nanana
DONE付き合ってるくわぶぜの嫉妬の話。百年もたてばそう(くわぶぜ) さらさらと糸を引くような細かな雨は終わりゆく夏を感じさせた。ここ数日冷房のいらない日が続いている。あんなにも異常気象ともいわれるような酷暑を皆が恨んでいたというのに、それが過ぎ去ってしまった今は少し物悲しいと豊前は思う。そもそも豊前は夏が嫌いではない。どちらかと言えば外で走ることができない秋雨の方が苦手である。
昨夜から続く長雨が音を閉じ込めているかのように本丸は静かだった。いつもなら中庭で短刀たちがはしゃぎ、畑では当番のものが汗を流し、遠征や出陣で賑やかいというのに、雨で外出はできず審神者が会議で不在というそれだけのことでこの場所はこんなにも静寂に包まれる。
パサリ、と紙のめくれる音がした。二人部屋のこの部屋にいるのは勿論豊前の同室者である桑名だ。積み上げられた本を一冊、また一冊と消化していく姿は雨の日や夜には見慣れたものである。
1651昨夜から続く長雨が音を閉じ込めているかのように本丸は静かだった。いつもなら中庭で短刀たちがはしゃぎ、畑では当番のものが汗を流し、遠征や出陣で賑やかいというのに、雨で外出はできず審神者が会議で不在というそれだけのことでこの場所はこんなにも静寂に包まれる。
パサリ、と紙のめくれる音がした。二人部屋のこの部屋にいるのは勿論豊前の同室者である桑名だ。積み上げられた本を一冊、また一冊と消化していく姿は雨の日や夜には見慣れたものである。
nanana
DONE高校二年生学パロ、家がお隣の陸上部のぶぜんくんと科学部のくわなくん。くわなくんがずっと初恋を拗らせている夏の話。
眩い白昼夢を埋葬(くわぶぜ)「たからものかくしてるみてぇなもんだろ!」
そんな風に笑った豊前の顔も声も、その日の夏の暑さも今でも鮮明に思い出せる。
1.
三階にある化学室の窓から桑名は外を見下ろす。窓ガラスの向こうの世界はこの酷暑のせいか歪んで形が不規則に揺れ動く。窓を隔てていても煩い蝉時雨。見ているだけで熱中症になってしまいそうだというのにグラウンドでは運動部の生徒たちは駆け回っては汗を流している。
人間の目とは不思議なものである。こんなにもたくさんの人間がグラウンドには溢れているというのに思い人というものはすぐに見つけられてしまう。
癖のある短い黒髪が風を纏って駆け抜ける。百メートル走り終えてもう一本とでも言うように高く高く天に伸ばされた人差し指が酷く眩しい。眩しいのは好きな人を見ると瞳孔が開くからだというけれど、果たして本当にそうだろうか?あの男が一等輝きを放っているせいではないだろうか。
4485そんな風に笑った豊前の顔も声も、その日の夏の暑さも今でも鮮明に思い出せる。
1.
三階にある化学室の窓から桑名は外を見下ろす。窓ガラスの向こうの世界はこの酷暑のせいか歪んで形が不規則に揺れ動く。窓を隔てていても煩い蝉時雨。見ているだけで熱中症になってしまいそうだというのにグラウンドでは運動部の生徒たちは駆け回っては汗を流している。
人間の目とは不思議なものである。こんなにもたくさんの人間がグラウンドには溢れているというのに思い人というものはすぐに見つけられてしまう。
癖のある短い黒髪が風を纏って駆け抜ける。百メートル走り終えてもう一本とでも言うように高く高く天に伸ばされた人差し指が酷く眩しい。眩しいのは好きな人を見ると瞳孔が開くからだというけれど、果たして本当にそうだろうか?あの男が一等輝きを放っているせいではないだろうか。
nanana
DONE見えないものが見えるようになった🏍の話。まだくわぶぜ付き合ってはいない。
ミュ本丸の話ではないですが、少しだけミュの設定お借りしてます。
雨落つ庭(くわぶぜ)1.
ゆめうつつで聞く雨音は鈍くどこか柔らかい。初夏の朝、ましてや雨降りの朝は少し肌寒く、豊前はつい先日薄手にした毛布をしっかりと被りなおす。明けたはずの梅雨が戻ってきた、最近の天気はそんな感じだ。もっとも、やろうと思えば審神者の力で季節さえも操れるこの本丸では四季などそんなに意味もないのかもしれない。世の中には常春の本丸もあるという。絶えることなく桜花が降り続くというのに、いつまでたっても満開の桜が咲き続けるのは一種の狂気だ、と思ってしまうのは移り行く四季を愛するここの主に影響されたせいなのかもしれない。
水分を含んだ空気が起き抜けの眠気を加速させる。どうせ今日は非番なのだこのままもう一度眠ってしまうのも良いかもしれない。人の身を得てからというもの、二度寝と言うものは非常に気持ちが良いものだと知ってしまったのだ。その気持ちよさと走り出したい気持ちを天秤にかけて前者を選んだ。雨で外には出られないのだし、今日はもうのんびり過ごそうと布団に体を完全に預けた。
5032ゆめうつつで聞く雨音は鈍くどこか柔らかい。初夏の朝、ましてや雨降りの朝は少し肌寒く、豊前はつい先日薄手にした毛布をしっかりと被りなおす。明けたはずの梅雨が戻ってきた、最近の天気はそんな感じだ。もっとも、やろうと思えば審神者の力で季節さえも操れるこの本丸では四季などそんなに意味もないのかもしれない。世の中には常春の本丸もあるという。絶えることなく桜花が降り続くというのに、いつまでたっても満開の桜が咲き続けるのは一種の狂気だ、と思ってしまうのは移り行く四季を愛するここの主に影響されたせいなのかもしれない。
水分を含んだ空気が起き抜けの眠気を加速させる。どうせ今日は非番なのだこのままもう一度眠ってしまうのも良いかもしれない。人の身を得てからというもの、二度寝と言うものは非常に気持ちが良いものだと知ってしまったのだ。その気持ちよさと走り出したい気持ちを天秤にかけて前者を選んだ。雨で外には出られないのだし、今日はもうのんびり過ごそうと布団に体を完全に預けた。
nanana
DONE大学生現パロ。付き合ってるくわぶぜとこてとまつ。方言の間違いはこっそり箱にお願いします。
事後表現あり。
心臓が焦げる音がする(くわぶぜ)「心臓が焦げる音がする」
例年よりも随分早い梅雨明けをニュースが告げたのは一か月ほど前のこと。梅雨など無かったような夏の暑さに毎日体が茹だった。前期の試験も半分以上が終わっている夏休み前の大学の食堂には人の数は少なくお昼前だというのに空席ばかりが目立つ。ちらほらと教科書とノートを片手に唸っているものがいるものの、ほとんどが試験からの解き放たれた解放感に酔いしれているものばかりで、そこは人は少ないもののそこはいつもと同じくらい、いやそれ以上に騒がしい場所となっていた。
「よ、ここ空いてっか?」
そんなよく見知った声に向かい合ってお昼ご飯を食べていた篭手切と松井は同時に顔を上げた。見上げた先のトレーに大きなどんぶりを一つ載せた男は、今日も今日とて韓流アイドルも顔負けの爽やかな顔で笑う。
5642例年よりも随分早い梅雨明けをニュースが告げたのは一か月ほど前のこと。梅雨など無かったような夏の暑さに毎日体が茹だった。前期の試験も半分以上が終わっている夏休み前の大学の食堂には人の数は少なくお昼前だというのに空席ばかりが目立つ。ちらほらと教科書とノートを片手に唸っているものがいるものの、ほとんどが試験からの解き放たれた解放感に酔いしれているものばかりで、そこは人は少ないもののそこはいつもと同じくらい、いやそれ以上に騒がしい場所となっていた。
「よ、ここ空いてっか?」
そんなよく見知った声に向かい合ってお昼ご飯を食べていた篭手切と松井は同時に顔を上げた。見上げた先のトレーに大きなどんぶりを一つ載せた男は、今日も今日とて韓流アイドルも顔負けの爽やかな顔で笑う。
鶴田樹
DONE高○寺のクズクワナの続きのぶぜまつまつぶぜ。桑名くん不在回です。
今回もサイテーな仕上がりとなっております。
R18部分がちょっとあるので20歳未満の方はご遠慮ください。20歳以上の方はパスワードを設定しておりますのでyesと入力してください。 6962
鶴田樹
DONEこの前アップした書きかけのとちょっと重複しています。そして捏造の富田江さんが出てきます!未実装キャラなので自我はふんわりしてますが出てきますのでご注意ください!麦茶セッ…の話の続きだけど麦茶セッではないやつです
a question and an answer「っ……づぅ…」
まさに這う這うの体で豊前は玄関横のスイッチに手のひらを押し付ける。白熱灯がぴかりと照らし出したのは日中の熱をむわりと溜め込んだ我が家の廊下。普段は帰宅する時間に合わせて部屋が冷えているようにクーラーの予約をしているが、3日間の出張の間は電気代の節約にと設定を切っていたのだ。
帰宅したらこうなることはわかってはいたが、今となっては部屋が冷えるまでの辛抱だと運転予約を切って家を出た自分が憎い。とにもかくにも部屋の熱をなんとかしなければと遮光カーテンと窓を開け放ち、リモコンを掴みとるようにしてクーラーのスイッチを入れ、暑さでどうにかなりそうな身体を冷まそうと冷蔵庫を開けた。
「あ〜……生き返る……」
7689まさに這う這うの体で豊前は玄関横のスイッチに手のひらを押し付ける。白熱灯がぴかりと照らし出したのは日中の熱をむわりと溜め込んだ我が家の廊下。普段は帰宅する時間に合わせて部屋が冷えているようにクーラーの予約をしているが、3日間の出張の間は電気代の節約にと設定を切っていたのだ。
帰宅したらこうなることはわかってはいたが、今となっては部屋が冷えるまでの辛抱だと運転予約を切って家を出た自分が憎い。とにもかくにも部屋の熱をなんとかしなければと遮光カーテンと窓を開け放ち、リモコンを掴みとるようにしてクーラーのスイッチを入れ、暑さでどうにかなりそうな身体を冷まそうと冷蔵庫を開けた。
「あ〜……生き返る……」
trbkwn_ym
DONE『あのCMの手の持ち主、気になりませんか?交渉の末ようやく御本人と事務所に顔出しOKをいただきました!』『僕の顔が見たいって奇特な人もいるんだなあって受けちゃったんだ。あ、ええと桑名と言います。手のモデルをしてるよお』
(大きい手フリフリ)(優しい微笑み) 6325
250
INFO一旦公開するよ!!!!!!トーンとベタはないよ!!!!!
これは3月にエッチ追加して本にする予定です!!!!
パスはお品書きにあります
ゆうて14時まで仕事なので、今日の夜までには完成させたいね??!
3コマ追加で埋めたのが限界でした!
本になるときはちゃんと埋まってるんで!!!!
過去絵
https://poipiku.com/4313148/5866796.html 11
Hoopono41030595
DONE #9月20日はくわぶぜの日 アンコール!今月2回目のくわぶぜの日、おめでとうございます。
今回は、神様っぽいくわぶぜを目指してみました。
ちょっとだけ、欠損注意。
器その敵は強く、部隊は苦戦した。
さんっ
空気が浅く切れるような音がして、目の前に素早い苦無が迫る。
豊前はその動きを何とか察知すると、身をひるがえしてよけるがそれでも的確にとらえられていた敵の一撃は、浅く豊前の頬を薙ぐ。
「っっ。いってぇなぁああーー。」
苛立つような豊前の声に、桑名の声が重なる。
「豊前!後ろ!!」
ごぉぁ!
桑名の声と空気を震わすようなうなり声に、振り向いてみれば、目の前には大太刀の刃が迫る。
仲間の脇差がカバーに入るのも間に合わず、その一撃は豊前へと吸い込まれる。
「ぐぅ!!」
重い一撃に、一瞬にして左手が動かなくなる。口の中いっぱいに血の匂いが広がり、ぐわっと体中の血が沸騰するような高揚感に包まれた。
1493さんっ
空気が浅く切れるような音がして、目の前に素早い苦無が迫る。
豊前はその動きを何とか察知すると、身をひるがえしてよけるがそれでも的確にとらえられていた敵の一撃は、浅く豊前の頬を薙ぐ。
「っっ。いってぇなぁああーー。」
苛立つような豊前の声に、桑名の声が重なる。
「豊前!後ろ!!」
ごぉぁ!
桑名の声と空気を震わすようなうなり声に、振り向いてみれば、目の前には大太刀の刃が迫る。
仲間の脇差がカバーに入るのも間に合わず、その一撃は豊前へと吸い込まれる。
「ぐぅ!!」
重い一撃に、一瞬にして左手が動かなくなる。口の中いっぱいに血の匂いが広がり、ぐわっと体中の血が沸騰するような高揚感に包まれた。
Hoopono41030595
TRAINING犯人は「どうしても流行りのくわぶぜスーツの波に乗りたかった」と自供しており……。落書きみたいなもんです。一応ヘタレクワナ×ウリブゼン。
桑名くんカッコよく書いてあげられなくてごめん。
くわぶぜスーツ!!「おま、お前……そのカッコ!なんだよ!!」
「え……何……どっか変かなぁ……。」
なんてことはない、日常の朝である。
ちょっと所用で早く出なければならない僕が、洗面所で珍しく髪の毛など整えていると、少しだけ遅れて起きてきた豊前が「おはよー」も言わずにかけてきた声が、冒頭のそれ。
僕は自分のカッコをもう一度見直す。
黒に近いグレーのズボンに白いワイシャツ。ネクタイは落ち着いた黄色を選んでみた。
セットになっているからベストも着込んで、あとはジャケットを羽織るだけ……の格好なのだが……。
「普段、着なれないから、やっぱり変かなぁ……。」
「いや、そーじゃねーけど……。」
豊前が口ごもる。
今日は学会で教授のお供だから、まあ恥ずかしくない格好をして来いって言われて……。だから普段はほとんどいじらない髪の毛なんかも少し後ろに撫でつけてみたりしたわけだけども……。
1209「え……何……どっか変かなぁ……。」
なんてことはない、日常の朝である。
ちょっと所用で早く出なければならない僕が、洗面所で珍しく髪の毛など整えていると、少しだけ遅れて起きてきた豊前が「おはよー」も言わずにかけてきた声が、冒頭のそれ。
僕は自分のカッコをもう一度見直す。
黒に近いグレーのズボンに白いワイシャツ。ネクタイは落ち着いた黄色を選んでみた。
セットになっているからベストも着込んで、あとはジャケットを羽織るだけ……の格好なのだが……。
「普段、着なれないから、やっぱり変かなぁ……。」
「いや、そーじゃねーけど……。」
豊前が口ごもる。
今日は学会で教授のお供だから、まあ恥ずかしくない格好をして来いって言われて……。だから普段はほとんどいじらない髪の毛なんかも少し後ろに撫でつけてみたりしたわけだけども……。
Hoopono41030595
DONEエアSSその2。お題は「ゴムを買いに行くヘタレクワナ君」。ホントにヘタレですんでご注意。
くらげ(@ao_krg)さんリクエストありがとうございました。
#江楽宴僕は今、ものすごく悩んでいた。
激安と名高い、大型のディスカウントショップ。その売り場の一角で立ち尽くしてもう30分にはなるだろうか。
「ゴムって……こんなに種類あるん……?」
目の前に壁のように並べられた各種コンドームに僕は圧倒されていた。
僕が豊前と体を重ねるようになって、数か月。
ゴムやら、ローションやらを準備してくれるのはいつも豊前だった。
僕も、それには何の疑問もなかったんだけど……。
「あ、今日、ゴムもローションもねーわ。」
夜も更け。
さてやるか、という段階になって豊前がそう言いだしたのだ。
僕はすっかりやる気満々でいたんだけれども、その一言で豊前は「今日はナシだ。」と言い始めた。
そんな!そんなのひどい!!
僕は抗議の声を上げるが、豊前が否というのだから交渉は成立しない。
それでもあきらめられない僕は……まあ、口でしてもらったわけだけれども……。
っていうことは、豊前に用意してもらわなくてもゴムとかローションとかが常備されていれば、いいんだよね。
そう思い立った僕は生まれて初めて、そういったたぐいのモノを買いに来て、今、そこに立ち尽くしているのだった。
861