純血のサイヤ人というのは数が少ない。だからこそ、数少ない彼らは自然と集まってくるのだろうかと思いつつ…まぁ闘争本能ってやつだな、とチチは心の内で結論を出す。
闘うことに喜びを見出しつつ強い相手と闘いたいとなると自然とその相手は同族となるのだろう。その伴侶もいれば子が生まれ、父親の血を引く子達もまた似たように同年代の子や父親を相手に組手をする、そんな流れか。
幸いなことに(?)彼以外を愛したことはないので、日々の苦労は当たり前のものであり、他と比べて嘆くことはあまりない。あの世の住人からこの世へと戻ってきてからはチチが生業としていた農業も共にしてくれるのでチチとしては満足できる日々である。
「メシの支度も慣れちまってるからなぁ。今は悟飯が家を出てるからむしろ少し楽になったくれぇだよ。ああでも悟天ちゃんがそろそろ成長期に入るからまた少し大変になるかもしんねぇけんど」
でもそこは悟飯のときに一度やってるから、というチチにブルマは確かにと頷く。
「そっか、一度経験してれば予測もできるものね。うちはトランクスが最初の子だから、そこらへんまだ未経験なのよねぇ。ベジータが孫君みたいによく食べるのは分かってるし、今も結構食べてるなーとは思ってるけど、そっか、トランクスももっと食べることになるのよね」
「だども、トランクスくんブルマさん似だからどうなるかはまだ分かんねぇだなぁ。うちはどっちも悟空さ似だから」
「あら、孫君は悟飯君も悟天君もチチさん似だ~ってアタシにのろけてるわよ」
「当人ほど自分のこと分かってねえからな」
苦笑するチチにこそ、その言葉をそっと囁いてやりたいがブルマはそれを我慢する。
「チチさんがママ友でよかったなって思うわ」
「おらもですだ。あ、時期にビーデルさもここに一緒になるんだべなぁ」
「そうねぇ。いつかトランクスのお嫁さんともこんな感じでお茶できたらいいわね」
のんびりとカプセルコーポレーションの中庭でチチが作ってきてくれたイチゴのケーキを食べながらのんびりとしたお茶会。自分の息子のお嫁さんとお茶をする気持ちはどんなものだろう。それを一足先に経験するチチを見るに、とても幸せそうだから、きっと自分も同じくらいに幸せなのだろうと思うブルマであった。