四月馬鹿とはよく言ったものVR、バーチャル・リアリティーという仮想的な空間を使った戦闘シミュレーションに付き合っていた最中の出来事…バグによってある種の懐かしさすら覚える面々とのあまり感動的ではない再会を果たしただけに留まらず、そこから繰り広げられた奇妙かつとんでもない展開に僕は悩まされることになる。
「さぁ、カドック!君も立派なクリプターの一員として、これに着替えるんだ!」
「何なんだよ、この服は…」
Aチームに所属していた頃のリーダー格で、何においても上位に君臨するから苦手意識すら持っていたヴォーダイム…そんな奴が目の前で虫歯菌のようなトンチキすぎる服を身に纏っており、あまつさえ僕にもそれを強要してくる状況にぜんぜん追いつけていない。
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