14歳の銀河●
放課後になって、リュックを背負って、いつもの空き教室へ走る。吹奏楽部や他の部活で使われないし、茶化してくる部外者も居ない、俺達の秘密基地。
息を弾ませ、心を弾ませ――退屈な授業を数時間も耐えたのは、この時の為。わくわくする気持ちと共に、ガラガラガラと戸を開ければ、もう友達が待っていた。今日は俺が一番最後だった。
「やほー!」
授業の合間とか、昼休みとかも顔を合わせてお喋りしたけど、やっぱ放課後に会うのが一番アガる! せせこましい時間制限もないし!
皆が俺の名前を呼んで、迎えてくれる。この瞬間が俺はけっこー好きだったりする。ああ、俺の、俺達だけの特別な場所だなぁって、帰ってきたみたいな心地がするから。
1248