ある日のこと 数年をかけてようやく帰還できたダイはデルムリン島を拠点としている。少し大きくなった体にはブラスの家はほんの少しだけ窮屈で、週の半分は島のポップの家で寝泊まりしている。
ポップの家は「姫さんに準備してもらった」もので、かつての仲間が泊まることもできるように客間も多くある。
今のダイにすべきことはない。やりたいことも特にない。ポップに何度か希望を聞かれたが「おれ、戦うことしかできないし。ポップはおれがどうしたらいいと思う?」と答えるだけだった。
ポップが「じゃあ、やりてぇことを見つけるまで、適当にのんびりしようぜ」と言ってくれたのでダイはそのとおりにすることにした。アバンが用意した教材を基に勉強したり、ポップの手伝いをしたり。
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