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    Yukkirai_pk

    @Yukkirai_pk

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    ウォロシマ
    新入り調査隊員シリーズhttps://www.pixiv.net/novel/series/9693246の小話。
    相変わらず隊長が好きすぎて少し様子のおかしい主人公ショウとウォロの話です。
    ※ものすごく平和なラブコメ時空
    ※とってもキャラ崩壊

    #ウォロシマ
    wolosima
    ##pixiv未掲載

    無益な争い「シマボシ‼︎ 調査隊の隊員が……!」
     執務室にペリーラが駆け込んできて、只事ではないことが起こっていることがすぐに分かった。
    「喧嘩を始めたと思ったら、訓練場で許可なく突然ポケモン勝負を始めて……周りが見えていないらしく、私が止めても全然聞かないんだ」
    「分かったすぐ行く」
     最近仲の特に悪い、例の二人か。ショウも大概だが、ウォロも大人気ない。
     急いで庁舎を出て、訓練場へと向かう。

    「ダイケンキ、あくのはどう‼︎」
    「そんなもの効きませんよ! ガブリアス、あと少しです‼︎」
     案の定、たくさんの野次馬を集めていたのは、ショウとウォロのポケモン勝負であった。ポケモン勝負の腕は調査隊、いや、ヒスイ中で一二を争う腕前の二人が戦っているとなれば、これだけ大騒ぎになるのは当たり前だ。
     シマボシは、観戦していた老人に話しかける。
    「あの、」
    「おお、隊長さん」
    「二人が喧嘩していると聞いたのですが、あの勝負には原因が…?」
    「うーん、よく分からねえが、」
    「止めてきます」
     シマボシはそう短く言って、向かい合って睨む彼らのバトル場のすぐ側に立つ。
    「何をしているんだ」
     双方を見回してそう言えば、二人ははっとしてシマボシの方へと目を向けた。
    「鍛錬ならともかく、隊員同士のそんな喧嘩は御法度だ。今すぐ、ポケモンたちをボールにしまって調査隊本部に来るように」
     静かに、しかしきっぱりとそう告げると、二人の勢いが萎んでいった。
     その姿を認め、シマボシはその場を後にする。頭が痛い。

     調査隊本部、正座させられたショウとウォロは、腕を組んだシマボシと向かい合っていた。
    「まず言うことは?」
    「すみませんでした……隊員同士の喧嘩で、危うく訓練場を壊しそうに」
     ショウがか細い声で言う。
    「……後でペリーラにも謝っておくんだ」
    「はい」
     しゅんと項垂れた二人は、俯いたまま声を揃えた。その姿を見ていると、少々の罪悪感が湧いた。
     何か、仕事の忙しさでストレスが溜まっていたのだろうか。部下のことを気遣えないなど、隊長失格だ。少し、彼らの事情も聞かねばならないだろう。
     シマボシは、努めて優しく彼らに話しかける。
    「……顔を上げてほしい。どうして、喧嘩したんだ」
    「……服が」
     ウォロが、口を開いた。思いもよらない言葉に、シマボシは思わず呟く。
    「服?」
    「はい。隊長に似合う服の色について話してたら、ウォロさんと意見が割れたんです」
     まだ少し落ち込んでいるショウは、至極当たり前のようにそう告げた。続けて彼女は顔を上げて話し始める。
    「隊長は、何色が好きですか」
    「……強いて言えば、緑だろうか」
     唐突な質問に咄嗟に答えてしまうと、勝ち残った表情のウォロが不意に顔を上げた。
    「ほらショウさん! ワタクシの言った通りじゃないですか、シマボシさんは緑が好きなんですよ、似合うのは緑ですって」
    「いーや絶対に赤色ですね!!シマボシさんの髪色と補色になってそれは似合うはずです! 現に昔は警備隊の隊員だったそうですよー」
    「昔の格好がなんですか。緑に決まってます緑!!」
    「貴方の勝負服の差し色を着せたいだけでしょうが!!」
    「勝負服って何ですか!! あれはれっきとした古代シンオウ人の正装で……」
     向かい合って言い争いを始めた二人を見て、しばし呆気に取られたが、このまま放置しておくわけにはいかない。
    「……一度、黙ってくれ」
     それほど大きな声ではなかったはずだが、ぎゃんぎゃん言い争っていた二人は、一斉に話をやめた。
    「シマボシさ……」
    「反省文だ。二人とも」
     頭を抑えながらシマボシが呟き、ようやく、彼女の呆れに気がついたようだった。
    「私の服の色なんかについての議論が、何故そんな激しい喧嘩に発展するんだ」
     少し同情してしまったことさえ恥ずかしい。
    「す、すみません」
     また二人して項垂れた青年と少女に、シマボシは自身の額に手を当て、大きなため息をつくのであった。
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