遺書知っての通り、私の処罰を巡る裁判で、○○星系派の裁判官による、不正判決が下された。
私は、断じて承服しない。
大罪を犯した者が不正に守られるなど、あってはならない。
散々、不正を行って来た私が、善だの悪だのほざくなど、笑止千万だと分かっている。
だが、ようやく思い知らされたのだ。
私は、最初から、何もかも、すべてに於いて敗北していた。
せめて、罪人として、命の在り方だけでも、正しくありたい。
私の亡骸は、如何様にでも処分してくれて構わない。
だが、どうか部下たち、および兵士たちを、過去の累から守って欲しい。
彼らはただ、時代に翻弄され、命令に従わざるを得なかった、普通の人間たちに過ぎない。
罰が下されなければならないと言うのなら、どうかすべて、私の亡骸のみに課して欲しい。
古き、悪しき因縁は、私の死をもって終わりの始まりへと繋がる事を、切に願っている。
追記:
副官。
お前には、散々迷惑をかけた。
結果的に、私の罪悪や責任を、お前にまで背負わせる形となってしまった。
お前は若い。
何処にでも居る、普通の人間のように、ありきたりな幸福を望み、明日を生きる権利がある。
実直な性格のお前なら、女性と、子供と、暖かな家庭が築ける事だろう。
お前の未来に、どうか、限りない幸運と祝福があらん事を。
ピリカ共和星統合軍所属
ドラコルル