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    ベスト

    で@Z977

    DOODLEベスト・フレンド
    グスの特別でありたいマヴのお話。スラとマヴが話してたりスラとグスが話してたりグマちゃんが話してたり。
    派生元ついまとめ➠https://min.togetter.com/d4IG7NA
    この後のスラアイ
    ➠https://privatter.net/p/9802800(べった)
    ベスト・フレンド 本当は、どこかで少しだけ、おれはグースの特別なんだと思っていた。
     グースに言われる沢山の「かわいい」がおれの望む意味じゃなくても、その言葉をくれるのなら、彼にとって「かわいいマーヴ」でありたかった。



    ――……アイス……、…かわいい……


     ドアの向こうから漏れ聞こえた声が、脳内でずっとリフレインしている。鼓膜にこびりついたそれは繰り返す毎に鮮明な音に変わった。グースの声だった。会話の内容まではわからなかったけれど、「アイス」と「かわいい」の二つの単語だけは確かに捉えていた。


     ざわざわと耳鳴りがした。殴られたように視界が眩む。
     おれの特別が、奪われていく。



    ―――



     これまでもグースがアナポリスの頃から見知った連中と談笑をしているときに、得も言われぬ寂しさがマーヴェリックを襲うことは幾度もあった。ましてやトップガンに来るほどの優秀な人材にはアナポリス出身者が多く、顔の広いグースが行く先々で旧知の仲を深めるのを、傍らで微笑ましく、同時に多少の歯痒さをもって眺め続けた。
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    seeds_season

    DONEミス晶♂風味。「呪いと祝福――あるいは奇跡について」の、魔法使い側から見たお話。内容はほぼ一緒ですが晶が寝ている間に何があったかはこちらに書いてます。

    ※まほやく初心者につき、未読イベスト・カドストが山のようにあるので、あちこち設定等で矛盾あると思われ。
    ※魔法に関する捏造が色々あります。ふわっと読んでください。
    祝福と呪い――あるいは奇跡について 《賢者》は異界からやってくる。
     それは悠久の彼方から続く習わしだったから、疑問を抱くことすらなかった。
     異界から召喚された賢者と、その賢者の力で世界中から集められる二十名の《賢者の魔法使い》。彼らの活躍により《大いなる厄災》の襲来は阻まれ、世界の平和は保たれる。
     この仕組みは一体いつから、どのようにして始まったものなのか。その記録は残っていない。
     そして当代の賢者――真木晶もまた、歴代の賢者に倣って召喚された。
     いつもと違っていたのは、彼が召喚された夜――正確にはその直前まで、賢者の魔法使い達が戦っていた《大いなる厄災》が、例年にない規模だったこと。
     どうにか撃退には成功したものの、賢者の魔法使いはその数を半数に減らし、また各地の被害も深刻だ。
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    tono_bd

    DOODLE昨日のイベストの熱が冷めずに書き殴りました。
    正しい相手に贈らないと戻ってきてしまう花束を押しつけられたフィガロの話。
    カプ未満くらいの絵本のような優しい話を目指しましたが、実際どうかは分かりません。
    ネロ、ラスティカ、シャイロックが友情出演します。
    押しつけられた花束を持て余すフィガロの話 花束をもらった。
     正しくは、中央の国の市場にある花屋で人間の花売りに強引に押しつけられた。
     薬の調合に使う材料や包帯を買い足そうと市場を歩いていたら、その花屋のワゴンの前で微かな魔力に反応して目線を向けてしまった。すると見計らったかのように店主が現れて、「これはあなたが持って帰って。気に入ったみたいなの、お代は要らないから」と花束を押しつけてきた。早々に厄介払いがしたかったのだろう。花束にかけられていた魔法は呪いの類いでは無いけれど、商品としては欠陥品だ。
     つまりは、正しい人が正しい人に渡さないと元の場所に戻ってきてしまう。そういう面倒な魔法がかけられていた。難しい魔法では無い、条件を満たせば良いのだ。けれど人間には持て余してしまっただろう。どうしてその花束が人間が営む花屋にあったのかも謎だが、自分がその正しい人の片方に選ばれてしまった理由も謎だ。
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    potyakouuu

    DONEキャプション
    〇以下の設定は、本作品の中で捏造したものです。公式の作品、設定とは一切関係がありません。
    ・ネロの厄災の奇妙な傷
    ・メインキャラと関わりがあるオリジナルの魔法使い

    〇「哀愁のひまわりのエチュード」のイベストに登場した魔法使い(ビアンカ)が出てきます。当該イベストのネタバレを若干に含みますので、ご注意ください。
    (イベスト未読でも問題なくお楽しみいただけるような内容になっております)
    1.
    ふわふわとした毛玉が浮いている。
    いくつものその白い塊は、果ての見えない草地の上を跳ねていく。草は青々として朝露を浴びたように瑞々しいのに、空は目が痛いほどの茜に染まっていて、なんだかあべこべだ。そこに浮かぶ細切れの雲はだんだんと形を変えて、しまいには草地を飛ぶ白いふわふわに混ざり始めた。
    伊達に600年ほども生きていない。所謂絶景と呼ばれるような景色や奇妙な現象との出会いはありふれているし、つまりは少し奇妙なこの景色に感嘆の声を漏らすことはない。今、意識が向くのはこの空間を包み込む、俺の知らない、この生暖かい気配だけだ。
    「あぁ、またやっちまった……」
    覚えがあるが、確実に自分のものではない気配を感じながら、その主であるがたいの良い彼の、羊を見守る柔らかな微笑みを思い出す。と、同時に寝る前の俺に恨み言を連ねた。いくら、任務にオーエンやミスラの料理のリクエストにと忙しくて疲れていても、就寝前に結界を張り忘れるなんて。少しずつ身についてきたと思った寝る前の習慣も、疲労で鈍った脳の前では、塵と消えたようだった。
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