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    キッカ

    HdkL_o

    TRAININGファンブックに寄稿していた一般人とアイドルパロのキッカケの妄想です。多分ちょこっとずつ考えていって最後には本にするかもしれない
    見つけた星の名前は俺はアイドルが大嫌いだった。理由は色々あるが特に大きな原因は父親のこと。自己の人格が成り立つ前からの多大な期待は、幼い俺の心を壊し憧れから忌むべき対象へと変化を遂げた。別に他のアイドルが悪いってわけじゃない。ただ、俺がそれを苦手としているだけで。
    しかしいつのことだったか、普段ならすぐに変える音楽番組をなんとなく聞き流していた時だっただろうか。歌番組特有の色々なジャンルの歌い手たち声を聞き流していると、するりと耳に残って忘れたくなくなるようなキラキラとした声がした。

    「明星スバルです!みんな、今日はぜ〜たい特別な日にするから画面の向こうのみんなも、君たちも!俺と楽しもうね!」

    どんな奴か気になり顔をあげる。すると声だけではなく、瞳もまるで夏の澄んだ青を閉じ込めたかのようにキラキラと輝く、アイドルがそこにいた。普段の俺ならばそこでリモコンを手に取りテレビの電源を落としていただろう。でも、なぜだか見逃しては行けないような気がして。気がつくと手に持っていた本に栞を挟んで手元におき、彼のパフォーマンスをじっくりと眺めていた。
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    スズ🍠

    DONE★水都史実二次。人を選ぶ要素含むので前書き確認PLZ
    ☆ENJ度4/5

    なお袁可立が本気出して魏忠賢に逆らい始めたのは本当は天啓6年の高攀龍の死がきっかけらしい 今回の彼の口ぶりは五幕の高攀龍と結構被らせてます。皮肉の意味で。
    弱いから中立でしかいられない徐光啓と強いから中立でも平気な袁可立の対比が好き
    歴史上でもこんな感じ
    橄欖之苑 第十一幕「元気がないな」
    そんな何気ない声かけに応じるのにも、今は気力が必要だった。
    「こんな時に、お前は元気でいられるか?」
    ようやく返事をすれば、今度は相手の方が口をつぐむ番だった。
    「中立のお前には関係のないことか」
    「嫌な言い方をするな。君だって、同じ立場じゃなかったのか?」
    交わす言葉に棘が混じる。
    朝廷の政変は恐れと焦燥を呼び起こし、俺たち二人も含め多くの者から心の余裕を奪ってしまっていた。

    目の前には、広い湖面が横たわっている。
    順天府の西門である阜城門を抜けて二、三里ほど行くと、玉淵潭という古くからの景勝地がある。玉淵潭はいわゆる大運河の水から生まれた湖で、湖畔には花木が生い茂って天然の園林となり、文人たちが霊感を求めて訪れるほか、清明節や上巳節の折には踏青に出かける市民たちで賑わう場所だ。城壁外と言っても街から遠すぎず、今は特に見頃の花もないため人出もない。「密談」には良い場所だろうと思ったのだった。
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    mitaka

    DONE開門フェス2開催おめでとうございますー!!!

    弟子大好きなフィガロとまだ素直になれないファウストが歩み寄るきっかけのお話です。
    フィガロがめんどくさかったり、弱気になったりしますが、悲しい話ではありません。
    ※嵐の谷の様子や師弟時代などなど、捏造満載です。

    後日、年齢制限部分の続きとファウスト視点の短編を加えて、支部に掲載したいと思っています。
    ブルーモーメントに染まる朝いつからこうしていたのか。
    それすらわからなくなるほど、緋色の焔に冒されて、次第に現の感覚を失っていく。
    確かなのは、そこにきみがいて、そこに俺がいるということ。
    ただそれだけ。

    それだけのことが、なぜこんなにも苦しくて、なぜこんなにも幸福なのだろう。







    ◇◇◇

     ひと目見て、ああ今日は一等気分が良いのだ、ということがわかった。薄檸檬の柔らかい空気の色と、可愛いらしい幸福の小花。それを全身に纏っていることが可視化できそうなくらいだ。口元は軽く緩んでいて、心なしか笑みを浮かべているようにも見える。本人は周囲には漏れていないと思っているのかもしれないが、その実、自身の内に正直で、存外顔に出やすいタイプなのだ。何よりも、拒否されず対面で食堂の席に座っていられることが大きな証拠だった。悲しいけれど、普段ならこんなにあっさりと近くに寄ることはできないから。
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