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    14zrzr28

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    14zrzr28

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    モブ霊(20×34)
    ちょっとお下品気味
    頑張って耐えるモくんの話

    #モブ霊
    MobRei

    とってもめんどくさい話 霊幻師匠は、僕のちんちんを見ると怖がる。
     いや正確には、驚愕するといった方が正しいのかもしれない。僕の股間にそんなグロテスクなものがついているという事実に、つい驚くのだそうだ。どっちにしろ、失敬なとは思うけれど。
     たとえば、デートの終わりにホテルへ誘おうとしたりだとか、二人で居酒屋に行った帰り、いい感じになったりだとか。要するに、そういう雰囲気になりかけると途端に固まってしまう。僕も無理強いなんか絶対にしたくはなくて、次のステップへ進む前に、嫌かどうかをたしかめる。
     でも、師匠曰く、
    「嫌じゃない。嫌じゃないんだよ。そうじゃなくて……解釈違いなの」
     らしい。正直、よくは分からない。
     ただ原因は僕にあるとも思うので、あんまりどうこう言えなかった。
     実は、こうして再び霊幻師匠とじっくり会うようになったのは、割と最近の話だ。
     高校生になった僕は、思春期だとか反抗期だとか、そういうものが色々とまぜこぜになり、あんまり相談所へ足を運ぶことが出来なくなっていた。
     高校二年生くらいからかな。最初の一年目までは、なにも問題なく通っていたと思う。でもだんだん、心の内側がモヤモヤと落ち着かなくなってきて、それをどうにかしたくて、すっかり足が遠のいてしまった。
     べつに、師匠のことを嫌いになった訳じゃない。でも、なんとなく恥ずかしさがあって、二人きりで会う機会はすごく減ってしまった。みんなで集まる誕生日会とかには顔を出したものの、あとはせいぜい、年賀状でのやりとりくらいだ。
     大学受験に差し掛かった頃にはそういう気持ちも薄れていたんだけど、今度は勉強に追われて、それどころじゃなくなってしまったし。
     目標設定を高くしたせいで、ほとんど毎日塾に通い、勉強づくしになっていた。朝と昼は当然学校。夜は遅くまで塾。寝る直前まで復習をして、だからといっても、今の進路に後悔はしていない。
     そんなときに師匠と会ったのは、受験の前日だった。師匠はわざわざ寒い夜空の下で僕の帰りを待っていてくれて、僕の家の前で、チョコレートをひとつくれた。
     疲れた頭には糖分が良いんだとかなんだとか、これだけたくさん勉強したんだから、おまえなら大丈夫だとかなんだとか。
     僕は途端に温かい気持ちでいっぱいになり、部屋に帰って甘い甘いチョコレートを口に入れる。それからチョコレートの包み紙を眺めては、緊張なんかも消し飛んでいった。おかげさまで受験前にも関わらず、ぐっすり眠ることができたのも覚えている。
     きっとあれが、きっかけだったんだろう。
     その頃から、僕のなかで師匠に対する「好き」という気持ちが、すこしずつ膨らんでいった。
     思えば思春期の頃に顔を合わせづらかったのも、十分にそのせいだ。当時の僕は気づくことが出来ず、ずいぶん遠回りをしたけれど。
     そうこうしているあいだに大学生活が始まり、新しい環境を経験したなかで――告白をしようと決意したのは、二十歳を迎えた頃だった。
     だから霊幻師匠から見て、僕と過ごした時間はあまりにも中学生時代が濃厚だった訳だ。背丈が伸びていく様子を見ることがなく、急に大きく成長した僕から迫られているものだから、困惑している。
    「おまえのちんちん、そんな大きくなかったのに」
     というのは、実際に師匠から聞いた言葉だ。ちなみにその日は、だから……ええと、そういうのに失敗している。
     師匠にはちょっとずつ、今の僕のちんちんに慣れていってもらわなきゃいけない。やっぱり僕もちゃんと男で、申し訳ないことに、師匠に対してはそういう欲も持ってしまう。いちゃいちゃしたいし、正直、辛抱たまらない時だってある。
    「モブ、じゃあ俺シャワー入ってくるな」
    「あ、はい」
     なのに今日も、霊幻師匠は僕のちんちんが怖いくせに、無防備に僕を家へとあげているんだ。
     なんでも、師匠が楽しみにしていたB級映画の続編が出て、その上映会をしたいのだそうだ。だから師匠にはそういった思惑などちっともなく、けれども、僕にはそういった思惑がたっぷりあるんだから、とても困る。
     師匠が浴室に向かって、ガラガラとドアの閉まる音がした。つぎに、シャワーの音が僕の耳まで届き、
    「…………」
     なんとも言えない気持ちになる。
     これってやっぱり、どうなんだろう? 僕がおかしいんだろうか。そういう期待を恋人に抱いてしまうのは、いけないことなんだろうか。思わずそう唸り、頭を抱える。
    「…………うう……」
     なんて真面目ぶろうとしたところで、シャワーの音を拾った途端、結局はどうしても、その水を弾く肌まで想像してしまうんだけど。
     だめだ、これはもう、収まりがつかない。
     僕はそろそろと脱衣所に向かって、洗濯かごの中から師匠のシャツを一枚拝借した。気づかれないよう、音を立てないよう細心の注意を払い、脱衣所のドアを閉める。
     ソファーに腰掛けて、シャツの匂いを吸った。途中は省くけれど、それから、シャツにひと役を引き受けてもらった。
    「…………はあ」
     すっかり冷静になって、このままじゃ部屋の臭いでバレると想像がつく。僕はちょっとだるい腰を持ち上げて、真冬だというのに、部屋の窓を全開にしていった。
    「…………寒い」
     そうすると当然寒くて、凍えてしまいそうになる。でも、臭いは絶対に散らさないといけないし……。
    「そうだ、筋トレしよう」
     これなら、体も温まって煩悩も消えるので、一石二鳥だ。僕は洗濯かごへとシャツを戻し、風通しの良い部屋のなか、ただひたすらに腕立て伏せと腹筋とスクワットを開始した。
    「……七十二、七十三、七十四……」
    「モブーおまたせ……って、なにやってんの」
    「き、筋トレを……」
    「いや、それは見りゃ分かるけど……なんで今?」
    「そういう、気分、なので」
    「ふーん」
     若いねえ、なんて言いながら、お風呂上がりの師匠は映画の再生を始める。髪を拭きながらソファーに座ったのを見て、僕も筋トレを止めてその隣に腰かけた。
     そうすると、
    「…………師匠」
    「なに?」
    「……いや、なんでも……ないです」
     お風呂あがりだというのに、師匠は僕に寄っかかってくるのだった。
     これは結果的に、さっき一発抜いておいて正解だったのかもしれない。あと、筋トレをして煩悩ゲージを減らしておいたのも、かなり正解だったのかもしれない。
    「……いい匂いがする」
    「ん?」
    「…………なんでも、ないです」
     だってギリギリの状態で今の状況に追い込まれたら、まずだめだ。すぐに抱きしめちゃうだろうし、気持ちが盛り上がる。
     きっと「俺が知ってるモブのちんちんじゃない!」などと、怯えさせてしまうんだろう。
    「…………」
     世の中には、とても理不尽なことがある。
     僕は大きくため息をついて、超能力を使い、開けていた窓をすべて閉めるしかなかった。




     そんなことが、何度かあった。
     そう、何度かあった。
    「モブの家に来るの、そういえば初めてだわ」
     相も変わらず霊幻師匠はそうやって、まるで友達の家に遊びに来た、みたいな感覚で言う。僕はやっぱり、内心では浮かれてしまうのに。
     恋人が来るからと、部屋だって念入りにきれいに片付けた。ゼミの友達にきいて、なんだかおしゃれな匂いがするインテリアも買った。あと、それと……念のためにそういう道具だって、一式揃っている。
     こんなにも意識の違いがあるんだから、師匠は僕のことを、恋人としてみていないのかもしれない。
     もちろん、性欲だけがすべてじゃないだなんて、頭では分かっている。僕はこのまま一生師匠とえっちが出来なくたって、師匠のことをずっと好きでいられる自信が十分にある。だけど、恋をするのが一方的に僕ばかりだと、どうしてもさみしくなっちゃうじゃないか。
     いっそ、性行為をしなくたって構わない。ただ、せめて、師匠も僕のことが好きという証が欲しい。
    「コーヒーとお茶、どっちにしますか」
    「コーヒーで」
     そんなふうに悶々としながら、僕はコーヒーの用意をする。とはいったって、お湯を注いで溶かすだけのインスタントだ。
     湯気が出るマグカップをふたつ持ち、師匠のところへ戻る。
    「はい」
    「ありがと」
     僕が座ると、師匠はまた、こちらに寄りかかってきた。
    「…………」
     それ、やめて欲しいんだよな……嫌なんかじゃ当然なくって、そうじゃなくて、むしろ嬉しすぎるから困るのでやめて欲しい。
    「……師匠、その……」
    「ん?」
    「ちょっと、重いんで……」
    「あー……悪い、そうだよな」
     声をかけると、師匠はゆっくり体を起こした。生まれた隙間と一緒に、その横顔を見れば、
    「あ、あの」
    「なに?」
    「や、やっぱり……重く、ないです」
     なんだかすごくしょぼくれた表情をしているものだから、ついつい引き留めてしまう。
    「はは、なんだそれ」
     師匠はそう言って、ちょっと困った感じで笑った。改めてもう一度体重が寄っかかり、僕の体の左側があったかくなる。
    「…………なあ」
     しばらくして、ぽつりと漏らしたのは、霊幻師匠の方だった。
    「最近……その、おまえ、ちゃんと抜いてる?」
    「…………は?」
     あまりの質問に、僕は呆ける。でも師匠はあんまり気にしないで、そのまま話を続ける。
    「だってその……最近、そういうの、してこないじゃん。やっぱり、俺なんかよりも……グラビアとか、AVとか……ほかの女の子とか、そういうのがいいのかなって」
    「いやいやいやいやいや」
     いきなり何を言っているんだ、この人は。
     誰が今までどんなに苦労をして、ちんちんを隠し通してきたと思っているんだろう。思ってたよりでかいとか、思ってたのと違うとか、変なことばっか口にして逃げ出していたのはそっちじゃないか。
     僕はほとんどイライラしながら、師匠の手から超能力でマグカップを奪い取る。ついでに僕のマグカップもローテーブルの上に置き、それから師匠の身体を、クッションの上へと力強く押さえつけた。今年の誕生日に友達から貰った、人がすっぽり入るビーズクッションだ。
    「あんたが怯えるからでしょうが!」
    「お、怯えてねえし……それに、嫌とは一言も言ってないだろ」
    「解釈違いだとかなんだとかは、言ってきたじゃないですか!」
     なんなんだもう、本当になんなんだ。
     自分でも、こんなに大きなため息が出るんだと驚くくらいに、大きなため息が飛び出る。霊幻師匠はそんな反応に慌てるやら、でも、どこか期待を込めてくるやら――つまり、ちっとも反省なんかしていない様子で大人しくしていた。
     押し倒した拍子にすこし乱れたシャツの隙間から、白い肌がのぞく。目の前で師匠の喉仏が、こくりと動いて……ああ、どこがとは言わないけれど、すごくイライラする。
    「師匠、さっきの質問の答えですけど」
    「……うん」
    「抜いてますよ、もちろん。あんたで抜きまくってます」
    「お、おう」
     僕は一言おいて、深呼吸をした。だけれどちっとも収まらない興奮のまま、もう一度口を開く。
    「僕、もうあんたのために、ちんちん隠せないです」
    「ひえ……」
     そうしてその小さな悲鳴を合図に、シャツの隙間に向かって、手を伸ばした。
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