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    bell39399

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    bell39399

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    まっぱでカップ麺すするバンエレ

    #バンエレ

     事後の甘いひととき。

     愛しいバンに寄り添って、ウトウトするエレインの腹が鳴った。
    《ごおお》
    「きゃああいやあああああ」
    「ブハッ♫ お、音が……激し……ぎゃははは!」
     だが、爆笑するバンの腹の虫も……。
    《もきゅー》
    「ウウッ、なんでバンのお腹の虫のほうは可愛い感じなの……」
    「カッカッ♪ まぁまぁ……しかし参ったな。食材空っぽだぜ……ん? そうだ、ちょっと待ってろよ」
     そう言って恋人の額にキスし寝台から降りて部屋を出たバンは、十分もしないうちにトレイに何かを乗せて持って戻ってきた。
    「じゃ~ん! カップ麺発掘した〜♫」
    「わぁ! 実は私、カップ麺食べたことないの」
    「マジか? ま、たまにはこういうジャンクなおやつもアリだろ。三分で出来っからな〜♫」
     カップ麺ができるまでの三分間、エレインは三十秒ごとに「できた?」「三分経った?」と瞳をキラキラさせながら何度もバンに尋ねたものだから、おかげでバンにとってはとても楽しい三分間になったのだった。
     ……さて。
    「さ、お待ちかねの時間だ♫ しょうゆとトマト、どっちがいい?」
    「うーん、トマト」
    「熱いから気をつけろよ」
    「うん。ふふふ、いただきまぁす!」
     ふぅふぅふぅ。
     ずぞぞぞっ。
     ふー、ふー、ふー、ちゅる「熱っ」もぐ、もぐ。
     ぞぞぞぞっ。
     エレインが一口食べる間にバンは半分近く平らげる。エレインは必死にふーふーしながら不器用に麺をすすった。
    「おいしい!」
    「うめぇか?」
    「うん!バンにもトマト味、一口上げるね」
    「いや俺は」
     食べたことあるから、と断ろうとして思いとどまった。エレインはバンに食べさせようとまた必死に麺に息を吹きかけている。そんな必要、まったくないというのに。
    「はい、もう大丈夫よバン。あーん」
    「……ん」
     エレインは麺を絡めたプラスチックのフォークをバンの口元に運んでくれる。バンは今だってお互いに裸でむきあっているというのに、なんだか無性に照れくさい気持ちになった。
    「……しょうゆ味も食ってみっか?」
    「うん!」
     それからもうあまり残っていないしょうゆ味を、照れ隠しのようにエレインに食べさせてあげたのだった。
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    bell39399

    MAIKINGバンエレ水浴び一人アンソロその1(2以降があるかは謎)

    途中まで書いたやつポイ。
    一人称に直すかも。なんとなく
    それを見た時、バンは幻を見たのかと思った。もしくはまだ寝ぼけているのか。
     

     夜中、水音を聞いた気がしてふと目が覚めた。もとより熟睡することのないたちだったが、この森に来てからは妙によく眠れる。にもかかわらず、だ。それに何故か少し冷える。
     その原因に気づき、思わず自嘲した。なんの事はない、隣で寝ていたこの森の聖女がいなかっただけの事だ。
     この森も、この森である秘宝を守っているという少女も奇妙な事だらけだった。安らぎやぬくもりとは無縁の生活を送ってきたバンだったが、ここに来てからは気持ちが凪いでいる。不思議なことだが本能で警戒する必要がないと感じていた。
     エレインと名乗る妖精少女(本人曰く千年は生きているらしいが)とのやり取りも実に愉快だった。彼女はバンの他愛のない話を夢中で聞いて、四季のようにくるくると表情を変えながらバンの言葉の一つ一つにいちいち反応する。時には金色の睫毛を伏せ、時には頬を膨らませ、そして何よりよく笑った。バンは彼女の笑顔で初めて「花が綻ぶような」という形容の意味を知った。
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