石乙散文 正面から抱き合いながら、ちゅっと唇を合わせる。薄く唇を開けば相手の舌が入ってきて、口付けは更に深くなった。
「ん、ふぁ、ぁ…あ、ン…ぅ…」
何度も舌を絡めながら深いキスを重ねていく。すると自分の背中に回された手が、するりと背筋を下って、尻のあたりを撫でた。
「ン…ふぅ、んん…はぁ、ぁ…」
その手はキスをしながらも、もみもみもみもみもみもみもみもみと自分の尻を撫でてきていて、なんだかもぞもぞとしてしまう。というか、なんというか。
「……あの……」
唇が離れて、軽く息を乱しながらも、乙骨は濃厚なキスをしていた相手、石流にそう声を掛けた。
「……なんでそんなに、おしり、さわるんですか?」
「ん?」
石流は思ってもみなかったことを言われたみたいに、目をパチクリとさせた。
「嫌だったか?」
「いや、嫌っていうか……別に肉付きもよくないし、薄いし…触って気持ちいいものでもないと思うんですけれど」
それは自分を卑下したワケではなく、事実をそのまま言っただけだ。女性ではないし、痩せている方であるし、そんな揉まれる魅力があるようなものでもないと思ったのだ。
しかし、石流は「そーかー?」と言いながら、両手で乙骨の尻を鷲掴みもみもみもみもみ揉んでくる。
「…っ、……」
「俺としてはこの触り心地もありっちゃありだけどな?俺のデカいやつを健気に受け入れるところでもあるし」
「それ、は……」
言いながら双丘の間を撫でられて、腰がピクンと震えてしまう。それに頬を染めてしまえば、石流は笑ってちゅっと触れるだけのキスをしてきた。
「…それに、オマエは肉付きよくないって言うけどよ、初めて触った頃よりは、柔らかくなってきたと思うぜ?」
「え?」
そうなの?という顔を石流に返せば、石流は「それはもう」と頷いてくる。
「俺がちゃーーんと飯食わせてるしな、それに揉めば揉むほど、尻の筋肉も柔らかくなるんだよ」
言いながらもみもみむにむにと尻を弄られて、そういうものなのかなぁと、乙骨が思っていれば。
「オマエの尻は、オマエが思っているより、魅力的だぜ?」
そんなことを真正面から言われて、恥ずかしさにカッと顔に熱が籠もった。
「もっ……なに言ってんですか!おしり褒められても嬉しくないですよ!」
「そーかー?」
「そ……ですよ、それに……」
もごもごと口籠もり、石流から目を逸らした。正直、こんななっている自分が1番恥ずかしい。
「…おしりそんなにもまれたら…奥がうずいちゃうんです…」
だから、ちゃんと責任取ってくれますよね?
恨めしそうに彼を見ながらそう言えば、石流は「当然だろ」と言って再び唇を重ねてくる。今度はそのまま身体を押し倒されて、おしりではなくその奥に触れてくる。それにピクリと身体を震わせながら、その先を求めて、乙骨は石流の首にぎゅっと抱きついた。