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    まったり

    ytd524

    DONE午後24時の待ちあわせ webアンソロ
    お題:待ちあわせ

    前中後編の三部構成です。
    三編とも短いお話なので、お暇つぶしにまったりと読んでいただけますと幸いです。

    中編:https://poipiku.com/2336241/4593197.html
    待ちあわせ - 前編 五条先生と出会って、初めてもらったものは携帯電話だった。

    『僕ってあちこち飛び回ることが多いからさ、予め日時合わせて稽古とか難しいんだよね。君んち、家電もないでしょ? 僕が予定空いたタイミングでそこにメール送るから、鳴ったらちゃんと確認してね。あ、充電切らすなよ? 充電の仕方わかる?』

     言われるがままに押しつけられたそれは、クラスメイトが持っているものと同じ、いわゆる『キッズケータイ』というものであった。シンプルな真っ白色の本体はパカ、と縦向きに開くことができて、液晶画面と数字のついたボタンがそれぞれ配置されている。
     本体に見覚えがあるとはいえ、使い方はからっきしだった俺に、結局五条先生は家まで上がり込みそれらの使い方をいちから教えてくれた。と言っても、自分が普段使っているものと色々仕様も違ったのだろう。『なんだこれ』『え、ネット繋がんないんだけど』『まぁいっか』と、それぞれ適当にいじくり回して必要なところだけ覚えることとなった。(余談だが、キッズケータイに防犯ブザー機能があることを知った先生が面白半分で鳴らしてしまったせいで、その日は隣から思い切り苦情を吐かれることとなった)
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    MOURNING年末に書いたこたつでまったりする現パロ猗窩煉です。完結の予定がないけどみかん食う猗窩煉見て欲しいのでアップします。めちゃめちゃ中途半端に終わってます。年の暮れ、午後3時頃。ストーブで十分に温まった居間の中央に置かれたこたつに、2人は向かい合って座っていた。

    年末の特番をぼんやりと眺めながら、特に内容の無い会話を繰り返して時が過ぎて行く。時折微睡んでは意識を取り戻して、またテレビを眺める。

    そんな穏やかで何気ない日常が何よりの非日常だった。だからこそ、こうして時間を消費してしまうことがどこか惜しくも感じる。

    何か仕掛けてやりたくて、猗窩座は突然こたつから這い出て立ち上がった。
    杏寿郎は相変わらずテレビで流れているお笑い番組に時々ふふ、と笑い声を漏らしながら眠そうに目をこすっていた。

    動かないとわかると、この場で仕掛けてやるしかなくなる。杏寿郎が座って潜り込んでいる横にわざわざ並んで座った。

    「……何をしてるんだ」

    「何がだ」

    欠伸をひとつしながら、狭い、と身を寄せるが、それを好機とばかりに体をねじ込んで居座る。

    「……なんでこっちに来るんだ」

    「この方が温い」

    そう言いながら、ぴたりと身を寄せ合う形で同じ位置に納まる。足元だけでなく、密着したところから広がるお互いの温もりで全身が温かくなってくる。

    しばらくはそう 1817

    Hoopono41030595

    DONE初音さん(@itsuki_40)より頂いたお題:くわぶぜの背中合わせ。

    戦闘の緊張感もまったりお部屋のくつろぎ時間も、背中越しにお互いの鼓動を感じていたらいいな。
    ぺたぺたと素足で廊下を歩く。
    何時間くらい寝ていたんだろうなぁ。大きく伸びをひとつ。
    体はすっかり元気になったが、ずっと寝ていたせいで、なまっているように感じる。
    廊下は薄暗く足元を照らす常夜灯が等間隔で小さく灯っている。
    朝にはまだ少し早いようだ。しかし、真夜中というわけでもない。
    「今、何時だろ。」
    豊前はそんなことをぼんやり考えながら自室へと向かった。

    部屋の障子を静かに開くと中には豊前と同室の桑名が、読んでいた本を置いて、静かに微笑んだ。
    布団は敷かれていない。

    「おかえりー。」
    「おー、お前の方が早かったのか。ところで今何時?」
    「今は、朝の5時。僕は6時間とちょっとだったから。豊前は7時間半だったかな。」

    そっか、結構な傷だったんだな。
    でも治ってよかったね。
    お互い重傷を食らって、手入れ部屋に直行したのが昨日の夜。
    手入れ時間を確認し合い、そして無事を確認し合う。

    「どうする?布団敷く?」
    桑名の提案に豊前が首を横に振る。
    「いや、いいよ。よく寝たし。ここがいい。」
    言いながら、腰を下ろしたのは本をもって胡坐をかいた桑名の背中側。
    その背中に自分の背中をくっつける 1327

    mlw_hysns

    MOURNING夫婦以上恋人未満 / ユキモモ
    まったり拗らせる予定だったやつ そのいち
    ほどなくして、からからと軽い音をたてて脱衣所の戸が開いた。頭からタオルを被って湿った髪をがしがしと粗く拭うモモは「わ、びっくりしたあ」と僕と目を合わせて驚き、それからおかしそうに眉を下げて笑う。
     くすぐるような花の香りとともに湯上りの熱を放つ肌の柔らかさを、いますぐ触れてたしかめたくなる気持ちに駆られた。何度、この衝動に身を任せてしまおうと流されそうになったことか。
     だけどモモはそんな僕の心中を知るはずもないから、「ビールもらっていい~?」とあっさりリビングへ去ってしまおうとする。ほんのすこしの勇気を伸ばして、その手首をなんとか掴んで引き留めた。焦りに脳を溶かされて、呼吸がだんだんと浅くなる。さっきまで風呂に浸かってたおかげでたっぷりのぬくもりに満たされているはずのその体よりも、僕の手の方が熱かった。
    「え? なに、どうしたの?」
    「モモに、渡したいものがあって」
     心臓が口から飛び出そうなのも、優雅に笑って包み隠す。後戻りがきかなくなり、ますます激しくなっていく鼓動が滑稽だった。モモの瞳に浮かんだ疑問を、言葉にのせてぶつけられてしまうまえに、上から手のひらで覆って光を奪い去る。
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