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    onionion8

    @onionion8

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    TRAINING原稿やらずにまた違うの書いて…ケイアキで魔力供給の話です。フェ…の直前で終わるのでR指定ってほどのものでもない。 渇く。渇く。渇いていく。ただでさえ魔力消費の激しい宝具をアキレウスは何度も展開させている。空間を裂いて駆ける戦車。神速で叩き込む槍の一撃。しかしそれでも敵の殲滅には至らない。薙ぎ払っても轢き潰しても、魔物は絶えることなく押し寄せる。
     今はマスターからの援護でどうにか保っているが、それもおそらく限界が近い頃だろう。早く終わらせて休まなければ、共倒れという最悪の事態が待っている。いっそ撤退という選択も必要になると考えながら、アキレウスは戦場を駆ける足を止めぐるりと辺りを見回した。
     空は黎明を待つ藍色の闇が覆っている。ワイバーンや他の翼ある怪物たちがやって来ないことだけはツイてるが、地には相変わらずおぞましいほどの数の魔物が満ちていた。
     月明かりにぬめりと光る鱗模様。甘く腐った毒のにおい。話に聞くだけだった魔獣戦線とは恐らくこれに似た状況だったに違いない。一体一体はさほど脅威でないものの、群れとなり暴れる魔獣を延々相手にすることは、大海で嵐と戦うようなものだった。
     凡人であれば生き残るだけで栄誉と誇れるだろう戦場。並の英雄であれば屠った敵の数を競い合うであろう戦局。だがアキレウスは 10000

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    REHABILI濡れ場が書けないのであとはご想像にお任せしますなケイアキケイローンの部屋は鍵が壊れているらしい。らしい、というのはケイローン本人がそう言っていたのを聞いたことがあるだけで、アキレウス自身はその鍵を操作したことがないからだ。あの部屋はいつでも開け放たれていて、迷える人を受け入れる。そんなイメージがあったため、鍵があることすらアキレウスはほとんど意識していなかった。
     だがもちろん、閉ざすべき時はきちんと閉ざしていたのだろう。たとえば夜。アキレウスがこっそりと部屋を訪いケイローンの愛を乞うた時。あるいは戦闘の帰り。昂ぶった身体の熱を互いに発散させようと、そのまま連れ込まれた時。アキレウスは大して気にしたこともなかったが、ケイローンはきちんと鍵を掛けていたように思う。ピ、と無機質に鳴く電子音が、手繰った記憶のなかに確かに響いていた。
     そういう行為に及ぶ時、部屋の主が閉ざした扉に空気が変わる。うっすらと膜を張ったように熱がこもる。それを合図にケイローンは男の顔を見せた。その賢者でも友でもまして父や兄でもない顔は、ただアキレウスにだけ向けられる。もう子供ではない心と身体。それを確かめるように撫でられた頬からじわりと熱が感染する。涼やかな目元に灯る欲 5828

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    REHABILIちょっとすけべなケイアキだけど、兄弟子ふたりと話してるだけで先生は回想にしか出てこない。三人寄れば文殊の知恵、という言葉がある一方で、女が三つ寄ればそれは姦しいと読むらしい。ならば英雄が三人集まればいったい何になるだろう。アキレウスはふとそんなことを思ったが、ここは沈黙は金という言葉に従った。目の前に積まれたチョコをひとつ、もぐもぐと食べていたせいもある。溺れるほどの濃厚な甘さがどろりと喉を焼いてゆく。
    「それで、バレンタインだからいつもと違うことしたい♡ とかいう頭ゆるふわな考えで教授に媚薬を盛ったのか」
     食いたくないが食わねばならないチョコがある。そうイアソンに呼ばれて来たのはいいのだが、いつの間にかそんな話になっていた。アキレウスがせっせとチョコを食べる合間にうっかり口を滑らせた、ちょっとした恋バナ、もとい猥談である。兄弟子はため息と共にうんざりとした顔をするが、もともとチョコのせいでそんな顔をしっぱなしなので気にならない。美形の無駄遣い、とは誰が言った言葉だろう。アキレウスは紅茶で喉を潤すと、次のチョコを手に取った。沈黙とはすなわち肯定のことである。
    「誰が頭ゆるふわだ。サーヴァント、それもケイローン先生にも効くほどの媚薬だぞ? どれだけ頭を使ったと思ってる」  4629

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    REHABILIバレンタインネタのケイアキ秘め事というのは何も夜にばかり行われるものとは限らない。けれどそれが寝台でなされることであるとは言い切れる。
     まだ昼なかの明るく騒がしい時間。カルデアに集う英霊たちがチョコレートひとつで惑う時期。トンチキのひと言で片付ける男、だからこそ興味深いと首を突っ込む物好きな者、そんなことはどうでもいいから美味しい甘味を食べたい女。それぞれがそれぞれに踊らされながら、バレンタインは過ぎていく。
     愛を深める都合のいい日。恋人と遠慮なくイチャつくための行事。元になったという聖人と同じ主を愛する者らが複雑な顔を見せるなか、愛の女神、ではなく月の女神はガバガバな愛を語る。そこに意味があろうとなかろうと、愛し愛されて幸せだったらいいじゃない、と悪びれることなく晴れやかに笑みで威圧する。
    「あれが我々と同郷の神の言葉です」
    「しかも先生からすれば姪にあたる神だよな」
     食堂の片隅でのんびりとしていたケイローンとアキレウスは、聞こえてきた縁のある女神のよく響く声に顔を見合わせた。互いにどういう顔をするべきなのか決めかねた真面目な面持ちのまま呟いて、それからこらえきれずに破顔する。はは、と声を上げるふたりに 3334

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    REHABILIポイピクのテキストってどんなかなっていうテスト。短いし会話もないですが気持ちR18なケイアキです。先生に抱かれながらぐだぐだ考えてるアキレウスくんの話。他人に身体を許すこと。自分が自分であることをすっかり忘れてしまうこと。その心地よさをアキレウスに新たに教えた男。それがケイローンという男だった。
     もう幾度となく肌を重ねてきているが、いまだにふたりの関係はふわふわとしたままのようにアキレウスは思っている。恋人と、呼びたいならば呼べばいい。それもきっと悪くない。ケイローンはその関係を否定したりはしないだろう。微笑んで、いつものようにキスをして、そうして行きつく先はベッドの上で、またあの快楽をずっぷり身体に刻まれる。揺さぶられるまま喘ぐ声には何度も「好き」という言葉が混じって甘く溶ける。
     恋人だから、こんなこともするのだと、アキレウスはそう理解し行為を受け入れた。そうでなければ男同士で挿入を伴う性交をわざわざしたがる理由がない。女とは違う筋肉質で重い身体、可愛らしくもない低い声、何より準備に手間ばかりかかる男を知らなかった穴。
     よくこんな相手を抱こうと思い、実際抱けるものだと感心しないでもなかったが、ケイローンはいつも楽しそうだった。もう触れてないところなどないのでは、と思うほど執拗に肌を撫でる指。触れられるたびに性感を煽られ身悶える 3014