メロディ 地平線に沈む夕日があまりにも綺麗で、ふたりとも言葉が見つからず、無言で見つめていた。
いや、違う。
横で巌勝のすすり泣く声が聞こえる。
だが、自分たちの答えはこれしかなかったのだ。
それは一年前の夏だった。
子供が通う幼稚園の保護者で集まり、河川敷の公園でバーベキューをすることになった。
「るなちゃんの一番の仲良しの子と一緒のグループでバーベキューなんです」
妻の麗が嬉しそうに語る。その母親と麗も仲が良いらしく、予定を空けるように言ってきた。
「仲良しって、そいつは男だろう? るな、あまり仲良くしてはいけないよ」
「まぁ、月彦さんったら、もうそんな心配をしているの?」
「だって、るなは可愛いから……」
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