もぶ
莉 紗
DONE謎世界観ニキひい※ネームドキャラによるモブ殺しの描写があります。
月で輝くナイフより 日がとっぷりと暮れた、夜半前。天城邸の裏手に茂る森では、凍える風が樹々の隙間を吹き抜けるのもお構いなしに、梟の親玉が鳴き声を太く短く奏でている。ここからは自分達の独壇場だ、とでも言っているかのようだ。次第に高く掠れた声、低く伸びやかな声が重なっていき、森の小さな合唱団によるコンサートが粛々と始まった。
天城邸の森側には硝子窓が嵌められた廊下があり、耳をすませば彼らの歌声を聴くことができる。厨房の入り口はこの窓に面しているため、深夜に利用すれば聴衆になれるのだが。厨房に一人残っているニキは興味を持たず、廊下を素通りする日々を過ごしている。この時間、ニキが聞きたいのは待ち人である一彩が近づいてくる音のみなのだ。革靴が絨毯越しに床板を叩く音は、食事の準備を進めるニキに幸せな時間の始まりを告げてくれる。軽やかで時に忙しなく響くそれに、ニキは毎夜胸を高鳴らせていた。
6917天城邸の森側には硝子窓が嵌められた廊下があり、耳をすませば彼らの歌声を聴くことができる。厨房の入り口はこの窓に面しているため、深夜に利用すれば聴衆になれるのだが。厨房に一人残っているニキは興味を持たず、廊下を素通りする日々を過ごしている。この時間、ニキが聞きたいのは待ち人である一彩が近づいてくる音のみなのだ。革靴が絨毯越しに床板を叩く音は、食事の準備を進めるニキに幸せな時間の始まりを告げてくれる。軽やかで時に忙しなく響くそれに、ニキは毎夜胸を高鳴らせていた。
nappa_fake
DOODLE #mirm夢azm夢/azm視点/幼馴染/付き合ってる/甘〜い/モブ有
すり減るあの子に注ぐ 四月も後半のある日。私、アミィ・アザミは書類を手に爪隊の執務室へ向った。
「キマリスはいるか?」
「いるよー」
部屋の奥でヒラヒラと手を振るキマリスに、書類を渡す。
室内に幼馴染の彼女の姿はなかった。定時も近いため、いるものと思ったが。
「先日、バビルスから受け入れた研修生の成績だ。座学は問題ないが、体力に難がある」
「レビアロンとジャポカも同じだね。今年はそういう傾向なのかな。基礎訓練に体力増強のメニューを追加しようか……」
研修生の成績を広げて相談していると、執務室の扉がガラガラと開き、彼女が入ってきた。――顔色は蒼白で、口はへの字に歪み、肩を落として背中を丸めている。おまけに、その背後には爪隊の若手が付きまとい、「話聞くよ? 飯奢るからさ」「もうあんな奴のところに行かなくていいようにキマリス様に言おうか?」「大変だったよね」としきりに言い立てている。
2680「キマリスはいるか?」
「いるよー」
部屋の奥でヒラヒラと手を振るキマリスに、書類を渡す。
室内に幼馴染の彼女の姿はなかった。定時も近いため、いるものと思ったが。
「先日、バビルスから受け入れた研修生の成績だ。座学は問題ないが、体力に難がある」
「レビアロンとジャポカも同じだね。今年はそういう傾向なのかな。基礎訓練に体力増強のメニューを追加しようか……」
研修生の成績を広げて相談していると、執務室の扉がガラガラと開き、彼女が入ってきた。――顔色は蒼白で、口はへの字に歪み、肩を落として背中を丸めている。おまけに、その背後には爪隊の若手が付きまとい、「話聞くよ? 飯奢るからさ」「もうあんな奴のところに行かなくていいようにキマリス様に言おうか?」「大変だったよね」としきりに言い立てている。
tyouko_ninnin
DONE雑伏、メリバ。年齢不確定(伏木蔵4年生か5年生ぐらい)
読み取り方では怪我or欠損の匂わせ。
モブのような第三者視点で進みます。
誰も当てはめられなかった。好きな在校生で想像してください🙇♀️
作者はメリバ共依存が好物です。よろしくお願いします。 764
takami_mp
DONEシテイシティ5展示①2025年4月11日新刊『きらきらとかがやくもの』モブ×霊幻 全年齢
長めの見本です。(イベントの時より減らしたので中途半端ですみません)とらのあな様委託中です。
https://ecs.toranoana.jp/joshi/ec/item/040031231448 36
nappa_fake
DOODLEazm/幼馴染/付き合ってる捏造しかない/甘〜い/モブ有
繁忙期の充電係 四月はとにかく忙しい。爪隊も牙隊もいつも慌ただしいけど、四月は群を抜いている。
新人や研修生の受け入れ、お役所的手続き、春に盛って暴れる魔獣や悪魔の制圧、要人警固任務の増加……。あたしはペーペーだから、言われた仕事を走り回ってこなすだけ。
でも、責任のある立場の悪魔は違う。
キマリス様の顔色は日に日に悪くなるし、アザミくんの眉間のシワもどんどん深くなる。
「アミィ大佐、お疲れ様です」
「……ああ」
たまに廊下ですれ違っても、アザミくんは険しい顔で軽く頷くだけで、早足で歩いて行っちゃう。
ここしばらく、アザミくんの家に行ってない。たぶん、あたしだけじゃなくてアザミくん自身も帰ってない。署内の仮眠室を使っているかどうかも怪しい。 シャワーは浴びてるみたい。たまに髪が濡れてるし。
2430新人や研修生の受け入れ、お役所的手続き、春に盛って暴れる魔獣や悪魔の制圧、要人警固任務の増加……。あたしはペーペーだから、言われた仕事を走り回ってこなすだけ。
でも、責任のある立場の悪魔は違う。
キマリス様の顔色は日に日に悪くなるし、アザミくんの眉間のシワもどんどん深くなる。
「アミィ大佐、お疲れ様です」
「……ああ」
たまに廊下ですれ違っても、アザミくんは険しい顔で軽く頷くだけで、早足で歩いて行っちゃう。
ここしばらく、アザミくんの家に行ってない。たぶん、あたしだけじゃなくてアザミくん自身も帰ってない。署内の仮眠室を使っているかどうかも怪しい。 シャワーは浴びてるみたい。たまに髪が濡れてるし。
ゆずる
DONEフリーの戦忍こへと6年生金の成長IFこへ金一周回って女装に抵抗なくなった金吾はおっぱいのついたイケメンに見えるはずなんで!
女装姿でモブ娘さん助けたりお嬢様言葉(?)使っている金吾が見たかったんだ 5
touzi1110
DOODLE『彼岸へ続く赤い糸』番外編陰間茶屋の番頭をしていた男が転生してドドピニャと出会うお話(ドドピニャ←モブ)
※注意事項※
・彼岸シリーズを読んでないと意味不明
・名無しモブがでしゃばる
・ドドピニャ要素薄め
よく分からない展開が続きますのであまり深く考えず、優しい目で閲覧して下さい パスは鍵垢にあります 5171
mendakoh
DONEOn the stage!! ~愛なき時代に生まれたわけじゃない!~『ダーリンランデヴー!』第3イベント『𝙈𝙤𝙧𝙣𝙞𝙣𝙜 𝘾𝙖𝙡𝙡 𝙊𝙣 𝙎𝙪𝙣𝙙𝙖𝙮』のイベント絵とらくがきです。※夢の中の住人(モブ)も含まれています。 2
花月ゆき
DONEモブ♀が偶然見かけた赤安。モブ視点です。第7回お題「映画」 四月に入ったとはいえ、夜になるとまだまだ寒い。傘をさすほどではないが、小雨まで降ってきて気が滅入る。
午後二十三時過ぎ。残業を終えて疲れた身体にこの寒さは堪えるな、と思いながら、施錠して会社を出た。
会社の前にある大きな横断歩道を渡り、ひとけの少ない道を歩く。そこで、どこからか人のうめき声のようなものが聞こえてきた。近くに具合の悪い人でもいるのだろうか。声の聞こえてきた方向へ歩き出し、あたりを見渡すと、路地裏に二人の男性がいた。
ひとりは金髪の男性で、腕を怪我しているようだった。うめき声の主は彼だろう。
もうひとりは黒髪の男性で、金髪の男性の腕にタオルを巻きつけている。止血とはいえ、傷口を押さえらえると痛みが強く出るのだろう。金髪の男性は苦しそうに息をついていた。
2758午後二十三時過ぎ。残業を終えて疲れた身体にこの寒さは堪えるな、と思いながら、施錠して会社を出た。
会社の前にある大きな横断歩道を渡り、ひとけの少ない道を歩く。そこで、どこからか人のうめき声のようなものが聞こえてきた。近くに具合の悪い人でもいるのだろうか。声の聞こえてきた方向へ歩き出し、あたりを見渡すと、路地裏に二人の男性がいた。
ひとりは金髪の男性で、腕を怪我しているようだった。うめき声の主は彼だろう。
もうひとりは黒髪の男性で、金髪の男性の腕にタオルを巻きつけている。止血とはいえ、傷口を押さえらえると痛みが強く出るのだろう。金髪の男性は苦しそうに息をついていた。
miri
DONE2025年のシテイの日のお題、「まじめな顔しながらふざける師弟」です。
中2のモブくんと霊幻師匠の平和な会話です。
くもりときどき「あー。空からラーメン降ってこねえかな」
しとしとと雨の降る昼前の事務所内で、雨空を見つめながら霊幻は言った。
藪から棒な発言を聞いて、モブは霊幻の座る席のほうへ目を向ける。
今日は土曜日なので、中学校は休みである。受付席でもくもくと宿題をこなしていたモブが口をひらく。
「お腹すいてるんですか」
「あぁ。今すごくラーメンの口だ」
「ラーメンか……」
シャープペンシルを持っていた手を止め、モブも霊幻と同じようにブラインドの向こう側を眺める。
「……僕はハンバーガーが降ってきてほしいな」
「あー。いいな」
雨の降る空を二人で眺めながら、ふたりは無表情でその様子を想像する。
「……くもりときどきミートボールって知ってるか」
1600しとしとと雨の降る昼前の事務所内で、雨空を見つめながら霊幻は言った。
藪から棒な発言を聞いて、モブは霊幻の座る席のほうへ目を向ける。
今日は土曜日なので、中学校は休みである。受付席でもくもくと宿題をこなしていたモブが口をひらく。
「お腹すいてるんですか」
「あぁ。今すごくラーメンの口だ」
「ラーメンか……」
シャープペンシルを持っていた手を止め、モブも霊幻と同じようにブラインドの向こう側を眺める。
「……僕はハンバーガーが降ってきてほしいな」
「あー。いいな」
雨の降る空を二人で眺めながら、ふたりは無表情でその様子を想像する。
「……くもりときどきミートボールって知ってるか」