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    ろひ

    haroharo_hr

    MAIKING2025年2月常ホーオンリー「地の星見おろす鳥が2羽」にて発行予定の本の冒頭部分サンプルです。内容としては別れ話から始まってなんやかんやで最終的に結婚する常ホーです。本当は途中のデート部分も載せる予定でしたが添削が間に合わなかったのでド冒頭のみです。常闇プロヒ、ホークス羽なし会長軸を想定してますが掲載部分ではほぼ関係ありません。
    0から始まるハッピーエンド「俺たち別れよっか」

    ホークスから投げかけられた言葉に思考が止まる。グラスの中の氷がカラリと溶ける音がひどく耳についた。
    前触れはなかったように思う。少し時間ができたからとホークス行きつけの店だという定食屋で舌鼓を打った。「時間ができた」という言葉に嘘はなかったらしく、食べ終わっても世間話をする余裕があったのは働きすぎるきらいのあるホークスにしては良い傾向だろう。話していた内容もいたって普通だ。先日久方ぶりに会った元級友たちとの交流についてや近頃話題になりつつある常闇の活躍についてなど。主に常闇が自身の近況について語って聞かせる形であったが、興味深げに聞くホークスの姿を見るのは嬉しかったし、時折僅かに零される愚痴の皮を被せた甘え(と常闇は思っている)を受け取れる立場にあることも喜ばしく思った。
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    DONE翠風ルートのクロヒル+ロレマリ本
    「かのひとはうつくしく」のboostお礼冊子に載せた小説の全年齢版です。
    「かのひとはうつくしく」本文はこちらで全て読むことが出来ます。
    https://horreum.sub.jp/teg/?cat=novel3

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    https://111strokes111.booth.pm/items/5447195
    「雷雨」子孫繁栄は民草から皇族までありとあらゆる階級の願いだ。爵位がある貴族の家ともなれば子を成すことは大前提で、それが紋章を受け継ぐ男子であれば尚良いとされている。マリアンヌを見そめたグロスタール家の嫡子は周囲の期待を裏切ることなくグロスタールの紋章を持つ男子として生まれた。彼の御母堂はきっと安堵の涙を流したのであろう、とエドマンド辺境伯は思う。一方で養女のマリアンヌはモーリスの紋章を持たずに生まれてくることを期待されたが、実父から呪いを受け継いだ。行方不明になった妹と彼女の夫のことを思うと呪いが解けた今でさえ───辺境伯は未だに涙を禁じ得ない。
     寂しくもめでたいことがあり、呑みすぎたエドマンド辺境伯は真夜中に目が覚めてしまった。目覚めてよかったのかもしれない。辛うじて上着は脱いでいたが寝巻きに着替えてもいないし、何もかぶらずに寝てしまったので耳や頭が冷え切っている。喉の渇きを潤すために杯に注いだ水差しの水も冷え切っていた。
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