Do not Repost・どべ
DONE『ギン君が幼少期に作った絵本の内容』というテイの話。もう少し平仮名を増やせばよかったなと。まぁまぁ子供っぽく、ギン君っぽく作れたかなぁという。
もしかしたら作中で使うかもなので、ネタバレしたくない人はスルーで。
パスは【幼少期のギンが日直日誌に書いた生き物、を日本語でローマ字で(例えば『犬』なら『inu』みたいな。『dog』じゃないよ的な)】 1376
Hi20593351
MAIKINGちょっとホラー気味。R-18の練習に書いていたけど気恥ずかしくなって断念した作品。だから。エロはほぼない。一応、ワンクッション置いてます。僕って言っている時が過去で俺って言っている時が現在です。 1947
そよよ🐾@Xfolioへ移行
INFOpixivにて創作小説を投稿しました✨これまで頭の中で練っていた世界をこの度小説にしました。
現在は序章~1話目まで更新。
普段は絵描きなので挿絵あります。これからどんどん増やす予定。
不定期ではありますが更新していきます。
お時間に余裕のある時に遊びに来て下さいな🏠
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20019672
長月@一次創作
DOODLE某所に投稿した掌編小説菊の花 僕の席に花瓶が置いてあった。ご丁寧に菊の花まで生けられたそれを前にして、僕は金縛りにあったような気分になる。
恐る恐るクラスメイト達に目を向けると、誰一人として僕の方を見ようとしていなかった。田中も、佐藤も、同じ部活の連中も、昨日まで他愛のない会話をしていたはずの全員が。……触れてはいけない。そんな空気が、教室の中に充満しているようだった。
先生が教室に入ってくると、クラスメイト達は大人しく席に着いた。立ち尽くす僕に目もくれず、先生が嫌に神妙な面持ちで口を開く。
「えー。皆、既に知っていると思うが……」
次の瞬間、僕は弾かれたように教室から飛び出していた。
自宅まで戻ると、ガラス窓の向こうに母さんの後ろ姿が見えた。泣いている。小さな背中を丸めて、大きく肩を震わせて、母さんは仏壇の前で涙を流していた。
389恐る恐るクラスメイト達に目を向けると、誰一人として僕の方を見ようとしていなかった。田中も、佐藤も、同じ部活の連中も、昨日まで他愛のない会話をしていたはずの全員が。……触れてはいけない。そんな空気が、教室の中に充満しているようだった。
先生が教室に入ってくると、クラスメイト達は大人しく席に着いた。立ち尽くす僕に目もくれず、先生が嫌に神妙な面持ちで口を開く。
「えー。皆、既に知っていると思うが……」
次の瞬間、僕は弾かれたように教室から飛び出していた。
自宅まで戻ると、ガラス窓の向こうに母さんの後ろ姿が見えた。泣いている。小さな背中を丸めて、大きく肩を震わせて、母さんは仏壇の前で涙を流していた。
長月@一次創作
DOODLE某所に投稿した掌編小説哲学的ゾンビ 彼女の瞳には、人間がゾンビに映るらしい。そのことを明け透けに言うものだから、よく電波女だの何だのと陰口を叩かれているところを見掛ける。
僕はそんな彼女と仲良くしている唯一の人間──彼女から見るとゾンビ──である。彼女曰く「貴方は右目がぶら下がってて、頭から頭蓋骨がはみ出してる。要するに、どこにでも居るただのゾンビね」とのことだ。
ある日、彼女が唐突に「貴方はどうして私の話を信じるの?」と聞いてきた。やけに真剣な声色だったので、茶化してはいけないと思い襟を正す。
「信じるも何も、そもそも疑いようがないじゃないか」
そう、疑いようがないのだ。何故なら、彼女の瞳に映るものが彼女以外には分からないように、僕の瞳に映るものもまた、誰にも証明することはできない。
397僕はそんな彼女と仲良くしている唯一の人間──彼女から見るとゾンビ──である。彼女曰く「貴方は右目がぶら下がってて、頭から頭蓋骨がはみ出してる。要するに、どこにでも居るただのゾンビね」とのことだ。
ある日、彼女が唐突に「貴方はどうして私の話を信じるの?」と聞いてきた。やけに真剣な声色だったので、茶化してはいけないと思い襟を正す。
「信じるも何も、そもそも疑いようがないじゃないか」
そう、疑いようがないのだ。何故なら、彼女の瞳に映るものが彼女以外には分からないように、僕の瞳に映るものもまた、誰にも証明することはできない。
長月@一次創作
DOODLE某所に投稿した掌編小説幽霊になる才能「何を考えているんですか!」
凄まじい剣幕だった。植え込みに身体を沈めたまま、俺は「ごめん」と謝ることしかできない。
「幽霊になるのも才能が要るんです! 貴方みたいに、こんな……こんな馬鹿なことをする人、無理に決まっています!」
ぐうの音も出なかった。事実、校舎の屋上から飛び降りたにも関わらず、こうして擦り傷程度で済んでいるのだから、きっと彼女が言うように俺には才能がなかったのだろう。仮に成功していたとしても、彼女のように現世に留まることすらできなかったかもしれない。
彼女の瞳から大粒の涙が零れ落ちる。俺に才能があったら、それを拭うことができたのだろうか。……いや、そんなことをすれば彼女は余計に悲しんでしまうのだと、今しがた思い知ったばかりではないか。
397凄まじい剣幕だった。植え込みに身体を沈めたまま、俺は「ごめん」と謝ることしかできない。
「幽霊になるのも才能が要るんです! 貴方みたいに、こんな……こんな馬鹿なことをする人、無理に決まっています!」
ぐうの音も出なかった。事実、校舎の屋上から飛び降りたにも関わらず、こうして擦り傷程度で済んでいるのだから、きっと彼女が言うように俺には才能がなかったのだろう。仮に成功していたとしても、彼女のように現世に留まることすらできなかったかもしれない。
彼女の瞳から大粒の涙が零れ落ちる。俺に才能があったら、それを拭うことができたのだろうか。……いや、そんなことをすれば彼女は余計に悲しんでしまうのだと、今しがた思い知ったばかりではないか。
長月@一次創作
DOODLE某所に投稿した掌編小説時刻 初めて立ち寄った時計店で、ある腕時計に一目惚れをした。即座に購入すると、店主が謝礼の後に「その時計には、時を刻む機能が付いております」と付け加えた。その時は、随分と洒落た言い方をするものだな、としか思わなかった。
その日の夜、俺はあることに気が付いた。腕時計の一から十二までの数字、その全てに切れ込みのようなものが付いているのだ。何となく弄っていると、十二と一の間がポロリと零れ落ちた。床に落ちた破片が粉々に砕け散る。……何ということだ。とんだ欠陥品ではないか。怒りに任せて腕時計をゴミ箱に投げ入れると、そのままベッドに潜り込んだ。
それからだ。俺の世界から一時間が消失してしまったのは。
最初の数日は信じられなかった。十二時を迎えると、次の瞬間には一時になっているなんて。たまたま同じ時間帯に死んだように寝落ちしてしまっただけだろう、自分自身にそう言い聞かせた。
791その日の夜、俺はあることに気が付いた。腕時計の一から十二までの数字、その全てに切れ込みのようなものが付いているのだ。何となく弄っていると、十二と一の間がポロリと零れ落ちた。床に落ちた破片が粉々に砕け散る。……何ということだ。とんだ欠陥品ではないか。怒りに任せて腕時計をゴミ箱に投げ入れると、そのままベッドに潜り込んだ。
それからだ。俺の世界から一時間が消失してしまったのは。
最初の数日は信じられなかった。十二時を迎えると、次の瞬間には一時になっているなんて。たまたま同じ時間帯に死んだように寝落ちしてしまっただけだろう、自分自身にそう言い聞かせた。
長月@一次創作
DOODLE某所に投稿した掌編小説先生「すきだ」
またか……。そう思い、私は小さく溜息を吐いた。
教師として働き始めて約三年。ようやく仕事にも慣れてきて、恋人との関係も良好そのもの。まさに公私共に絶好調──の、はずだった。彼という悩みの種が現れるまでは。
彼は、私が初めて受け持ったクラスの生徒だ。成績も素行も決して良いとは言えない、いわゆる問題児である。それだけならまだ良い。私を最も悩ませているのは、彼が私を呼び止める度に「すきだ」と口にするところだ。
無論、何度も注意した。彼にとって私は教師であり、私にとって彼は生徒。年齢だって十歳も離れている。だが、私がそうして口を酸っぱくしたところで「だから何だよ」とでも言いたげな顔をして、一向に聞き入れてくれないのだ。
389またか……。そう思い、私は小さく溜息を吐いた。
教師として働き始めて約三年。ようやく仕事にも慣れてきて、恋人との関係も良好そのもの。まさに公私共に絶好調──の、はずだった。彼という悩みの種が現れるまでは。
彼は、私が初めて受け持ったクラスの生徒だ。成績も素行も決して良いとは言えない、いわゆる問題児である。それだけならまだ良い。私を最も悩ませているのは、彼が私を呼び止める度に「すきだ」と口にするところだ。
無論、何度も注意した。彼にとって私は教師であり、私にとって彼は生徒。年齢だって十歳も離れている。だが、私がそうして口を酸っぱくしたところで「だから何だよ」とでも言いたげな顔をして、一向に聞き入れてくれないのだ。
Do not Repost・どべ
DONE後でギャレにも画像版と挿絵付きを作成するけど、まずは字だけのをUP。お題【相棒】を、南魔界のJgとハラダで料理してみた。この二人がメインだなんて、新鮮で面白かったです(作文)。冒頭はアレよ。メロスよ。
JとG様の出会いの件は、漫画ハックにでもありますぅ。
南魔界のハラダさん Jは激怒した。
必ず、かの飽食終日な同僚の根性を叩き直さねばならぬと決意した。
「"難読書物"と"判読可能な書物"の分別作業、全ッ然終わってないじゃないですか!」
Jがハラダという後輩に頼んでおいた事務作業は、三時間経っても遅々として進んでいなかった。当のハラダは、普段は温厚なJが珍しく激昂しているというのに相変わらずの端正な顔の無表情を崩さない。ドライマンゴーをムチャムチャ食べる手も口も止めなかった。
「いえいえ、Jさん。そもそも"難読書物"と"判読可能な書物"の比較が難しいんですよ、コレ。少し考えれば読めるようなのもありますし」
6419必ず、かの飽食終日な同僚の根性を叩き直さねばならぬと決意した。
「"難読書物"と"判読可能な書物"の分別作業、全ッ然終わってないじゃないですか!」
Jがハラダという後輩に頼んでおいた事務作業は、三時間経っても遅々として進んでいなかった。当のハラダは、普段は温厚なJが珍しく激昂しているというのに相変わらずの端正な顔の無表情を崩さない。ドライマンゴーをムチャムチャ食べる手も口も止めなかった。
「いえいえ、Jさん。そもそも"難読書物"と"判読可能な書物"の比較が難しいんですよ、コレ。少し考えれば読めるようなのもありますし」
Do not Repost・どべ
DONEお題【桜】であって【毛虫】ではないはずなのに……おかしいな。後日、ギャレリアに画像版置くじょ。
桜にわいた毛虫を拾う黒部と浮風「黒部ぇ、この子も追加ぁ」
浮風さんがトングで新たな子……何かよくわからない黒い毛虫をつまんで持ってきた。
「ふわぁ、ひっ、うぁっ……」
僕は未だに慣れないその毛虫を見ないようにしつつ、その毛虫が大量に入っている半透明のビニール袋……の中も見ないようにしつつそのビニール袋を開け、新たな子を迎え入れる。
地獄か。好きな子との課外活動で嬉しくはあるが、何だこの地獄活動は。
葉桜生い茂った立派な桜の木陰からこぼれる初夏のうららかな陽射しの中、僕はおぞましいもの……毛虫が詰まったビニール袋の口を握りしめていた。
その手の力を抜こうものなら、そのおぞましいそれらが這い上がってくるので必死に力を込めて締め続けた。
4571浮風さんがトングで新たな子……何かよくわからない黒い毛虫をつまんで持ってきた。
「ふわぁ、ひっ、うぁっ……」
僕は未だに慣れないその毛虫を見ないようにしつつ、その毛虫が大量に入っている半透明のビニール袋……の中も見ないようにしつつそのビニール袋を開け、新たな子を迎え入れる。
地獄か。好きな子との課外活動で嬉しくはあるが、何だこの地獄活動は。
葉桜生い茂った立派な桜の木陰からこぼれる初夏のうららかな陽射しの中、僕はおぞましいもの……毛虫が詰まったビニール袋の口を握りしめていた。
その手の力を抜こうものなら、そのおぞましいそれらが這い上がってくるので必死に力を込めて締め続けた。
Do not Repost・どべ
TRAININGそういや、ポピの文投稿はやった事なかったのでお試しに。※余談ですが、画像版(例のメーカー)はギャレ:https://galleria.emotionflow.com/45784/549398.html
お題【見ていて】(病室が暇だから、見舞いに来ていたイケメンなだけの同居人のツラ見るだけ)「暇ならさ、麗しい俺の顔でも見ていればいいんじゃなかろうか?」
昨今の若手俳優ばりに整った顔立ちのニートクズ同居人・魅上が爽やかな微笑みをオレにかました。
つい先日、鳶職の仕事をしているオレはうっかりミスで足を滑らせて3階くらいの高さの足場から落ちた。
幸い、下の土が柔らかかったので命に別状はないが右足を軽く骨折した……? から、今現在入院しているのだと、思う。
何故に疑問形なのかというと、診てくれた医者がそんな見目麗しくなかったので、オレがあまり診断を聞く気にならなかったからだ。
オレは男女生物動物問わず、自分が気に入ったデザインとスタイルのもの以外をどうも視界や耳から除去してしまう癖がある。
2452昨今の若手俳優ばりに整った顔立ちのニートクズ同居人・魅上が爽やかな微笑みをオレにかました。
つい先日、鳶職の仕事をしているオレはうっかりミスで足を滑らせて3階くらいの高さの足場から落ちた。
幸い、下の土が柔らかかったので命に別状はないが右足を軽く骨折した……? から、今現在入院しているのだと、思う。
何故に疑問形なのかというと、診てくれた医者がそんな見目麗しくなかったので、オレがあまり診断を聞く気にならなかったからだ。
オレは男女生物動物問わず、自分が気に入ったデザインとスタイルのもの以外をどうも視界や耳から除去してしまう癖がある。
うらひと
DONE喫茶店フォレスタ プロローグ集と題して準備していた紹介SSが出来ました。基本無配にする予定ですが、一部受注生産のサービスにて印刷できるようにしようかな、と思ってもいます。
例によって、和条門尚樹さんより頂いた立ち絵を使用しております 6
あるぱ
DONE一次創作/誕生日になると別れた彼女からハガキが送られてくる男の真夜中午前三時(BLではない)誕生日効果って知ってる? 誕生日には死亡する確率が上がるらしい。そう言っていたのは倫子で倫子は五年前俺が付き合っていた女で、俺と別れたあとはドイツで暮らしている。ドイツのシュヴァルツヴァルトとかいう広大な森のなかにある都市で働いているそうで、時々送られてくるポストカードにはいつも真っ黒な森の写真が印刷されている。思い出してもおかしな女だった。とにかく洋服の趣味は普通とはかけ離れていて、その上言うことが突飛だ。真夏にスキーをしたいといい、その足で実際南半球にスキーをしにいくような女だった。平凡な俺に付き合いきれるわけもなかった。
コンビニの前の自動販売機はなぜかだいたい売り切れていて、冷たいブラックコーヒーしかない。俺は舌打ちしながら硬貨を投入してボタンを押す。いつもコンビニで買えばいいのに、出てから気がつくのでまたレジに並ぶのが億劫になってしまう。俺はカフェオレ党なのに。
2673コンビニの前の自動販売機はなぜかだいたい売り切れていて、冷たいブラックコーヒーしかない。俺は舌打ちしながら硬貨を投入してボタンを押す。いつもコンビニで買えばいいのに、出てから気がつくのでまたレジに並ぶのが億劫になってしまう。俺はカフェオレ党なのに。
うらひと
PAST狐面の話過去作
027: 2018/09/22 「マスク」「……もう少し顔を隠すか?」
「ん、いや、これが良いや」
白い和服、紺の袴を履いて、模造刀を下げる初恵。
コスプレ用の撮影スタジオで、左手で狐面を持ち顔を覗かせる。
美月がカメラを持って真剣に写真に収める。
ちなみに、撮影スタジオに来たのは単に陽介の誘いと、美月も資料に欲しいとカメラを持ってきたからだった。
京子は女の子っぽい格好をさせられるかもと欠席、盾は店番。
「稲荷神社じゃないけど、森宮神社でやったら雰囲気出るか?」
510「ん、いや、これが良いや」
白い和服、紺の袴を履いて、模造刀を下げる初恵。
コスプレ用の撮影スタジオで、左手で狐面を持ち顔を覗かせる。
美月がカメラを持って真剣に写真に収める。
ちなみに、撮影スタジオに来たのは単に陽介の誘いと、美月も資料に欲しいとカメラを持ってきたからだった。
京子は女の子っぽい格好をさせられるかもと欠席、盾は店番。
「稲荷神社じゃないけど、森宮神社でやったら雰囲気出るか?」
あるぱ
MOURNINGちょっと前にリハビリで書いた創作/作中のエノシマは架空です心の穴、埋めます 見慣れぬ看板に立ち止まった。
心に空いた穴、お埋めします。
緊急事態宣言のあと、ひとりでふらりとやってきた江ノ島は、観光客が少なくて、いくつかの店は閉まっていた。だらりと階段を登り、足のむくままに細い脇道を入る。ざらざらと波の音がする。
黒い猫が横切ったあとをついて行くと、そんな看板があった。
またひとつ、細道に入る。左右を建物に挟まれた、道と言うよりたぶん建物の裏口に通じていたりする通路のようにみえた。看板の矢印を辿ると、小さな駐車場――せいぜい軽自動車が停められるほどのスペースだが、そもそも車が入れるような場所ではない――に、ゴザが広げられてそこには男が座っていた。
丸いサングラスにチューリップ帽の、いかにも怪しい男だ。彼は細い顎を持ち上げて、私を見上げた。
1961心に空いた穴、お埋めします。
緊急事態宣言のあと、ひとりでふらりとやってきた江ノ島は、観光客が少なくて、いくつかの店は閉まっていた。だらりと階段を登り、足のむくままに細い脇道を入る。ざらざらと波の音がする。
黒い猫が横切ったあとをついて行くと、そんな看板があった。
またひとつ、細道に入る。左右を建物に挟まれた、道と言うよりたぶん建物の裏口に通じていたりする通路のようにみえた。看板の矢印を辿ると、小さな駐車場――せいぜい軽自動車が停められるほどのスペースだが、そもそも車が入れるような場所ではない――に、ゴザが広げられてそこには男が座っていた。
丸いサングラスにチューリップ帽の、いかにも怪しい男だ。彼は細い顎を持ち上げて、私を見上げた。
あるぱ
TRAINING寝る前の即興トレーニングで書いたやつです/35分/お題:穢された豪雨 文字数:1589字 /異聞ノア 光あれ。
彼はまずそういったらしい。私は膝を抱えて表でごうごうとたちあがる高波の唸りをじいと聞いていた。船内は静まり返っているが、生き物が呼吸する音が、その心音が、じわじわと暗闇に滲んでいる。不思議と、中の誰も口を開こうとはしなかった。ただ時々何かを諦めたようなため息が、誰ともしれずにこぼれる。私は膝に顔を埋め耳を塞いだ。身動ぎをすると、隣で小さくなっていたインパラが迷惑そうに瞼を持ち上げて私を見たが私は気が付かないふりをする。
光あれとかの人はいったそうだがここに光はない。夜もずいぶん長く続いている気がする。最初はただ、スコールのように激しい雨だったが、いつの間にかこの雨は世界を覆い、大地は海になった。
1586彼はまずそういったらしい。私は膝を抱えて表でごうごうとたちあがる高波の唸りをじいと聞いていた。船内は静まり返っているが、生き物が呼吸する音が、その心音が、じわじわと暗闇に滲んでいる。不思議と、中の誰も口を開こうとはしなかった。ただ時々何かを諦めたようなため息が、誰ともしれずにこぼれる。私は膝に顔を埋め耳を塞いだ。身動ぎをすると、隣で小さくなっていたインパラが迷惑そうに瞼を持ち上げて私を見たが私は気が付かないふりをする。
光あれとかの人はいったそうだがここに光はない。夜もずいぶん長く続いている気がする。最初はただ、スコールのように激しい雨だったが、いつの間にかこの雨は世界を覆い、大地は海になった。
あるぱ
DONE三題噺のお題ガチャでひとつ/宇宙かぶりしてしまったな……/創作小説さようなら、ユニバースハロー、地球の人たち。
元気ですか?
私は目下GN-z11銀河系内を浮遊中。あ、遠くでバチッと光ったやつは恒星の赤ちゃん。ここでは毎日そんな光景が見られます。星が生まれ、死に絶えていく。美しいけど見慣れてしまうとなんてことはありません。私はフライパンでポップコーンを作るところを想像します。ぽんぽん弾けて生まれて、時々できそこないのコーンが底に残ってるの。
ハロー、ハロー。
ここは地球から134億光年彼方。いまごろみんなはなにをしてるかな?
モニターを閉じる。背もたれによりかかり、ひとつ息をついた。茶番だと君は思うだろうか。そうだ、茶番だ。そうでなければ私の脆弱な理性など、あの星が遠くで光って一度瞬く間に砕け散ってしまう。
君のことを思うけれどもう顔はよく思い出せない。この狭いコクピットにはいって、どれだけの時間が経ったのだろうか。疑問はいつも私にとっての地雷だ。それを深追いすればきっと、私の脳みそは壊れてしまう。コツは、追いかけないこと。浮かんで思ったことは、そのまま流す。窓の外、漆黒の背景に転々と浮かぶ光の群れのなか。宇宙に。
ハロー 1598
Do not Repost・どべ
CAN’T MAKE精子と睾丸が降ってくるグロ世界。6年ほど前から放置してる。いつか無理くり終わらせたいかなと。無理か(死)。
pass【精子を英語で】
【2021/6/3】わぁい!肉棒……げふん、ナスだぁ! 1643
あるぱ
DONE三題噺ガチャ/創作小説/30分/すぐ人が死ぬのなんとかしたい(書いてみての所感)とむらう人もしも真実があるとするならばここだ。私は扉を押し開けて、そう呟いた。そうだ、それ以外はすべて偽りだ。
手元の懐中電灯を揺らし、真っ暗な室内に誰もいないことを確認する。深夜の会議室、誰かいるわけもなかった。
持っていた紙袋を置いて、中のものを引っ張り出す。ジャケットを脱いで、シャツのボタンを外した。着替えを手早く済ませ、イスを引いた。ぎ、と金属の擦れるような音にぎくんと背筋が強ばる。大丈夫。守衛の見回りの時間は把握している。
二つ折りのミラーを取り出し、長机に置いた。紙袋の底にあったずっしりと重たいポーチを持ち上げ、ファスナーを開けると中身がこぼれ落ちそうになり慌てる。その中からいくつかのメイク道具を、私は綺麗に並べた。下地(これが肝心だそうだ)、ファンデーション(雑誌にのっていたデパコスのやつ)、アイブロウ(違いがよくわからず百均で済ませた)、アイシャドウ(姉がくれた、高級ブランドのもの。紫色でキラキラしていて発色が良い)、口紅(質屋で売ってたシャネルだが、自分に合う色がよく分からなかったせいで自信はない)。
化粧というのは手間もかかるし金もかかるものだ。私は机 1308