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TRAINING下戸藍湛×バーテン魏嬰〜パニック編〜
ノンアルコール・モヒート!(7) 何の疑いなく、酒を口にした藍湛はというと。
「友達になってくれて、ありがとう…」
と言って俯いたきり、動かなくなった。流石にこのリアクションは初めてだった。
え、大丈夫か?息してる?
慌てて近寄り呼吸を確認する。結論から言うと、寝ているらしい。生きてる事に安堵したのも初めてだった。
マジか……マジか。このひと口で寝るのは…想定外だった。これは、うん、立派な下戸だ。
起きるまでこの姿勢でいるのか…と考えながら寝顔を眺める。寝顔まで美しい。触れていいのか、と考える前に手が出ていた。
横髪をそっと耳に掛けてやり、長い睫毛が落とす影を眺める。ぶっちゃけ、誰かに触れられるのは嫌いだし、自分から触れる事すら嫌だった。けれど藍湛には、吸い込まれるように触れてしまう自分に驚きを隠せない。
1641「友達になってくれて、ありがとう…」
と言って俯いたきり、動かなくなった。流石にこのリアクションは初めてだった。
え、大丈夫か?息してる?
慌てて近寄り呼吸を確認する。結論から言うと、寝ているらしい。生きてる事に安堵したのも初めてだった。
マジか……マジか。このひと口で寝るのは…想定外だった。これは、うん、立派な下戸だ。
起きるまでこの姿勢でいるのか…と考えながら寝顔を眺める。寝顔まで美しい。触れていいのか、と考える前に手が出ていた。
横髪をそっと耳に掛けてやり、長い睫毛が落とす影を眺める。ぶっちゃけ、誰かに触れられるのは嫌いだし、自分から触れる事すら嫌だった。けれど藍湛には、吸い込まれるように触れてしまう自分に驚きを隠せない。
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TRAINING下戸藍湛×バーテン魏嬰〜不定休日編〜
ノンアルコール・モヒート!(6) 連絡先を交換して暫く。返事のメールをして以降、彼からメールが来る事はなかった。俺からも、してない。元々、細々したメール連絡とかはあまり得意ではない。けれど、藍湛から連絡がない事は少し気にしていた。
藍湛も店には来るし、普段と変わりない。だからそんなに気にしないように心掛けていた。
そんなある日。オープン前の業務を終えてバックヤードにモップを片付けに行った時。スマホがメールの着信を告げる。手に取り俺は、固まった。
『きみに、逢いたい』
送信元を確認すると、きちんと藍湛だ。何度も確認し、迷惑メールの類でない事を確認する。すると、もう一件続けて来た。
『すまない、忘れて欲しい』
いやいやいやいや、忘れられるはずがない。少し悩んでから返事をする。
2175藍湛も店には来るし、普段と変わりない。だからそんなに気にしないように心掛けていた。
そんなある日。オープン前の業務を終えてバックヤードにモップを片付けに行った時。スマホがメールの着信を告げる。手に取り俺は、固まった。
『きみに、逢いたい』
送信元を確認すると、きちんと藍湛だ。何度も確認し、迷惑メールの類でない事を確認する。すると、もう一件続けて来た。
『すまない、忘れて欲しい』
いやいやいやいや、忘れられるはずがない。少し悩んでから返事をする。
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TRAINING下戸藍湛×× バーテン魏嬰〜連絡先交換編〜
ノンアルコール・モヒート!(5) 友達になった藍湛は、それからよく来るようになった。比較的早い時間に来て、日付が変わる前には帰る。その時間帯の常連には顔馴染みだ。このバーの中だけで、肩書きも何も関係なく平等に接し合う常連客達にも話しかけられるようになっていた。
相変わらず、表情は乏しく言葉も少ない。しかし彼を邪険に扱う者もいない。客の中には社長から女子大生と幅広くいる。そんな中で彼なりに、人と接する楽しみを少しずつ感じられるようになってきように見えた。それが俺は嬉しかった。
「あれ、今日はシンデレラ君いないの?」
藍湛に渾名がつく程には、このバーに馴染んだある日の事だ。『シンデレラ君』というのは藍湛の事。
この女子大生と藍湛と話している時にカクテルの話を求められた。『シンデレラ』のカクテルの話をした。プリンセスが好きな子だから熱心に聞いていたけど、その後の彼女の言葉が…
2050相変わらず、表情は乏しく言葉も少ない。しかし彼を邪険に扱う者もいない。客の中には社長から女子大生と幅広くいる。そんな中で彼なりに、人と接する楽しみを少しずつ感じられるようになってきように見えた。それが俺は嬉しかった。
「あれ、今日はシンデレラ君いないの?」
藍湛に渾名がつく程には、このバーに馴染んだある日の事だ。『シンデレラ君』というのは藍湛の事。
この女子大生と藍湛と話している時にカクテルの話を求められた。『シンデレラ』のカクテルの話をした。プリンセスが好きな子だから熱心に聞いていたけど、その後の彼女の言葉が…
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TRAINING下戸藍湛×バーテン魏嬰〜握手編〜
ノンアルコール・モヒート!(4)「……魏嬰」
まるで魔法を唱えられたように、血の巡りが速くなるのを感じた。頬が熱くなり、何かを堪えるように歯を食いしばる。無意識に。
呼んだ本人は、真面目な顔で俺の反応を待っていた。これは、名で呼ぶべきなのか。
「…藍湛」
微かに掠れた声で名を呼ぶと、藍湛は満足そうに目を細めてグラスを持ち一口飲んだ。俺は酒に強い。だからこれは、アルコールが原因ではない。いや、原因は全てわかってる。それを、認めたくないだけ。
乾いた喉を潤すように、日本酒を呷る。ゆっくり飲み下すと、アルコールが喉を通って胃に落ちて行くのを感じた。
藍湛は、この空間を少しでも心地好いと感じてくれているのだろうか。藍湛の事が、知りたい。近付きたい。
1759まるで魔法を唱えられたように、血の巡りが速くなるのを感じた。頬が熱くなり、何かを堪えるように歯を食いしばる。無意識に。
呼んだ本人は、真面目な顔で俺の反応を待っていた。これは、名で呼ぶべきなのか。
「…藍湛」
微かに掠れた声で名を呼ぶと、藍湛は満足そうに目を細めてグラスを持ち一口飲んだ。俺は酒に強い。だからこれは、アルコールが原因ではない。いや、原因は全てわかってる。それを、認めたくないだけ。
乾いた喉を潤すように、日本酒を呷る。ゆっくり飲み下すと、アルコールが喉を通って胃に落ちて行くのを感じた。
藍湛は、この空間を少しでも心地好いと感じてくれているのだろうか。藍湛の事が、知りたい。近付きたい。
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TRAINING下戸藍湛×バーテン魏嬰〜友達感覚編〜
ノンアルコール・モヒート!(3) 客との距離は、付かず離れず。来る者拒まず去るもの追わず。決して踏み込ませないし、踏み込んではいけない。それが俺のモットーだった。店で美味しく楽しく過ごしてもらう事に粉骨砕身すれども、深入りをしてはいけない。
「何だ、溜息なんぞ吐いて」
江澄に言われて気付いた。溜息を吐いていた事に。
江澄とは幼少期からの付き合いだ。遠慮のない物言いは近年では『ツンデレ』と呼ばれるものを地で行ってるんじゃないかと、最近思ってる。
「わかんないんだよな、自分が」
俺の言葉が意外だったのか、江澄は片眉を上げる。グラスが空になっているので、彼の好きな年代物ウイスキーをロックで出してやる。
「なんていうかさ、もう来ないだろう客を待ってる自分がいるんだよな」
2993「何だ、溜息なんぞ吐いて」
江澄に言われて気付いた。溜息を吐いていた事に。
江澄とは幼少期からの付き合いだ。遠慮のない物言いは近年では『ツンデレ』と呼ばれるものを地で行ってるんじゃないかと、最近思ってる。
「わかんないんだよな、自分が」
俺の言葉が意外だったのか、江澄は片眉を上げる。グラスが空になっているので、彼の好きな年代物ウイスキーをロックで出してやる。
「なんていうかさ、もう来ないだろう客を待ってる自分がいるんだよな」
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TRAINING下戸藍湛×バーテン魏嬰〜再来店編〜
ノンアルコール・モヒート!(2) 数日が平穏に、何事もなく過ぎた。あの美男の事を時折思い出すが、寂しいなどの気持ちはなくなっていた。
今日もいつもの時間にオープンする。オープンしてすぐに客が来る事はあまりなく、カウンター内にノートパソコンを持ってきて注文などをのんびりしていた。
その欄の中の『烏龍茶』の単語を見て、ふと美男を思い出す。まさか、このバーでそんなものを注文されたのは初めてだった。きっと、困って切羽詰まってたのだろうと想像すると自然と笑みが溢れた。
棚の在庫を確認しながら注文を終える。ノートパソコンを片付けにバックヤードに行ってコンセントを挿す。扉に取り付けてあるベルの音が響いた。
店内に戻りながら、この時間帯に来る常連客の顔を思い出す。そして、カウンター内に戻りながら俺は固まった。
3019今日もいつもの時間にオープンする。オープンしてすぐに客が来る事はあまりなく、カウンター内にノートパソコンを持ってきて注文などをのんびりしていた。
その欄の中の『烏龍茶』の単語を見て、ふと美男を思い出す。まさか、このバーでそんなものを注文されたのは初めてだった。きっと、困って切羽詰まってたのだろうと想像すると自然と笑みが溢れた。
棚の在庫を確認しながら注文を終える。ノートパソコンを片付けにバックヤードに行ってコンセントを挿す。扉に取り付けてあるベルの音が響いた。
店内に戻りながら、この時間帯に来る常連客の顔を思い出す。そして、カウンター内に戻りながら俺は固まった。
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TRAINING下戸藍湛×バーテン魏嬰〜出会い編〜
ノンアルコール・モヒート!(1) 都心の大通り。金曜日の深夜の街はまだ賑わっていた。人通りの多いその大きな通りから一本外れた道に入る。道を一本外れるだけで人通りはほとんどなくなっている。
邸宅が並ぶその中に、白く四角い簡素な建物があった。看板も窓も見当たらない。暖かなクリーム色を発光する楕円形のライトが等間隔で置かれている。大して大きくもない建物の割に、大きなアンティークオークの扉が目立つ。
店内は落ち着いた明るさで、華美過ぎないシャンデリアと壁の間接照明。白い壁に、扉と同じアンティークオークの床。同じ色のテーブルが広い間隔で三つとカウンター。スツールは壁と同じ白で統一されている。カウンターの奥には様々な種類の酒やサーバー、多種多様なグラスが設置されている。
2299邸宅が並ぶその中に、白く四角い簡素な建物があった。看板も窓も見当たらない。暖かなクリーム色を発光する楕円形のライトが等間隔で置かれている。大して大きくもない建物の割に、大きなアンティークオークの扉が目立つ。
店内は落ち着いた明るさで、華美過ぎないシャンデリアと壁の間接照明。白い壁に、扉と同じアンティークオークの床。同じ色のテーブルが広い間隔で三つとカウンター。スツールは壁と同じ白で統一されている。カウンターの奥には様々な種類の酒やサーバー、多種多様なグラスが設置されている。
はるもん🌸
MOURNING魏嬰は師姉、ふーみん、江澄みんなにデコピンされたことあるんだろうなって思い書いてみました。
藍湛のデコピン「含光君。お前って奴はどこもかしこもいい香りだな」
初めて体を繋げた二人はゆったりとした空気に身を預けていた。悪くない気だるさを感じながら、魏無羨は四肢を伸ばし、空を見上げる。藍忘機は手持ちの白い布で彼の汚れた体をふき取り、小さく「そうか」と返事をしてやっていた。
「お前のアソコの香りもなかなかだった。ついでに味も」
藍忘機は何のことかと一寸考え、魏無羨のニヤニヤといやらしく笑う顔を見て気づいた。藍忘機は指先を折り曲げ、指先で軽く彼の額をはじく。
「あだっ」
「はしたない」
「ははは!お前だってさっき俺に『はしたない』事をしただろう?
まさか俺の真似をして、本当にお前があんなところをその端正なお口で…」
「魏嬰!」
397初めて体を繋げた二人はゆったりとした空気に身を預けていた。悪くない気だるさを感じながら、魏無羨は四肢を伸ばし、空を見上げる。藍忘機は手持ちの白い布で彼の汚れた体をふき取り、小さく「そうか」と返事をしてやっていた。
「お前のアソコの香りもなかなかだった。ついでに味も」
藍忘機は何のことかと一寸考え、魏無羨のニヤニヤといやらしく笑う顔を見て気づいた。藍忘機は指先を折り曲げ、指先で軽く彼の額をはじく。
「あだっ」
「はしたない」
「ははは!お前だってさっき俺に『はしたない』事をしただろう?
まさか俺の真似をして、本当にお前があんなところをその端正なお口で…」
「魏嬰!」
はるもん🌸
MOURNING藍湛も好きな子の前では普通の男の子なんだなって弟子が思ったとある日。藍湛の照れ「含光君はやっぱり凄いです!」
「私もいつか含光君のように!」
「無駄のない身のこなし、尊敬します!」
藍忘機はこのような賞賛を十代の頃から当たり前のように耳にしていた。今更誰に賞賛されようとも眉一つ動く事は無い。
今宵の教鞭は藍忘機が指導する事になった。
霊獣に襲われた時の基本的な対処を藍忘機から学び、明日魏無羨の霊獣退治指導の際にどう応用すべきかを実践で学ぶ予定となっている。御剣してこちらに向かってくる藍忘機に魏無羨が声を上げた。
「良い見本だったぞ含光君。あの剣の突きの鋭さと言ったらもう!しびれて立てなくなりそうだった!」
「言いすぎだ」
宙に浮いていた藍忘機は魏無羨の隣に降り立ち、避塵を鞘に納めた。
1105「私もいつか含光君のように!」
「無駄のない身のこなし、尊敬します!」
藍忘機はこのような賞賛を十代の頃から当たり前のように耳にしていた。今更誰に賞賛されようとも眉一つ動く事は無い。
今宵の教鞭は藍忘機が指導する事になった。
霊獣に襲われた時の基本的な対処を藍忘機から学び、明日魏無羨の霊獣退治指導の際にどう応用すべきかを実践で学ぶ予定となっている。御剣してこちらに向かってくる藍忘機に魏無羨が声を上げた。
「良い見本だったぞ含光君。あの剣の突きの鋭さと言ったらもう!しびれて立てなくなりそうだった!」
「言いすぎだ」
宙に浮いていた藍忘機は魏無羨の隣に降り立ち、避塵を鞘に納めた。
mdzs_jaks
DONE忘羨天天小話(全29頁)去年発行した個人誌『萬花筒を覗くように』に収録したR18小話をweb用に再録しました。ただひたすら天天しているだけです。
◇18歳未満の方は閲覧をご遠慮ください
◆原作(翻訳版)四巻発売前の時期に書いたものなので解像度は低めです
◇攻めフェ描写があるので苦手な方はご注意ください 29
mdzs_jaks
DONE魏嬰が藍湛への恋心を自覚している前提の香炉if R18(40-70頁)※2/6:後日譚を追加しました
座学忘羨が終始もだもだ第二ランドすけべをしているだけです。
こちら(https://twitter.com/mdzs_jaks/status/1471207245593837568?s=20)の続きです。これで完結です。ここまでお付き合いくださり、本当にありがとうございました! 31
mdzs_jaks
DOODLE寒い夜、藍湛にあっためてほしい魏嬰と指ふぇらの小話らくがき(全7頁)本番までいっていませんが、用語が飛び出したり濫りがましいので、閲覧は18歳以上の方でお願いします。
2021年の書き納めになりました、ありがとうございます!来年も健全な忘羨もえっちな忘羨も吸って書いていきたいです! 7
mdzs_jaks
DOODLEにょた魏嬰ちゃん練習らくがき(全8頁)本番無しですが一応R18。何番煎じネタで後天性にょたになった魏嬰ちゃんが含光君にひたすらおっ…ぱい揉まれているだけの小話です。
※女体化注意
※18歳未満の方は閲覧をご遠慮ください 8
mdzs_jaks
DONEカーセッな現代AU忘羨小話(R18)全15頁ゲリラ豪雨で立ち往生した車の中でふたりが盛り上がるだけのお話です。
※車の構造や性能等は素人なので見逃していただけると幸いです… 15
mdzs_jaks
DOODLE忘羨ワンドロワンライお題「目隠し」と「汗」をお借りした小話(全3頁)ぬるいですが天天の最中と事後なので一応R18です。
◆魔道祖師オンライン交流会5の展示用に終了までパス制公開にしております
◇パスワードは店舗のお品書きに記載しております 3
amhr_niarfer
DONE※香炉if年少の頃の魏無羨のお話。
これはどちらの夢か。はたまた現か。
お気に召さないと思った時は、そっと閉じて見なかったことにしてください。
18歳以上ですか?(Yes/No) 1627
西村ルル
DONEn番煎じすぎるネタですが、私も書きたかったのでご容赦を😂夜狩で藍湛が戻れない夜にムラムラして、献舎後初めてひとりでしちゃう魏嬰。
途中から藍湛乱入します!
急いで書いたのでわりとあっさりスケベかも。
おやつ感覚でどうぞ♪ 2318
西村ルル
PROGRESSプライベッターにて連載中の現代AU×近未来AU眼鏡マッドサイエンティスト藍湛×何故かセクサロイドとして誕生した戦闘用アンドロイドのスケベラブコメディ。
第二話の途中経過。
第一話はコチラ↓
https://privatter.net/p/8998770 568
kirari_world
DONE藍湛のお誕生日絵だったのに、ぜんぜん間に合わなかったやつ。描いてる途中で、どうしてもらおずVer.も描きたくて、我慢できなくて結局先にらおずの方が仕上がりました。
次はR18な何かが描きたい。 4
Sketch1008
DONE【まとめ】パロとかMXTX作品関係今年に入ってTwitterに投げていたイラストをまとめてみました。
城主のポ〇モンパロを考えていたちょうどその時に、☆先生も殿下のパロ絵をあげてらして、胸が高鳴っちゃったな… 6
りゅうひよこ
DONE※改稿して Pixiv へUPしました。https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20815361現代AU/大学生AU
魏嬰がバーテンダーのバイトをしています。忘羨は付き合ってません。
※注意:セリフのあるモブ(大学のクラスメイトの女性)が出ます。
🐰傾向:ラブコメ
🐰スタンプをもらえると喜びます。
魏嬰特製カクテルがノンアルコールなのは当然です!「歓迎光臨(いらっしゃいませ)。ようこそ、バー蓮花塢へ」
魏嬰は呼び鈴の音を聞きつけ、店の入り口のほうへ明るく声を掛けた。
まず若い女性が二人。その後ろから背の高い男が入ってくる。その男を見て驚いた。
「藍湛! 本当に来てくれたんだ!」
魏嬰は急いで濡れた手を拭くと、カウンターから出て三人のほうへ向かった。
十代の頃からの親友へ近づき「デートか?」と耳打ちすると、藍湛は一瞬動きを止め、それから魏嬰をまじまじと見つめた。だがしばらく待っても返答がないので、魏嬰は諦めて二人の女性のほうへ顔を向けた。
二人とも、魏嬰や藍湛と同じく大学生のように見えた。店内を見回していた彼女たちが、店を褒めているのが耳に入ったので、魏嬰はニッコリと微笑みかけた。
4143魏嬰は呼び鈴の音を聞きつけ、店の入り口のほうへ明るく声を掛けた。
まず若い女性が二人。その後ろから背の高い男が入ってくる。その男を見て驚いた。
「藍湛! 本当に来てくれたんだ!」
魏嬰は急いで濡れた手を拭くと、カウンターから出て三人のほうへ向かった。
十代の頃からの親友へ近づき「デートか?」と耳打ちすると、藍湛は一瞬動きを止め、それから魏嬰をまじまじと見つめた。だがしばらく待っても返答がないので、魏嬰は諦めて二人の女性のほうへ顔を向けた。
二人とも、魏嬰や藍湛と同じく大学生のように見えた。店内を見回していた彼女たちが、店を褒めているのが耳に入ったので、魏嬰はニッコリと微笑みかけた。
はるもん🌸
MOURNING藍湛の隠し子疑惑隠し子疑惑「いや別に怒ってないよ?」
「怒っているだろう」
魏無羨はわかりやすく顔をむすっとさせていた。寝台に寝そべり、片手で頭を支え眠っている幼子を撫でた。
「見ればみるほど藍湛にそっくりだ。こんな子を前にしてよくも自分が父親じゃないなんて言えるな?」
藍忘機は違うと再度言おうとしたが、魏無羨が遮る。
「酒を飲んだら記憶をなくすだろう。その時に出来た子だ。きっと」
藍忘機も四六時中、魏無羨と共に行動しているわけではない。やむをえず一人で行動している時もある。
しかしどれだけ酔おうとも、己は魏無羨しか抱かないという確信があった。
「うっかり間違えて俺に似た女の子でも抱いたんだろ?」
はーあ、と盛大なため息を吐いて魏無羨は柔らかな幼子のほっぺをフニフニとつつく。
1892「怒っているだろう」
魏無羨はわかりやすく顔をむすっとさせていた。寝台に寝そべり、片手で頭を支え眠っている幼子を撫でた。
「見ればみるほど藍湛にそっくりだ。こんな子を前にしてよくも自分が父親じゃないなんて言えるな?」
藍忘機は違うと再度言おうとしたが、魏無羨が遮る。
「酒を飲んだら記憶をなくすだろう。その時に出来た子だ。きっと」
藍忘機も四六時中、魏無羨と共に行動しているわけではない。やむをえず一人で行動している時もある。
しかしどれだけ酔おうとも、己は魏無羨しか抱かないという確信があった。
「うっかり間違えて俺に似た女の子でも抱いたんだろ?」
はーあ、と盛大なため息を吐いて魏無羨は柔らかな幼子のほっぺをフニフニとつつく。
CocoKujyaku
DONE興奮して忘を棒扱いした羨がお仕置きされるお話。⚠︎勢いで書いたスケベです。
いろんな意味でぬるくてぬるぬるです。
18↑の方のみ閲覧okです。よろしいですか?y/n(小文字3文字) 4195
はるもん🌸
MOURNING藍忘機を泣かせ隊藍忘機の涙再びイキの良いロバはいないかと聞かれ、金凌は即座に答えた。
***
「林檎ちゃんを蘭陵のやつに?だめだだめだ!林檎ちゃんの面倒は一生俺が見るって決めてるんだから!譲れないぞ」
夜狩りが終わり、一泊してから帰ろうという事になった。もう亥の刻も近い時間だったが、宿の食事処は席が満杯で活気づいている。
少し遅めの夕食をとりながら、彼らは今日の夜狩りについて学んだことを情報共有し、非常に有意義な時間を過ごしていた。
「違う!譲れと言ってるわけじゃない。雌ロバに子を産ませたい知り合いがいるんだ。お前んとこのロバは雄だろ」
そろそろ寝ようかという頃、金凌が思い出したように林檎について話し始めたのである。
「交尾させろって?まぁ相性が良いなら別にかわまないんだが…」
4167***
「林檎ちゃんを蘭陵のやつに?だめだだめだ!林檎ちゃんの面倒は一生俺が見るって決めてるんだから!譲れないぞ」
夜狩りが終わり、一泊してから帰ろうという事になった。もう亥の刻も近い時間だったが、宿の食事処は席が満杯で活気づいている。
少し遅めの夕食をとりながら、彼らは今日の夜狩りについて学んだことを情報共有し、非常に有意義な時間を過ごしていた。
「違う!譲れと言ってるわけじゃない。雌ロバに子を産ませたい知り合いがいるんだ。お前んとこのロバは雄だろ」
そろそろ寝ようかという頃、金凌が思い出したように林檎について話し始めたのである。
「交尾させろって?まぁ相性が良いなら別にかわまないんだが…」
はるもん🌸
MOURNINGやんちゃして叱られる金凌。巻き添えを食らう藍思追。そしてガミガミ叔父さん藍啓仁。
ラストは姑蘇弁藍忘機をお楽しみください。
【君を隠したかった】忘羨金凌と藍思追は正座をしていた。
すでに金凌は江澄にしこたま叱られ、目を赤く腫らして背中を丸くしてうつむいている。
共に叱られてはいるものの、藍思追はさほど悪い事はしてなかった。しかし金凌が雲深不知処でおかしな試みを静観していた為、こうして金凌と共に藍先生からの説教を受けている。
「また猫などを馬鹿げた札で忘機に変化させようとしたら、今度は姑蘇のやり方で罰する。それが宋主だとしても、同じだ。心に刻みなさい」
「はい…」
金凌はもう顔を上げる事ができないほど落ち込んでいた。金凌は午前中、高額な符を購入した。さっそく金凌は符を猫に貼り、変化するかどうかを試したのだ。
金凌が雲深不知処を訪れると、藍思追はあらかじめ文をもらっていた。藍思追が金凌を迎えに行くと、金凌は摩訶不思議な符を自慢し始めたのだ。この符で動物が人間に変化し、従順な手下になると。
3875すでに金凌は江澄にしこたま叱られ、目を赤く腫らして背中を丸くしてうつむいている。
共に叱られてはいるものの、藍思追はさほど悪い事はしてなかった。しかし金凌が雲深不知処でおかしな試みを静観していた為、こうして金凌と共に藍先生からの説教を受けている。
「また猫などを馬鹿げた札で忘機に変化させようとしたら、今度は姑蘇のやり方で罰する。それが宋主だとしても、同じだ。心に刻みなさい」
「はい…」
金凌はもう顔を上げる事ができないほど落ち込んでいた。金凌は午前中、高額な符を購入した。さっそく金凌は符を猫に貼り、変化するかどうかを試したのだ。
金凌が雲深不知処を訪れると、藍思追はあらかじめ文をもらっていた。藍思追が金凌を迎えに行くと、金凌は摩訶不思議な符を自慢し始めたのだ。この符で動物が人間に変化し、従順な手下になると。
はるもん🌸
MOURNINGアニそし最終話終了直後の世界線。藍忘機と仲直りをしたいと思っていた魏無羨。白い包みが目に入る。中身を開いて驚いたが、これが藍忘機の趣味ならと意を決して着てみることにした。
チャイナドレス天天***********
アニそし最終話終了直後の世界線
チャイナドレスを着た魏無羨と藍忘機のとあるお話。
生ぬるいですがどうぞお楽しみください。
***********
アニそし最終話終了直後の世界線
チャイナドレスを着た魏無羨と藍忘機のとあるお話。
生ぬるいですがどうぞお楽しみください。
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「あぁいいさ!俺は頑固ものの相手ばっかしてきたからな、そっちがその気なら俺は全然かまわないけど!」
両腕を組んで魏無羨はぷいと藍忘機とは反対の方を向いて頬を膨らませた。魏無羨の大きな声にロバは耳をパタパタと動かす。魏無羨がちらりと藍忘機の様子を伺うと、やはりまったく表情は動いておらず、涼しい顔をしている。
* * *
ゆったりと何日もかけて徒歩で移動し、色んな景色や食べ物を楽しみながらのんびりと姑蘇へ帰っていた。もうすぐ姑蘇へ到着するという所で、魏無羨が林檎ちゃんから降りて藍忘機の進む道を阻める。
はるもん🌸
MOURNINGAU忘羨前世の夢を見た魏嬰。藍湛は優しく魏嬰の背中をさすり、落ち着かせた。
―――――――――――――
魏嬰の誕生日を祝うお話です。+オフィスラブ。
誰も死んでない世界←ここ重要
IT社長の藍湛×優秀秘書の魏嬰「‥‥!」
魏嬰は目を覚まし、勢いよく起き上がる。全力で駆け抜けたようにハァハァと息が上がる。隣で眠っていた藍湛が不自然な呼吸音に気づき、体を起こした。魏嬰の様子がおかしい。落ち着かせるように優しく魏嬰を抱き寄せた。
「どうした?」
「は‥‥っは‥‥あれ、ここは‥‥?」
「ここは私と君の寝室だ。何か…悲しい夢でも見たのか?」
「俺のせいで…大切な人が…江家の人たちがたくさん亡くなったんだ…それで、俺は色んな奴から恨まれるようになって…」
魏嬰の涙を指で拭ってやり、抱き寄せた背中をさする。
「なぁ、今はいつだ?みんなは生きてるのか?」
「2021年10月31日。君の誕生日だ」
「…そっか、…そうだった‥‥」
「誰にも恨まれていない。江家は君を大切にしている。そして今日は私達の家族、友人を招いて祝うと決めた。これは覚えている?」
4588魏嬰は目を覚まし、勢いよく起き上がる。全力で駆け抜けたようにハァハァと息が上がる。隣で眠っていた藍湛が不自然な呼吸音に気づき、体を起こした。魏嬰の様子がおかしい。落ち着かせるように優しく魏嬰を抱き寄せた。
「どうした?」
「は‥‥っは‥‥あれ、ここは‥‥?」
「ここは私と君の寝室だ。何か…悲しい夢でも見たのか?」
「俺のせいで…大切な人が…江家の人たちがたくさん亡くなったんだ…それで、俺は色んな奴から恨まれるようになって…」
魏嬰の涙を指で拭ってやり、抱き寄せた背中をさする。
「なぁ、今はいつだ?みんなは生きてるのか?」
「2021年10月31日。君の誕生日だ」
「…そっか、…そうだった‥‥」
「誰にも恨まれていない。江家は君を大切にしている。そして今日は私達の家族、友人を招いて祝うと決めた。これは覚えている?」
はるもん🌸
MOURNING※含光君があのまま夷陵老祖と逃避行してたらif →https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18107439の、続きです。
含光君があのまま夷陵老祖と逃避行してたらif 【番外編】「藍湛、俺が死んだらちゃんと金を燃やしてくれよ?それも、大金だ。約束だぞ」
「魏嬰、そんなことは言っては駄目だ」
断崖絶壁の山で、細い道を慎重に歩いていた。ひゅぅぅぅと冷たい風が頬をなでる。この山では不思議な力が働き、修士の力が制限される。
場所によっては霊力は強く抑えられ、御剣もできない。谷底へ落ちればぐしゃりと体は即座に潰れてしまうだろう。道は細く、体はぐらぐらと揺れる。しかし進まなければならない。
「藍湛、落ちたら一貫の終わりだ。もし足を滑らせて一緒に落ちる事になったら…。死ぬ前に口づけをしてくれ…」
魏無羨がウルウルと目に涙を溜めて訴えた。
「わかった。しかし、君は私が守る」
「藍湛…」
「魏嬰…」
「遊んでいないでさっさと来んか!」
5346「魏嬰、そんなことは言っては駄目だ」
断崖絶壁の山で、細い道を慎重に歩いていた。ひゅぅぅぅと冷たい風が頬をなでる。この山では不思議な力が働き、修士の力が制限される。
場所によっては霊力は強く抑えられ、御剣もできない。谷底へ落ちればぐしゃりと体は即座に潰れてしまうだろう。道は細く、体はぐらぐらと揺れる。しかし進まなければならない。
「藍湛、落ちたら一貫の終わりだ。もし足を滑らせて一緒に落ちる事になったら…。死ぬ前に口づけをしてくれ…」
魏無羨がウルウルと目に涙を溜めて訴えた。
「わかった。しかし、君は私が守る」
「藍湛…」
「魏嬰…」
「遊んでいないでさっさと来んか!」
はるもん🌸
MOURNING洞穴で魏無羨と阿苑を隠し、守っていた藍忘機。いつまでもこの三人で慎ましく幸せに生きていこうと思っていた―――――。*******
隠れて藍湛と魏嬰が仲良ししてるの、書くの好きなんです・・・・性懲りもなくまた同じパターン書いたな?と思わず、ソッと見逃してやってください・・・。
藍忘機、夷陵老祖を隠す肌を優しく撫でられる感覚がした。
「師…姉…?」
魏無羨は薄く目を開く。橙色の光が目に入り、しぱしぱと瞬いた。火の光のようだ。体を起こし、ぼう…と前を見る。岩がたくさん見えた。パチパチと焚火の音が聞こえる。
「ここ、は」
「気づいたか」
「藍湛…!なぜお前が…」
魏無羨は一体何があったのかと周囲を見回す。ピチョン…と冷たい水が頬に落ちた。どこかの洞穴のようだ。
藍忘機に額を触られ、魏無羨はバッとその手をほどいた。
「失せろ。お前、今の状況をわかっているのか」
できるだけ低い声で、警戒をしながら魏無羨は言った。
自分は大罪を起こした夷陵老祖。金家の夫婦を死に追いやってしまったのだ…。あの群衆の中に藍忘機はいた。藍忘機と自分は敵対する間柄のはずなのだ。陳情を口に充て、攻撃の態勢に入る。
4772「師…姉…?」
魏無羨は薄く目を開く。橙色の光が目に入り、しぱしぱと瞬いた。火の光のようだ。体を起こし、ぼう…と前を見る。岩がたくさん見えた。パチパチと焚火の音が聞こえる。
「ここ、は」
「気づいたか」
「藍湛…!なぜお前が…」
魏無羨は一体何があったのかと周囲を見回す。ピチョン…と冷たい水が頬に落ちた。どこかの洞穴のようだ。
藍忘機に額を触られ、魏無羨はバッとその手をほどいた。
「失せろ。お前、今の状況をわかっているのか」
できるだけ低い声で、警戒をしながら魏無羨は言った。
自分は大罪を起こした夷陵老祖。金家の夫婦を死に追いやってしまったのだ…。あの群衆の中に藍忘機はいた。藍忘機と自分は敵対する間柄のはずなのだ。陳情を口に充て、攻撃の態勢に入る。
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MOURNING含光君の誕生祝をしたいと言い始めた藍思追。藍景儀も参戦し、二人で何を贈ろうか頭を悩ませながら歩いていた。目の前には当の藍忘機が魏無羨と共に先頭で歩いている。聞こえないよう声を抑えてしゃべっていた。一緒に夜狩りに来ていた金凌も加わり、話し合うことになったのだが―――――。藍忘機の誕生日祝いをしよう夜狩りの帰り、藍景儀と藍思追が自分をのけ者にしてヒソヒソと話し合っているのが気に食わなかった。
金凌は二人の間に体を押し込み、声を小さくして聞く。
「お前ら何話してるんだ?」
「含光君の誕生日祝いについての会議です」
「何が一番喜ぶか考えてんの」
「お前らバカか?」
藍景儀がなんだと!と金凌に歯をむき出す。
「ちょっとちょっと、あまり大きな声を出さないで。魏先輩と含光君に聞こえます」
今回は指導する弟子が大勢いた。魏無羨は特に不要だと言ったのだが、藍忘機は心配してついてきていたのだ。
藍思追の顔を見て、二人は少し声を落とす。
「あの含光君が喜ぶものなんか、ひとつしか無いだろ」
「魏先輩を含光君に渡すってか?あの人はもう含光君のものなんだぞ。今更どうやって魏先輩を贈るっていうんだ」
2124金凌は二人の間に体を押し込み、声を小さくして聞く。
「お前ら何話してるんだ?」
「含光君の誕生日祝いについての会議です」
「何が一番喜ぶか考えてんの」
「お前らバカか?」
藍景儀がなんだと!と金凌に歯をむき出す。
「ちょっとちょっと、あまり大きな声を出さないで。魏先輩と含光君に聞こえます」
今回は指導する弟子が大勢いた。魏無羨は特に不要だと言ったのだが、藍忘機は心配してついてきていたのだ。
藍思追の顔を見て、二人は少し声を落とす。
「あの含光君が喜ぶものなんか、ひとつしか無いだろ」
「魏先輩を含光君に渡すってか?あの人はもう含光君のものなんだぞ。今更どうやって魏先輩を贈るっていうんだ」
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MOURNING弟子達をつれて読狩りの指導に出ていた魏無羨。やっと姑蘇へ戻ってきた彼を藍忘機は見つめていた。すぐにでも話したかったが、魏無羨は何やら弟子達に何かを指導しているようだった。
魏無羨を見ていると、喜怒哀楽がふつふつ湧き出てくる。これまで自分が嘘のように溶けていくのを感じた。
しばらく眺めていると、藍忘機にの視線に気づいたのか急いで彼は来てくれた。
喜怒哀楽はない方が生きやすい楽しい事があればその分落ち込んだ時の落差が激しい。
常に心を静かに保つには、無駄な事は考えず、むやみに物事を口にしない事が原則。
これが、含光君が生きてきた中で学んだ教訓である。
回廊で藍忘機は足を止めた。
遠目から、一点を見つめる。夜狩から帰ったばかりなのか、多少汚れた衣服の弟子達と魏無羨がいた。先頭にいた魏無羨は後ろを振り向き、子ども達に先に着替えて身を綺麗にしてから指定した部屋に来るようにと指示をする。
皆が去ったのを確認した彼はくるりと身を翻し、藍忘機の所へ向かって走り、飛んだ。スタッ、と華麗にちょうど藍忘機の目の前に着地した彼は、ツイと人差し指で含光君のあごをなぞる。
「そんなに熱い視線を投げられると、いたずらしたくなるな」
1193常に心を静かに保つには、無駄な事は考えず、むやみに物事を口にしない事が原則。
これが、含光君が生きてきた中で学んだ教訓である。
回廊で藍忘機は足を止めた。
遠目から、一点を見つめる。夜狩から帰ったばかりなのか、多少汚れた衣服の弟子達と魏無羨がいた。先頭にいた魏無羨は後ろを振り向き、子ども達に先に着替えて身を綺麗にしてから指定した部屋に来るようにと指示をする。
皆が去ったのを確認した彼はくるりと身を翻し、藍忘機の所へ向かって走り、飛んだ。スタッ、と華麗にちょうど藍忘機の目の前に着地した彼は、ツイと人差し指で含光君のあごをなぞる。
「そんなに熱い視線を投げられると、いたずらしたくなるな」
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MOURNING今日も家訓をやぶって藍忘機に口づけをしている場所を発見してしまった藍啓仁。当初は同様で血を吐くほどだったが、もう見慣れて今はため息しか出ない。刹那、今は亡き江楓眠の言葉を思い出す。魏無羨はそういう人間なのだと。そんなことは藍啓仁には関係がない事だ。今日も彼は彼の正義のために説教をする――――――――。かわいい子には旅をさせろかわいい子には旅をさせろ。若い頃、国外から来た客人にそんなことわざがあると教わった。
弟子は皆可愛く思う。その中でも、藍忘機には才能を感じ、早くから様々な夜狩に向かわせた。
その結果、どうなったか。
丹精込めて育て上げ、特に気に入っていた弟子は得たいの知れない人間なのか魔なのかよくわからない奴に惑わされてしまった。未だに二人の仲をよくは思っていない。いつか藍忘機が魏無羨に飽きてくれればいいのにとさえ思っている。
しかしそんな日は来ないだろう事はわかっていた。
藍忘機の執着心は父親にソックリなのだ。
そしてもう一つ、藍啓仁は理解している事がある。表向きは魏無羨が藍忘機を惑わしたように見えるが、実際は違う。
魏無羨は昔から美しい女性が好きだったという噂はかねがね聞いていた。
847弟子は皆可愛く思う。その中でも、藍忘機には才能を感じ、早くから様々な夜狩に向かわせた。
その結果、どうなったか。
丹精込めて育て上げ、特に気に入っていた弟子は得たいの知れない人間なのか魔なのかよくわからない奴に惑わされてしまった。未だに二人の仲をよくは思っていない。いつか藍忘機が魏無羨に飽きてくれればいいのにとさえ思っている。
しかしそんな日は来ないだろう事はわかっていた。
藍忘機の執着心は父親にソックリなのだ。
そしてもう一つ、藍啓仁は理解している事がある。表向きは魏無羨が藍忘機を惑わしたように見えるが、実際は違う。
魏無羨は昔から美しい女性が好きだったという噂はかねがね聞いていた。
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MOURNING幸せな日々が続いている今。藍忘機はゆったりと流れる時間の中で幸せをかみしめていた。長く焦がれていた相手が手元にいる。それも気持ちよさそうに。これ以上の幸せはなかった――――――。幸福「藍湛、今日はえらくご機嫌だな」
あたりはすっかり暗い。しかし眠るにはまだ早い時間帯だ。
藍忘機はサラサラと彼の髪を手ですいていた。魏無羨は寝台に座る藍忘機の胸に頬をあて、目を閉じて夫の好きなようにさせている。
顔をあげてみると、珍しく口元を弧にする藍忘機がいた。これは相当、何かいいことがあったのではと魏無羨は声をかけた。藍忘機は首をかしげる。
「機嫌が良いように、見えるか?」
「ああ。今夜は特に。今すごく気分が良いんだろう?」
「そう見えるなら、そうなのだろう」
確かに気分は良かったのだ。
「もう昔のように」
「昔のように?」
「昔のように、君の顔を思い出して眠らずに済む」
きゅ、と魏無羨は口を引き結ぶ。そしてめったに恥ずかしがらない彼の顔が赤くなった。
559あたりはすっかり暗い。しかし眠るにはまだ早い時間帯だ。
藍忘機はサラサラと彼の髪を手ですいていた。魏無羨は寝台に座る藍忘機の胸に頬をあて、目を閉じて夫の好きなようにさせている。
顔をあげてみると、珍しく口元を弧にする藍忘機がいた。これは相当、何かいいことがあったのではと魏無羨は声をかけた。藍忘機は首をかしげる。
「機嫌が良いように、見えるか?」
「ああ。今夜は特に。今すごく気分が良いんだろう?」
「そう見えるなら、そうなのだろう」
確かに気分は良かったのだ。
「もう昔のように」
「昔のように?」
「昔のように、君の顔を思い出して眠らずに済む」
きゅ、と魏無羨は口を引き結ぶ。そしてめったに恥ずかしがらない彼の顔が赤くなった。