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    サメ

    hiro16jbsssm

    DONEオバキルゲーム中の先生の思考の覚え書きと、その後のSS的な物
    兄への好感度と価値観からして、先生が先にししさん気に入ったよなという話
    ししさめ前提ですが、健全です
    ※原作巻末絵ではゲーム後お泊りした感が有りますが、帰宅したお話です
    騒々しい子狐との出会いについて 今となってはお人好しで世話焼きのマヌケと評するしかない男への第一印象は「騒がしい男だな」という一点だった。
     パーティーと偽って呼び出された賭場に私と同じく真経津の被害者として現れたCCの宛先らしき男は、何某か真経津に対して悪態を吐いている様子や表情からして立派な体格に見合って声も大きく煩そうだ、というのがまず最初に思ったことだからだ。
     となれば、まだ耳が聞こえないのは幸いだったなと考えていた矢先、こちらに向けられた視線と苛立ちの感情に対して短く問い掛けの形で答えると、思わぬ反応を返された。
     竦みそうな恐怖と動揺を隠して不遜な面持ちで受け答え、興が冷めたとばかりに視線を外し再び真経津に絡みながらも、潮が引くかのように失せた憤りの感情と入れ替わりに目線や口元や仕草の端々に滲む昂揚や好奇心を伺い見て、初めておや、と彼に幾許かの関心を持った。
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    胡白(こはく)

    DONEさめしし/LiA後のさめししがハワイに行く話 
    さめ→ししです
    【#2023しょくさい  書き下ろし】

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    Longing for Hawaii「獅子神さん、お仕事中にすみません!お客様がいらっしゃってますが……」
     仕事部屋の扉をノックした園田の声が聞こえる。来客の予定などなかった獅子神は、仕事部屋のパソコンに目を向けながら「来客?誰だ?」と声を返す。すると間髪入れずに扉がガチャと空き、見慣れた黒髪の男が立っていた。
    「私だが」
    ……園田が扉の脇で慌てている。おそらくインターホンを押し、獅子神と用事があるなどと噓を吐き、玄関を開けた瞬間に勝手に中に入ってきてこの有様なのだろう。もうこの男の横暴ぶりにも嫌でも慣れたものだった。
    「ったく、来るなら連絡くらい寄こせよ、村雨……それで、今日は何のご用事で?」
    「往診だ。ありがたく思え」
     とんだ押し売りな医者が居たものだと呆れかえるが、かの有名な黒ずくめの無免許医のように法外な治療費は請求されないだろう。今取り掛かっている作業を終えてから行くので、リビングで待っていてもらうように彼に伝えた。
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    takamura_lmw

    DONE🎉ししさんお誕生日おめでとうございます🎉
    ししさんお誕生日のさめしし、もしくはししさめです。
    一月に書いたさめせんお誕生日SSの続きです。

    あなたのこれからの人生が、あなたにとって素晴らしいものでありますように。
    できれば長生きしてください…頼む…ギャンブルなんかやめろ…ワンへなんか行くな…
    「誕生日、おめでとう」『村雨、八月二十七日って空いてたりするか』
     恋人の声を聞いた途端、村雨礼二はいざという時の切り札に確保していた上司の弱みを、ここで行使することを決めた。空いた片手で猛然と上司にビジネスチャットを打ちながら、頭の中では担当の患者とそのタスクについて素早くチェックをかける。どうしても村雨でなければならない仕事はないはずだ。あのネタをちらつかせれば上司は確実に休みを寄越すだろう。
    「休みは取れる。どうした」
    『即答だな』
    「偶然ここのところ手が空いていてな」
     嘘だった。所属する医局もいわゆる「バイト」先も相応に多忙だ。だがそれを彼に悟らせるつもりはさらさらなかった。
     村雨がここまで即座に恋人の―――獅子神敬一の、願いとも言えないような言葉に応えたのは、彼の声になにか特別なものを感じたからだった。不安でも、歓喜でもない。怒りでもなく、愉楽でもない。ただどこか尋常でなく、特別なもの。絶対に逃してはならないなにか。ほとんど第六感のようなものだが、村雨はそういった感覚を重視する性質(たち)だった。
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