忘羨同人文《琴沉》1夜深了，雲深不知處一片寂靜。

月色皎潔如洗，銀白的光芒灑滿整座山頭。一道修長的身影從靜室中緩緩步出，月光流轉傾瀉而下，為他披上一層淡淡的華光。

藍忘機腰間佩著避塵劍，背著忘機琴，是要出門夜獵的裝束。捲雲紋的抹額迎風飄飄，與幾縷髮絲交纏在一起。
他先去了靜室後方的小庭園。庭園中間種著一顆古樹，樹下此時躺著一群又一群毛茸茸的兔子。
與同門女修所負責照顧的那群山兔子不同，待在這個庭院的兔子，多半都是藍忘機在夜獵過程中，從各種魔物或是野獸口中順手救下的。
那裡幾隻雪白的團子正依偎在一起睡覺，其中一隻似乎察覺到來人的動靜，警戒的動了動耳朵，只望見是藍忘機，便蹦蹦跳跳地撲到他白靴旁。

藍忘機伸手將那團雪兔撈入懷中，修長的指尖輕柔地順著牠的毛，動作溫柔至極。看著兔子那雙紅潤的眼睛，他耳邊回響起一個熟悉的聲音——

　この世界は幸福に満ち満ちている。少年は歳に見合わず誰よりもそれを弁えた子どもだった。
　見よ、慈しみで大地を温めるエーギルの双眸。そのぬくい土を食む穏やかなジョーリアの獣たち。それらに引けを取らないほど優しく彼の名前を呼ぶ最愛の姉の声。
　この幸せは決して当たり前のものではないのだという強迫観念は、常に彼の背をついて回った。彼にとっての人生はいつ崩れるともしれない薄い世界の殻を踏んでいるようなもので、その有り難みも知らずに日々を浪費する他人を蔑む老獪さが少年にはあった。……儚いものが全て尊いわけでもなく、アナクサゴラスが尊敬しているのは最愛の姉の得難い美徳だけではあるけれど。
　風にそよぐ草原と赤土の匂い、吹き抜けるような青空ばかりの少年の視界の中で、美しい姉の心根だけが全ての支柱であると言っても過言ではなかった。生きることすらおぼつかない弟を献身的に看る姉の存在を当然のものと受け止めない良識が幼い少年にはあったし、若くして両親を失い重い仕事と役立たずの家族だけが残された娘が全てを捨てて逃げ出さなかった覚悟と愛を、彼は誰よりも尊んでいた。そんな荒れた手に金貨を降らせることはできなくても、出来る限りの好天と時折の慈雨で応える世界のことも。