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    omoti_022

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    omoti_022

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    夢の中でKK(?)と会う暁人。K暁風味、相棒寄り?

    ⚠️ほんのちょっぴりのホラーテイスト。

    魅入られる。夢見が悪い。正確には可笑しな夢を見る。KKが僕を何処かへ連れて行こうとする夢だ。それが何処かは分からない。いつも手を差し伸べられ、その手を取ると強く引っ張られてKKの身体に当たりそうになる所で目を覚ます。
    それを、数週間。異様なほど見続ける夢に首を捻るも、誰にも相談できないでいた。
    だって、考えてもみろ。恋人だったらまだしも、相棒だ。しかも男。僕よりもふたまわりも歳上の男が夢に出てきて、どこかに連れて行こうとする。それをココ最近ずっと見ている。
    なんて、誰に相談出来る?自分だったら、少し距離を置くかもしれない。それかめちゃくちゃに茶化す。KKだったら後者だろう。と容易に想像できるから、誰にも相談出来ないのだ。
    しかし、この頃、夢の中のKKが強引になってきた。最初は僕からアクションを起こさなければ動かなかったのに、最近は夢の最初から腕を掴まれる。ギチリと腕に食い込むくらいの余りの痛みに顔を顰めてしまうが、KKは一向に離さない。でも、僕も動けない。僕の夢の中なのに。夢だと分かっているのに。それって、可笑しな事じゃないか?所謂、明晰夢というものだと思っていたのに、KK達よりはそう言った事象に疎い僕でも分かる。

    これは、何か可笑しな事に巻き込まれているのだと。













    またあの夢だ。真っ白な空間にポツンと立っている僕とKK。やっぱり動けないでいると、目の前の彼に腕を掴まれた。指の痕が着きそうなほどキツく。今日は一段と痛い。余りの痛みに抗議しようとするが、声も出ない。なら、目線で訴えようと顔を上げた。
    そこで、ふと気付いた。

    KKの顔が見えない。

    そこにあるにはある。存在している。目も鼻も口もあると分かるのに、でも、モヤが掛かったように認識出来ない。ぐちゃぐちゃの出来損ないの福笑いみたいな、感じ。
    瞬間。
    KKだと思っていたものが、得体の知れないものに感じた。僕の腕を掴んでいるのは誰なんだ。僕は何をKKだと思っていた?この空間は?もしかして、やっぱり僕の夢じゃない?
    そんな事が頭の中をぐるぐる回る。冷たいものが背中を伝い、掴まれた冷たい腕から何かが這い上がってくるような感覚。じわりじわりと恐怖が侵食してくる。
    しかも、もうどうしていいか分からないし、この場から逃げ出したいのに、足が根を張ったように動かないから勝手に恐怖は迫ってくる。

    そして。

    「なぁ」
    目の前の何かが僕に話しかけてきた。
    顔が、KKだと思っていた顔が、形取る。粘土を捏ねるように、ぐにゃぐにゃとKKが変わる。
    怖い。悪夢なら醒めてくれ。頼むから。
    そんな事を強く心の底から願いながら目の前の光景から目が離せず。
    顔が変わる。
    つり上がった目に縦長の瞳孔。
    耳まで裂けた口から覗く、真っ赤な二股の舌。
    病的なまでに白く、ビッシリと鱗が生えた肌。
    それはまるで、蛇。
    カヒュッ…と呼吸が止まる。
    「なぁ、名前は?」
    何かが話しかけてくる。まるで違う顔で。
    「名前は?」
    異常に口から伸びた二股の舌が、ぬるりと頬を這う。生暖かく、湿った感触。
    歯の音が合わない。ガチガチと何も出来ずに震える。
    けれど、ひとつ分かるのは
    「名前、教えろ」
    こいつに名前を教えてはいけないこと。
    早く醒めろ。醒めろ、醒めろ!!!
    何度も祈る。ここは夢ではないのかもしれない。けれど、夢だと思わなければどうにかなりそうで、何度も何度も心の中で叫んだ。
    その間にも、何かが名前を聞いてきた。僕を掴んでいた手は、いつの間にか僕の首元に回って長い爪で撫でている。
    醒めろ、醒めろ、と唯一自由な思考で叫んでいると、ソレはぬぅ…と緩慢な動きで僕を覗き込んできた。縦長の瞳孔もうねるそいつの首は、ますます蛇だった。
    「名前は?」
    幾度目かの問い。もう、恐怖で体裁もなく泣いていた。それでも答えないでいると、そいつの顔が離れていく。
    そして、ポツリとひとつ。

    「また明日」

    大きな口が、ニィ…と持ち上がった。





















    「ああああああああぁぁぁ!!!!!!!!」
    飛び起きた。そして、何かに掴まれる。
    またアイツだと思って、めいっぱい振り払った。今度は身体が動いた。
    「やめろ!!!!!いやだ、いやだ!!!!!離せ!!!!!!」
    それでも腕は離れず、あまつさえ身体に触れてきたから、最早狂ったように体を動かす。
    「離せ!!!離せって言ってんだろ!!!!」
    両手を掴まれた。ならば、足だと鳩尾に蹴りを入れたら当たった感触。そして、腕が離れた。
    一応安堵し、距離を取ろうと相手を見れば、KKがそこにいた。床に座りテーブルを薙ぎ倒し、腹を抑えながら咳き込むKK。また化けたのかと、睨み付ける。
    けれど。
    「暁人、落ち着け!」
    「え…」
    咄嗟に声のした方を向くと、焦燥を滲ませる凛子さんがいた。それに、エドやデイルも。よく周囲を見れば、アジトの中だった。
    まだ夢の中。違う、現実。いや、夢?アイツの魅せた幻覚?
    バクバクとうるさい心臓と比例して荒い呼吸。訳が分からず、ぐるぐる考えていると、目の前で動く気配がした。反射的に顔を動かすと、KKが腹を押えながら立ち上がっていた。
    「やってくれるじゃねぇか、暁人」
    不機嫌そうなKKの声と顔。
    「け、けぇ」
    「何見てた。夢の中でなんかあったか?」
    器用にも片眉を釣り上げ、茶化すような表情と声色。それと、少しだけ香る煙草の匂い。
    アレとは違う、本物のKK。
    まだ残る恐怖心でも、分かった。もうそれだけで、僕の虚勢は崩壊した。
    「ぅぁ、ぁ…ぅあああああああ…!!!!!!」
    「おい…!」
    人目もはばからず泣いた。

    もう怖くて怖くて仕方なかった。アレは僕を連れていこうとしていた。それは分かる。でも、何処に?僕、ひとり。どうなるか分からない。誰もいないところに、あの化け物と。
    無意識に、それが何よりも恐ろしくて。


    それから、泣いて、KK達に慰めて貰って、教えてもらった事はひとつ。
    僕は、神様とあっていたらしい。
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