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    冬の寒い朝、七と五がうちゃうちゃしてます☺️2023.12.5

    #七五
    seventy-five

    ぬくぬく「冬のいいところはさぁ」
     くぐもった声で五条が言う。
    「ぬくぬくって感覚があることだと思うんだよねぇ…」
     夏の暑いときに冷房の効いた部屋の中に入ると、ひゃ~涼しい~気持ちいい~って思うだろ。あれもいいんだけど…
    「やっぱぬくぬくだよね~多幸感が違う…」
     は~ぬくぬく、は~気持ちいい…
     
     五条がくるまっているのは先日七海が買ってきた毛布だ。裏ボアでシープ調と書いてあった。五条はこれをいたく気に入って、セックスするときも汚さないようにしようね、などと言った。
    「だって洗濯してる間、これがないなんて考えらんない」
     は~ふわふわ、は~ぬくぬく~…
    「五条さん」
     いつまでもベッドから出てこない恋人についに七海は声をかけた。
    「そろそろ用意しないと時間に遅れますよ」
    「え~やだ。もう僕ここから出ない。ここで暮らす。ぬくぬくの世界で暮らすよ、冬の間ね」
     何を馬鹿なことをと言う気にもならず、七海が眺めていると五条はニィと笑った。
    「ほら。七海も。ぬくぬくの世界においで。僕と一緒にぬくぬくしようぜ」
     そう言いつつ、毛布を上げもしないのは暖気を逃したくないからであろう。芋虫のように丸まって毛布から顔だけ出している恋人を眺めながら、七海はため息をついた。
    「私はもう着替えているんですよ」
     ぷくっと五条は頬を膨らませた。
     お前はいいよな、体温高いから。僕は平熱低いんだよ~知ってのとおりぃ…そんなことをぶつくさ言ったと思ったら、チラッとまた七海を見上げる。
    「だから。そんな僕にはこの毛布と、お前の筋肉が必要なんだよ」
     お前のあったかい筋肉がさぁ~
    「ね、ななみ。」
     未だ毛布から顔だけ出しているという間抜けな状況ながら、その青い目には色が浮かび、赤い唇は誘うように艶めき、しかしどこかしら面白がっているような風情が見える。
     クソっ、時間がないことをわかっていてわざとやっているな…
     七海は表情を変えずに五条に顔を近づけた。
    「あなたも暖かいですよ」
     …身体の中は。
     囁くと、五条は一瞬固まった後、ブワッと毛布の中に顔を隠した。
    「なんでそんなこと言うのぉ~」
     してやったりと七海は満足したが、モジモジと顔を出した五条が
    「…勃っちゃった」
     と言うので、…しまった、と思った。
    「…とにかく、シャワーを浴びてください」
    「う、そうする…」
     やっとのろのろと起き上がった五条は、よろよろと寝室を出ながら
    「あと、何分?」
     と聞いた。
    「…三〇分弱ですね」
     五条はそのまま浴室に向かったが、出てくるのには少し時間がかかるだろう。七海は思わず自分のネクタイに手をかけ緩めかけたが、いや、三〇分弱。時計を見ると既にあと二五分であった。いや、無理だろう。
     クソっ 七海は思った。
     煽られて乗ってしまった自分に腹が立ったし、煽ってきた五条にも腹が立ったし、元はと言えば、ぬくぬく毛布が…
     いや、毛布に罪はない
     七海は息を吐き、ネクタイを締め直し上着を着た。




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    DOODLE一緒にいても何とも思わないけど一緒にいなかったらなんとなく不安になる夜帳と比鷺
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    早野の夜鷺さんへ贈るタイトルお題は、『書を捨てよ、此処を発とう』 です。
    #shindanmaker #同人タイトルお題ったー
    https://shindanmaker.com/566033
     浪磯の部屋を引き払って別の部屋を借りる予定だと聞いたのは、その部屋を明け渡すほんの数日前の事だった。というかつまり、今日初めて知った。
     萬燈夜帳が契約している部屋はいくつか存在しており、浪磯にあるマンションの一室もそうだった。バルコニーから海が見えるその部屋に、比鷺は何度か足を運んだ。山ほど本やCDがあるんだろうと思ったが、それほど物はなかった。当然だ。彼の自宅は別にあるのだから。広くてシンプルなのに殺風景ではない、趣味の良い部屋だと思った。
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