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    芝桜。

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    芝桜。

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    留メフィ。
    obm留♂×メフィストフェレス。
    名無し留学生(俺)とメフィスト先輩。

    お題「水着」
    #obm男MC版深夜の創作一本勝負
    #obmプラスB攻

    悪魔は人を導けるのか 昼休みのRAD学食。
     留学生がいつにもなく真剣な面持ちでD.D.Dの画面を見つめている。ランチは既に食べ終わっているらしく、トレイに乗せたままの食器がテーブルの脇に寄せられたままになっている。
     何を見ているのか知らないが、普段のダラダラとした「ながらスマホ」ではなく、何か真剣な悩みでもあるような雰囲気だ。
    「調べ物か?」
    「あ、メフィスト!?」
     声をかけると、何をそんなに驚いたのか留学生の肩がビクッと大きく飛び跳ねた。
    「座るぞ」
     ランチセットのトレイをテーブルに置き、留学生の向かいの席に腰を下ろす。
    「真剣な顔をして何を見ていたんだ」
     留学生が大事そうに握るD.D.Dにチラリと視線をよこして問いかける。
    「あー……まぁ、メフィストなら詳しいかもしれないね。今度みんなで海に行く話あるじゃん? 俺、水着を持ってなかったから、買おうと思って見てたんだよね」
    (なんだ、そんなことか)
     心配などして損をした気分だ。水着ごときで思いつめた顔をするな。
    「Akuzonを見てるんだけど、たくさんあるから面白くなってきて色んな種類を見てたら、どれがいいのか分からなくなってきてさー」
    「どれ……見せてみろ」
     手を伸ばし、留学生からD.D.Dを受け取る。
    (!?)
     渡された画面を見た瞬間、脳の処理が追いつかずに固まってしまった。
    「ね? 色々あって分からなくなるでしょ? スケスケのシースルーだったり、片側だけしか腰に引っかかってないやつとか、股間が象さんになってるやつとか。これ、おしゃれなのかな」
     全く見たこともないふざけた謎の水着ばかりが表示されているAkuzonの画面に眩暈がした。なんだこれは。こんなものが売られているのか。誰が買うんだ。そして、なぜこの画面を見て悩んでいるんだ、人間。
    「もっと……普通のものは無いのか……」
     薄ら怖い気持ちとともにD.D.Dを留学生に返す。
     ファッションやトレンドについては上流階級の嗜みとして、新聞や雑誌、またはVIPとして招待される展示会などで一通りの情報は得ている。先程の画面に表示されている水着の中にも、奇抜ながらも上級のファッションと呼べないこともない部類のものも少しは混ざっている。しかし、かといってそれを実際に着用するかどうかは別の話だ。
    「普通の……ね。最初はそういうところから探してたんだけど、うちの兄弟たちはみんな背も高いし筋肉もあってスタイルがいいじゃない? そこで俺が普通の水着を選んだら見劣りするだけで面白くないかなぁと思って」
     なかなかクレイジーな思考回路を持っていた留学生は、ふぅっと大きなため息をついた。
    「せめて、ち○この形だけでも大きく……」
     大袈裟に局部の形を模したインナーパッドの購入ボタンを押そうとする留学生を慌てて静止し、迅速にD.D.Dを取り上げる。
    「待て待て待て! 早まるな! 分かった、私が買ってやろう」
    「ほんと……?」
     そこで改めて留学生の姿をよく見た。背はまぁ低い方だとは思うが、そこまで悲観するほどのルックスでも無いと思った。
    「普通の水着を普通に着るのでいいと思うぞ」
    「そうかなぁ……」
    「変なものを着て私のとなりを歩かれても困る、普通のものにしておけ」
    「でも、メフィストみたいなブーメランはイヤだよ絶対」
    「…………」


    「ねぇ、見て! メフィストと留学生、お揃いの水着だ〜! 可愛い〜」
    「本当だ。いつの間に……」

     週末の海水浴場。
     メフィストフェレスと留学生は、ごく普通の膝丈サーフパンツを色違いで履いて現れた。
     憑き物が落ちたように屈託のない笑顔で海を楽しむ留学生の姿。それを遠くから眺めるメフィストフェレスの瞳は穏やかで、安堵の表情に包まれていた。

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    芝桜。

    MOURNING執事誕’22おめでとうございます!
    というわけで、全くお祝い関係ないですが、
    去年9月に発行したコピ本より再掲します。

    カプ無しでバルバトスと殿下の話です。
    L30辺りをさまよっていた頃、バルバトスは若く見えて爺に間違いないとは思いつつ、純粋に若いバルバトスと殿下の出会いを見てみたいと思って創作したもの。嘘しか言ってない。
    殿下と執事のこと 魔王の息子が成年を迎えるに当たり、魔王城では王子の新しい執事を召し抱えることが決まった。
     そして、その執事に選ばれたのがバルバトスだった。
     彼の年齢や経歴から考えると誰が見ても異例の抜擢で、当のバルバトス自身もなぜ自分が選ばれたのか、そのはっきりとした理由は分からなかった。

     初出勤の前日、明日からの勤務に向け、先輩の執事から仕事内容の引き継ぎや魔王城の案内、そこに住む人々や取引先についての留意点などの説明をみっちりと叩き込まれた。怒涛の情報が洪水のように一気に流し込まれたが、要領の良いバルバトスは、言われた内容はどれもすぐに理解できたので、その日の昼過ぎには解放となった。
     先輩執事にお礼を言い、仕事場を後にしたバルバトスは、帰宅の前に、しばし魔王城を散策することにした。
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    shiba

    DONEお題:「水着」「天界」
    留♂〆です。

    またまた、可愛いしめぴが出来上がりましたので献上します。
    しめぴには、夏が似合うね!

    本編進んでないので、天界のことはネタバレを参考にしました。
    解釈違いましたら申し訳ありません、私なりの世界観です。
    他にも、捏造ありますので、ご理解いただける方だけお進み下さい。

    #obm男MC版深夜の創作一本勝負
    #obmプラスB攻
    煌めく波に、揺られて。天界に、まさに「天国のビーチ」という名の砂浜があると聞き、シメオンを誘ってみた。

    「シメオン、天界にめちゃくちゃ綺麗なビーチがあるってホント?」

    「うん、『天国のビーチ』って、それはもう真っ白の砂浜で海も透き通ってて、お魚さんもいっぱいいるビーチがあるよ!子供の頃はよく行ったなー」

    「俺、そのビーチ行ってみたいなー!せっかく夏なのにさ、魔界って全然そんな感じしなくてつまんないんだよねー」

    「わかった!俺も、話してたら久々に行ってみたくなったし、ミカエルに相談してみる!」

    そんな話をしてから数日が経ち、ミカエルからの許可が下りたとシメオンから連絡があった。

    そして、天界へ行く日。
    ルークから恨み節を言われながら、ミカエルへの大量のみやげと報告書の束を渡されたあと、俺たちは天界へと向かった。
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