りゅうひよこ
DONEあらすじ「一人でするところ見せてよ」魏嬰が言った。
「君にとって楽しいものではないと思う」
「見せてくれるまで待つ」
魏嬰は言うと、床に押し倒されたまま襟元を直し、要求を飲んでくれるまで触れさせないの態度を取った。藍湛は仕方ないという風にため息をつき、自ら帯を解きにかかる。
窓から生ぬるい風が、床を這うように吹きこんできたのはその時だった。「もう喚んでくれないのかと思ってたよ、藍湛」
0721の日・ホラー回「一人でするところ見せてよ」
魏嬰が言った。
静室の天井を背景に、彼の夫の顔が間近にあった。結い上げた髪がいくらか乱れている。
もちろん藍湛の艶やかな黒髪を乱したのは魏嬰だ。文机で書き物をしていた彼に戯れついた結果、組み敷かれてひとしきり口を吸われていた。
「見てどうする?」
と藍湛が尋ねた。
「夫のかわいい姿を眺めて楽しむんだよ」
「君にとって楽しいものではないと思う」
しとやかな夫が恥ずかしがって拒否するのはわかっていたから、魏嬰はさんざん口づけをした後に頼んでみたのだ。魏嬰に噛みつきたくてたまらないという顔をした今の藍湛なら、うっかり披露してくれるかもしれない。
「見せてくれるまで俺は待つぞ」
魏嬰は言うと、床に押し倒されたまま襟元を直し、要求を飲んでくれるまで触れさせないという態度を取る。
3726魏嬰が言った。
静室の天井を背景に、彼の夫の顔が間近にあった。結い上げた髪がいくらか乱れている。
もちろん藍湛の艶やかな黒髪を乱したのは魏嬰だ。文机で書き物をしていた彼に戯れついた結果、組み敷かれてひとしきり口を吸われていた。
「見てどうする?」
と藍湛が尋ねた。
「夫のかわいい姿を眺めて楽しむんだよ」
「君にとって楽しいものではないと思う」
しとやかな夫が恥ずかしがって拒否するのはわかっていたから、魏嬰はさんざん口づけをした後に頼んでみたのだ。魏嬰に噛みつきたくてたまらないという顔をした今の藍湛なら、うっかり披露してくれるかもしれない。
「見せてくれるまで俺は待つぞ」
魏嬰は言うと、床に押し倒されたまま襟元を直し、要求を飲んでくれるまで触れさせないという態度を取る。
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TRAINING下戸藍湛×バーテン魏嬰〜マンション編〜
ノンアルコール・モヒート!(11) 夜中の街を歩く。人の気配がないのを確認して、藍湛の手を握る。指を絡めて、握り返された。
マンションまでの道は、ほぼ無言だった。夜中だから静かにしなきゃと思ったし、妙に緊張していたし。藍湛は、元々無口だし。
「一人暮らし?」
マンションのエレベーターで藍湛が聞いてきた。
「うん、藍湛は?」
「兄上と暮らしている」
「仲良いんだな」
「尊敬している」
自宅の鍵を開けて中に入る。藍湛は少し緊張している様子で、靴を脱ぎ扉の鍵を締めると小さく頭を下げた。
「お邪魔します」
律儀な姿に笑ってしまった。それなりに片付けておいて良かったと思う。来客がある事は滅多にない。江澄がたまに来るくらいだ。狭い廊下の奥のリビングダイニングに向かう。
2196マンションまでの道は、ほぼ無言だった。夜中だから静かにしなきゃと思ったし、妙に緊張していたし。藍湛は、元々無口だし。
「一人暮らし?」
マンションのエレベーターで藍湛が聞いてきた。
「うん、藍湛は?」
「兄上と暮らしている」
「仲良いんだな」
「尊敬している」
自宅の鍵を開けて中に入る。藍湛は少し緊張している様子で、靴を脱ぎ扉の鍵を締めると小さく頭を下げた。
「お邪魔します」
律儀な姿に笑ってしまった。それなりに片付けておいて良かったと思う。来客がある事は滅多にない。江澄がたまに来るくらいだ。狭い廊下の奥のリビングダイニングに向かう。
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TRAINING下戸藍湛×バーテン魏嬰〜モヒート編〜
ノンアルコール・モヒート!(10)「もう一度……したい」
そう言われて俺は思わず笑ってしまった。
「これからいくらでも、何度だってしたい」
そう答えると、藍湛は少し目を見開き驚いた顔をした。この顔が、たまらなく好きなんだよな。思わず頬に唇を寄せる。
「藍湛……俺、藍湛が……んんっ…」
『好きだ』という言葉は見事に呑み込まれた。唇が触れ合い、幾度となく啄まれる。顎を引いてしまう俺を、追い掛ける藍湛。
触れたいと、思ってくれているのがわかる、優しい口付け。また、膝を擦り付けたくなるような…ムズムズと腰が揺れてしまうような。
「ん……んっ……」
「魏嬰……」
囁きながら舌を差し込まれる。探るような舌の動きに、そっと絡ませる。舌と舌、普通は触れ合わない所が触れ合う感触にぞくぞくする。
1734そう言われて俺は思わず笑ってしまった。
「これからいくらでも、何度だってしたい」
そう答えると、藍湛は少し目を見開き驚いた顔をした。この顔が、たまらなく好きなんだよな。思わず頬に唇を寄せる。
「藍湛……俺、藍湛が……んんっ…」
『好きだ』という言葉は見事に呑み込まれた。唇が触れ合い、幾度となく啄まれる。顎を引いてしまう俺を、追い掛ける藍湛。
触れたいと、思ってくれているのがわかる、優しい口付け。また、膝を擦り付けたくなるような…ムズムズと腰が揺れてしまうような。
「ん……んっ……」
「魏嬰……」
囁きながら舌を差し込まれる。探るような舌の動きに、そっと絡ませる。舌と舌、普通は触れ合わない所が触れ合う感触にぞくぞくする。
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TRAININGケゴ下戸藍湛×バーテン魏嬰〜告白編〜
ノンアルコール・モヒート!(9) トントン。
控えめなノックが響く。カウンターのスツールに座っていた俺は立ち上がり、大きく深呼吸してから鍵を開けた。急いで来たらしい藍湛は、少し呼吸が上がっていた。
「呼び出してごめんな、忙しいのに」
中に入るよう促してから、扉を閉めて鍵をする。店内の真ん中に立ったままの藍湛に、カウンター席を促す。しかし藍湛は立ったままだ。気にせずカウンター内に入って、向かい合う。
「なにか飲む?」
問い掛けると、立ったまま首を左右に振る。酒を飲まされる事を警戒しているのかもしれない。信用なんてきっともう、ない。
「この間は……ごめん」
単刀直入に、告げる。まだるっこしいのは苦手だ。藍湛は下げていた視線を俺に向けた。
2135控えめなノックが響く。カウンターのスツールに座っていた俺は立ち上がり、大きく深呼吸してから鍵を開けた。急いで来たらしい藍湛は、少し呼吸が上がっていた。
「呼び出してごめんな、忙しいのに」
中に入るよう促してから、扉を閉めて鍵をする。店内の真ん中に立ったままの藍湛に、カウンター席を促す。しかし藍湛は立ったままだ。気にせずカウンター内に入って、向かい合う。
「なにか飲む?」
問い掛けると、立ったまま首を左右に振る。酒を飲まされる事を警戒しているのかもしれない。信用なんてきっともう、ない。
「この間は……ごめん」
単刀直入に、告げる。まだるっこしいのは苦手だ。藍湛は下げていた視線を俺に向けた。
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TRAINING下戸藍湛×バーテン魏嬰〜心の声編〜
ノンアルコール・モヒート!(8) それから数日。
藍湛は店に来ず、俺は無意識の溜息が増えた。
「シンデレラ君と、何かあった?」
今は店内に女子大生一人。お気に入りのカクテルを飲みながら、お気に入りの席を立ち上がりカウンターに近付いてくる。
「……いや、別に」
スツールに腰掛けずカウンターに腕を付いて、わざとらしく大きな溜息を吐き出した。グラスを両手に持ちながら上目遣いに見上げられる。
「わかりやす過ぎ。告白でもされた?」
俺はたまたま飲んでた烏龍茶を吐き出しそうになった。変な所に入って物凄く噎せてしまう。
「ちょっと、大丈夫?もしかして、マジ?」
『んなわけあるか!』と心の中で叫ぶ。流石に接客中にそんな乱暴な言葉遣いは、お客様にしてはいけない。
2030藍湛は店に来ず、俺は無意識の溜息が増えた。
「シンデレラ君と、何かあった?」
今は店内に女子大生一人。お気に入りのカクテルを飲みながら、お気に入りの席を立ち上がりカウンターに近付いてくる。
「……いや、別に」
スツールに腰掛けずカウンターに腕を付いて、わざとらしく大きな溜息を吐き出した。グラスを両手に持ちながら上目遣いに見上げられる。
「わかりやす過ぎ。告白でもされた?」
俺はたまたま飲んでた烏龍茶を吐き出しそうになった。変な所に入って物凄く噎せてしまう。
「ちょっと、大丈夫?もしかして、マジ?」
『んなわけあるか!』と心の中で叫ぶ。流石に接客中にそんな乱暴な言葉遣いは、お客様にしてはいけない。
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TRAINING下戸藍湛×バーテン魏嬰〜パニック編〜
ノンアルコール・モヒート!(7) 何の疑いなく、酒を口にした藍湛はというと。
「友達になってくれて、ありがとう…」
と言って俯いたきり、動かなくなった。流石にこのリアクションは初めてだった。
え、大丈夫か?息してる?
慌てて近寄り呼吸を確認する。結論から言うと、寝ているらしい。生きてる事に安堵したのも初めてだった。
マジか……マジか。このひと口で寝るのは…想定外だった。これは、うん、立派な下戸だ。
起きるまでこの姿勢でいるのか…と考えながら寝顔を眺める。寝顔まで美しい。触れていいのか、と考える前に手が出ていた。
横髪をそっと耳に掛けてやり、長い睫毛が落とす影を眺める。ぶっちゃけ、誰かに触れられるのは嫌いだし、自分から触れる事すら嫌だった。けれど藍湛には、吸い込まれるように触れてしまう自分に驚きを隠せない。
1641「友達になってくれて、ありがとう…」
と言って俯いたきり、動かなくなった。流石にこのリアクションは初めてだった。
え、大丈夫か?息してる?
慌てて近寄り呼吸を確認する。結論から言うと、寝ているらしい。生きてる事に安堵したのも初めてだった。
マジか……マジか。このひと口で寝るのは…想定外だった。これは、うん、立派な下戸だ。
起きるまでこの姿勢でいるのか…と考えながら寝顔を眺める。寝顔まで美しい。触れていいのか、と考える前に手が出ていた。
横髪をそっと耳に掛けてやり、長い睫毛が落とす影を眺める。ぶっちゃけ、誰かに触れられるのは嫌いだし、自分から触れる事すら嫌だった。けれど藍湛には、吸い込まれるように触れてしまう自分に驚きを隠せない。
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TRAINING下戸藍湛×バーテン魏嬰〜不定休日編〜
ノンアルコール・モヒート!(6) 連絡先を交換して暫く。返事のメールをして以降、彼からメールが来る事はなかった。俺からも、してない。元々、細々したメール連絡とかはあまり得意ではない。けれど、藍湛から連絡がない事は少し気にしていた。
藍湛も店には来るし、普段と変わりない。だからそんなに気にしないように心掛けていた。
そんなある日。オープン前の業務を終えてバックヤードにモップを片付けに行った時。スマホがメールの着信を告げる。手に取り俺は、固まった。
『きみに、逢いたい』
送信元を確認すると、きちんと藍湛だ。何度も確認し、迷惑メールの類でない事を確認する。すると、もう一件続けて来た。
『すまない、忘れて欲しい』
いやいやいやいや、忘れられるはずがない。少し悩んでから返事をする。
2175藍湛も店には来るし、普段と変わりない。だからそんなに気にしないように心掛けていた。
そんなある日。オープン前の業務を終えてバックヤードにモップを片付けに行った時。スマホがメールの着信を告げる。手に取り俺は、固まった。
『きみに、逢いたい』
送信元を確認すると、きちんと藍湛だ。何度も確認し、迷惑メールの類でない事を確認する。すると、もう一件続けて来た。
『すまない、忘れて欲しい』
いやいやいやいや、忘れられるはずがない。少し悩んでから返事をする。
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TRAINING下戸藍湛×× バーテン魏嬰〜連絡先交換編〜
ノンアルコール・モヒート!(5) 友達になった藍湛は、それからよく来るようになった。比較的早い時間に来て、日付が変わる前には帰る。その時間帯の常連には顔馴染みだ。このバーの中だけで、肩書きも何も関係なく平等に接し合う常連客達にも話しかけられるようになっていた。
相変わらず、表情は乏しく言葉も少ない。しかし彼を邪険に扱う者もいない。客の中には社長から女子大生と幅広くいる。そんな中で彼なりに、人と接する楽しみを少しずつ感じられるようになってきように見えた。それが俺は嬉しかった。
「あれ、今日はシンデレラ君いないの?」
藍湛に渾名がつく程には、このバーに馴染んだある日の事だ。『シンデレラ君』というのは藍湛の事。
この女子大生と藍湛と話している時にカクテルの話を求められた。『シンデレラ』のカクテルの話をした。プリンセスが好きな子だから熱心に聞いていたけど、その後の彼女の言葉が…
2050相変わらず、表情は乏しく言葉も少ない。しかし彼を邪険に扱う者もいない。客の中には社長から女子大生と幅広くいる。そんな中で彼なりに、人と接する楽しみを少しずつ感じられるようになってきように見えた。それが俺は嬉しかった。
「あれ、今日はシンデレラ君いないの?」
藍湛に渾名がつく程には、このバーに馴染んだある日の事だ。『シンデレラ君』というのは藍湛の事。
この女子大生と藍湛と話している時にカクテルの話を求められた。『シンデレラ』のカクテルの話をした。プリンセスが好きな子だから熱心に聞いていたけど、その後の彼女の言葉が…
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TRAINING下戸藍湛×バーテン魏嬰〜握手編〜
ノンアルコール・モヒート!(4)「……魏嬰」
まるで魔法を唱えられたように、血の巡りが速くなるのを感じた。頬が熱くなり、何かを堪えるように歯を食いしばる。無意識に。
呼んだ本人は、真面目な顔で俺の反応を待っていた。これは、名で呼ぶべきなのか。
「…藍湛」
微かに掠れた声で名を呼ぶと、藍湛は満足そうに目を細めてグラスを持ち一口飲んだ。俺は酒に強い。だからこれは、アルコールが原因ではない。いや、原因は全てわかってる。それを、認めたくないだけ。
乾いた喉を潤すように、日本酒を呷る。ゆっくり飲み下すと、アルコールが喉を通って胃に落ちて行くのを感じた。
藍湛は、この空間を少しでも心地好いと感じてくれているのだろうか。藍湛の事が、知りたい。近付きたい。
1759まるで魔法を唱えられたように、血の巡りが速くなるのを感じた。頬が熱くなり、何かを堪えるように歯を食いしばる。無意識に。
呼んだ本人は、真面目な顔で俺の反応を待っていた。これは、名で呼ぶべきなのか。
「…藍湛」
微かに掠れた声で名を呼ぶと、藍湛は満足そうに目を細めてグラスを持ち一口飲んだ。俺は酒に強い。だからこれは、アルコールが原因ではない。いや、原因は全てわかってる。それを、認めたくないだけ。
乾いた喉を潤すように、日本酒を呷る。ゆっくり飲み下すと、アルコールが喉を通って胃に落ちて行くのを感じた。
藍湛は、この空間を少しでも心地好いと感じてくれているのだろうか。藍湛の事が、知りたい。近付きたい。
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TRAINING下戸藍湛×バーテン魏嬰〜友達感覚編〜
ノンアルコール・モヒート!(3) 客との距離は、付かず離れず。来る者拒まず去るもの追わず。決して踏み込ませないし、踏み込んではいけない。それが俺のモットーだった。店で美味しく楽しく過ごしてもらう事に粉骨砕身すれども、深入りをしてはいけない。
「何だ、溜息なんぞ吐いて」
江澄に言われて気付いた。溜息を吐いていた事に。
江澄とは幼少期からの付き合いだ。遠慮のない物言いは近年では『ツンデレ』と呼ばれるものを地で行ってるんじゃないかと、最近思ってる。
「わかんないんだよな、自分が」
俺の言葉が意外だったのか、江澄は片眉を上げる。グラスが空になっているので、彼の好きな年代物ウイスキーをロックで出してやる。
「なんていうかさ、もう来ないだろう客を待ってる自分がいるんだよな」
2993「何だ、溜息なんぞ吐いて」
江澄に言われて気付いた。溜息を吐いていた事に。
江澄とは幼少期からの付き合いだ。遠慮のない物言いは近年では『ツンデレ』と呼ばれるものを地で行ってるんじゃないかと、最近思ってる。
「わかんないんだよな、自分が」
俺の言葉が意外だったのか、江澄は片眉を上げる。グラスが空になっているので、彼の好きな年代物ウイスキーをロックで出してやる。
「なんていうかさ、もう来ないだろう客を待ってる自分がいるんだよな」
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TRAINING下戸藍湛×バーテン魏嬰〜再来店編〜
ノンアルコール・モヒート!(2) 数日が平穏に、何事もなく過ぎた。あの美男の事を時折思い出すが、寂しいなどの気持ちはなくなっていた。
今日もいつもの時間にオープンする。オープンしてすぐに客が来る事はあまりなく、カウンター内にノートパソコンを持ってきて注文などをのんびりしていた。
その欄の中の『烏龍茶』の単語を見て、ふと美男を思い出す。まさか、このバーでそんなものを注文されたのは初めてだった。きっと、困って切羽詰まってたのだろうと想像すると自然と笑みが溢れた。
棚の在庫を確認しながら注文を終える。ノートパソコンを片付けにバックヤードに行ってコンセントを挿す。扉に取り付けてあるベルの音が響いた。
店内に戻りながら、この時間帯に来る常連客の顔を思い出す。そして、カウンター内に戻りながら俺は固まった。
3019今日もいつもの時間にオープンする。オープンしてすぐに客が来る事はあまりなく、カウンター内にノートパソコンを持ってきて注文などをのんびりしていた。
その欄の中の『烏龍茶』の単語を見て、ふと美男を思い出す。まさか、このバーでそんなものを注文されたのは初めてだった。きっと、困って切羽詰まってたのだろうと想像すると自然と笑みが溢れた。
棚の在庫を確認しながら注文を終える。ノートパソコンを片付けにバックヤードに行ってコンセントを挿す。扉に取り付けてあるベルの音が響いた。
店内に戻りながら、この時間帯に来る常連客の顔を思い出す。そして、カウンター内に戻りながら俺は固まった。
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TRAINING下戸藍湛×バーテン魏嬰〜出会い編〜
ノンアルコール・モヒート!(1) 都心の大通り。金曜日の深夜の街はまだ賑わっていた。人通りの多いその大きな通りから一本外れた道に入る。道を一本外れるだけで人通りはほとんどなくなっている。
邸宅が並ぶその中に、白く四角い簡素な建物があった。看板も窓も見当たらない。暖かなクリーム色を発光する楕円形のライトが等間隔で置かれている。大して大きくもない建物の割に、大きなアンティークオークの扉が目立つ。
店内は落ち着いた明るさで、華美過ぎないシャンデリアと壁の間接照明。白い壁に、扉と同じアンティークオークの床。同じ色のテーブルが広い間隔で三つとカウンター。スツールは壁と同じ白で統一されている。カウンターの奥には様々な種類の酒やサーバー、多種多様なグラスが設置されている。
2299邸宅が並ぶその中に、白く四角い簡素な建物があった。看板も窓も見当たらない。暖かなクリーム色を発光する楕円形のライトが等間隔で置かれている。大して大きくもない建物の割に、大きなアンティークオークの扉が目立つ。
店内は落ち着いた明るさで、華美過ぎないシャンデリアと壁の間接照明。白い壁に、扉と同じアンティークオークの床。同じ色のテーブルが広い間隔で三つとカウンター。スツールは壁と同じ白で統一されている。カウンターの奥には様々な種類の酒やサーバー、多種多様なグラスが設置されている。
はるもん🌸
MOURNING魏嬰は師姉、ふーみん、江澄みんなにデコピンされたことあるんだろうなって思い書いてみました。
藍湛のデコピン「含光君。お前って奴はどこもかしこもいい香りだな」
初めて体を繋げた二人はゆったりとした空気に身を預けていた。悪くない気だるさを感じながら、魏無羨は四肢を伸ばし、空を見上げる。藍忘機は手持ちの白い布で彼の汚れた体をふき取り、小さく「そうか」と返事をしてやっていた。
「お前のアソコの香りもなかなかだった。ついでに味も」
藍忘機は何のことかと一寸考え、魏無羨のニヤニヤといやらしく笑う顔を見て気づいた。藍忘機は指先を折り曲げ、指先で軽く彼の額をはじく。
「あだっ」
「はしたない」
「ははは!お前だってさっき俺に『はしたない』事をしただろう?
まさか俺の真似をして、本当にお前があんなところをその端正なお口で…」
「魏嬰!」
397初めて体を繋げた二人はゆったりとした空気に身を預けていた。悪くない気だるさを感じながら、魏無羨は四肢を伸ばし、空を見上げる。藍忘機は手持ちの白い布で彼の汚れた体をふき取り、小さく「そうか」と返事をしてやっていた。
「お前のアソコの香りもなかなかだった。ついでに味も」
藍忘機は何のことかと一寸考え、魏無羨のニヤニヤといやらしく笑う顔を見て気づいた。藍忘機は指先を折り曲げ、指先で軽く彼の額をはじく。
「あだっ」
「はしたない」
「ははは!お前だってさっき俺に『はしたない』事をしただろう?
まさか俺の真似をして、本当にお前があんなところをその端正なお口で…」
「魏嬰!」
はるもん🌸
MOURNING藍湛も好きな子の前では普通の男の子なんだなって弟子が思ったとある日。藍湛の照れ「含光君はやっぱり凄いです!」
「私もいつか含光君のように!」
「無駄のない身のこなし、尊敬します!」
藍忘機はこのような賞賛を十代の頃から当たり前のように耳にしていた。今更誰に賞賛されようとも眉一つ動く事は無い。
今宵の教鞭は藍忘機が指導する事になった。
霊獣に襲われた時の基本的な対処を藍忘機から学び、明日魏無羨の霊獣退治指導の際にどう応用すべきかを実践で学ぶ予定となっている。御剣してこちらに向かってくる藍忘機に魏無羨が声を上げた。
「良い見本だったぞ含光君。あの剣の突きの鋭さと言ったらもう!しびれて立てなくなりそうだった!」
「言いすぎだ」
宙に浮いていた藍忘機は魏無羨の隣に降り立ち、避塵を鞘に納めた。
1105「私もいつか含光君のように!」
「無駄のない身のこなし、尊敬します!」
藍忘機はこのような賞賛を十代の頃から当たり前のように耳にしていた。今更誰に賞賛されようとも眉一つ動く事は無い。
今宵の教鞭は藍忘機が指導する事になった。
霊獣に襲われた時の基本的な対処を藍忘機から学び、明日魏無羨の霊獣退治指導の際にどう応用すべきかを実践で学ぶ予定となっている。御剣してこちらに向かってくる藍忘機に魏無羨が声を上げた。
「良い見本だったぞ含光君。あの剣の突きの鋭さと言ったらもう!しびれて立てなくなりそうだった!」
「言いすぎだ」
宙に浮いていた藍忘機は魏無羨の隣に降り立ち、避塵を鞘に納めた。
mdzs_jaks
DONE忘羨天天小話(全29頁)去年発行した個人誌『萬花筒を覗くように』に収録したR18小話をweb用に再録しました。ただひたすら天天しているだけです。
◇18歳未満の方は閲覧をご遠慮ください
◆原作(翻訳版)四巻発売前の時期に書いたものなので解像度は低めです
◇攻めフェ描写があるので苦手な方はご注意ください 29
mdzs_jaks
DONE魏嬰が藍湛への恋心を自覚している前提の香炉if R18(40-70頁)※2/6:後日譚を追加しました
座学忘羨が終始もだもだ第二ランドすけべをしているだけです。
こちら(https://twitter.com/mdzs_jaks/status/1471207245593837568?s=20)の続きです。これで完結です。ここまでお付き合いくださり、本当にありがとうございました! 31
mdzs_jaks
DOODLE寒い夜、藍湛にあっためてほしい魏嬰と指ふぇらの小話らくがき(全7頁)本番までいっていませんが、用語が飛び出したり濫りがましいので、閲覧は18歳以上の方でお願いします。
2021年の書き納めになりました、ありがとうございます!来年も健全な忘羨もえっちな忘羨も吸って書いていきたいです! 7
mdzs_jaks
DOODLEにょた魏嬰ちゃん練習らくがき(全8頁)本番無しですが一応R18。何番煎じネタで後天性にょたになった魏嬰ちゃんが含光君にひたすらおっ…ぱい揉まれているだけの小話です。
※女体化注意
※18歳未満の方は閲覧をご遠慮ください 8
mdzs_jaks
DONEカーセッな現代AU忘羨小話(R18)全15頁ゲリラ豪雨で立ち往生した車の中でふたりが盛り上がるだけのお話です。
※車の構造や性能等は素人なので見逃していただけると幸いです… 15
mdzs_jaks
DOODLE忘羨ワンドロワンライお題「目隠し」と「汗」をお借りした小話(全3頁)ぬるいですが天天の最中と事後なので一応R18です。
◆魔道祖師オンライン交流会5の展示用に終了までパス制公開にしております
◇パスワードは店舗のお品書きに記載しております 3
amhr_niarfer
DONE※香炉if年少の頃の魏無羨のお話。
これはどちらの夢か。はたまた現か。
お気に召さないと思った時は、そっと閉じて見なかったことにしてください。
18歳以上ですか?(Yes/No) 1627
西村ルル
DONEn番煎じすぎるネタですが、私も書きたかったのでご容赦を😂夜狩で藍湛が戻れない夜にムラムラして、献舎後初めてひとりでしちゃう魏嬰。
途中から藍湛乱入します!
急いで書いたのでわりとあっさりスケベかも。
おやつ感覚でどうぞ♪ 2318
西村ルル
PROGRESSプライベッターにて連載中の現代AU×近未来AU眼鏡マッドサイエンティスト藍湛×何故かセクサロイドとして誕生した戦闘用アンドロイドのスケベラブコメディ。
第二話の途中経過。
第一話はコチラ↓
https://privatter.net/p/8998770 568
kirari_world
DONE藍湛のお誕生日絵だったのに、ぜんぜん間に合わなかったやつ。描いてる途中で、どうしてもらおずVer.も描きたくて、我慢できなくて結局先にらおずの方が仕上がりました。
次はR18な何かが描きたい。 4
Sketch1008
DONE【まとめ】パロとかMXTX作品関係今年に入ってTwitterに投げていたイラストをまとめてみました。
城主のポ〇モンパロを考えていたちょうどその時に、☆先生も殿下のパロ絵をあげてらして、胸が高鳴っちゃったな… 6
りゅうひよこ
DONE※改稿して Pixiv へUPしました。https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20815361現代AU/大学生AU
魏嬰がバーテンダーのバイトをしています。忘羨は付き合ってません。
※注意:セリフのあるモブ(大学のクラスメイトの女性)が出ます。
🐰傾向:ラブコメ
🐰スタンプをもらえると喜びます。
魏嬰特製カクテルがノンアルコールなのは当然です!「歓迎光臨(いらっしゃいませ)。ようこそ、バー蓮花塢へ」
魏嬰は呼び鈴の音を聞きつけ、店の入り口のほうへ明るく声を掛けた。
まず若い女性が二人。その後ろから背の高い男が入ってくる。その男を見て驚いた。
「藍湛! 本当に来てくれたんだ!」
魏嬰は急いで濡れた手を拭くと、カウンターから出て三人のほうへ向かった。
十代の頃からの親友へ近づき「デートか?」と耳打ちすると、藍湛は一瞬動きを止め、それから魏嬰をまじまじと見つめた。だがしばらく待っても返答がないので、魏嬰は諦めて二人の女性のほうへ顔を向けた。
二人とも、魏嬰や藍湛と同じく大学生のように見えた。店内を見回していた彼女たちが、店を褒めているのが耳に入ったので、魏嬰はニッコリと微笑みかけた。
4143魏嬰は呼び鈴の音を聞きつけ、店の入り口のほうへ明るく声を掛けた。
まず若い女性が二人。その後ろから背の高い男が入ってくる。その男を見て驚いた。
「藍湛! 本当に来てくれたんだ!」
魏嬰は急いで濡れた手を拭くと、カウンターから出て三人のほうへ向かった。
十代の頃からの親友へ近づき「デートか?」と耳打ちすると、藍湛は一瞬動きを止め、それから魏嬰をまじまじと見つめた。だがしばらく待っても返答がないので、魏嬰は諦めて二人の女性のほうへ顔を向けた。
二人とも、魏嬰や藍湛と同じく大学生のように見えた。店内を見回していた彼女たちが、店を褒めているのが耳に入ったので、魏嬰はニッコリと微笑みかけた。
はるもん🌸
MOURNING藍湛の隠し子疑惑隠し子疑惑「いや別に怒ってないよ?」
「怒っているだろう」
魏無羨はわかりやすく顔をむすっとさせていた。寝台に寝そべり、片手で頭を支え眠っている幼子を撫でた。
「見ればみるほど藍湛にそっくりだ。こんな子を前にしてよくも自分が父親じゃないなんて言えるな?」
藍忘機は違うと再度言おうとしたが、魏無羨が遮る。
「酒を飲んだら記憶をなくすだろう。その時に出来た子だ。きっと」
藍忘機も四六時中、魏無羨と共に行動しているわけではない。やむをえず一人で行動している時もある。
しかしどれだけ酔おうとも、己は魏無羨しか抱かないという確信があった。
「うっかり間違えて俺に似た女の子でも抱いたんだろ?」
はーあ、と盛大なため息を吐いて魏無羨は柔らかな幼子のほっぺをフニフニとつつく。
1892「怒っているだろう」
魏無羨はわかりやすく顔をむすっとさせていた。寝台に寝そべり、片手で頭を支え眠っている幼子を撫でた。
「見ればみるほど藍湛にそっくりだ。こんな子を前にしてよくも自分が父親じゃないなんて言えるな?」
藍忘機は違うと再度言おうとしたが、魏無羨が遮る。
「酒を飲んだら記憶をなくすだろう。その時に出来た子だ。きっと」
藍忘機も四六時中、魏無羨と共に行動しているわけではない。やむをえず一人で行動している時もある。
しかしどれだけ酔おうとも、己は魏無羨しか抱かないという確信があった。
「うっかり間違えて俺に似た女の子でも抱いたんだろ?」
はーあ、と盛大なため息を吐いて魏無羨は柔らかな幼子のほっぺをフニフニとつつく。