Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    リーガ

    すすき

    DOODLE魔法舎ブラカイ。
    最近めちゃくちゃ多忙なカインのことを賢者とブラッドリーが話してるだけ。

    「何かちょっとやばい気がするから、ブラッドリーちゃんあとよろしく!」
    「オズちゃんも気にしてたから早めにね!」
    どうぞ、と紙を差し出され、ブラッドリーは眉間に皺を寄せた。その表情に、あれと賢者が首を傾げる。
    「ブラッドリーが頼んだって聞いたんですけど…」
    「んなもん頼んでねえよ」
    ここ最近ブラッドリーが頼んだものと言えばフライドチキンぐらいなものである。それに賢者に何か頼むのならこんな回りくどいことはしない。必要ないと言い換えてもいい。
    つまり、賢者に嘘を吹き込んでこの紙を用意させた者がいる。
    「誰に言われた?」
    問いかければ、賢者も何かを察したのか途端に視線が泳ぎだす。その顔を見れば自ずと答えはわかる。案の定小さく呟かれた双子の名に、ため息を吐いた。
    「いいように遊ばれてんじゃねえぞ」
    「うう、すみません…」
    項垂れて小さくなった賢者の手から、紙を抜き取る。懲りずに双子に遊ばれた賢者に呆れはするが、それはそれとして何が書かれているかが気になった。あの二人がわざわざブラッドリーの名前を出してまで頼んだというのも引っかかる。
    1259

    銀鳩堂

    PROGRESSヤンクロ第2部第3話
    後にクロウリーが学園長となるカラスのディアヴァルの物語、美しき女王編の第三話です。
    今回は王とグリムヒルデ(後の美しき女王)の結婚式のシーンです。
    本文約1450文字+カラス豆知識約740文字のおまけ付き。今回の豆知識はカラスがお互いを確認する方法「コンタクトコール」についてです(資料リンクあり)。
    ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部三話「結婚式」 五月のよく晴れた朝、王城は晴ればれとした雰囲気に包まれていた。
     城のすべての尖塔に美しい三角旗がはためき、城門は春の花々を編み込んだ花綱で飾り立てられて開放されている。城門からは次々と来客が流れ込み、城はかつてない賑わいに沸き立っていた。
     今日は、この国の王が新たな王妃をめとる、その結婚の式典が催されるのだ。城の庭園は民草にも開放され、たくさんのご馳走と飲み物が振る舞われる。
     麗々しい式典のクライマックスは、正午の結婚の誓いだ。国の最も高位の聖職者がやってきて王と新たな王妃の誓いに立ち会い、この結婚に祝福を与えることになっている。
     その場には、もちろんディアヴァルも訪れていた。なにせ不吉とされてしまうカラスの身、あまりおおっぴらに姿を表すことはしなかったけれど、物陰から人々を観察し、ちらりとでもグリムヒルデの姿が見えないかと期待していたのだ。
    2210

    Daisy_mhyk

    DONE盗賊団時代のブラネロ
    …になる前の、二人が出会ったばかりの頃のお話。

    ブラッドリーがネロを拾うに至るまでと、
    ネロが人生で一番感激した時のお話です。
    絡んだ糸の、その先は 魔法使いの一生は長い。
     そう頭では理解していたものの、ああ、こういう事なのか、と納得出来たのは五十年ほど生きた頃だったか。

     北の厳しい大地では、人間は生きる事すら難しい。
     俺が生まれ育った、親父の庇護下にあった村の人間たちは、四十年も生きれば御の字という程儚い存在だった。
     子供はまず育たない。十人のうち、成人出来るのは片手にも満たない。それでも貴重な働き手であるから、どの家も大概子沢山だった。
     人間たちとは別の理由で、といっても家族の中で魔法使いなのは俺と親父だけだったが、俺は大家族の末子として生まれた。悪党一味の頭であり魔法使いの親父が、同じく魔法使いの息子を望んで大量に子種を撒いたのだ。
     ハズレを引いた兄弟達に囲まれ、アタリを引いた俺は明らかな別待遇と英才教育を受けた。けれど、手足となるべく育てられた兄弟達にとってそれは当たり前の事であり、妬むよりむしろ、俺に取り入ってでも生き延びようという腹積もりの奴が多かったように思う。
    6748

    みしま

    DONEリクエストまとめ⑦。Cp2077で死神節制ルート後。ケリーが「そうなると思ってた。Vはまったくしょうがねぇやつだよ」とジョニーを慰める話。
    ※エンディングに関するネタバレあり。なおスタッフロール中のホロコールを見る限りケリーは節制の結果を知らないようですがその辺は無視した内容となっています。
    アンコール インターカムも警備システムも素通りして“彼”が戸口に現れたとき、ケリーは思わずゾッとした。姿を見なくなってしばらく経つ。アラサカタワーの事件はテレビやスクリームシートで嫌というほど目にしてきた。だがその結末は? マスメディアの言うことなど当てにならない。噂では死んだともアングラでうまくやっているのだとも聞いた。けれど真相は誰も知らない。ならばとナイトシティ屈指の情報通、フィクサーでありジョニーの元カノ、ローグにもたずねてみた。返事は一言、「あいつは伝説になったんだ」。金なら出すと言ってはみたが、返されたのは立てた中指の絵文字だけだった。
     Vはいいやつだ。彼のおかげで――奇妙な形ではあったが――ジョニーと再会を果たすことができた。それに人として、ミュージシャンとして立ち直ることができた。もし彼がいなければもう一度、そして今度こそ自らの頭に銃弾をぶち込んでいただろう。大げさに言わずとも命を救われたのだ。だから生きていてほしいと願っていた。一方で、心のどこかでは諦めてもいたのだ。自分とて真面目に生きてきたとは言い難いが、重ねた年月は伊達ではない。起こらないことを奇跡と呼ぶのであって、人がどれほどあっけなく散ってしまうかも目の当たりにしてきた。Vの生き様はエッジー以外の何物でもない。もうそろそろ、読まれることのないメッセージを送るのも、留守番電話へ切り替わるとわかっていて呼び出し音を数えるのもやめにしようかと思っていた。だからその姿を目にしたとき、とうとう耄碌したかと落胆すらしかけた。
    3482

    不知火 螢。

    DONE以前、魔道祖師オンライン交流会5の展示作品の続きが一つ完成しました。
    謎時空の現パロで、藍曦臣がパティシエ、江澄が社畜してます。
    これから曦澄になる予定です。
    彼らがくっつくまでを書いていければと思っています。
    たくさん書けたらまとめてpixivでまとめます。
    作者がゼリーが好きなので、なんだか時間がかかってしまいましたが、楽しんでいただければ嬉しいです。
    めぐる綺羅箱*ゼリーの煌き
    忙しかった仕事も繁忙期が終わったことで落ち着いてきた。
    家に帰って冷蔵庫を開けたら、水と10秒チャージ系のゼリーしか入っていないことに気がつき、食べるものを調達しなければ何もできないことに気がついた。
    家の近くのスーパーに久しぶりに入った。
    なんとも言えないスーパーの寒さと、数の少なくなった野菜たち。
    ちらほらといる独り身であろう人。
    すぐに食べれるものをさがして惣菜コーナーに向かう。

    「あーーー。なんか肉。あと、酒買って行くか」
    ふらふらと歩いていたら、見覚えのある姿が見えた気がした。
    夜遅くだし、あの人ではないだろう。
    そう思って、酒を買いに行く。
    ジャックダニエルを手に取りつまみを探しに行く。
    途中、ゼリーが売っている場所を通った。
    4171

    コノツキナナセ

    DONEウェズンとアダーラのシリーズ2話目『揺るぎなき力』
    ……だけど今回はアダーラは出てきません。
    主人公とウェズンが出会う話。かなり捏造な話。
    時間軸でいうとリベリオン森林とセレーネ杜の間あたり。
    ストーリーが完全にうろ覚えだから間違ってたら目をつぶってください。
    2.揺るぎなき力 たまたま今日はみんなが忙しい日だった。サルガスもアルゴルもプロキオンも、みんなそれぞれやることがあるらしい。最近ずっと忙しかったし、たまにはそんな日があってもいいかな、なんて思っていた。
     あの日からメイサさんの姿をあまり見かけない。見かけても視線すら合わせてもらえない日々が続いていた。――リゲルさんにあんなことがあったあとだから無理もないけれど……。
     なんとなくボクはミッドガルドのなかを歩いていた。時間を潰す術が他に見当たらなかったからだ。部屋に籠っていても苦しいだけだし、それなら散歩していた方がマシだ。
     でも外は外でやっぱり良い気はしない。ボクを見てヒソヒソと話をする人々が視界の端に映る。でもボクは見て見ぬふりをするしかない。関わったって良いことは起こらないし、ボクにはボクを理解してくれる人がいるから。あの赤いアームを振り回して嬉々として笑うサルガスが脳裏に浮かんで、少し心が軽くなった。
    2404