夢みたいな展開 噛みつかないと出られない部屋。
デカデカと掲げられている看板を見上げるのは、オンボロ寮の監督生とイグニハイドの寮長イデア・シュラウド。
監督生は顎に人差し指をちょこんと置いて「うーん」と目を瞑り唸っている。
イデアはというと「なにこれなにこれなにこれ」と軽いパニックに目をぐるぐる回しながらも、部屋が魔法を一切遮断していて、所謂結界内に閉じ込められた状態で、この謎クエストを消化しないと鍵が開かないってこと? と高速で導き出し、どんな魔法にも綻びというものは存在するものだ、解析してしまえば鍵を偽造するなんて造作もない。とさっそくこの部屋を構築しているシステムをハッキングしてやろうとしたところで「あの」と監督生に声をかけられた。
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