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    アメチャヌ

    ガムリチャか捏造家族かガムリチャ前提の何か。
    たまに外伝じじちち(バ祖父×若父上)

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    アメチャヌ

    PROGRESS悪魔の年少さんバ×人間リチャ。センセのハロウィン絵ネタ。
    12月なのにまだだらだらハロウィン書いてることが悲しくなってきた……
    魔界の幼稚園、通称マガさま幼稚園は、年に一度の大イベントを迎えていた。小さな魔物たちが立派な大人になるための大切な園外活動。ハロウィンの遠足だ。
    園児たちは普段お揃いのスモックを着ているが、今日はみなそれぞれの種族の正装で集まっている。リュックの代わりに籐かごを持って、帽子の角度を気にしたり、マントを揺らしてみたり、そわそわと落ち着きがない。
    秋の遠足は数ある行事の中でも特別だった。春の遠足で行った、引き抜いたら叫び声を上げる植物だらけの森には行かないし、夏の遠足で行った、歌声を聴いてはいけない冷たい河にもいかない。魔界の各名所よりも近くて遠い人間の住む村へ行くのだ。それも、こわぁい園長先生は同行しない。付き添いはシルバー人材センターから派遣された『おじい』だけ。いつもの先生のように先頭に立って歩いたりはせず、園児たちが人間の町に着いたら姿を消してしまう。残された園児たちは人間のこどもに紛れて玄関の前にカボチャを置いている家を周り、お菓子をもらう。正体を知られずに上手く人間に溶け込めるか。それが今回の遠足の目的だった。
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    アメチャヌ

    TRAINING文舵練習③-1 一段落の語りを、15字前後の文を並べて。

    カントリーハウスドラマのパロのようなもの。
    バ(11.2)×リチャ(21.2)前提ノーサン→リチャ(♀︎)
     晩餐会への招待は乗り気ではなかった。食事が済んだら早々にいとまを告げる。席に着くまでは確かにそう決めていた。
    心変わりしたのはひとりの令嬢のせいだ。短く艶やかな黒髪。暗い濃紺のドレス。レースがあしらわれた飾りの多いチョーカーが白く細い首と鎖骨を隠す。頬に落ちる長い睫毛の影。蝋燭の炎に輝く瞳は二色の宝石のようだった。打てば響く落ち着いた相槌。鼓膜をやわらかく揺らす低めの声。交わす言葉は短いものばかりだ。もっとその声を聞きたい。もっとその双眸に映してほしい。もう一方の老婦人に微笑みながらも気はそぞろだった。すぐにでも振り返りたい。身に染み付いた作法がもどかしい。すぐに話題に困る。グラスを持ち上げワインを一口飲む。老婦人との会話が途切れる。目の前にデザートの皿を差し出される。取り分ける一瞬すら惜しい。給仕に不要だと示す。無駄の無い動作で隣へ移動した。しなやかな指がサービングスプーンを握る。うす茶に焦げ色がついた生地。形を残しているがとろけてくずれた赤い果実。それを煮詰めたソース。令嬢の手元が甘く彩られる。涼やかなくちびるがゆるやかに弧を描いた。
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