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    残念ながら全て幻覚でした!!!!(小噺only)
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    とある初夏の日のマサ音くん(前篇)。音也くん視点です。その内続き書きます。
    書く際に生活音を提供してくださったフォロワー様に感謝!

    #マサ音

    side O (マサ音)梅雨入りなんてウソのように燦々と照りつける太陽が夏の訪れを告げている。それでもそよ吹く風は涼やかで、まだまだ初夏のはじまりなんだな〜、なんて思いつつも日差しだけが突然の真夏日和のようで対応できていない身体はだらだらと汗が滴り、早々にシャワーを浴びたい気持ちにかられてしまう。
    夜明けとともにはじまった仕事が正午近くでようやく終わり、今日は午後からマサの部屋で一緒にオフを満喫する約束をしていたから適当にお昼ご飯を済ませて急ぎ足でマサの家へと直帰した。
    早る気持ちに合わせて貰っていた合鍵でガチャガチャと乱雑に鍵を開けて部屋に入れば、どうやら家主はまだ帰ってきていないらしく中から少しもわっとした空気が流れて身体中に纏わりついてくる。
    「うっわ、あっつ!‪」
    密室の熱気に温められた床は生ぬるく、それだけで汗が割増に流れてきそうな気がしてそそくさと部屋にお邪魔してベランダの窓を全開で開け放ち、すかさず網戸にすれば涼しい穏やかな風が舞い込んで部屋の熱気がだんだんと薄れていった。
    暫く窓辺で涼んでから換気もそこそこに、勝手知ったるなんとやらじゃないけどささっとシャワーを浴びてドライヤーをかけてから置きっぱなしにしてるTシャツとハフパンに着替える。それからリビングへと戻り、自分の荷物から取り出した水筒の中身を飲み干して流しを借りて洗ってからマサお気に入りのクッションを抱いてソファーに転がった。途端にふわりと鼻をかすめた彼の残り香に自然と表情も身体も弛みつつ家主の帰還を待っていると、どうやら眠ってしまっていたらしい。目を開ければといつの間にか帰ってきていたマサがかけてくれたっぽい薄手のタオルケットが身を包んでいて、先ほどよりも強く香るマサの香りにほんのりと胸が熱くなる。
    そのマサ本人はどうやらキッチンにいるらしく、軽く身体を起こしてソファー越しに見れば、洩れた照明に揺れる影が天井に写っていた。
    俺が今起きてそっちに行っても邪魔だろうし、折角マサの匂いに包まれている今を逃すのもなんだか勿体ない気がして、代わりに目を閉じて耳を澄ます。
    オーブンをセットする音、卵を割る音、泡立て器で混ぜる音、冷蔵庫の開け閉めをする時の音。生活音っていうの?キッチンの方から色んな音が響いてきて、それに合わせて動き回るマサが目に浮かんでくる。
    「(今日は何作ってるんだろ?)」
    壁にかかった時計を見た限り、居眠りをしてから一時間も経っていなかったから夕飯の支度をするにはまだ早い気もするし、お菓子とかかな?マサの作るご飯もお菓子も、何でもおいしいから俺もおこぼれに預かれたらいいなぁ。なんてぼんやりと考えていたらオーブンのタイマー音が鳴って、直ぐにスタート音が軽快に響く。何かを焼き始めたみたいだから片付けが済んだらこっちに来るのかな、などと思っていると水の流れる音が聞こえてきて、同時に片付けの音が始まる。かちゃかちゃ、こぉん、じゃー、と響く洗い物の音に幼い頃の記憶がよみがえる。
    「(そういえば昔もこんな風に家事の音、聞いてたな。母さんがお菓子を作ってくれて、でも、待ちきれなくてその時も寝ちゃって……)」
    在りし日の思い出に少しだけ鼻がツンとした気がして、それを振り切るようにクッションに顔を埋めれば途端にマサの香りがまた広がって、別の意味で目頭が熱くなってしまった。
    「(マサ、早くこっち来ないかな……声が聞きたい)」
    焦がれる思いを胸に、またうとうとと船を漕ぎはじめた遠くでタイマー音が再び鳴った気がした。
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    DONE22年3月のリハビリリクエスト企画にて頂きました。リクエストくださった方とは縁が切れたので非公開でも良いのですが、他の方が書いたSSを漫画に書き起こしてストーリー構成などの原作は己だと自作発言をして盗作なさるような方なので一応保険のため残してあります。
    年長の二人の関係性に対して解釈が不明瞭・不慣れな部分が多いため所々関係性があやふやです。すまない。
    微睡みの星灯り。 (那レン)長い長い一日が終わる。
    今日の仕事はスケジュールがタイトだったこともあり、それもなかなか骨が折れる内容ばかりで気が付けば夜も更けていた。家に辿り着いた頃には日付けも変わっていて誰もいない部屋に重たい足取りで帰宅して、適当に荷物を廊下に置いてからそのままバスルームへと足を運ぶ。パウダールームで乱雑に衣類を籠に落として浴室へと移動しシャワーを頭から浴びれば、この身に溜まった疲労による怠さも全てが水滴に溶けて流れていくような気がして、一つゆっくりと息を吐いてからコックを捻りシャワーを止めた。
    時間も時間だからと軽めに入浴を済ませてからバスルームを後にして、途中で置き去りにした荷物からスマホを取り出し通知チェックをしながら髪を拭う。ある程度返信等を返してからテーブルに置き、軽くバスローブを纏ったまま明日のオフは何をしようか、などと返信を行いながら注いだ水の入ったグラスを片手に思案していると軽快な音楽が鳴り始めた。それと共にブブ、とテーブルの上で響く小さなバイブレーションの音に腕を伸ばし手にしたスマホの画面を見れば、まさかの人物からの電話に急いで通話をタップする。
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    MOURNING『No More Reason』の杜夜が好み過ぎて是が非でも真斗くんと絡ませたかっただけの書き途中。
    気が向いたらまた続き書くやも。
    ー・*・ー・*・ー・*・ー
    2022.2.18、続編おめでとうございます!真斗くんは『青鳳組 マコト』役となりましたが、こちらはマコトさんのそっくりさんが営む地元のマスター(パロディ)です。
    ※ドラマCD発売前に書いたのでCDにて判明した相関は含みません。
    (未完成)俺には想い人がいる。
    その人は至極物静かでこの国の人間にしては珍しく堅物な性格をしている。されど清廉な空気を身に纏い、それでいてどこかあたたかな雰囲気も持っていて。一言で表現するなれば玻璃細工のような「美しい人」。
    硝子張りの少し古びた小さなバールのカウンター内でただ一人静かに佇み、注文を受ければその背後に設置された旧式と思われる機械を操作して芳醇に甘く香る一杯のあたたかいエスプレッソを淹れてくれる。普通の珈琲とは違い、デミタスと呼ばれる小さなカップにたっぷりの砂糖を入れよくかき混ぜたそれはチョコレートのような風味ととろりとした飲み口が特徴的で、本国ではお目に掛かれない不思議な味だ。だが、イヤな甘さは欠片もなく、彼のあたたかな人格を表したような味わいに「美味しい」と一言告げれば、フッと小さく満足そうに口元が上がるのがどこか愛らしい。
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