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    Ac_4265

    @Ac_4265

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    Ac_4265

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    みずさんのガチャお題で書いたもの。
    全部SSにならないくらい短いです。
    全部鉄虎と誰かの話。

    #南雲鉄虎
    southCloudSteelTiger

    『アイコンタクト』

     ひなたくんはこういうのが上手いな、と思う。不器用な俺はこんな風に目配せしても上手く伝わらず、結局声に出した方が早くなるからだ。
     ――ねぇ、そろそろこの講習会抜け出さない? 飽きてきちゃったよ。
     ――駄目ッスよ。いくら出入り自由だからって人が喋ってるのに。
     俺が目線で訴えれば、ひなたくんは唇を尖らせる。なんだかそれが子どもっぽく見えて思わず笑ってしまったら、ひなたくんも何故か勝ち誇ったような笑みを浮かべた。



    『夏休み』

    「鳴上先輩は夏休み家に帰るんスか?」
    「そうねェ……あまり日はないけど1日くらいは帰ろうかしら。鉄虎くんはどうするの?」
    「それが迷ってるんスよね~……早く決めないといけないんスけど」
     鉄虎クンが苦笑してそう言う理由は【アイドルロワイヤル】のことだけが原因ではないだろう。
    「ご両親はお盆休みはありそうなの?」
    「あるのはあるみたいなんスけど……俺と予定が合うかどうか……」
    「それなら顔だけでも出しておいたら? きっと喜ぶと思うわよォ?」
     きっとご両親も中々会えない鉄虎クンのことを心配しているだろうし。ここで背中を押すのは同質であるアタシの役目だ。





    『夕焼け』

    「うわぁ……! 綺麗ッスね……!」
     思わず感嘆の声を上げると、一彩くんは満足そうに頷いた。
    「ウム、とっても綺麗だね!」
    「一彩くんが見つけたんじゃなかったんスか?」
    「マヨイ先輩に教えてもらったんだよ。藍良が『映える』って喜んでたね! ……ここで綺麗な夕焼けを見ていると故郷を思い出すんだ」
     懐かしい気持ちになった後、また明日も頑張ろうと思えるからここに来るのだと一彩くんは笑った。……俺は懐かしい気持ちにはならないけれど、心が澄んでいくような心地がする。一彩くんの故郷を見た時も俺は同じことを思うのだろうか。
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    kosuke_hlos

    MOURNINGフェイブラ、もう盛るしかないのでは??と唐突に思い立ったもの。女には刺されなかったけど、女取られた男には報復されたフェイス。
    ゲストで招かれたクラブイベントで、薬盛られて囲まれそうになったところをほうほうの体で逃げ出して、力尽きたところでドライブ帰りのブラッドに拾われる。
    明らかに調子の悪そうなフェイスに、取り敢えず小言は後回しにして、フルスピードでタワーへ急ぐ。所々のカーブや赤信号で揺れるたびに、服が肌に擦れるのが辛い。
    居住者専用の駐車場に着いて、多分ノヴァかヴィクターへ連絡しようとしているのだろう。スマホ片手に、フェイスのシートベルトを外す。
    しっかりしろ。聴こえるかフェイス。
    どこかぼんやりと、くぐもって聴こえる、兄の声。
    どこかで聞いた記憶がある。
    幼い頃に、プールで溺れかけた時に叫んでいた声に似ている。
    心配してくれるの。
    自分から突き放しておいて。
    前髪をかき上げて、汗ばんだ額を撫でる手が、ひんやりしていてきもちがいい。
    でもさわってほしいのはそこじゃない。
    かたてじゃたりない。
    もう片方の手を思い切り引いたら、バランスを崩した身体が落ちてきた。受け止めて、冷えた部分を探る。耳元で煩く響く声がする。
    たすけてよ、おにいちゃん。
    塞ぐ 528

    kosuke_hlos

    DONEゲーム中の台詞を一部拝借しておりますので、そういうの受け付けない!という方にはごめんなさい。
    オスブラです。書いてる自分はそのつもりなので!(二回目)
    パトロールで通りかかった小さなカフェの一角に、見慣れないポスターが貼ってある。

    『アート・フェスタ』

    暖かな色使いの水彩画や、奔放な筆致のクレヨン画、プロの作品かと思えるような精巧なブロンズの猫像。
    店の商品とは何の関連もないのに、不思議と雰囲気を邪魔しないそれらが、壁や棚のあちこちに飾られていた。
    その全てに小さなカードが添えられていて、作品のタイトルとテーマ、作者の名前が書かれている。
    ブラッドの目をひと際引いたのは、可愛らしくデフォルメされたハリネズミのマスコットだった。
    ニードルフェルトで刺されたふわふわでまるまるとした体躯に、ビーズであしらったつぶらな目。
    どことなく勝気な目つきが、アレキサンダーとよく似ている。
    オスカーとアレキサンダーと、このマスコットを並べた様子を脳裏に描いて、ブラッドはふと目元を緩ませた。

    「いいでしょう。うちの店の常連さんがね、協力してくれまして」

    綺麗に平らげられた皿を何枚も片腕に乗せた店員が、自分のことのように胸を張って言う。

    「ああ。どれも素晴らしい作品ばかりだ。買っていくことは出来るのだろうか」
    「申し訳ありません。展示だけでして… 1326