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    mayu_og3

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    mayu_og3

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    同棲をはじめるガスウィル

    恋人のルール玄関のドアを開けて、真っ直ぐ伸びた廊下の右側に寝室が二部屋。左側にはリノベーションされたバストイレ。
    廊下の突き当たりのドアの向こうには、日当たりの良いリビングキッチンが広がっている。キッチンの前にはカウンター。シンクとコンロは少し古いけど綺麗に磨かれていた。
    リビングの大きな窓からは日差しが差し込み、少し狭いけどバルコニーがついてる。
    レッドサウスにある古いアパートの二階。この2LDKの部屋が今日からガストとウィルの新居だ。

    「おいアドラー。お前の荷物こっちに混ざってるぞ」
    「あー悪りぃ。今片付ける」
    「って、お前何やってるんだ」
    「いやー昔買ったコミックが出てきて、懐かしくてちょっと読んでみたら、つい夢中になっちまった」
    「そんな事してたら、いつまでも片付かないだろ」

    床に座り込んで、コミックを広げたガストを見下ろし、ウィルはため息をついた。
    部屋の中は段ボールが山のように積まれたままだ。
    さらに床には衣服が散らばり、ベッドの上にはモデルガンが投げ出されている。乱雑な部屋を見回して、ウィルはじろりとガストに厳しい目線を向けた。
    そんな事には気がつかないくらい、ガストは夢中になってコミックのページをめくり、時々笑い声をあげている。
    一向に部屋の整理をする気配がないガストをしばらく眺めて、ウィルは肩を落として俯いた。それから、抱えた段ボールをドスンと乱暴に床に置き、自分の部屋へと戻っていった。

    「兄貴ぶってるくせに、アドラーのやつ意外とだらしないよな」
    手にした植木に向かって不機嫌な声で話しかけながら、ウィルは手際よく部屋を片付けていく。
    クローゼットに服をしまい、本棚にきっちりと雑誌を並べる。カーテンを吊るして、植木鉢を日当たりの良い場所にひとつひとつ置いていった。段々と部屋が整っていくのにつれて、イライラしていた気持ちも少しずつ落ち着いてくる。
    普段、自分の前ではやたらと格好つけたがるガストが、意外とマイペースなのを知ったのは恋人同士になってからだ。
    小言を言いたくなる時もあるけれど、そんなところも可愛い、と思ってしまうくらいには、ウィルはガストに心を許してしまっている。
    だけど、今はほんの少しだけ不安になる。
    今日から二人での新しい生活が始まる。俺達は上手くやっていけるんだろうか……。
    ウィルは窓の外を眺めながら、ぼんやり思った。

    「俺、引っ越そうかと思ってさ」
    遠慮がちにガストがウィルにそう告げたのは、タワーを出て一年目の春。それぞれ一人暮らしを始めて、お互いの部屋を訪れるのに慣れてきた頃だった。
    久しぶりの二人揃っての休日、待ち合わせ場所に現れた時から落ち着きない様子のガストを、ウィルは怪訝に思っていた。ショッピングセンターで買い物をしている間も、お茶でも飲もうとカフェに入ってからも、ガストはどこか上の空だった。もしかしたら、別れ話でも切り出してくるんじゃないだろうか、なんて不安に思っていたウィルは、ガストの言葉に肩透かしを食らったような顔をした。
    「そうか、でも今の部屋、気に入っていたんじゃないのか?」
    「そうなんだけどさ、そろそろ新しい生活を始めてみても良いかなぁって思ってさ」
    目を宙に泳がせながら口ごもるガストに、ウィルはパンケーキを頬張ろうとした手を止めて、訝しげな目を向けた。
    ガストがこんなふうに言葉を濁す時は、決まって本心を隠している時だ。
    「それで、どこか良い部屋でも見つけたのか?」
    「あーうん。こことか良いなって思って」
    腹の内を探るようにウィルが問いかけると、ガストはスマホを差し出した。
    画面には間取り図が表示されている。
    「この部屋、一人暮らしには広すぎるだろう」
    ウィルはじっと画面を見つめてから言った。
    表示されている見取り図は1LDKタイプだが、リビングダイニングも、寝室用の個室も、一人暮らしには贅沢なくらいの広さだ。住所はレッドサウスで、どうやらウィルの実家であるブルーミング・スプラウトの近くらしい。
    それを見て、ガストが考えてる事になんとなく気づいたが、自分から言い出すのはなんとなく躊躇われた。
    「えーと、だからさ……。一緒に住まねぇか?」
    ごくりとコーヒーを飲み干してから、ガストは真剣な眼差しで言った。
    その声を聞いて、ウィルはやっぱりと内心思った。
    最近、コソコソとスマホで何かを検索していたり、やたらと一人暮らしは寂しいとか言っていたのは、そう言う魂胆があったからなのか、とウィルは半ば呆れつつ、ガストの様子がおかしかった理由がわかり、安心した顔をした。
    それから、これって、つまりそういう事だよな、とガストが言わんとすることがじわじわと分かってきて、うっすらと頬を染める。
    「ちょっと……考える時間をくれ」
    「うん、返事待ってる」
    グラスに刺さったストローを弄びながら、しばらく考え込んだウィルに、ガストは静かに微笑む。
    それから、他愛もない話をしながらティータイムを過ごした。けれども、ウィルは大好きな甘いパンケーキの味も感じられないくらい、ガストへなんて答えればいいのかと、思いを巡らせていた。

    数日後、ウィルはガストを屋上庭園に呼び出した。
    二人きりで話がしたい時には、ここで会うのがいつしかウィルとガストの間で暗黙のルールになっている。
    午前のパトロールを終えてウィルが庭園に足を踏み入れると、明るい日差しの中にガストの後ろ姿が目に入った。ウィルの呼びかけると、ガストの顔はどこか緊張した面持ちで振り向いた。
    それに釣られるように、こわばった顔をしてウィルはゆっくりとガストの目の前まで進む。
    「アドラー、この前の返事だけど……」
    「お、おう」
    二人のぎこちないやり取りを、花壇のガーベラが風に揺られながら見守っている。
    ウィルは深呼吸して気持ちを落ち着けてから「イエスだ」と静かに告げた。それを聞いたガストは飛び上がるほど喜んだ。
    「これからすぐ二人で部屋を見に行こうぜ、それから帰りに家具とか食器とかも買いに行かないとな」
    と、弾んだ声を出してぎゅっとウイルの手を握りしめる。
    そんなガストに「気が早すぎるだろ」と言いながら、ウィルはくすくす笑った。
    ガストのニコニコと嬉しそうな顔を見ていると、ウィルの心も二人の新しい生活にドキドキと期待が高まる。
    そうして、引越しの日を迎えた。しかし新生活のスタートから、同居人の振る舞いにウィルは不安に顔を曇らせている。

    「ヤベェ、もうこんな時間か」
    コミックを読み耽っていたガストは、時計に目をやり、慌てた声を出した。
    時刻は既に午後三時近い。窓の外に目をやれば、太陽は地平線の向こうに隠れようとしている。
    ——秋の日はつるべおとし。
    いつだったか、ウィルが教えてくれた日本のことわざを思い出しながら、ガストは散らかったままの部屋の中に視線を走らせた。
    「ウィル、怒ってっかな……」
    無言で部屋を出ていったウィルの様子を思い出す。
    あれは、絶対に怒ってるな。
    ガストは、ばつが悪い顔をして頭をかくと、腕組みをしながら考えこんだ。念願のウィルとの生活がはじまったのに、初日から気まずくなるのは、なんとしてでも避けたい。
    うろうろと部屋の中を歩き回りながら、失敗を取り返す方法をあれこれ考えを巡らせる。
    そして、何かを思いつくとウィルに気付かれないように、こっそりと出かけていった。

    「ウィ〜ル〜、あのさ、そろそろ休憩しねぇ?」
    数時間後、外出から戻ったガストはウィルの部屋の前に立っていた。軽くドアをノックして、遠慮深く声をかける。
    「グレイお勧めのカップケーキ買ってきたんだ」
    ——ウィルが機嫌を損ねたら、甘いものを用意しろ。
    との、アキラのアドバイスを思い出し、ガストはそれを実践することにしたのだ。
    しかし、ドアの向こうから答える声はない。
    「赤べこ堂の団子と苺大福もあるぞ〜」
    これで許してくれ、と祈るような気持ちで、ウィルの大好物を買ってきた事をアピールする。すると、ゆっくりドアが開いてウィルが顔を覗かせた。
    ガストが片手に持った袋を高々と掲げると、不機嫌そうな顔をしたまま「……食べる」とドアの隙間から返事が戻ってきた。
    「じゃ、茶でも淹れるか」
    ほっと胸を撫で下ろし、ガストはキッチンへと向かった。ウィルがリビングのソファーに腰を下ろすのを確かめて、ケトルをコンロにかける。
    リビングには夕日が差し込み、カウンター越しにオレンジ色に染まったウィルの横顔が見える。
    「あのさ、ウィル。その……ごめんな」
    「別に……もう、怒ってない」
    そう言って、ウィルは黙り込んだ。
    ウィルの地雷を踏む癖は、相変わらず治らねぇな、とガストがしみじみ反省していると、コンロのケトルがコトコトと音を立て、柔らかな湯気が立ち上り始めた。
    ——今日から二人の生活が始まるんだ。
    二つ並べたお揃いのマグカップがなんだか照れ臭い。ティーポットから熱い紅茶を注ぎながら、これからは、ちゃんとしねぇとな、とガストは心に誓った。

    引っ越しの荷物を片付けが終わると、夕食の時間になってしまった。
    今日はお詫びに俺が作る、とガストが手際良く料理する姿を、ウィルは興味深そうに眺めていた。
    真新しいダイニングテーブルの向かいに座って、自分の作った料理を食べるウィルの顔を眺める。
    これからは毎日こうやってメシ食うんだよな、と、ガストはあらためて一緒に暮らす幸せをしみじみ感じていた。
    それから二人で洗い物を済ませ、ソファーに並んでテレビを眺めた。画面の中で、アナウンサーが明日の天気を告げるのをぼんやり聞きながら、ガストはウィルに切り出した。
    「なぁ、ウィル。ちょっと話があるんだけど」
    「なんだ?」
    不思議そうな顔をして向き合ったウィルを、真っ直ぐに見つめてガストはゆっくりと言った。
    「ルール決めねぇか?」
    「ルール?」
    「ウィルと一緒に暮らせてマジで嬉しい。でもさ、同じ家に暮らしてたら、俺の許せないとことかあると思う。俺もウィルにやめて欲しい所とかあるかもしれねぇし」
    ガストの提案に、しばらくウィルは考え込んだ。
    「……わかった。俺もこの先お前と上手くやっていきたいし」
    ウィルの答えを聞いて、ガストはぱっと笑顔になった。それから目を閉じて難しい顔をする。
    「まずは、何にするかな?」
    「どんなに喧嘩してても、朝起きたらおはようの挨拶はする事」
    ウィルが小さな声で答えるのを聞いて、ガストは目を輝かせた。
    「それいいな! それじゃこれはどうだ」
    ——ルールとか堅苦しい事は苦手だけど、こうやって二人で話し合うのはなんかいいな。
    ウィルが賛成してくれた事が嬉しくて、ガストははしゃいだ声を出した。
    「朝食と夕食は二人でする事」
    「わかった。じゃあ、任務で帰れない時には必ず連絡する事も追加しよう」
    そうして、家事の役割分担、お金の事など二人の生活のルールが定まっていった。
    荷物をこの部屋に運び入れた時には、どこか不安げだったウィルの顔が次第に明るくなるのを見て、ガストはほっと胸を撫で下ろした。

    そんな風に、二人で話し合っているうちに夜も更けてきた。
    ふぁ〜とウィルがあくびを漏らしたのをきっかけに、今日の家族会議は終了する事にした。
    順番に風呂に入り、「おやすみ」の挨拶を交わして、お互いの部屋へと入る。
    「お互い一人になりたい時もあるだろ」
    と言うウィルの意見に従って、新居は別々のベッドルームのある部屋に決めた。ウィルの提案に納得しつつ、同じ部屋で眠れると期待していたガストがガッカリした事はウィルには内緒だ。
    「一緒に眠りてぇな……」
    なんて、ベッドに横たわりガストがぼやいていると、トントンと遠慮がちなノックの音が鳴った。
    またウィルのところに自分の荷物が紛れ込んでいたんだろうか、と思いながら、ゆっくりドアを開けると、そこには枕を抱えて立ったウィルの姿があった。
    「ウィル、どうしたんだ?」
    小首を傾げてガストが問いかける。
    すると、ウィルはぎゅっと枕を抱きしめて、気恥ずかしそうに目を伏せた。
    「部屋が片付いてないから……今夜はこっちで寝てもいいか……?」
    モジモジと呟いたウィルの顔を、ガストは信じられない面持ちで眺めた。
    じっと見つめたウィルの頬が、ほんのり赤く染まっているのに気付き、ガストの頬も熱くなる。
    「お、おう」
    ぎこちない返事をして、ガストはウィルを招き入れた。開いたドアの隙間から、ウィルがおずおずと入ってくる間、ガストの心臓はうるさいくらい脈打っていた。
    恋人同士になって、枕を重ねた事だってある。
    それなのに、恥じらう様に佇むウィルの姿に、初めてその肌に触れた時のくすぐったい様な高まる気持ちが蘇ってくる。
    「それじゃ明日も早えし、寝るか」
    そう言って、ぎこちない動作でベッドに潜り込んだガストの隣に、おずおずとウィルが横たわる。
    明かりを消した部屋の中、小さくベッドが軋む音が響いて、お互いの背中がそっと触れ合う。
    Tシャツ越しにウィルのほのかな体温を感じながら、ガストは静かな声で問いかけた。
    「なぁウィル。さっきのルールにひとつ追加してもいいか?」
    「なんだ?」
    背中合わせのままシーツにくるまり、ガストはつま先をゆっくりと伸ばした。そっと脚を絡ませると、ウィルの肩がビクリと跳ねる。
    「週に一回は一緒のベッドで眠る事」
    囁く様なガストの声に、しばらくウィルは少し思案してから「……検討しておく」と答えた。
    そっけない言葉の中に満更でもない響きを感じて、ガストはウィルに気づかれない様に、にっこりと笑った。
    ——できれば、朝出かける前にはキスをするも追加して欲しいんだけど……。
    これ以上調子に乗ると、ウィルがまた機嫌を損ねてしまうかもしれない。追加のお願いは、まだ心に仕舞っておくか。
    そんな事を思いながら、ガストはゆっくりと目を瞑った。
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    hinoki_a3_tdr

    DOODLEガスウィルポメガバース「キャンキャンッ!キャウンッ!!」
    「わ〜待て待て!!踏む!踏むから!!」
    穏やかな昼下がり。丸々としたフォルムの毛玉が床を転がる。それは一直線にとある人物を目指していた。とある人物、ガストは足にまとわりつく毛玉を踏まないよう、慎重に足をずらしている。それ見守るのは赤と青の弟分だ。
    「またか?」
    「まただ」
    「いい加減学習しないものか」
    「まあ、性格的に厳しいんじゃね?」
    普段の噛み合わなさはどこへやら。穏やかに言葉を交わすのには、それなりの事情があった。それは動く毛玉、ポメラニアン化した彼らの幼なじみに起因する。
    50年ほど前、この地にサブスタンスというものが現れた。高エネルギー体のそれは今では生活に欠かせないものとなっているが、厄介なことに利益だけをもたらすものでは無かった。それは、彼らヒーローが日夜活動していることからも明らかだ。
    サブスタンスは意志を持ち、超常現象や自然現象を起こす。それを利用したのがヒーロー能力だ。サブスタンスを投与することで人はその力を使うことが出来る。目には目を、歯には歯を、サブスタンスにはサブスタンスを、と言ったところか。だが、サブスタンスの影響 2814

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    DOODLEガスウィル
    ウィル女体化
    ガストを女性下着売場に放り込みたかったなどと供じゅ(ry
    ピンクや水色のふわふわとしたものから、赤や黒のきわどいデザイン、どこを見てもテイストの違う下着が並んでいるだけで逃げ場がない。自身の存在が明らかに場違いであることを肌で感じながら、ガストは足元を見つめることしか出来なかった。

    「なあ、アドラー。その、ちょっと行きたいところがあって……」
    もじもじと指をいじり、恥ずかしげに問いかける恋人に、一も二もなく頷いた。ウィルの頼み事だから、てっきりカップル限定スイーツのあるカフェだとか、購入制限のあるケーキ屋だとかそういうものだと思ったのだ。
    「……えっと、ここ?」
    「うん……」
    ウィルに連れられてやって来たのは、いかにも女の子のための店、といった外観の店だった。それもそのはず、ディスプレイに飾られているのは表に出していいのかと心配になるほど小さな布を身にまとったマネキンたち。そう、女性下着店だ。
    ガストは目を疑ったし、耳も疑った。今、「うん」って聞こえたけど実は「違う」の間違いだったんじゃないか? うん、きっとそうだ。
    「行こ」
    「お、おう」
    そうだよな、そんな訳ないよな。
    動かない俺の袖口を軽く掴んで、ウィルは店内へと足を進め 1106

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    DONEガスウィル
    別れようとしたウィルと荒療治でつなぎとめることにしたガスト
    「別れてくれ」
     たった一言。それだけで、世界から一人と残されたような、うら寂しさがあった。
     俺とアドラーは恋人同士というものだった。俺は、アドラーが好きだった。アキラの一件があったのにも関わらず、俺はアドラーに惹かれていた。そんなときに、アドラーに告白されたのだ。嬉しかった。が、同時に怖くなった。だって、俺の中にあるアドラーへの感情はプラスのものだけではなかったから。
     アドラーへの恋心と一緒に、彼への恨みのような感情もまだあった。そして、それが今後消えないだろうことも、なんとなく分かっていたのだ。こんな俺では、いつかきっと振られる。今が良くても、いずれ破綻することだろう。そんな想像から、俺はアドラーを先に振った。そうすれば、無駄に傷つくことはないと。
     だが、アドラーは諦めなかった。何度も何度も俺に告白してきて、その度に俺は、アドラーを振って。傷つきたくないからと始めたことが、どんどん傷を増やしていく。俺だけじゃなくて、アドラーにも。それは、本意ではなかった。だから、受け入れることにしたのだ。アドラーの粘り勝ちと言ってもいいだろう。
     大喜びするアドラーに、これで正解だったのかも 4699