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    ぐ@pn5xc

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    お題「あなたは◯RTされたら『よし、お前を補充した。俺はまだ頑張れる』の台詞を使ってななごを書きましょう」から。2023.11.14 #shindanmaker

    #七五
    seventy-five

    補充 僕は今、朝から一つ任務を終えて高専内自動販売機前のベンチに座っている。これからまた別の任務なんだよね~。空はこんなに青いのにさぁ~。生徒たちとグラウンドで体術するのにもってこいの天気なのに。ちゃちゃっと終わらせてと言いたいところだけど、場所がちょっと遠いから戻るのは夜になるかもしれない。は~あれが欲しい。青いロボットの出すどこでもドア? あれがあったらドア開けてシュッて祓ってバンてドア閉めて、次どこ? バンて開けてシュって祓って…むなしい。伊地知早く来ないかなあ。来たらデコピンだよね、僕を待たせるなんて。手にした缶のいちごみるくをグビリと飲んだ。美味しい。もうひとつ買っとこうかな、車中用に…と思ったところで僕の目はある人物に吸い寄せられた。
     七海だ。
     ここから一〇〇メートル程先に補助監督と立ってる。これから任務なのかな、補助監督の差し出す資料を読んでる。ちょっと俯いて、顔を上げて、何か言ってる。うわ、カッコいい。あいつスマートだよね、遠目で見ると特に。シュっとしてスラっとしてビシってして。でもさ、そのスマートなスーツの下にムッキムキの筋肉があることを僕は知ってる。僕だけのムッキムキでむっちむちの肉体。

     昨日、僕たちはエッチをした。久しぶりだったので、それはもうめくるめくような、濃厚な、「あなたは明日早いでしょう」なんてあいつは言ったくせに、それはもうあんなこともしてこんなこともやった。
     うあ~~エッチしたい! 昨日やったけど今日もしたい。ていうか今したい。あいつのあのガチムチの背中に腕をまわして、引き締まった腰に…やめよう。いったん落ち着こう。こんなこと考えてたら僕のさとるくんがいうこと聞かなくなっちゃう。これから仕事なのに。
     胸は…わりあいふかふかなんだよな。力を入れてないときは筋肉は柔らかいものなんですよ、なんて…
     髪。触りたい。あいつの髪、いつも固めてあるけど、本当はサラッサラなんだよね。昨日はそれが汗で湿って、いい匂いがした。
     無理。無理無理! 触りに行こう。でないといい仕事ができない。ポ、ポ、ポテンシャルが発揮できない。補助監督、早くどこか行かないかな。人がいる前でイチャつくとあいつ怒るからな。でもでも、触るだけだし。ふわっとサラッと触るだけだし。もしできたら首のとこクンカクンカするだけだし。「どうしたんですか」「触りたくなっちゃって…」「今朝、触ったばかりじゃないですか」
     
     あ。
     補助監督があっち行った。よし! 今だ!
     あ。
     七海が、こっち来る。え? 何で? 僕がいること気づいてたの?
     
    「五条さん」
     七海が座っている僕を見下ろす。サングラスをそっと外した。そのまま、固まっている僕に身をかがめ、ふっと、あれ? 今、僕、七海に抱きしめられてる…?
     七海のいい匂いがする。僕の首元で、すうっと七海の息を吸い込む音が聞こえる。あったかい…気持ちいい…さっきのさっきまでいやらしいことを考えていた僕の心は、うん、何だか穏やかになっちゃった…
     七海が身を離す。時間としてはほんのちょっとだったんだ。僕が黙って見上げると、
    「補充です」
     七海は言った。サングラスをかけ直す前のわずかな時間、チラリと見えた目元はほんのりと赤く、優しげだった。
    「これでまだ頑張れます」
     まだってお前、仕事は今からじゃん。あ、でも、そういえば昨日時間が取れる前はずっと連勤だったもんな。僕もだけど。昨日、濃厚なエッチをしたけどそれだけじゃ足りない。もっともっとくっついて、くっついて、くっついて…
    「ななみ!」
     僕は声を上げた。
    「朝ごはん、一緒に食べようね」
     七海は笑ったようだった。手を上げて歩いていく。
    「お待たせしました! 五条さん」
     伊地知がバタバタ走ってくる。
     
     オッケーオッケー、秒で終わらす。なるべく早く帰ってくる。…夕食の時間までには難しいかな、なにせ遠いし。でも帰って…
     寝てる七海のベッドの横に潜り込むんだ。さっきの匂いをもっと吸うんだ。もっともっともっと吸って。僕も七海を補充するんだ。もっともっといっぱい。
     
     あ。
     エッチもできたらするけどね。





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