出身地東西食対決(カレーの肉が牛か豚かとか…) それは無惨の何気無い一言から始まった。
「どうして肉じゃがが豚肉なのだ」
質問の意味が解らず、黒死牟は首を傾げる。
「お口に合いませんでしたか?」
「そういう意味ではなく……」
普段、多忙な二人は外食が多い。あとは無惨が料理上手なので、手料理と言えば無惨が喜んでキッチンに立つのだが、たまには大好きな彼氏に手料理を食べさせたいという気持ちが働いた黒死牟は、手料理の定番「肉じゃが」を作って出したのだが、完成したものを見て、無惨は無言で、一向に箸をつけようとしない。
なるべく無惨好みの薄味になるように気を付けた。醤油で濃いめの味付けをしたいところを、出汁をきかせた薄味で、みりんや三温糖を多めに入れて少々甘めに作ったが、食べる前から質問を食らい、黒死牟は落ち込んでいる。
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