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    shiba

    @mie_v0_0v
    主にobm、留♂〆のSS置いてます。
    たまーに絵も描きますが、アナログなので、落書きのようなものがほとんどです。
    反応いただけると嬉しいです。

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    shiba

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    お題:「カラオケ」「頬が赤い」
    留♂〆です。
    可愛いしめぴが爆発しました。
    想像して、にへにへしながら書きました。
    皆さんも、にへにへしてください。

    捏造ありますので、ご理解いただける方だけお進み下さい。

    #obm男MC版深夜の創作一本勝負
    #obmプラスB攻
    obmPlusBOffense

    俺の天使は、アイドル。皆で人間界に遊びに来て、今はマモンの提案でカラオケに来ている。
    男十三人がワイワイガヤガヤ、カラオケという狭い空間に閉じ込められると、なんとも騒がしい。

    言い出しっぺのマモンが一番にマイクを握り、流行りのパーティーソングで盛り上げると、アスモが続けて国民的アイドルの定番ソングを振りまでバッチリ決めて歌う。
    パリピの二人が歌い終わると、レヴィの怒涛のアニソンメドレーが始まった。
    全員を置いてけぼりにして、一人、魂を込めて熱唱する。
    ただ、ディアボロとバルバトス、そして、俺の隣に座るシメオンだけは、レヴィの歌に合わせて手拍子をして、何の歌かはさっぱりわかっていないようだったが盛り上がっているようだった。

    ノリが悪い、と強制的にマモンに連れられて俺も前へと連れ出される。
    人間界のカラオケ定番ソングを、マモンと肩を組んで歌わされ、俺も、ヤケクソとばかりに声を張り上げた。
    チラッとシメオンを見ると、そんな俺の上手くもない歌に手拍子をしてニコニコしている。
    どんな状況でも楽しんでくれる俺の恋人は、本当に、俺の癒しだ。

    二、三曲連続で歌わされ、解放された頃には、喉がガラガラになっていた。
    自分の席に戻り、すっかり氷の溶けた薄いコーラを飲みながら、隣でパラダイス・ブルーに似たジュースを飲むシメオンに問いかける。

    「シメオンは歌わないの?」

    すると、ピクっと反応を返したあと、ストローから口を離して、騒がしい部屋の中でも聞こえるように俺の耳に口を近づける。

    「俺、歌、得意じゃないし…」

    「俺も、得意じゃないけど歌ったよ?」

    俺がシメオンの耳元に言葉を返すと、シメオンがフルフルと首を横に振る。

    「MC、上手だったよ。カッコよかった」

    「そう?ありがとっ」

    舞台上では、双子が素晴らしいシンクロでデュエットしたり、ソロモンがなぜか演歌を歌い上げる中、俺たちだけは、完全に二人の世界に浸りながら、顔を寄せあってこそこそとおしゃべりに夢中になっていた。

    ほぼ全員が一回は歌い終わった頃、意を決したようにシメオンがリモコンを手に取る。

    「じ、じゃあ…俺も、一曲だけ…」

    「よっ!待ってましたぁ!」

    シメオンの言葉に、いつの間にか酒を注文し、完全に酔いが回ったマモンのかけ声が飛ぶ。
    しばらくして流れてきたのは、喧騒をすべてさらっていくような、優美な賛美歌の音色だった。
    おずおずと前に進み出て、両手でマイクと握ると、目を閉じて、スっと息を吸ってから歌い始める。
    室内はエアコンと換気扇しかないはずなのに、シメオンの方から、清涼な風が吹いてくるかのような爽やかで聖なる声音に、思わず全員が聞き入っていた。
    歌い終わると、一瞬の静寂のあとに、全員から大きな拍手が送られる。
    目を開けたシメオンは、その光景を見て恥ずかしくなったようで、急いでマイクを置いて、俺の隣へと戻ってきた。

    「上手かったよ、シメオンっ」

    「そ、そう?」

    拍手をしながらシメオンの方を見ると、頬を赤く染めながら、上目遣いで俺を見る。

    「うんっ、綺麗な声だった」

    「…ありがとう」

    俺があまりにも褒めるので、シメオンは照れ隠しでジュースをグビグビ飲む。
    シメオンの歌で聖なる空気に満ちた室内は、しばらくの静寂のあと、再び、酔っぱらいの掛け声とともに悪魔の巣窟と化した。
    歌詞もわからずデスメタルを歌い始めたり、ディアボロがジャイアンばりの大声を披露してカラオケを壊しかけたり、かと思えば、ルークが可愛く童謡を歌ってみんながメロメロになったり。

    ガヤガヤとする室内で、次々運ばれてくる飲み物。
    どれが誰のものやらさっぱりわからず、テーブルの上はカオスになっていく。
    だから俺は、気付かなかった。
    シメオンの頬が赤いのが、照れだけのせいではなかったことに。

    マモン、アスモ、レヴィでマイクの取り合いになる中、突然、隣の天使が勢いよく手を挙げて立ち上がる。

    「俺っ、歌いますっ!」

    サッとリモコンをかざし、しばらくして流れ始めたのは、八十年代の往年のアイドルソングだった。
    皆が目が点になる中、一人ステージに上がり、再び両手でマイクを握ると、直立不動で歌っていた先ほどの姿はどこへやら、左右にリズムを取りながらビシッと振りを決め、俺にウインクを投げかける。

    か、可愛い…

    黙って見ていた皆も、あまりにキレキレのシメオンのダンスに一斉に沸き立ち、次から次へとアイドルソングを入れ始める。
    シメオンはどんな曲にも即座に対応し、なりきって歌って踊る。
    シメオンに、こんな隠れた才能があったとは…。
    驚きながらも、常に俺を見つめながら歌う姿に、なんだか、アイドルからファンサをされているようで、心がフワフワしていた。

    それにしても、最初はあんなに恥ずかしがっていたのに、どうして急にあんなノリが良くなったんだろう?
    手拍子をしながら不思議に思っていると、ふと、隣に置いてあるジュースが目に入った。
    あれ?同じ青い飲み物ではあるけれど、シメオン、こんなの飲んでたっけ?
    そう思って顔を近づけてみると、そのグラスからぷーんとお酒の匂いがする。
    すっかり皆がお酒に切り替えていて、部屋中に匂いが充満していたから気付かなかった。
    シメオン、いつの間にかお酒飲んでたんだ!
    どうりで、急にテンションが高くなってノリノリで歌い始めたわけだ。

    「んっ、これ、チャイナブルーか。確かにこれなら気付かずに飲んじゃうな」

    一口舐めてみると、爽やかなグレープフルーツの香りのあとに、甘いライチの風味が広がる。
    その甘さの中に、微かに酒の香りがするが、これぐらいでは、この部屋に充満した酒の匂いに掻き消されてしまうだろう。
    まさかこんなことになるとは思わず、いちいち運ばれてくるものを確認なんてしなかった。
    まぁでも、本人が楽しそうだから、このまま様子を見るとするか。

    ステージへと視線を戻すと、アイドルスマイルで歌い続けるシメオンを中心に、レヴィが隣でヲタ芸を始め、反対側ではバルバトスが華麗なタンバリン捌きを披露して、もはやカオスの様相を呈していた。

    カラオケに来てからどれほどの時間が経ったのか、気付けばベルフェとルークは端のソファでスヤスヤと寝息を立て、ディアボロとルシファーはグラスワインを嗜みながら大人の会話を楽しみ、サタンは持ってきていた本を読み耽る。
    皆、部屋の中で各々の時間を過ごしていた。

    シメオン・オンステージは二時間が経過しようとしており、しんみりと、バラード曲が続く。
    最後に、有名なアイドルの引退コンサートの曲を歌い終わると、シメオンは静かにマイクを置き、恭しくお辞儀をした。
    もはや親衛隊となりつつあるレヴィが号泣しながら盛大な拍手で讃え、ソロモンと俺もあとに続いた。
    ようやくシメオンがステージを下り、俺の隣に帰ってくる。

    「お疲れさま」

    「あー、楽しかったっ……すぅー」

    俺が声をかけると、満足そうな笑みをこちらに向けて、こてんと肩に頭を預ける。
    いつものメンバーとはいえ、人前でこんなに甘えられたことがないので、珍しく俺がドキドキしていると、着席からたった数秒で、肩口から健やかな寝息が聞こえてきた。
    体を動かさないように首だけそちらに向けると、シメオンが幸せそうな顔ですやすや眠っている。
    あまりの早業に驚くと同時に愛しさが込み上げて、シメオンの頭を撫でて苦笑した。

    「なぁルシファー、そろそろお開きにしない?」

    俺は、少し離れた席にいる大人組に声をかける。
    見渡せば、お子ちゃま組はすっかり熟睡し、他の兄弟たちは酔いつぶれ、残っているのは、ルシファー・ディアボロ・バルバトスと、シメオンの向こう隣で一人でちびちび日本酒を煽っているソロモンと俺だけだった。

    「そうだな。おい、お前たち!帰るから起きろっ!」

    ルシファーが手を叩きながら声を張り上げ皆を起こす。
    兄弟たちがダラダラと目を覚ます中、熟睡中のベルフェとルークは起きる気配がなかった。

    「…ベルフェは、俺が連れて帰る」

    そう言うと、ベールがベルフェをひょいっと担ぐ。

    「じゃあ、俺がルークを連れて帰るよ」

    そう言って、ソロモンがルークを抱きかかえる。
    残ったのは、俺の肩で気持ちよさそうに眠るシメオンだけだった。

    「シメオンは、うちに連れて帰るね」

    「あぁ。俺はルークで手一杯だから頼んだよ」

    ソロモンが、ウインクをしながら俺に答えた。
    ディアボロが支払いを済ませたあと、大人組が先頭に立ち、俺たちは魔界へと帰っていく。
    横抱きにした俺の腕の中、いまだ夢の中のシメオンは、外が寒かったのか俺の胸元に擦り寄ってくる。
    カラオケでまさかの活躍を見せたみんなのアイドルは、紛うことなき俺の嫁なのであった。
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    shiba

    DONEお題:「水着」「天界」
    留♂〆です。

    またまた、可愛いしめぴが出来上がりましたので献上します。
    しめぴには、夏が似合うね!

    本編進んでないので、天界のことはネタバレを参考にしました。
    解釈違いましたら申し訳ありません、私なりの世界観です。
    他にも、捏造ありますので、ご理解いただける方だけお進み下さい。

    #obm男MC版深夜の創作一本勝負
    #obmプラスB攻
    煌めく波に、揺られて。天界に、まさに「天国のビーチ」という名の砂浜があると聞き、シメオンを誘ってみた。

    「シメオン、天界にめちゃくちゃ綺麗なビーチがあるってホント?」

    「うん、『天国のビーチ』って、それはもう真っ白の砂浜で海も透き通ってて、お魚さんもいっぱいいるビーチがあるよ!子供の頃はよく行ったなー」

    「俺、そのビーチ行ってみたいなー!せっかく夏なのにさ、魔界って全然そんな感じしなくてつまんないんだよねー」

    「わかった!俺も、話してたら久々に行ってみたくなったし、ミカエルに相談してみる!」

    そんな話をしてから数日が経ち、ミカエルからの許可が下りたとシメオンから連絡があった。

    そして、天界へ行く日。
    ルークから恨み節を言われながら、ミカエルへの大量のみやげと報告書の束を渡されたあと、俺たちは天界へと向かった。
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