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    みちとせ🍑

    基本小説は支部 ここは短めのものあげる時とかに使う

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    POIPOI 17

    みちとせ🍑

    DOODLEオリアカワンドロワンライ、開催ありがとうございます

    家園の歩練師さんの思い出で時間が進むごとに恋から愛に変わっていく感じがとても素敵だなと思ったのでそこらへんの雰囲気らくがきです

    オリアカの歩練師さんと孫権さん夫婦かわいくて好きなんですけど、あの、史実……二宮の変のことが頭を過ると陸遜の関連ダメージが入るのでかなり胃痛がします 史実って何?(知らないふり)
    あなただけにあなたの傍にいたいと、願った。

    ◇◇◇

    貴方に嫁いだ日の事を、よく覚えている。

    「後宮に入ったら、もうこのように臆病じゃだめだぞ」

    柔らかな声で諭してくれた貴方の顔が見られなくて俯いたままのわたくしを責める事も呆れる事もなく、ただ優しく頭を撫でてくれた貴方の手のぬくもりを。

    その瞬間はまるで時が止まってしまったかのようで、けれど、その永遠のような一瞬の静寂の中で──わたくしの心臓だけは、鼓動が貴方に聞こえてしまうのではないかというくらいに高鳴っていた。

    今思えばわたくしは、あの瞬間に恋をしたのだと思う。
    貴方を好きになることは──この世界のどんな事よりも当たり前に思えたのだ。

    ◇◇◇

    「今度の戦いには自ら顔を出すのですか?」
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    みちとせ🍑

    DONEオリアカワンドロワンライ「陸遜」の開催、ありがとうございます。

    陸遜が見た、ほんの少しだけ長くて、あっけない程に短い夢の話。

    熱が下がらず布団でワンライ参加したので誤字脱字が目立つかもしれません。
    ⇧の事情からちょっと前にスタートしたので1.5hくらいです。

    どうか陸遜が、他の誰でもない貴方がこの先、笑顔でいられますように。
    灼灼たる夢の先「……ん、陸遜」

    おーい、と呼びかけるような声。それから肩を軽く揺らされて、意識を引きずり上げるように瞼を開いた。ちかりと光に眩んで、幾度か瞬きを繰り返した先で二人分の影が目に入る。

    「っ、孫策殿、周瑜殿!?」
    「なんだ、やっと起きたな」
    「陸遜、休むのなら軒先ではなくせめて部屋に入りたまえ」
    「いえその、ああ……言い訳をさせてもらえませんか」

    身なりをささっと正して先ずは礼を。寝起きだろうがその身体に染みついた礼儀作法は消える筈もなく、ただ縁側に腰かけて柱に頭を預けていたせいか陸遜の冠は微かに頼りなく揺れていた。当人は後から気付くのだろうが、それを目の当たりにした周瑜はまだまだ若いなと笑みを零す。

    「別に言い訳なんかしなくていいぜ、この季節は縁側での昼寝が気持ちいいからな」
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    みちとせ🍑

    DOODLEワンドロワンライ開催ありがとう……
    # オリアカ深夜の60分1本勝負
    清河卿が星辰と一緒に、雲蒙観(左慈のお寺)に行く話
    文章が雑なのは半分寝ていたからです 次回から真面目に書きます……許……し……
    昔を偲ぶ冷たい風が頬を撫でる。

    手のひらで墓の上に積もった雪を下ろしていくと、すぐに寒さでかじかんでしまった指に息を吐きかけた。はーっ、と清河卿が温めてはまた雪を下ろし、また温めてを繰り返しているのを、星辰は手伝う訳でもなく一歩引いたところで見守っている。それは手伝わないというよりも、手伝えないという言葉選びの方がふさわしいように思えた。

    雪を払い退けたことで墓石に刻まれた文字もはっきりと見えるようになる。彫りこまれた左慈の二文字をなぞれば様々な感傷が胸の奥からこみ上げて来て、それが口から漏れだしてしまわないようにと唇をかみしめた。

    「……お久しぶりです、師匠」

    前回の訪問から一年、いや、二年は経っているだろう。動乱の世で中々訪れる事の出来なかった墓地には左慈だけではなく兄弟子たちも埋葬されている。目を閉じれば今すぐにでも「会いに来るのが遅いぞ!」「会わないうちに随分とお偉い方向に成長したようだ」と冷やかすような声が飛んできそうなものだけれど、しんと静まり返った墓地からは自分が雪を踏みわける鋭い音以外聞こえてくる事は無かった。
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    みちとせ🍑

    DONEしゃもさんのお誕生日祝い いつもありがとうございます𝑳𝑶𝑽𝑬
    龍狐AU忘羨の絵とても好きなのでそれの三次創作詰めみたいな何かです🌟
    今→回想→今、的な流れの場面飛び飛び
    お誕生日……お誕生日!?となり帰宅後に慌てて書きました誤字脱字謝罪……
    此処にいる理由「あ~……流石に、しくじったかな」

    洞穴の奥深く──洞穴というにはもう、原型を留め切れていないその場所で、彼はひとり呟いた。山の地脈に溜まっていた水が崩落の影響で染みだしているのか、不規則な水音が何処からか聞こえてくる。ぽたぽたと鳴り止まないそれが精神すらも蝕んでいくようで、ぶるりと身体を震わせた。濡れそぼった衣のせいで身体をいくら縮こまらせても寒い。寒くて、寒くて、本当に自分はひとりなのだと実感させられる。

    九つの尾を持つ彼の名前は、魏無羨。
    夷陵の山の奥深くで人々から後ろ指を指されながら暮らしていた彼は今朝、山の地鳴りで跳び起きた。連日の雨で緩んだ土盤が震動し、脆くなった箇所から次々に土砂が崩れ落ちていく。不味いことになると悟った魏無羨は住処を飛び出すなり麓の村近くまで駆けだして──今にも村に襲い掛かろうとしていた大量の土砂を自らの力で何とか食い止めたのだ。
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    みちとせ🍑

    DOODLEあずきさん 𝑯𝒂𝒑𝒑𝒚 𝑩𝒊𝒓𝒕𝒉𝒅𝒂𝒚……
    趙雲さんと清河卿の転パロ(記憶あり×記憶なし)の導入+書きたいとこ詰めなので場面がすぐ飛びますが良い幻覚見れました!誕プレになればいいな~の気持ちです
    その魂に恋をした「私にとって、主殿は最も大切な存在だ。だから生涯、主殿が呼んでくれればどこへでも駆けつけよう」

    「趙雲さん……私も言いたいことがあります」

    「たとえこの命が尽きたとしても……来世でまた趙雲さんと出会いたいです!」

    乱世では、守りたい者がいれば強くなれると言う者もいれば、却って弱みになると言う者もいる。
    趙雲にとって清河の主は守りたい相手であった。
    かといって清河卿はただ後ろで守られているような人物ではなく、肩を並べて敵を退ける戦友でもあったが。
    互いに背中を預けて戦場に立つときの安心感と言ったら。

    彼女の目的は天刑宗の企みを暴き、阻止する事。
    利害の一致と、彼女が元来持つお人好しというか、何とかいうか……そんな因果で蜀に一応身を置いていた彼女だが、属国に囚われる事もなく呉にも魏に、魏は言い過ぎだろうか。ともかく敵地だろうが何だろうが、一度友になった相手とは立場を超えて親しくしていたように思える。勿論戦場での手加減はしないが、殺すのを躊躇う所は彼女らしかった。
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    みちとせ🍑

    DOODLE司馬懿さん……司馬懿さんは思いつかなかったけど言われてみたら確かに司馬懿さんめちゃめちゃ「「「そう」」」なの凄いずるいと思いましたあずきさん対戦ありがとうございました……
    オリアカの主人公ちゃんor主人公くん、性別どちらでも読めると思う落書き
    悪酔いどうしてこうなっているんだっけ、と清河卿は上手く回らない頭で考えていた。

    いつものように清河の主として机仕事をこなしていた時、客人が来たと星辰に呼ばれて、向かった先には珍しく司馬懿の姿があった。彼は余程の事がない限り、遊びに誘ってもわざとらしく仮病を使うような人。だから清河卿は最初、火急の用事かと思いそれなりに慌てていたのだ。

    (「司馬懿さん何かあったんですか!?」)
    (「そんなに慌ててどうした、主」)
    (「……はい?」)

    そう、確かそんな、嚙み合わない会話をして、それで──どうしたんだっけ?

    「主、何を考えている?」
    「あ……れ?」

    呂律が回らない。視線をふらふらと彷徨わせると、机の上に酒瓶がいくつか倒れているのが見える。飲み過ぎたと理解するまでにそう時間はかからなかったが、それ以上を思い出すよりも先に視界へ影がさした。そういえば司馬懿の目は燃えるような紅だった、と息をすれば、それを食らうように口を塞がれる。
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