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    メルト

    yo_lu26

    MENU展示①【メルト・ザ・ハート2】ジェイフロイベ
    2023年4月14日(金) 22:10 ~ 4月15日(土) 22:00
    観○少女パロシリーズの新作①「ラッキードールは貧乏青年の夢をみる」のフロイド視点のお話です。ふわふわ甘々です。単品でも読めますが、過去作を読んでからだとさらに味わい深いと思います。
    微睡み人形は待ち侘びた人の色を知るずっと待っている。眠りながら待っている。夢の中で微睡みながら、迎えられるときの甘美な幸福を胸に抱いて。
     眠っている間、オレの目の前にあるのはどこまでも乳白色の世界だった。夢なのかどうかも判然としない。ここにはなんにもなくて、全てがある。近すぎてなんにも見えないのか、遠すぎてなんにも見えないのか、全てがあやふやな世界。世界がはじまっていないのだ。まだ出会うべき人と出会っていないから。今のオレは、もっているものなんてなにひとつなかった。なんにも見えない。なんにも知らない。声さえ持たない。だけど、ただ誰かを待ち焦がれていた。オレたちは皆、そうやって王子様を待っている。
     時々、誰かがオレにあたたかいミルクをくれた。オレは気分によっては、そのミルクを飲んだり飲まなかったりした。ある日はカップが冷たくて気に入らなかった。ある日はミルクの温度が熱すぎて嫌だった。カップの舌触りが気に入らなくて、一口で飲むのをやめてしまうこともあった。昨日はおかわりまでしたのに、今日は一滴も飲みたくなくて嫌だ、なんてこともざらにあった。オレを育てた誰かも、ここでミルクをくれる誰かも、オレの気まぐれには苦労していたようだった。特別な「誰か」に迎えにきてもらうために、オレに必要な「躾」は彼らからひととおり教わっていて、教えられたことは乗り気ならなんでもできたけれど、そうでないときは力が入らなくて、ぐんにゃりと椅子に伸びてサボってしまうこともあった。
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    エミリオ_二次創作置き場

    DONE【ツイステ】弊監督生♀がどんな経緯でNRCに来たのかなという妄想の産物。ゲーム未プレイでも読めると思います。

    ⚠️ユウ呼び。監の過去は全て捏造です
    ⚠️元の世界に絶望している設定です
    ⚠️世界情勢への言及がありますが、特定の国を指すものではありません

    「もし、監がNRCに留まりたいor元の世界に帰りたい理由が無いとしたなら」という仮定のもと、書いてみました。

    2023/04/04
    箱の中で眠れるのなら薄暗い闇の中、目を覚ました。

    どうやら眠っていたらしい。
    そう気づいたのは、爆撃音が鳴り響き瓦礫の崩れる音がしてからだった。

    空襲警報、救助隊のサイレン、そしてこの世の憎悪の全てが破裂したかのように凄まじく轟く音。

    日常的にこの音を聞くようになってからどれくらい経ったのだろうか。
    自分の手足があることを確認しながら、ユウはぼんやりと考えた。

    我ながらこんな中でよく眠れたものだと嘲笑しつつも、寝不足の頭と身体は、多少でも休みにつけたことを密やかに喜んでいるようだった。
    今回は少し遠くから音が響いてきた。西の橋のあたりが狙われたのかもしれない。あの辺には、いつもお世話になっていた市場があった。



    私の生まれた国は、それなりに広い領地を持っていた。過去には幾度もの侵略戦争が起き、それが終結するごとに領土が広がったり縮んだりしたのだと、祖母から聞いた記憶がある。
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    リク@マイペース

    DONE0311
    写真を撮るグレシル。久々に着色!あー楽しかったー!
    この絵気に入ってるので、本にする時使いたいなぁー…顔漫画にして本にしようかな…
    (※重かったので画質まあまあ下げてます)

    明日(12日)ははぐしるですね~!参加する皆さんが楽しめると良いなぁ(*'ω'*)
    また参加したいな…委託で…(直接参加したいけど行ったことない&交通機関に慣れていないから一人で慌てそうな予感が)

    あ、本は委託参加で自分自身は場所と交通機関に慣れるために一般参加とか…アリかも…!

    以下小話
    「綺麗に撮れているかしら〜? …あ! ちょっと! 貴方よそ見してるじゃない!」
    「す、すまん。お前の方を見ていて、話をよく聞いていなかったのだ」
    「もぉ〜! せっかくバッチリ決めたのに〜! もう一回撮るから今度はちゃんと前を向くこと! わかった?」
    「う、うむ。了解だ」
    「じゃあ撮るわよ〜!」
    「(カメラを見るより、最高の被写体であるゴリアテを見ている方が俺としては良いと思うのだが…)」
    「ハイ! 今度はちゃんと出来てるわよねー…ってまた!? ちょっともうグレイグ!」
    「もう撮ったのか!?」
    「撮るわよって言ったでしょう!? 貴方ねぇ!」
    「本当にすまない! 今度は間違いなく正面を向くと約束する!」
    「…本当?」
    「本当だ!」
    「じゃあもう一枚撮るから、今度こそちゃあんと前を見ること!」
    「まかせろ!」

    「…何あれ。ゴリラのくせにシルビアと一緒に映るなんて…許せない!! 行くぞカミュ!!邪魔しに!!」
    「ゴリラは関係ねぇんじゃねぇのか…ってもういねぇし…。あと俺はとばっちり食らいたくねぇから行かねぇぞー」(棒読み)
    小話おわり

    uhouho_saying

    DONEオベぐだ♂Webオンリー『奈落の底より青空のきみへ』 開催おめでとうございます!
    お2「飴色になるまで」にてサークル参加致します。

    受肉後、同棲設定のオベぐだ♂SSです。
    同時にPixivに掲載するオベぐだ♂既刊全文再録(R-18)の軸の小話になりますので、併せてお読みいただいた方がわかりやすいと思いますが、単体でも読めると思います。
    恋も愛も余談 私はこの街が嫌いだ。
     私が生まれ育ち、少女と呼ばれる時期を過ごした街。かつて漁港と温泉観光が盛んだった、今はただ潮と廃油のにおいだけがする、薄汚れた灰色の街。私の実家はよく言えば抒情的な、悪く言えば埃をかぶったような商店街の片隅で、代々続く小さなパン屋を営んでいた。このしみったれた街に嫌気が差して都会に飛び出してみたものの、理想と現実の差に夢破れ、一昨日に部長の机に辞表を叩きつけてこの街に舞い戻ってきたのが、ひとり娘のこのわたしというわけだ。
     家業としてのパン屋はすでに街に残った兄が継いでいるのだが、働かざる者食うべかざるというのが我が家の方針であり、実家に転がり込んだ翌日から店に立たされることになった。とはいえ、パン作りではなく店番のほうだ。厨房で父と兄が黙々とパン生地をこねている間、私は店先に焼き立てのパンを並べ、パンをひとつひとつ包んで笑顔とともにお客に手渡す。
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    tennin5sui

    DONEシトバスカウントダウンに書いたやつ。
    掲載いただいた日に夜空を眺めると、同じ月が出てるよっていう仕様でした
    半月と三日月の間くらいの夜 地下という言葉には、死後の世界、夜の国など、陰気な印象が伴われる。転じて、悪の秘密基地や後ろ暗いところのある研究所などが設置されていることも、映画などの創作物ではあったりする。単純明快なシナリオ展開が求められる筋書きならなおさら、こうした一般的な印象を裏切らずに、地下空間という恐怖を設定に盛り込む。
     わざわざ、地上何十階のビルの上層に秘密を設けるなら、それなりの理由がないとオーディエンスは納得しない。そう蜜柑は思う。例えば、表向きは善良な企業の顔をしながら、汚い金を稼ぐ秘密結社だとか、地域の権力者が実は裏社会と繋がりがあった、などの場合だ。

     だから、こんな小汚い集団がなんでビルの屋上なんかに陣取って研究をしているのだ、とつい理不尽な感想を持ってしまう。両手に食い込むワイヤーが、ガチャついた音を立てる。同じ音を立てて階段を駆け降りる檸檬の後頭部が、踊り場を回りこんで視界から外れる。蜜柑も続いてターンをする。左脚を軸に体を回転させるように動いたせいで、右手のケージが大きく外に振れて、中のコオロギが慌てたように、それでいて玉を転がすような羽音を立てる。ただし、一匹や二匹ではないコオロギが同時に鳴き始めたので、涼しげで爽やかな風情はなく、かなり雑然として聞こえてくる。
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