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    ゆゆしきゆく

    @yysk_daimondai

    節操がねぇ
    〜ようこそ変態の森へ〜

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    ゆゆしきゆく

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    アグパー!!シリアス?
    ラモはそんな二人に気付いてるのか気づいてないのかは今後の登場次第で変わってきますねえ〜
    事後っちゃあ事後だけど、事後に見えるかは不明

    #アグパー
    agper

    「兄上の髪は美しいですね」
    揺らめくランプの光に照らされた美しい髪はまるで金の糸のように輝いていた
    「そうか?」
    「はい、金の髪をした者は多数おりますが、兄上の髪が一等綺麗です」
    そう言ってパーシヴァルはアグロヴァルの髪を撫でて目を細めてみせた
    最愛の母と同じ目、同じ髪をした我が末弟、パーシヴァル
    母と過ごした時間は一番短かったのに、一番その面影を色濃く残している
    ——どうして自分の髪は金色なのだろう
    鏡には愛する母に似ていない己の姿が映る
    弟達にだけ分け与えられた母の面影
    それをいくら自分の中に探そうとも、分け与えられなかったものはどれだけ目を凝らしても見えやしなかった


    今なら思う
    この人はどれほど寂しい思いをして、傷ついた心を隠して今まで生きてきたのだろうかと
    今ならわかる
    この人が幼い俺やラモラック兄上を守る為に、どれほどの力を尽くしたかを
    自分だって悲しかったろう、辛かったろう
    声を上げて泣いて子供のように振る舞いたかったろう
    けれど、この人はそれをしなかった
    守るべき弟達の前では、そんな姿を一度たりとも見せなかった
    そんなこの人を誰が守ってやっただろう
    誰が救ってやっただろうか
    たった一人を亡くした時からバラバラになった俺たち家族は、それから長い年月を得てようやく互いの気持ちを少し知り、母の最期の言葉を伝えることができた
    どれほどの武芸の達人でも、聡明な賢者でも、人間は皆、心の内に柔く脆いものを隠している
    氷皇であっても、同じだ
    悲しみに打ちひしがれていたのは皆同じだったのに
    どうして何にも気づかなかったのだろう
    そのせいで母だけではない、兄をも失いかけた
    俺が全てを知ったのは全て終わった後だった
    だから、俺は伸ばされた手を振り払うことはできなかった
    それで兄上の心に寄り添えるならいいと思った
    歪だとわかっている、おかしいなら笑えばいい、蔑めばいい
    でも、伸ばされた手を掴む以外の道を俺は知らない、選ばない
    あぁ母上、もし今あなたに会えたなら
    俺を、俺達を、叱ってくださいますか
    自分と同じ色をした目がすぐそこに迫っていたから、そっと目を閉じた
    金の糸が頬を撫でる気配がした
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    事後っちゃあ事後だけど、事後に見えるかは不明
    「兄上の髪は美しいですね」
    揺らめくランプの光に照らされた美しい髪はまるで金の糸のように輝いていた
    「そうか?」
    「はい、金の髪をした者は多数おりますが、兄上の髪が一等綺麗です」
    そう言ってパーシヴァルはアグロヴァルの髪を撫でて目を細めてみせた
    最愛の母と同じ目、同じ髪をした我が末弟、パーシヴァル
    母と過ごした時間は一番短かったのに、一番その面影を色濃く残している
    ——どうして自分の髪は金色なのだろう
    鏡には愛する母に似ていない己の姿が映る
    弟達にだけ分け与えられた母の面影
    それをいくら自分の中に探そうとも、分け与えられなかったものはどれだけ目を凝らしても見えやしなかった


    今なら思う
    この人はどれほど寂しい思いをして、傷ついた心を隠して今まで生きてきたのだろうかと
    今ならわかる
    この人が幼い俺やラモラック兄上を守る為に、どれほどの力を尽くしたかを
    自分だって悲しかったろう、辛かったろう
    声を上げて泣いて子供のように振る舞いたかったろう
    けれど、この人はそれをしなかった
    守るべき弟達の前では、そんな姿を一度たりとも見せなかった
    そんなこの人を誰が守ってやっただろう
    誰が救ってやっただ 907

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    69asuna18

    MAIKINGお題サイト『確かに恋だった』様

    【キューピットは語る】
    1.いい加減くっつけ
    2.見てるこっちがハラハラ
    3.我ながら完璧な舞台設定
    4.照れ屋もここまでくると病気
    5.ようやくこの日が
    おまけの6.惚気は他でやってくれ
    (わたし/俺のおかげってこと忘れてない?)
    全部書けたらpixivにあげるつもり
    3.我ながら完璧な舞台設定「なんで俺達まで」
    暦は大きなため息をついていた。
    「暦は気にならないの?」
    唇を尖らせて、ミヤは問い詰めた。すると暦はう〜んと唸りながら、気にはなるけどその内仲直りするんじゃねぇの。と頭を掻いた。
    「でも、俺達の時も気にしててくれてたよ」
    今まで話さずに様子を見守っていたランガもポツリと紡ぐ。二人でじっと暦を見ると、吹っ切れたのか、自棄になったのか。
    「あー!もう、仕方ねぇな!」
    そう言って、彼はミヤの立てた作戦に応じたのだ。と言うのも、例のあの一件から仕事のせいなのか喧嘩のせいなのか、チェリーはSには現れず。ジョーのお店に集まる話をしても、悪いけれどまた今度と断られる。ジョーに聞いても「連絡とれねぇ」っていうだけで。会いに行ったの?と聞いてもだんまり。もう、無理矢理にでも会わせるしかない。そうでもしないと進展しないと思ったミヤは、二人で会わせるべく作戦を立てた。作戦と言ってもチェリーには、一緒に出かけようと行って出てきてもらって、ジョーにはあらましを話して二人で時間を取ってちゃんと話してもらう。二人で会えば、ジョーがなんとかしてくれる…という、あくまで呼び出すだけであとは本人たち任せなのだが。人が多いところで話をすれば、少しは冷静に話してくれるだろうなんて、少し安易すぎるだろうか。そう思いながら、ミヤはチェリーへ一緒に出かけてほしいと連絡し、暦はジョーに、作戦を伝えた。
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