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    ruicaonedrow

    エタるかもしれないアレとかコレとか/ユスグラ/パシラン/フィ晶♂/銀博/実兄弟BL(兄×弟)/NovelsOnly……のはず

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    POIPOI 33

    ruicaonedrow

    DONE一幕一場(状況説明)
    KA-11.
     ここまで道が混んでいるなんて何時振りだろうと、ラモラックは思った。少なくとも、直近ではないことだけは確かだ。
     第一師団がブルグント地方で戦果を上げたときだったろうか。それとも、第三師団が見習いたちと共に近隣の盗賊団を壊滅させたときだったろうか。英雄ロットが不在の今、好機とばかりに攻め込んできた賊を、モルゴース率いる魔導師団が完膚なきまでに叩きのめしたときだったかもしれない。
     ああ、……あのときは本当にスカッとした。魔術の師匠たる賢女モルゴースの勇姿は勿論のこと、魔導師団と騎士団との一糸乱れぬ見事な波状攻撃。悲鳴を上げ、武器を放り投げ、這々の体で逃げていく奴らの情けない姿といったら! それと同時に、この国は前線基地ばりに、常に戦争と隣り合わせなのだと実感した。知識の上では理解していたものの、こうして目の当たりにするとみんなどうして仲良く出来ないのか不思議でならない。お腹が空いて気が立っているとかなのかなぁ。それなら、食べ物が沢山あるところが分けてあげたらいいのに。困っている人がいたら助けてあげて、食べ物も半分こしてあげる。それで一件落着だっていうのにさ!
    11028

    ruicaonedrow

    DONEヲタクというものは「推しが作ったパスタ」という概念だけでSSを1本仕上げることが出来る
    トマトカルボナーラ ベッドの端っこにいるとき、無理に寝返りを打ってはいけない。それが柵の付いていないベッドであった場合は尚更である――
     そんな当たり前のことも忘れてつい転がってしまった僕は、次の瞬間大きな音と衝撃と共に床の上に墜落した。奇しくも夢で強敵と取っ組み合いを広げていた最中だったから、一瞬夢かうつつかも判断出来ず、シーツの端を握りしめたままで目を見開き、しばし固まってしまっていた。
     天井が見えた。壁にへばりついた窓の木枠も。程よく晴れ渡った空、澄んだ蒼を背景に流れていく白い雲、そうして、少しだけ開いた窓から吹き込んでくる爽やかな風がカーテンを軽やかに翻す。
    「……あー……」
     吐息と共に声を出し、のろのろと上半身を起こし、くあ、と欠伸をかみ殺す。被っていた掛布を引き剥がす頃には、僕の思考は、現状を何とか把握出来るまでに覚醒していた。落下したときに思いっきり打ち付けてしまった腰骨の周辺をさすりつつ、ベッド枠に縋って立ち上がる。床に転がっているクッションを元通りベッドの上に放り投げたところで、ふと扉の方が気になって視線を向ける。
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