ご都合〜で猫になった七海と事情を知らない灰原くんのラブコメ②*
午前中はペアでの呪術実習だったが、灰原一人しかいないため急遽自習となった。
「きみのお世話に充てていいって言われたから、とりあえずお風呂入ろっか!」
お風呂!?
七海はアワアワともがいたが、今は猫なのだから何の意味もなさない。灰原の部屋につき、そのまま脱衣所へ向かう。そっと床に降ろされたが、ぴっちりと扉を閉められてしまえばもうどこにも行くことはできない。背後で衣擦れの音がして、灰原が制服を脱いでいるのだと容易に想像できた。
今までも一緒の部屋で着替えたことはあるし、下着姿も見たことはある。だが、風呂となるとやはり何かが違うのだ。
「準備オッケー!ってあれ?」
そんな、まだ心の準備が。脱衣所の隅でじっと壁の方を向いたが、抵抗むなしく軽々と持ち上げられてしまう。
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