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    五条

    kyosukekisaragi

    DONE今をときめくアイドル虎杖はデビュー三年目。しかし、今年に入って三度目のスキャンダルをスクープされてしまった。マネージャーの伏黒は、事務所の社長五条に責任をとって虎杖の担当を降りるように告げられて……。

    ワンライのお題から伏黒くん視点を『アイドル』、虎杖くん視点を『勘違い』でお借りしました! ワンライの開催いつもありがとうございます。
    Last scoop【SIDE: F】

    「悠仁ー、やってくれたね。決まってた朝ドラ、降板の連絡早速来たよ」
     五条芸能事務所の社長室にて。
     この部屋の主である五条が開口一番放った一言は、執務机を挟んで向かいに佇む伏黒の顔を青褪めさせるのには、十分過ぎるほどだった。
     五条が執務机の上にスポーツ新聞やら芸能新聞やらを並べて行く。どの新聞にも一面に『虎杖悠仁、グラビアアイドルとホテルで過ごす熱い夜』『虎杖悠仁、今年三人目の彼女は駆け出しのグラビアアイドル』『あの虎杖悠仁もゾッコンにさせたナイスバディのグラビアアイドルとは』等という似たような見出しが踊っている。伏黒が今朝から何度も目にした文言の数々だった。
     伏黒はこの事務所に勤めるマネージャーである。担当は、今隣に立っている虎杖。同い年のアイドルだ。甘いハニーフェイスに、体脂肪率一桁台の肉体美とオリンピック選手にも劣らぬ運動神経、人懐こさとバラエティ番組でも際立つトーク力を持つ、事務所の期待の新星。但し、渦中の人となっている訳だが。しかも、上半期だけで三回目。
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    2k000ng

    DONE呪霊退治したり、呪力譲渡したりするお話。五条にとっての乙骨とは。
    ※付き合ってはいないので、五乙未満みたいな感じです。
    切り札は手の中に 内気なタイプであることは自覚していた。否、里香を失う前までは至って普通の、活発な子供だったと思う。肺炎をこじらせて入院したこともあるけれど、外で遊ぶのが大好きな男の子。病院であの子と出会ったのは、運命だったのかもしれない。なんて、あの時は考えもしていなかったが。一緒に居られるのが楽しくて、嬉しくて、こんな日々がずっと続くと思っていた。
     突如として襲った受け入れ難い現実が、自然と心を閉ざすきっかけとなってしまったのかもしれない。学校と言う小さな社会にすら馴染めず、周りと壁を作ったのは己の意思。幼い乙骨が背負ったのは、手に余る強大な力だ。
     激しく雨粒が窓を叩く音と、教室内に漂う鉄錆のニオイ。気弱だった自分は、嗜虐性を持つ人間にとって恰好の的だったのだろう。恍惚とした表情を浮かべながら詰め寄られ、恐怖を抱いたが最後。乙骨の制止も空しく、同級生を掴んだのは人ならざる手。下劣な笑い声は途絶え、悲鳴が掻き消されていく。そこからの記憶は曖昧で、ただただ壊れた機械のように謝っていた気がする。
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