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    ろひ

    111strokes111

    DONE翠風ルートのクロヒル+ロレマリ本
    「かのひとはうつくしく」のboostお礼冊子に載せた小説の全年齢版です。
    「かのひとはうつくしく」本文はこちらで全て読むことが出来ます。
    https://horreum.sub.jp/teg/?cat=novel3

    通販はこちら
    https://111strokes111.booth.pm/items/5447195
    「雷雨」子孫繁栄は民草から皇族までありとあらゆる階級の願いだ。爵位がある貴族の家ともなれば子を成すことは大前提で、それが紋章を受け継ぐ男子であれば尚良いとされている。マリアンヌを見そめたグロスタール家の嫡子は周囲の期待を裏切ることなくグロスタールの紋章を持つ男子として生まれた。彼の御母堂はきっと安堵の涙を流したのであろう、とエドマンド辺境伯は思う。一方で養女のマリアンヌはモーリスの紋章を持たずに生まれてくることを期待されたが、実父から呪いを受け継いだ。行方不明になった妹と彼女の夫のことを思うと呪いが解けた今でさえ───辺境伯は未だに涙を禁じ得ない。
     寂しくもめでたいことがあり、呑みすぎたエドマンド辺境伯は真夜中に目が覚めてしまった。目覚めてよかったのかもしれない。辛うじて上着は脱いでいたが寝巻きに着替えてもいないし、何もかぶらずに寝てしまったので耳や頭が冷え切っている。喉の渇きを潤すために杯に注いだ水差しの水も冷え切っていた。
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    花子。

    PROGRESSジュンブラ 個人誌の人魚パロひよジュン小説です!
    網にかかって水揚げされちゃった人魚のジュンくんが苦労しながら陸のカフェでバイトする話。おひいさんはお客さん。
    この話だけちょっとキナ臭いんですけど、あとはほのぼのゆるゆるうっすらラブコメになると思います。
    ようこそマーメイドカフェテリア(仮)◆採れたて新鮮海藻サラダ

    「しゃーせー……ランチどーっすか」
    「ごめんね、悪いけど間に合って……、えっ?」
    レンガ敷きの街中を軽やかな足取りで散歩していた日和は、突如かけられた声の方へチラリと目を向けて、そして思わず足を止めた。
    日和はこの街を治める一族の子息だ、毎日なにかと多忙なのである。つまらない事に時間を使うつもりは無いし、ランチならこの後お気に入りのカフェでとる予定を立てているので、ただの客引きであったなら軽くあしらって通り過ぎるつもりだったのに。そこにいたのは『ただの』客引きではなかった。
    庭のある煉瓦造りの小さな一軒家を改築して造られたカフェテリア、それをぐるりと囲むレッドロビンの生垣の途切れた入口に、それはそれは大きな木製のワイン樽がある。人間一人がスッポリと入る程のサイズ感、実際、声の主であろう濃紺の髪色をした青年の何もまとっていない上半身が覗いている。それから……日の光を受けてキラキラと鱗が煌めく魚の尾びれも。
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