ランチタイム・スクランブル退屈な四時間目を終え、待ちに待った昼休み。
白井愛理は友人たちと連れ立って、意気揚々と中庭へと繰り出した。
桜もすっかり散り、新緑の木漏れ日が眩しい季節。外でのランチタイムにはぴったりの陽光だった。
「……はぁ~平和だなぁ~。新学期のバタバタが嘘みたい!」
ちょうどよく空いていたベンチに陣取って、お弁当箱を膝に広げながら愛理がしみじみ溢すと、右隣に座っていた恋野はじめがおっとりと笑みを浮かべる。
「愛理ったら、大袈裟。でも確かにようやく新しいクラスにも慣れたし、落ち着いてきたかも」
「もぉ~、はじめったら余裕~! やっぱり彼氏が出来ると違うな~! あっ、でも~一番変わったのは琥珀だよね!」
初めて会ったとき、あんなに感じ悪かったのが嘘みたい!
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