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    ltochiri

    二次創作いろいろ

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    ltochiri

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    冒頭だけ書いたものがメモ帳に残っていたので
    続きは…!?

    ##小説
    ##英あん

    誕生日の話 彼がよく口にする言葉がある。
    『時間は有限だ』
     それがまるで自分に言い聞かせているみたいだと、そんなふうに思えたのは、いつの頃だったろう。
     紅茶を入れている時。お菓子を食べている時。あるいは軽く咳き込んだ時。
     ふとした瞬間に、彼の——天祥院英智の声があんずの頭の中で再生される。
     生来病弱な彼にとって『時間がない』ということは、健康な人と比べて『やれることが少ない』に直結するのかもしれない。けれど、だからといって『何もしない』人ではないし、むしろその言葉を口にすることで『時間を無駄にしない』ように自身を戒めているようにも思う。
     突然病気で倒れる、なんてことはないにしても、やはり生まれ持った身体と向き合うなかで得た生き方というのは彼を彼たらしめていた。
     その日も、英智はESビルで仕事をしていた。
    「天祥院先輩、おはようございます」
    「おはよう、『プロデューサー』ちゃん。例の件だね。これが終わったら行くからちょっと待って」
     英智が資料をまとめている間、あんずは緊張気味に待っていた。
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    recommended works

    ろじーにゃ

    MOURNINGけっこう前の英あん。続き書かないけどなんかもったいないから供養
    英智くん長期戦のチェスみたいにじわじわあんずちゃんを絡めとる感じがすきだな〜ってのと、あんずちゃん何気にちゃんと気づいてるよね〜っていう。英智くん絶対ズ!の時から権力行使してお茶会してるよね!英あんの不思議な距離感すき
    「あんずちゃん」



    ESビルの廊下を歩いていると、ふいに背後から”あの人”の声がした。反射で振り返れば、天祥院先輩がいつものように品のある柔らかい笑みをうかべてこちらへと近寄ってきた。気のせいか、かすかに穏やかな春の匂いがして、久しぶりに会う先輩の顔色が良さそうだった。...うん、すこし安心した。

    「こんにちは、天祥院先輩。何かご用でしょうか?」
    「こんにちは、あんずちゃん。今は急ぎの用事はあるかい?もし時間があれば、お茶に付き合ってくれないかな」

    小首をかしげて私に尋ねる先輩は、少しいたずらっぽくてあどけない。以前は学院でよく見せてくれていた表情だけれど、今ではあまり見ることがない気がする。生徒会長よりも大きな立場に就いているからだと思う。

    「春の紅茶と苺のミルフィーユを用意したんだ。マカロンもあるよ」

    私を誘うように先輩が告げたラインナップに心がときめいた。先輩が用意してくれる紅茶とスイーツは感動するほど美味しくて大好きだから、ついつい頬がゆるんでしまう。そんな私の様子を見て、先輩がくすりと微笑んだ。...すこし恥ずかしい。

    「ちょうど1時間ほど余裕があるので、ぜひお 1931