の後ろに立っていた空閑は彼に声を掛ける。空閑の言葉に心外だと眉を寄せた汐見に「まさか」と空閑は笑い声を上げて。
「じゃなくて、アマネのは俺に削らせてよ」
「あぁ、そう言う事。んじゃ遠慮なく」
空閑の言葉に一度頷いた汐見は、自身が立っていた場所を空閑へと明け渡す。そうすれば空閑は鼻歌混じりでハンドルに手を掛けるのだ。
1060「アマネ、代わるよ?」
「俺がこの程度でへたると思ってんのか」
四杯分の氷を削った所で、汐見の後ろに立っていた空閑は彼に声を掛ける。空閑の言葉に心外だと眉を寄せた汐見に「まさか」と空閑は笑い声を上げて。
「じゃなくて、アマネのは俺に削らせてよ」
「あぁ、そう言う事。んじゃ遠慮なく」
空閑の言葉に一度頷いた汐見は、自身が立っていた場所を空閑へと明け渡す。そうすれば空閑は鼻歌混じりでハンドルに手を掛けるのだ。
狭山くん
TRAINING2022-07-18/夏祭り18日目の空閑汐♂は汐見♂の独白になりました〜!まーーーた不穏なんだよなんなんだよ君らはよォ!(答:共依存)文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day18 ぼんやりと夜明け前の空を見つめていた。
背中には空閑の体温があって、窓の外は真夜中の黒く塗りつぶしたような闇よりもほんの少しだけ色付き始めている時間。汐見はこの時間が割合気に入っていて。すやすやと眠りながらもしっかりと自身に巻き付けられている腕や、背中で感じる空閑の体温や、微睡のピントが合わない視界の中で開け放たれたままのカーテンの向こうに見える空の色だとか。
そういったものをぼんやりと感じたり見つめながら、また眠りに落ちる。そんなぐずぐずとしたベッドの中での眠りを、汐見は空閑と出会うまで知らなかったのだ。
眠りに落ちる前には暑苦しいと言っていたとしても、夜明けの頃にこうしてぴったりとくっついている体温は夜の空気に冷まされた身体に心地よい。夜明けが始まる前の空は、まるで空閑の瞳の色のようで心に良く馴染む。寝ぼけている空閑が汐見の首筋に鼻先を埋めれば、その感触に背筋に甘いものが疼いた。
901背中には空閑の体温があって、窓の外は真夜中の黒く塗りつぶしたような闇よりもほんの少しだけ色付き始めている時間。汐見はこの時間が割合気に入っていて。すやすやと眠りながらもしっかりと自身に巻き付けられている腕や、背中で感じる空閑の体温や、微睡のピントが合わない視界の中で開け放たれたままのカーテンの向こうに見える空の色だとか。
そういったものをぼんやりと感じたり見つめながら、また眠りに落ちる。そんなぐずぐずとしたベッドの中での眠りを、汐見は空閑と出会うまで知らなかったのだ。
眠りに落ちる前には暑苦しいと言っていたとしても、夜明けの頃にこうしてぴったりとくっついている体温は夜の空気に冷まされた身体に心地よい。夜明けが始まる前の空は、まるで空閑の瞳の色のようで心に良く馴染む。寝ぼけている空閑が汐見の首筋に鼻先を埋めれば、その感触に背筋に甘いものが疼いた。
holyfoxbeam
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狭山くん
TRAINING2022-07-17/空閑汐♂夏祭り17日目〜!!今日も可愛い空閑汐♂です!ヤッターーー!!!文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day17 ずっしりと重いボールペンで、白い紙に黒い軌跡を残す。あまり上手くはない字が並ぶ紙を見て、空閑は満足気な笑みを浮かべていた。
「何やってんだ」
「改めて漢字で名前書いてみたんだけどさ、俺らの名前って海と空が入ってるんだなぁって思って」
汐見天音、空閑宙海と縦に並べて書かれた名前に書き足すように傘を付けた空閑に汐見は「何やってんだか」と呆れたように笑う。しかしその笑みは呆れの色が混じりながらも満更でもなさそうで。
「良いじゃん、相合傘。一度やってみたいな」
「デカい男二人でやったらお互いにはみ出るだろ、合羽でも着てやるつもりか?」
「それいいね!」
皮肉るような汐見の言葉に大きく頷いた空閑に「もう何でもいい」と汐見は投げやりな言葉を放つ。この反応は悪くない、と空閑は口元に弧を描いた。
992「何やってんだ」
「改めて漢字で名前書いてみたんだけどさ、俺らの名前って海と空が入ってるんだなぁって思って」
汐見天音、空閑宙海と縦に並べて書かれた名前に書き足すように傘を付けた空閑に汐見は「何やってんだか」と呆れたように笑う。しかしその笑みは呆れの色が混じりながらも満更でもなさそうで。
「良いじゃん、相合傘。一度やってみたいな」
「デカい男二人でやったらお互いにはみ出るだろ、合羽でも着てやるつもりか?」
「それいいね!」
皮肉るような汐見の言葉に大きく頷いた空閑に「もう何でもいい」と汐見は投げやりな言葉を放つ。この反応は悪くない、と空閑は口元に弧を描いた。
狭山くん
TRAINING2022-07-16/夏の空閑汐も折り返し!怪談話に弱い空閑とムードもクソもない汐見♂である。汐見♂がムードもクソもないのは通常運転ですね……文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day16 錆びついた金属で作られた扉を開けば、ひどく耳障りな音が響いた。
「蝶番まで錆び切ってるじゃん、やっぱりやめとかない?」
「センセが言うには、三十年位開けてないらしいぞ。センセも中見たことないつってたし。仕事なんだから仕方ないだろ」
ひどくぎこちない動きで開かれた扉に呆れたように声を上げ眉を寄せる空閑に、汐見は苦笑混じりで言葉を返す。学校の敷地の端に作られた旧格納庫、今まで取り壊す話が何度か出ていたらしいその場所は遂に取り壊される事が決まったらしい。取り壊し前の備品確認に召集されたのが空閑と汐見であった。
中に入り照明のスイッチを押しても反応ひとつ返ってこない薄暗がりに遂にため息を吐き出した空閑は、吉嗣に渡されていた懐中電灯で中を照らす。その場所はがらんどうで、寒々とした空間になっていた。
1289「蝶番まで錆び切ってるじゃん、やっぱりやめとかない?」
「センセが言うには、三十年位開けてないらしいぞ。センセも中見たことないつってたし。仕事なんだから仕方ないだろ」
ひどくぎこちない動きで開かれた扉に呆れたように声を上げ眉を寄せる空閑に、汐見は苦笑混じりで言葉を返す。学校の敷地の端に作られた旧格納庫、今まで取り壊す話が何度か出ていたらしいその場所は遂に取り壊される事が決まったらしい。取り壊し前の備品確認に召集されたのが空閑と汐見であった。
中に入り照明のスイッチを押しても反応ひとつ返ってこない薄暗がりに遂にため息を吐き出した空閑は、吉嗣に渡されていた懐中電灯で中を照らす。その場所はがらんどうで、寒々とした空間になっていた。
狭山くん
TRAINING2022-07-15/夏祭り15日目は汐見♂と吉嗣センセの話。吉嗣センセにも色々ありそうだしなんで私はこう不穏を入れたくなるんだ。(性癖)文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day15「――っとと、」
吉嗣の声と共にグラスの縁から溢れ出そうになる泡を見ながら、汐見は呆れたようにため息をひとつ。そんな汐見の反応を横目で見ながら「業務時間外なんだから良いだろ」と吉嗣は肩を竦めた。
「いやまぁ勝手にすれば良いと思いますけどね。テストの採点を俺に押しつけて置きながら自分は酒すか」
呆れ声で返された汐見の言葉に、吉嗣は上機嫌でカラカラと笑う。
「だってお前出来ちゃうだろ。答案は用意したし、お前そのテストで満点取ってたんだし」
「ヒロミだって満点だった筈なんすけどね」
「空閑は寮長会議に引っ張られてんじゃん。空閑が居ないとお前暇だろ」
赤い水性ペンをキュ、と鳴らしながらテストの採点を進めていく汐見は眉を寄せながら再びのため息を零していた。
1318吉嗣の声と共にグラスの縁から溢れ出そうになる泡を見ながら、汐見は呆れたようにため息をひとつ。そんな汐見の反応を横目で見ながら「業務時間外なんだから良いだろ」と吉嗣は肩を竦めた。
「いやまぁ勝手にすれば良いと思いますけどね。テストの採点を俺に押しつけて置きながら自分は酒すか」
呆れ声で返された汐見の言葉に、吉嗣は上機嫌でカラカラと笑う。
「だってお前出来ちゃうだろ。答案は用意したし、お前そのテストで満点取ってたんだし」
「ヒロミだって満点だった筈なんすけどね」
「空閑は寮長会議に引っ張られてんじゃん。空閑が居ないとお前暇だろ」
赤い水性ペンをキュ、と鳴らしながらテストの採点を進めていく汐見は眉を寄せながら再びのため息を零していた。
狭山くん
TRAINING2022-07-14/空閑汐♂夏祭りも実に14日目となりました!面倒臭い方の空閑を書くのは割と楽しかったりもする。文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day14 月もなく、星々だけが煌めく中。構内の照明すらも落とされた真夜中のプロムナードを空閑と汐見はそぞろ歩く。常ならば煌々と輝いている筈の学校に隣接する宇宙港も、殆ど照明が落とされ心なしかひっそりとして。
「久々だな、この時間に外歩くの」
「そういえばそうかも」
真夜中の冷え切った空気が肌に心地いい。少し先を行く汐見の姿も闇に紛れてしまいそうで、空閑は彼に追いつくように足を早める。真夜中の散歩は高校生の身分であった頃から、時折汐見に誘われるままに行われていて。こうして歩き回るのは久々の事だった。
「まぁ、理由は分かりきってんだけどな」
少しだけ刺すような調子でそう重ねた汐見に、空閑は苦笑を漏らす。昨年までは夏の熱から逃げるように、この時期は幾度もこうやって外を歩いていた。その恒例行事のような夜の散歩が今年は今日まで行われていなかったのは、ひとえにこの時間に外を出歩ける状態になかったという事で。
1484「久々だな、この時間に外歩くの」
「そういえばそうかも」
真夜中の冷え切った空気が肌に心地いい。少し先を行く汐見の姿も闇に紛れてしまいそうで、空閑は彼に追いつくように足を早める。真夜中の散歩は高校生の身分であった頃から、時折汐見に誘われるままに行われていて。こうして歩き回るのは久々の事だった。
「まぁ、理由は分かりきってんだけどな」
少しだけ刺すような調子でそう重ねた汐見に、空閑は苦笑を漏らす。昨年までは夏の熱から逃げるように、この時期は幾度もこうやって外を歩いていた。その恒例行事のような夜の散歩が今年は今日まで行われていなかったのは、ひとえにこの時間に外を出歩ける状態になかったという事で。
狭山くん
TRAINING2022-07-13/夏の空閑汐♂13日目!切手を舐める仕草ってえっちだよねって話。第二宇宙速度って単語がただただエモ。文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day13 リビングルームとして使われている部屋に置かれたダイニングテーブルで紙片に向かう汐見へと、空閑は珍しげに視線を向ける。汐見の手に握られているのは、今年の誕生日プレゼントとして彼が空閑へと贈ったものと揃いのボールペンで。
どんなに難解な課題でもそんな表情は浮かべていなかったと思える程の渋面を晒し、白い紙にボールペンを走らせる汐見の様子を観察していた空閑は結局観察だけでは飽きたらず汐見の向かい側へと腰を下ろす。空閑に見られたく無いものであれば、汐見は図書館か格納庫にある飛行教官室に行く事を知っていたのだ。
「アマネ、何やってるの?」
顔を顰める汐見へと声を投げれば、汐見の切れ長な瞳は白い紙から空閑へと向けられる。深い茶色の瞳には、わかりやすく困惑が浮かんでいた。
1510どんなに難解な課題でもそんな表情は浮かべていなかったと思える程の渋面を晒し、白い紙にボールペンを走らせる汐見の様子を観察していた空閑は結局観察だけでは飽きたらず汐見の向かい側へと腰を下ろす。空閑に見られたく無いものであれば、汐見は図書館か格納庫にある飛行教官室に行く事を知っていたのだ。
「アマネ、何やってるの?」
顔を顰める汐見へと声を投げれば、汐見の切れ長な瞳は白い紙から空閑へと向けられる。深い茶色の瞳には、わかりやすく困惑が浮かんでいた。
もがナマコ
DOODLE鉛筆ざかざかしか今できないけど元気ない人に贈るエロ絵。
(強引に)「お手伝いしてるだけだよ。家族なら助け合って当然だからね。」な棗光と
ポニテ引っ張りながらバックするシチュのロズシュタ 2
狭山くん
TRAINING2022-07-12/空閑汐♂の夏12日目!スイカといえば割らねば!という使命に燃えた結果。文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day12 稽古終わりの道場にそれを持ち込んだのは、部活の終了時間を見計らいフェルマーを伴ってふらりと現れた高師だった。
「……お前がこういう事するの、珍しいな」
「姉から送られてきたんだ。俺一人だと持て余すからな、普通に部員で分けようと思って持ってきただけで……決してこんな事をしようと思って持ってきた訳では無いんだがな!?」
ひと汗かいたと首に手ぬぐいを掛け剣道着を纏ったままの姿で眉を寄せポツリと呟いた汐見に、高師はその理由を説明しながらも予想外の展開に転んだ空間に向けて叫んでしまう。
高師が持ち込んだそれの周りでは稽古終わりの部員達がワイワイと群がり手ぬぐいや木刀、どこから持ってきたのかビニールシートまで用意されていた。
833「……お前がこういう事するの、珍しいな」
「姉から送られてきたんだ。俺一人だと持て余すからな、普通に部員で分けようと思って持ってきただけで……決してこんな事をしようと思って持ってきた訳では無いんだがな!?」
ひと汗かいたと首に手ぬぐいを掛け剣道着を纏ったままの姿で眉を寄せポツリと呟いた汐見に、高師はその理由を説明しながらも予想外の展開に転んだ空間に向けて叫んでしまう。
高師が持ち込んだそれの周りでは稽古終わりの部員達がワイワイと群がり手ぬぐいや木刀、どこから持ってきたのかビニールシートまで用意されていた。