Rhea_season
DONE梅雨の季節になり、雨をみていてふと思い至った雨の日のディミレト。深いようでとても浅い短編です。
※支部も同じものUPしてますが多分に改行をいれているのでポイピクのほうが目に優しいと思います。
昼つ方の雨にまぎれて「……なんだ、君も来ていたのか」
軒下でばったり顔を合わせた男を見て、ベレトは静かに微笑んだ。言葉は短くても、その声音にはどこか安堵が滲む。互いに待ち合わせをしていたわけではない。ただ、同じことを考えていたので考えていたことに少しだけ驚いた。
ベレトは空いた時間を利用して厩舎に軍馬の様子を見るために此処にきたものの、空がまたたくまに曇り、湿った風がひとつ吹いたと思えば、次の瞬間には雨粒が音を立てて地面を叩き始めた。つい先ほどまでは、空に青みが見えていたので急な通り雨など、予想すらしていなかった。そのため対応が少し遅れてしまい、気づいたときには、もう引き返す機会を逸していた。
ひとまず雨宿りしようと厩舎に駆け込み、そこでディミトリに遭遇し、今、わずかに張り出した軒下に、共に並んで立ち尽くしている。
4932軒下でばったり顔を合わせた男を見て、ベレトは静かに微笑んだ。言葉は短くても、その声音にはどこか安堵が滲む。互いに待ち合わせをしていたわけではない。ただ、同じことを考えていたので考えていたことに少しだけ驚いた。
ベレトは空いた時間を利用して厩舎に軍馬の様子を見るために此処にきたものの、空がまたたくまに曇り、湿った風がひとつ吹いたと思えば、次の瞬間には雨粒が音を立てて地面を叩き始めた。つい先ほどまでは、空に青みが見えていたので急な通り雨など、予想すらしていなかった。そのため対応が少し遅れてしまい、気づいたときには、もう引き返す機会を逸していた。
ひとまず雨宿りしようと厩舎に駆け込み、そこでディミトリに遭遇し、今、わずかに張り出した軒下に、共に並んで立ち尽くしている。
Rhea_season
DONEディミレトとシルフェリ風味のコンボもの。特段何もしてませんので全年齢対象ですが、ベースがBLなので適宜回避してね。
主の嗜好がディミレト傾向なので7:3くらいの比率です。
相変わらずsweetなねっちょりな作風なので、苦手な方はお本当に気をつけください。好き勝手書けてたのしかったです。
※何でも許せる方向け 12283
Rhea_season
DONE紅花√END後のリンレト。私の脳内では、小さな町でブックカフェを経営してのんびり暮らしているので、そんなある日の出来事程度ななにか。深謀遠慮
深く考えを巡らし、のちのちの遠い先のことまで見通した周到綿密な計画を立てること。また、その計画
深謀遠慮 店の扉が静かに閉まり、最後の客の気配が遠のいていった。午後の陽ざしが斜めに差し込むブックカフェには、ようやく深い静寂が戻ってくる。
ベレトは、カウンター奥で片づけをしながら小さく息をついた。いつものように、最後まで客の話を聞いていたせいで、座る暇もないまま気づけば営業時間を越えてしまったらしい。
そんなベレトとは対照的に、リンハルトは店の奥のキッチンスペースで、遅めの昼食の準備に取りかかっていた。といっても、冷蔵庫にあった作り置きのサンドイッチを二人分、白い皿に移し替えるだけの、ごく簡単なものだった。それでも食材が乾かないよう、ひとつずつ蝋引き紙で包まれていたため、それを綺麗に剥がして、具が崩れないように慎重に移し替えるのは見た目以上に気を使う作業だった。崩れやすいレタスや、はみ出しかけたチーズには、そっと指先を添えて形を整え、崩れないように静かに支えながら皿へと移していく。
6871ベレトは、カウンター奥で片づけをしながら小さく息をついた。いつものように、最後まで客の話を聞いていたせいで、座る暇もないまま気づけば営業時間を越えてしまったらしい。
そんなベレトとは対照的に、リンハルトは店の奥のキッチンスペースで、遅めの昼食の準備に取りかかっていた。といっても、冷蔵庫にあった作り置きのサンドイッチを二人分、白い皿に移し替えるだけの、ごく簡単なものだった。それでも食材が乾かないよう、ひとつずつ蝋引き紙で包まれていたため、それを綺麗に剥がして、具が崩れないように慎重に移し替えるのは見た目以上に気を使う作業だった。崩れやすいレタスや、はみ出しかけたチーズには、そっと指先を添えて形を整え、崩れないように静かに支えながら皿へと移していく。
Rhea_season
DONE※金鹿√リンレト(リンレトリン)です。 とくだん破廉恥なことはしてませんので全年齢対象ですが、ただしBLという特質を理解いただける方のみお読みください。 基本的に二人だけのお話ですが、ちょっとだけ賑やかし程度にクロードさんがでてきます。 ※なんでも許せる方向け王の婚礼◻︎
空の玉座を、ベレトはじっと見つめていた。厚い石壁に守られた広間には静寂が満ち、高窓から差し込む光が玉座だけを淡く照らしていた。本来そこにいるべき人は居らず、広間はシンと静まり返っていた。
ゆっくりと歩みを進めたベレトは、玉座の前に立ち、そのひじ掛けにそっと指を添えた。ひやりとした冷たさが肌を伝う。それはまるで、この座が持つ重責と覚悟を訴えてくるようだった。
そのまま指先を滑らせ、ベレトはひとつ小さく息を吐いた。この座が背負う重みを、まだすべて理解しているわけではないが、本来ならばこれは間違いなく自分のような者が軽々しく触れてよいものではないということだけはわかる。そう思うだけで、自然と背筋が伸びた。
10988空の玉座を、ベレトはじっと見つめていた。厚い石壁に守られた広間には静寂が満ち、高窓から差し込む光が玉座だけを淡く照らしていた。本来そこにいるべき人は居らず、広間はシンと静まり返っていた。
ゆっくりと歩みを進めたベレトは、玉座の前に立ち、そのひじ掛けにそっと指を添えた。ひやりとした冷たさが肌を伝う。それはまるで、この座が持つ重責と覚悟を訴えてくるようだった。
そのまま指先を滑らせ、ベレトはひとつ小さく息を吐いた。この座が背負う重みを、まだすべて理解しているわけではないが、本来ならばこれは間違いなく自分のような者が軽々しく触れてよいものではないということだけはわかる。そう思うだけで、自然と背筋が伸びた。
Rhea_season
DONERはついていませんが、「事後」のディミレト※支部のものと同じですが読みやすいようスペース、改行多用してます。
ポイピクでサクっと読みたい方用。
最中もよいけど事後大好きです。ずっといちゃついててほしい
朝のかたち──静かな朝だった。
昨日までの雨が嘘のように、窓から差し込む光はやわらかく、すべてが、しんと穏やかだった。鳥のさえずりが遠くにかすかに聞こえるなか、寝台に残る情事のあとの気怠さだけが、夜の余韻を静かに引きずっていた。
ベレトは、うつぶせのままシーツに半身を預け、ぼんやりと目を開けた。どこかぼうっとして、夢と現のあいだにいるようなまどろみのなかで、思考も感覚もまだ曖昧なまま、静かに身を沈めていた。しかし、肌に残る痛みや、かすかな火照り。それがどれも昨夜、何度も愛された証として身体に刻まれているのだと自覚すると、次第に感覚が、ゆっくりと、呼び戻されていった。
ゆっくりと顔を上げると、窓辺に立つディミトリの姿が目に入った。シャツの袖を軽く捲り、髪はゆるく束ねている。手には温かなカップを持ち、静かに窓の外を眺めていた。
3118昨日までの雨が嘘のように、窓から差し込む光はやわらかく、すべてが、しんと穏やかだった。鳥のさえずりが遠くにかすかに聞こえるなか、寝台に残る情事のあとの気怠さだけが、夜の余韻を静かに引きずっていた。
ベレトは、うつぶせのままシーツに半身を預け、ぼんやりと目を開けた。どこかぼうっとして、夢と現のあいだにいるようなまどろみのなかで、思考も感覚もまだ曖昧なまま、静かに身を沈めていた。しかし、肌に残る痛みや、かすかな火照り。それがどれも昨夜、何度も愛された証として身体に刻まれているのだと自覚すると、次第に感覚が、ゆっくりと、呼び戻されていった。
ゆっくりと顔を上げると、窓辺に立つディミトリの姿が目に入った。シャツの袖を軽く捲り、髪はゆるく束ねている。手には温かなカップを持ち、静かに窓の外を眺めていた。
piyopirapiyoco
DONE211 五年目の同窓会展示作品ですディミトリとベレスが海に行く話・プロポーズをやり直したいディミトリの話です
webで丸々読めますが紙媒体もあります!BOOTH:https://grats.booth.pm/items/5491705
当初はweb漫画のみのつもりでしたが一度やりたかった装丁と合っていたので思い切って本にしました!
ディミトリはイメージカラー的にとても海と空が似合う 13
piyopirapiyoco
DOODLE11/23 ディミレス新刊サンプルトワイライトの残像
A5/36P/500円(書店手数料が加算されます) とらのあな通販予約
https://ec.toranoana.jp/joshi_r/ec/item/040031109746/
二部前半・ディミトリを放っておけない先生が夜に二人で女神の話をする話
先生に見放されたいと思っているディミトリとディミトリを見放さない先生の話 8
ユミヲ
SPOILERFE風花雪月夢主です。お相手はユーリスにしました。ユーリスなら、所属先も自由かなって。素性の知れないライラでも、灰狼とかアビスなら受け入れてくれるはず。ユーリスの本名が星の名前なので、「ライラ」はこと座・リラのラテン語読みです。
ブローチは、記憶が無いものの不思議とライラが大切にしないといけないと思っています。実はブローチはソティスの血で出来ています。英雄の遺産的なやつです。