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    肴飯のポイ箱

    @sakana2015414

    pkmnでkbdnとか、kbnとdndがわちゃわちゃしてるような話を書いてます。時々ホラーなものをあげるのでそこだけ注意です。

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    肴飯のポイ箱

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    お題『会いたい』を拝借しました!
    ⏳1h +30
    煙の香りってびっくりするほど残るよねって話です。
    ※恋人になって少し経った二人

    #kbdn
    #kbdnワンドロ
    kbdnOne-dropping
    #キバダン

    そこにいてくれ パチリと時折思い出したかのように跳ねる火の粉が夜空に飛び上がってフッと闇に紛れていく。薄茶色だった丸太型のトーチに置かれた小さな火種から、ゆっくりと煙が上がっていたのはだいぶ前のことだ。今は風が吹く度にその体の隙間から拍動するような赤を見せながらダンデ達を温めてくれている。
     ワイルドエリアでのキャンプは、二人が子どもの頃から何度もしてきた。ライバルという関係に恋人という肩書きが追加されてからもそれは変わらず。忙しい時期であっても一月に一度はキャンプをして昼間にポケモン達と遊び、夜にはこうしてゆったりと二人静かに火を囲む。言葉に出して約束をしている訳では無いが、普段の慌ただしい日常から切り離されるこの時間は二人にとっても、一緒に過ごしてくれるポケモン達にとっても大切な時間となっている。
    「何だか、今日のトーチはいつもより温かいし…煙の香りが違う気がする」
    「そういや、これヤローから間伐のオマケで作ったやつを貰ったんだけど、松だから火力も強いし松脂の香りが良いんだって言われたな」
    「オレ、この香り何だか好きだぜ」
    「オレも。今度ヤローに会ったらお礼言っとこ」
     その後も二人で子どもみたいにスンスンと鼻を鳴らしていると、それを不思議がって二人の横で丸まっていたリザードンも首をもたげて同じように鼻を鳴らす。その姿が何だか微笑ましくて、キバナが思わず声を上げて笑うと、少し恥ずかしかったのか火竜はふすんっと強めの鼻息を吐いて不服そうにキバナを睨め付ける。
    「ごめんって。煙が良い香りだなって嗅いでただけだよ」
     キバナの弁明に暫く黙って不服そうにしていたリザードンだったが、最後宥めるようにダンデが彼の鼻先を優しく掌で撫でてやると、仕方ないというようにひと鳴きをしてから、くるりと火のそばでもう一度丸まり始めた。そんなリザードンの動きによって揺れるトーチの火が面白かったようで、近くで鬼ごっこをして遊んでいたドラメシア達が「もう一回!」と強請るようにトーチの周りをクルクルと飛び回る。
    「こらこら、カレー用のうちわを貸してやるから勘弁してやってくれ」
    「ゴーキン?」
    「ああ、それだぜ。ありがとうな」
     察しのいいジュラルドンが持ってきてくれたうちわを手に、ドラメシア達が楽しそうに火を扇ぐのを見ながら、ダンデはゆっくりとキバナの方へと体を傾け、そのままぽすんっと彼の胸元へと懐く。キバナも慣れているのか、ダンデの肩を自分へと引き寄せるようにして、ダンデがより自分へと体重を掛けやすいようにする。
    「ふふっ、キミの服からも煙の香りがするぜ」
    「多分お前も同じだろうよ」
    「そうだな。おんなじだな」
     おんなじだ。そう、小さく笑いながらダンデはもう一度キバナの胸元へと擦り寄る。
    「この頃は煙の香りがすると、キミの事ばかり思い出してしまう…自分の家に帰ってから、香りはするのに姿が見えないって変な感じがするんだぜ」
    「…オレさまも、ちょっと分かるなそれ。洗濯した服に残った香りとかが鼻を掠めるとお前がヨクバリスみたいにカレー頬張ってる姿が浮かぶ時あるわ」
    「……ムードって言葉知ってるか?」
    「お前にそれを言われる日が来たことに、今驚いてる」
    「ふふっ確かにそうだな…でも、本当に変な感じなんだ…キミが隣に居ないのが」
     胸元で笑うダンデの髪を手櫛で遊びながら、キバナはそれきり言葉を発さなかった。ダンデもそれ以上は何も言わずに目を瞑り、トーチの炎が燃え尽きるまで静かにキバナの温もりと煙の香りを感じていた。
    「(これは…はぐらかされたか?)」
     ダンデなりに、もっと一緒にいたい。同じ場所で起きて、同じ場所で寝たい。そう伝えたつもりではあった。少し遠回し過ぎたのか?それともキバナにとってはまだその気持ちになれないのか?そんな事を彼の心音を聞きながらうつらうつらと考える。
     だって。煙の香りを感じてついつい振り返った時に、誰も居ない部屋の壁を見ることに寂しさを感じてしまうだなんてダンデ自身でさえ思ってもみなかった事だった。会いたい気持ちがこんなにも募るものだなんて、ダンデはキバナと恋人という関係になるまで知らなかったのだ。
    「(ドラゴンタイプは大器晩成型が多いからな…)」
     キバナも自分と同じ気持ちだったら良いなと密かに期待をしていたダンデは、少しだけ寂しい気持ちになりながらトーチと人肌の温もりに意識が溶かされて瞼が下がり始める。もうこのまま寝てしまおう。きっと重いなんて言いながらキバナがテントまで運んでくれるはずだ。そうして考える事を放棄して、ダンデはそのまま体の力を抜いたのだった。


     「……あさ?」
     テントの布越しでも、外が気持ちの良い朝日が昇ってきている事に気付くような光量を瞼に浴びてダンデは自然と目を覚ます。どうやら本当にキバナが運んでくれたらしい。当の本人はまだ眠っているらしく、ネイビーの寝袋からは規則正しい寝息が聞こえてくる。
     手間を掛けさせてしまったな。なんて思って頬をかいたダンデは、そこで漸く違和感を感じる。頬をかいた左手の薬指に、昨日まで無かったものが増えている。
    「キバナ」
    「……」
    「キバナ、起きてるな?」
    「まだ寝てるって」
    「やっぱり起きてるだろ!キバナ!左手!左手を見せてくれ!」
    「ムードって知ってるか?」
    「どうでも良いぜ‼︎ほら、早く見せてくれ!」
     抵抗するようにゴロリとダンデに背を向けて寝返りを打ってしまったキバナを、遠慮なく揺らしながらダンデは笑う。
    「オレさまの左手を見るってことは、オッケーってことで良いんだよな?覚悟はできてんのか?」
     少し緊張したような声を聞いて、とうとう居ても立っても居られなくなったダンデは、キバナを寝袋ごと抱きしめた。寝袋からは、昨日の煙の香りが残っていて。それがとても幸せな事だなと思いながら、ダンデはキバナの言葉に応えるべく、その香りごと大きく息を吸い込んだのだった。
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    肴飯のポイ箱

    DOODLEワンドロ
    少年kbn君と同年代🚺dndちゃんの話。
    ※先天性女体化です。
    心より行動が先にくる1人と、心が来てから一気に行動し始める1人の話
    お題『初恋or意識し始め』
    まずは一手 昼下がりのナックルシティ。ジムリーダーになって一年とちょっと。自分に割り振られた仕事をなんとか回せるようになってきたキバナは、最近になって漸く入ることを許された宝物庫内の書庫に昼休憩はもっぱら入り浸っていた。保存の観点から外に全く出される事のない書庫は、知的好奇心が強いキバナにとっては大分豪華なオモチャ箱のようなものだった。
    「(今日は午後から休みだし、入室許可も取った。絶対閉まるギリギリまで入り浸ってやる!)」
     少し浮き足だった歩みで書庫の扉を開け、少し埃っぽい空気を吸い込む。この、何とも言えない紙とインクの香りがキバナは大好きだった。
     ナックルジムの書庫は少し不思議な形をしている。吹き抜け式の円柱型の室内には螺旋階段がぐるりとドラゴンの体のように巻き付いている。その螺旋に沿って壁に本棚が埋め込まれている。光を最低限取り込む為に作られた丸い天窓には、月と太陽をモチーフにしたステンドグラスが嵌められており、外の光を透かして淡い彩光を放っている。
    2021

    肴飯のポイ箱

    DONEワンドロ
    お題「駆け引き•取り引き」
    立ち止まって周りを見たら不安になってしまった1人と、立ち止まった先でずっと待っていた1人の話。
    ※イズオーバー後同棲設定
    すっごい…難産でした…でも楽しかった!
    よーいどん すっかりと夜の帳が下りたナックルシティの片隅。夕食もシャワーも終わらせたキバナは、リビングでのんびりと読書をしながら膝に顎を乗せてくるフライゴンの頭を撫でて存分にリラックスモードだった。間接照明によって柔らかい明るさに包まれた部屋の中では、他のポケモン達ものんびりと寛いでおり平和の一言だ。ただ、少し引っかかる事があるとすれば同棲している恋人の様子が変だったこと。仕事から帰って来たと思えば夕飯もそこそこに共有してる書斎に引き篭もってしまった。
     まあ、何かに集中したい時には同じような事は度々あった。キバナもたまにやる。ただ、今回は表情がいつもより鬼気迫ったというか焦っていたというか。
    「…ふりゃ」
     撫でる手が止まっていた事にちょっと不満げな声でフライゴンが拗ねる。それに謝るように撫でる動きを再開すると、満足そうに目を細めて擦り寄ってくる。そんな可愛い姿に、今日は甘えただなぁ。なんて思いながらキバナは読書を続ける。
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    DONEワンドロ「雨音」
    ⏳1時間半位
    ちょっとした事が雨のように降り積もると、幸せになるねって言う話です。
    幸せの足音 パラパラと窓ガラスに雨粒が当たる音がし始め、冷えた空気が急速に湿っぽい香りを届けにくる。
    「やっぱり降ってきたか。」
    「ロロ!ロトムの言う通り、洗濯物しまってて良かったロ〜!」
    「そうだな。ロトム、いつも助かってるぜ。」
     ふわふわと浮かびながら飛び回るスマホロトムを指先で撫でてやると、それだけで小さな電気の光を飛び散らせながら喜ぶ。その可愛らしい姿に、ダンデは笑いながら雨が降る前に引っ張り込んできた、洗濯物がたっぷり入った籠を抱えて同じように笑う。雨音に気付いたヌメルゴンが、最近生まれたばかりのまだ小さなヌメラを腕に抱えてウッドデッキに繋がるガラス戸の前へとやってくる。大好きな水の気配と、窓やウッドデッキの床を叩く雨音が楽しいのか、まだ幼いヌメラはヌメルゴンの腕の中で興奮気味に「んめっ!めっ!めら〜」と体を揺らし、雨音に合わせて鳴いていた。それとは逆に、あまり雨が好きではないコータスやジュラルドンは自分からリビングにあるボールホルダーの所へ行き、ボールの中に入っていく。リザードンに至ってはロトムから雨が降ることを聞いて早々にボールに入っている。
    2028

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