k_hizashino
PROGRESS現パロ般若+さに 承前かたわら オウムの飼い主は無事に見つかった。隣の県から飛んできたらしい。何度も頭を下げて謝ったり感謝したりする飼い主さんに「大丈夫大丈夫」と言葉をかけ、「なんなら店を見ていくかい」とさりげなく接客をし、かと思ったら飼い主さんはアンティークの机に一目ぼれをして奥にしまっていた椅子とともに購入していった。
「こんなことってあるんですね」
「ああ、だからこういうものは面白いのさ」
テーブルと椅子を店の外に出し、ブルーシートの上で丁寧に梱包材を巻いていく。
「一目惚れというのは侮れないんだ」
梱包材を巻きながら大般若さんがそういう。その目はテーブルの木目を見ているのか、あるいは別の何かをみているのか判別はつかない。
「そうなんですか?」
2065「こんなことってあるんですね」
「ああ、だからこういうものは面白いのさ」
テーブルと椅子を店の外に出し、ブルーシートの上で丁寧に梱包材を巻いていく。
「一目惚れというのは侮れないんだ」
梱包材を巻きながら大般若さんがそういう。その目はテーブルの木目を見ているのか、あるいは別の何かをみているのか判別はつかない。
「そうなんですか?」
k_hizashino
PROGRESS現パロ般若さに続き 承前かたわら「私、外でお巡りさんを待っていますのでオウムをお願いします」
「寒いぞ? 中で待っていたほうがいいんじゃないか?」
「はは、少し熱くて」
「熱があるんじゃないだろうな」
「いえ、違います」
追及してくる大般若さんにオウムの入った段ボールを押し付けて店内へと追いやる。
(さっきはなんてことを想像してしまったんだろう)
大般若さんのことは正直言えば好きだ。顔も良いし背も高い。お金も持っているし物腰が柔らかい。教えるのが上手くて器用で、美術品を口説くことがなければ優良どころか超優良物件だ。
ただ、きっと彼は私のことを一番には見てくれないだろう。そういう確信がある。
いままで付き合ってきた人たちの最後の言葉から察するに、彼は自分の懐に人をいれない。きっと口説くのは美術品ばかりで、こちらに目を向けたとしても冷めているだろう。
2130「寒いぞ? 中で待っていたほうがいいんじゃないか?」
「はは、少し熱くて」
「熱があるんじゃないだろうな」
「いえ、違います」
追及してくる大般若さんにオウムの入った段ボールを押し付けて店内へと追いやる。
(さっきはなんてことを想像してしまったんだろう)
大般若さんのことは正直言えば好きだ。顔も良いし背も高い。お金も持っているし物腰が柔らかい。教えるのが上手くて器用で、美術品を口説くことがなければ優良どころか超優良物件だ。
ただ、きっと彼は私のことを一番には見てくれないだろう。そういう確信がある。
いままで付き合ってきた人たちの最後の言葉から察するに、彼は自分の懐に人をいれない。きっと口説くのは美術品ばかりで、こちらに目を向けたとしても冷めているだろう。
翔田ますみ
PROGRESS年賀絵の小話ラクガキ描いてるんですが、「いや、お前どうした??」てぐらいご機嫌なホークスが描けた。エンデヴァーが隣にいると思うとすごくご機嫌なホークスが描ける。俺たちのNo.1は偉大だ……。
aKi_5711
PROGRESS さくさくと、誰の足跡もない雪景色を踏み荒らす。吐く息は白く、そして上がっている。防寒着はないけれど、自分に守護の魔法をかけているから凍えるほどの寒さは感じない。かつての記憶から引き出して、何とか使えるようになった唯一の魔法だった。
随分遠くまできたような気がする。でも、徒歩だからそんなに遠くまで来てないような気もする。ぼんやりと歩いてきたからわからなかった。思考の代わりに、父に言われた最後の言葉が脳裏に焼きついている。
『俺の妻を殺した魔女め!!』
血走った目に狂気の形相を浮かべる父の元には、もう居られないと思った。
私が生まれたのは魔法使いへの偏見の強い村だった。母はそれでも愛してくれたけれど、父は母がそう言うのなら仕方がないといった態度だった。北の魔法使いにしては魔力がとても弱く人間の振りをできていたので、しばらく……身長が伸び切るまでは平穏に暮らせていた。
5131随分遠くまできたような気がする。でも、徒歩だからそんなに遠くまで来てないような気もする。ぼんやりと歩いてきたからわからなかった。思考の代わりに、父に言われた最後の言葉が脳裏に焼きついている。
『俺の妻を殺した魔女め!!』
血走った目に狂気の形相を浮かべる父の元には、もう居られないと思った。
私が生まれたのは魔法使いへの偏見の強い村だった。母はそれでも愛してくれたけれど、父は母がそう言うのなら仕方がないといった態度だった。北の魔法使いにしては魔力がとても弱く人間の振りをできていたので、しばらく……身長が伸び切るまでは平穏に暮らせていた。